全スキル自動攻撃【オートスキル】で無双 ~自動狩りで楽々レベルアップ~

桜井正宗

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第13話 トラップスキル - 全てを溶かし尽くす -

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 タイラントオークを撃破した次には『キングレッドゴブリン』が現れた!

 かなりの数の『レッドゴブリン』を取り巻きにしているところ、ボスモンスターで間違いなさそうだ。ていうか、あの全長5メートル以上はありそうな巨体は中々に迫力がある。


「よ、よ~し、新しいスキルを試してみるか」


 俺は【オートスキル】に予めセットしておいた、新スキル『ラヴァトラップ』を発動。しかし、これは発動しただけじゃ、まだ効果は発現しない。


 どうやらこれは【設置型スキル】のようで、地面に設置しなければ発動しないタイプのようだ。面倒だが、一度置いてしまえば、30分ほどは発動したままみたいだ。もちろん、スキルレベルを上げていけば持続時間も1~24時間以上も可能っぽい。


 今回は、スキルレベルが『1』しかないので『持続時間30分』というワケだ。今なら、それでも充分すぎるな。

 あと、問題は設置方法だ。
 『ラヴァトラップ』を一個一個設置していては、効率が悪いし、その前にモンスター共に襲われてお陀仏ダブツだ。


 そんな時こその【運搬スキル】の出番だ!


 『ラヴァトラップ』を【運搬スキルLv.3】でミニサイズに圧縮、それをいくつもいくつも生成して、とりあえず、即席で30個くらい作った。


「――で、ばらく!!」


 鬼は外、福は内の要領でポイッとまとめて『ラヴァトラップ』を散布、設置した。

 『ラヴァトラップ』のみ・・のサイズを解除して――


 地面に【熔岩ラヴァ】が広がった。


「よし! これで!」


 ちょうど、スレスレのところで『レッドゴブリン』の群れが押し寄せていた。ヤツらは地面に設置されたトラップに次々に落ちていく。そんな地獄の熔岩に落ちれば、レッドゴブリンは骨も残らず一瞬で蒸発してしまった。


「おし! 狙い通り!」
「やるわね、サトル!」


 このスキルの組み合わせには、さすがのメサイアも驚いていた。ふふ……おっさんをめるなよ。お前の倍は生きてんだぜ。これくらいの知恵は働くってもんだ。

「ハハハハ! もっとめていいぞ、メサイア。……さあ、モンスター共、どんどん熔岩に落ちていきやが……れぇ?」


 取り巻きの『レッドゴブリン』はトラップで倒せたものの、『キングレッドゴブリン』は巨体。『ラヴァトラップ』をあっさりまたぎ……安全地帯こっちへ来やがった。


 サイズが小さすぎたか……!

 くっ! 安全地帯こっちに来たからには【オートスキル】で!


「ええい、こうなったら『煉獄れんごくⅡ』で……ぐほぉおぉぉぉぉぉぉおッ!!」


 キングレッドゴブリンの大きな握り拳が飛んできた。俺はそれをモロに食らい、数十メートルは吹っ飛ばされる。


 ゴロゴロ転がって地面に叩きつけらそうになったところを、体が勝手にピタッと停止した。


「……お?」
「サトルさん!」


 遠くにいるリースが叫んでいた。
 助けられたらしい。


 ……が、大ダメージを受けてしまった。HPがイエローゾーンだぜ……。
 

 くそう……あのボス、あんな巨体なのになんて速さだ。動きが素早いぞ……。それに、あのパンチは効いた。あんなもんをもう1回食らったら、さすがに死ぬな。


 ああ……こりゃ万事休すだな、と、やや弱気になる俺。


 が、いきなり体が軽くなる。
 いや、むしろダメージがえていくじゃないか!


「こ、これは……ヒール! フォルか!」

「兄様、回復はお任せくださいですよ! だから、諦めないで下さいね! あと、これはおまけですよ~! 『エンジェルラダー』!」


 フォルから【支援スキル】が飛んできた。
 神々しい光が俺を包むと――!


「うお……うぉぉぉおおぉッ!!」


 俺の肉体が……
 腕、足、胸など至る筋肉がモリモリとはずんだ。ついでに腹筋も割れた! 服も破れた!


 って、フォルのヤツ……これ『マッスルスキル』じゃないか!?


 こんなんでどう戦えと……!?
 いや、だいぶ強さそうだけども!!


「あ、兄様…………かっこいい。モリモリの筋肉が美しいです……じゅるり」

「こんなんでめられても、ちっとも嬉しくねーよ!? つーか、なんでそんなヨダレらして見てんだ、怖いぞ!」


 この聖女、ちょっと……
 いや、だいぶおかしい事に最近気づいた。


「おい、メサイア。お前の補助スキル【オルクス】もかけてくれよ……ん?」


 いない。
 メサイアのヤツ、いつの間にかいなかった。


「メサイアさんなら、小屋のところですぅ~」


 慌ただしく指さすリース。
 その方向を見ると、小屋の屋根には確かにメサイアの姿が。寝っ転がってるし。あ~…ありゃ、もうやる気完全にないな。こんなクソ忙しい時に!


「オーケー。メサイアは放っておく。……とと、あぶねえ!」


 【オートスキル】の『ヒドゥンクレバス』が発動し、キングレッドゴブリンの放った火属性魔法を防いだ――だけじゃない。


 今、筋肉モリモリマッチョマンの俺なら、ヤツを仕留められる……そんな気がしていた。いや、いけるぞ。今敵の出した火すらスローモーションに見えるほどだ。


 遅い! 遅く見える!
 よし、試しに、動いてみるか!


「ふんっ」


 火を殴った。
 殴れてしまった……一体全体どういう事なのか俺にも分からんが、とにかく殴れたのだ。

 よし、今度は『ラヴァトラップ』を……ビッグサイズで……。


 しまった。サイズは変えられない。スキルレベルが低すぎて! 取ろうにもポイントが足りない!


「しまった……!」
「諦めないで、サトル!」

「メサイア! 小屋の屋根で叫ばれても説得力ねーぞ!」

「いいから『ラヴァトラップ』をアイツの足元に設置して!」

「キングレッドゴブリンの足元に? だけど、サイズが小さすぎて落とせないぞ!」
「いいから!」


 いいから――と、そんな必死に言われたら信じてやるしかないだろ。俺は強化された肉体を活かし、駆け抜けた。ヤツに接近し、トラップを敵の足元に設置。それから素早く撤退した。


 やっぱり、サイズは合っていないので落とせない。こりゃ失敗か……。


 そう思った時だった。


 『ラヴァトラップ』がいきなり拡張・・された!!


 ぐ~~~~~~~~~~ん!!


 ――と、大きくなり、その一帯が【熔岩ラヴァ】に!!そこに落ちていくキングレッドゴブリン。ドロドロの熔岩に溶かされていく。


 そうしてること15分弱。



 【Good Jobグッジョブ!!】
 【Congratuコングラチュlationsレーションズ!!】



 モンスターは消滅した。


「っしゃぁぁぁあああ!! 倒したぞ!!」
「やったわね、サトル」


 いつの間にか俺の隣にメサイアが。


「なんだ、メサイア。やる気ないかと思ったら、俺を助けてくれたんだな」
「そ。助けてあげたのよ~。ふと、あのトラップ眺めていたら、私の【建築スキル】で拡張できるんじゃないかって思ったの。見事成功だったわ。さすが私ね、えっへん」


 メサイアは、そこそこある胸を張った。
 いやだがしかし、実際助かった。素直に感謝したい。おかげでレベルも上がったし!


 【Lv.107】 → 【Lv.119】


 なんかアイテムもいくつかドロップしていた。
 確認作業は後にして、回収グリードっと。


「ご無事ですか、サトルさん」
「ケガないです? 兄様」

 リース、フォルも心配しに来てくれた。

「ああ、ふたりのおかげで助かったよ。支援してくれてありがとな」


「…………」
「…………」


 何故かふたりとも顔を赤くして固まっていた。


「サトル。あんたその優しい笑顔と声のトーンはズルいわ」


 そうメサイアは腕と足を組み、ソワソワしていた。


 えぇ?
 俺、普通にお礼を言っただけなんだけどなぁ?
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