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第4話 建築スキル - 壊れたのなら直せばいいのよ -
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半壊した小屋は修復された。
なんと、女神が【建築スキル】をマスターしていたのだ!! 意外と便利なヤツだった。
「なんだそりゃ。女神が【建築スキル】カンストしているとか意味分からんわ」
「だって~…、私って、それしか取り柄ないんだもの……」
「いや、おかげで小屋が新品のようなレベルで綺麗に修復されたけども! 凄いな、お前。ここは素直に誉めてやるよ」
「えへ、それほどでも~。予備の『建築材料』が少し余っていたからね。おかげで御覧の通り、元通りに修復できたわ。まあ、だからね、今後小屋がぶっ壊れても直してあげるから、安心なさい!」
えっへんと、女神は胸を張った。
あんまりないな。
「そうか。じゃあ、そのスキルでベッドも作ってくれよ」
「いやよ面倒くさい」
「……おまっ」
ていうか、そうだ。
「おーい、リース。小屋の掃除は終わったか~?」
「はい~。メサイアさんが小屋を修理されたので、それほど残骸は残って無かったのですけど、小さなホコリやら目立ちましたので、今徹底的に清掃中ですぅ~」
転がってきたエルフ……
リースは超絶綺麗好きだった。
今は、ちょっとだけ小汚かったこの小屋を隅々まで丁寧に掃除してくれている。おかげで、ピカピカになりつつある。ありがてぇ。
「にしても、ここまで綺麗になるとはな。こっちの棚とか……おお、トイレもピカピカじゃん。なあ、メサイア。リースの【掃除スキル】は使えそうだぞ」
「Zzz~…」
女神は寝ていた。
破損したところの修理で疲れたらしい。
寝るのはえーよ。
高燃費かお前は。
「まあいい……。で、リースは何でこの小屋に転がってきたんだ?」
「はい……。その、あまりにヒキコモリすぎて……エルフの郷【アヴァロン】を追い出されてしまいましたぁ……。それで、あてもなく彷徨っていると、この小屋が引きこもるのに丁度良さそうだったんです。でも、突然、沢山のイノシシのモンスターに追いかけられて……それで」
それでどうやら、まともに攻撃を受けてしまったようで――あぁ、後の光景はもう目に浮かぶな。簡単にイメージ出来る。
ぴゅ~~~ん、どーーーーーん。
と、そんな感じでウチに転がって来たようだ。
「そうか……災難だったな。でも、引きこもる気持ちは分かるよ。いろいろだるいもんなぁ、人生とか」
「そうなんです! 家でゴロゴロしている方が楽しいですよ~」
「ほお、それには同意見だよ、リース」
「ですよね! もう何も考えたくないです。適当にダラダラ過ごしたいですぅ~」
でも、掃除の手は止めないリース。
掃除をしているリースの顔はどこか幸せそうだな。なんて、そんなリースの作業を眺めていれば――
「おはよー!」
「もう起きたのか、メサイア。俺のベッド作ってくれよ」
「またそれ~? いい加減しつこい。ただでさえ狭い小屋なんだから、ベッドなんてひとつで充分よ。それよりキッチンでしょ。お腹空いた!」
そういえば、なにも食っていないな。
外に落ちてるイノシシでも食うか?
「そうだ、イノシシの肉を食べましょ!」
俺の考えていたことを口に出すメサイア。
ま、それしかないな。
「で、誰が外に出る?」
「そりゃ、あんたでしょ。サトル」
「ですよねー」
めんどくせえ。
めんどくせえが、人間、腹は減るのだ。
腹が減れば、さすがに行動には移らねばならない。肉を取りに行こう。
なんと、女神が【建築スキル】をマスターしていたのだ!! 意外と便利なヤツだった。
「なんだそりゃ。女神が【建築スキル】カンストしているとか意味分からんわ」
「だって~…、私って、それしか取り柄ないんだもの……」
「いや、おかげで小屋が新品のようなレベルで綺麗に修復されたけども! 凄いな、お前。ここは素直に誉めてやるよ」
「えへ、それほどでも~。予備の『建築材料』が少し余っていたからね。おかげで御覧の通り、元通りに修復できたわ。まあ、だからね、今後小屋がぶっ壊れても直してあげるから、安心なさい!」
えっへんと、女神は胸を張った。
あんまりないな。
「そうか。じゃあ、そのスキルでベッドも作ってくれよ」
「いやよ面倒くさい」
「……おまっ」
ていうか、そうだ。
「おーい、リース。小屋の掃除は終わったか~?」
「はい~。メサイアさんが小屋を修理されたので、それほど残骸は残って無かったのですけど、小さなホコリやら目立ちましたので、今徹底的に清掃中ですぅ~」
転がってきたエルフ……
リースは超絶綺麗好きだった。
今は、ちょっとだけ小汚かったこの小屋を隅々まで丁寧に掃除してくれている。おかげで、ピカピカになりつつある。ありがてぇ。
「にしても、ここまで綺麗になるとはな。こっちの棚とか……おお、トイレもピカピカじゃん。なあ、メサイア。リースの【掃除スキル】は使えそうだぞ」
「Zzz~…」
女神は寝ていた。
破損したところの修理で疲れたらしい。
寝るのはえーよ。
高燃費かお前は。
「まあいい……。で、リースは何でこの小屋に転がってきたんだ?」
「はい……。その、あまりにヒキコモリすぎて……エルフの郷【アヴァロン】を追い出されてしまいましたぁ……。それで、あてもなく彷徨っていると、この小屋が引きこもるのに丁度良さそうだったんです。でも、突然、沢山のイノシシのモンスターに追いかけられて……それで」
それでどうやら、まともに攻撃を受けてしまったようで――あぁ、後の光景はもう目に浮かぶな。簡単にイメージ出来る。
ぴゅ~~~ん、どーーーーーん。
と、そんな感じでウチに転がって来たようだ。
「そうか……災難だったな。でも、引きこもる気持ちは分かるよ。いろいろだるいもんなぁ、人生とか」
「そうなんです! 家でゴロゴロしている方が楽しいですよ~」
「ほお、それには同意見だよ、リース」
「ですよね! もう何も考えたくないです。適当にダラダラ過ごしたいですぅ~」
でも、掃除の手は止めないリース。
掃除をしているリースの顔はどこか幸せそうだな。なんて、そんなリースの作業を眺めていれば――
「おはよー!」
「もう起きたのか、メサイア。俺のベッド作ってくれよ」
「またそれ~? いい加減しつこい。ただでさえ狭い小屋なんだから、ベッドなんてひとつで充分よ。それよりキッチンでしょ。お腹空いた!」
そういえば、なにも食っていないな。
外に落ちてるイノシシでも食うか?
「そうだ、イノシシの肉を食べましょ!」
俺の考えていたことを口に出すメサイア。
ま、それしかないな。
「で、誰が外に出る?」
「そりゃ、あんたでしょ。サトル」
「ですよねー」
めんどくせえ。
めんどくせえが、人間、腹は減るのだ。
腹が減れば、さすがに行動には移らねばならない。肉を取りに行こう。
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