全スキル自動攻撃【オートスキル】で無双 ~自動狩りで楽々レベルアップ~

桜井正宗

文字の大きさ
上 下
1 / 476

第1話 転生の書 - 女神らしき少女と出会った -

しおりを挟む
 ねむい。だるい。動きたくない。
 なにもやる気が起きない。


 つい最近、三十九歳になったおっさん――
 【彼岸花ひがんばな さとる】こと俺は、な~~~にもしたくなかった。何事も面倒で、とにかくやる気が出ないのだ。


 でも、ゲームだけは大好きで、
 オンラインゲームにハマっていた。没頭ぼっとうしていた。


 中でも最近話題の【サクリファイスオンライン】はドハマリしていた。熱中するあまり、飲まず食わずで朝までプレイしていた。


 で、また起きたらプレイ。


 なんて事を繰り返し、ふと【倉庫】に見た事もないアイテムが入れられていた。


「なんだ~コレ? 誰かが勝手に送り付けたのか~」


 このゲーム、プレゼント機能を利用して【倉庫】にアイテムを送り付けられる機能があった。それを悪用するプレイヤーも後を絶たないが、俺もやられたらしい。まったく、面倒なことをしてくれる。


 それを【倉庫】から取り出し、一応、中身が気になったのでアイテム鑑定も行い、捨てようとした時だった。


「……? 【転生の書】? こんなアイテム実装されていたっけ」


 聞いたことのないアイテムだった。
 しかも説明欄にはなにも記載されていない、不気味な感じ。未実装のバグアイテムだろうか? だとしたら、エラーを吐く前に捨てておこうと思ったら。



「あっ、使用しちまった!!」



 ポチッ……と、その意味不明なアイテムを展開してしまっていた。――すると、なぜか画面から光がリアルに飛び出してきた……!


 うそでしょ?


 ◆


 光に包まれると、天国のような場所に投げ出されていた。
 どこかで見覚えのあるような『空中庭園』。
 虹が掛かっており、花が辺り一面に。白い鳥たちも羽ばたいている。


 そんな【楽園】だった。


 なんだっけ、ここ……?
 面倒だから名称も覚えてないや。



「って、なんじゃここ!!」



 俺はいつの間にこんな神秘的な場所に移動したんだ。さっきまでゲームしていたはずなのに。


 そんな絶景の場所に、ひとりポツンと少女がいた。綺麗な少女ヒトだなぁ。まだ後ろ姿だけど。でも、あのほっそりとしたボディライン。腰まで伸びる黒髪ロングは、美しい。あれだけで胸がトキめいてしまう。


「ようこそ、選ばれし者。あなたにひとつだけ素敵なスキルを差し上げますよ。さあ、なにがいいですか?」


「いや……そんな背を向けられて……言われてもね? え? スキル?」


「そ、そうでしたっ! ごめんなさい!」


 クルッと、そいつはこちらを向いた。


 マジか……。


 むちゃくちゃ可愛い。この楽園のように美しく、花のように可愛い。でも、なんで……黒いワンピース姿なのだろうか。そこは普通、白じゃ。ていうか、あの手に持ってる【黒い魔導書】も何だろう!? なんだか不穏ダークな感じがしないでもない。


 にしても、スキル……。
 スキルねぇ?


 くれるんなら貰っておこう。
 えーっと、じゃあ~……。


「おススメをくれ」


「お、おススメですか? 普通の方は、一撃必殺のキラースキルだったり……中にはお金を無限に出せるスキルなどを手にされてる方もいましたね。ですが……そうですね、あなたはまともに戦うタイプではなさそうなので――」



 おい、サラッと失礼だぞコイツ!



「では、疲れている顔のあなたには【オートスキル】はいかがでしょうか!」
「おまえな。この顔は生まれつきだ。……ん、【オートスキル】だって? なんだその便利そうな、いや確実に便利で、楽で、最強そうなスキル! いいな、それでいい! そいつをくれ!」


「分かりました。それでは、【彼岸花ひがんばな さとる】さん。あなたとの契約は完了しました。あなたは今後【オートスキル】を遺憾いかんなく発揮下さい」


「あんた、どうして俺の名を!」
「……ふふっ。それは秘密です。またいつか会いましょう。それでは」



 俺は、謎の光に包まれた。
 うわっ、なんだこの光!!



「まて、まってくれよ、あんた! すまんが、急にやる気が出なくなった! やっぱり帰る!」
「ちょ……、えぇ!? そんなこと急に言われましても。というか、服を掴まないでくださいよ~! あ……転移が!!」



 ぎゅぅ~~~~~~~~~ん、と、


 なにやら光が増大していた。


 アレ。これマジなヤツ?



「う、うあぁぁぁぁああああ~~~~~~~~~~~~~~~!!」


 ………………
 ………………
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

(完結)魔王討伐後にパーティー追放されたFランク魔法剣士は、超レア能力【全スキル】を覚えてゲスすぎる勇者達をザマアしつつ世界を救います

しまうま弁当
ファンタジー
魔王討伐直後にクリードは勇者ライオスからパーティーから出て行けといわれるのだった。クリードはパーティー内ではつねにFランクと呼ばれ戦闘にも参加させてもらえず場美雑言は当たり前でクリードはもう勇者パーティーから出て行きたいと常々考えていたので、いい機会だと思って出て行く事にした。だがラストダンジョンから脱出に必要なリアーの羽はライオス達は分けてくれなかったので、仕方なく一階層づつ上っていく事を決めたのだった。だがなぜか後ろから勇者パーティー内で唯一のヒロインであるミリーが追いかけてきて一緒に脱出しようと言ってくれたのだった。切羽詰まっていると感じたクリードはミリーと一緒に脱出を図ろうとするが、後ろから追いかけてきたメンバーに石にされてしまったのだった。

最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~

ある中管理職
ファンタジー
 勤続10年目10度目のレベルアップ。  人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。  すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。  なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。  チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。  探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。  万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

無限初回ログインボーナスを貰い続けて三年 ~辺境伯となり辺境領地生活~

桜井正宗
ファンタジー
 元恋人に騙され、捨てられたケイオス帝国出身の少年・アビスは絶望していた。資産を奪われ、何もかも失ったからだ。  仕方なく、冒険者を志すが道半ばで死にかける。そこで大聖女のローザと出会う。幼少の頃、彼女から『無限初回ログインボーナス』を授かっていた事実が発覚。アビスは、三年間もの間に多くのログインボーナスを受け取っていた。今まで気づかず生活を送っていたのだ。  気づけばSSS級の武具アイテムであふれかえっていた。最強となったアビスは、アイテムの受け取りを拒絶――!?

錬金術師が不遇なのってお前らだけの常識じゃん。

いいたか
ファンタジー
小説家になろうにて130万PVを達成! この世界『アレスディア』には天職と呼ばれる物がある。 戦闘に秀でていて他を寄せ付けない程の力を持つ剣士や戦士などの戦闘系の天職や、鑑定士や聖女など様々な助けを担ってくれる補助系の天職、様々な天職の中にはこの『アストレア王国』をはじめ、いくつもの国では不遇とされ虐げられてきた鍛冶師や錬金術師などと言った生産系天職がある。 これは、そんな『アストレア王国』で不遇な天職を賜ってしまった違う世界『地球』の前世の記憶を蘇らせてしまった一人の少年の物語である。 彼の行く先は天国か?それとも...? 誤字報告は訂正後削除させていただきます。ありがとうございます。 小説家になろう、カクヨム、アルファポリスで連載中! 現在アルファポリス版は5話まで改稿中です。

S級パーティを追放された無能扱いの魔法戦士は気ままにギルド職員としてスローライフを送る

神谷ミコト
ファンタジー
【祝!4/6HOTランキング2位獲得】 元貴族の魔法剣士カイン=ポーンは、「誰よりも強くなる。」その決意から最上階と言われる100Fを目指していた。 ついにパーティ「イグニスの槍」は全人未達の90階に迫ろうとしていたが、 理不尽なパーティ追放を機に、思いがけずギルドの職員としての生活を送ることに。 今までのS級パーティとして牽引していた経験を活かし、ギルド業務。ダンジョン攻略。新人育成。そして、学園の臨時講師までそつなくこなす。 様々な経験を糧にカインはどう成長するのか。彼にとっての最強とはなんなのか。 カインが無自覚にモテながら冒険者ギルド職員としてスローライフを送るである。 ハーレム要素多め。 ※隔日更新予定です。10話前後での完結予定で構成していましたが、多くの方に見られているため10話以降も製作中です。 よければ、良いね。評価、コメントお願いします。励みになりますorz 他メディアでも掲載中。他サイトにて開始一週間でジャンル別ランキング15位。HOTランキング4位達成。応援ありがとうございます。 たくさんの誤字脱字報告ありがとうございます。すべて適応させていただきます。 物語を楽しむ邪魔をしてしまい申し訳ないですorz 今後とも応援よろしくお願い致します。

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します

ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!! カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる

遠野紫
ファンタジー
「な、なんでだよ……今まで一緒に頑張って来たろ……?」 「頑張って来たのは俺たちだよ……お前はお荷物だ。サザン、お前にはパーティから抜けてもらう」 S級冒険者パーティのエンチャンターであるサザンは或る時、パーティリーダーから追放を言い渡されてしまう。 村の仲良し四人で結成したパーティだったが、サザンだけはなぜか実力が伸びなかったのだ。他のメンバーに追いつくために日々努力を重ねたサザンだったが結局報われることは無く追放されてしまった。 しかしサザンはレアスキル『大器晩成』を持っていたため、ある時突然その強さが解放されたのだった。 とてつもない成長率を手にしたサザンの最強エンチャンターへの道が今始まる。

処理中です...