彼女の声はまだ届かない

ネコさん

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リーダー的存在

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私はよくある男の子と喧嘩していた。

相手が突っかかってきて私もその挑発に乗ってしまう。

私もまだまだ子供だった。
まあ、子供なのだがな。

ある日、すみちゃんとりんちゃんを探しているとなっちゃんとその男の子、宮っちが何か話していた。

「どうしたの?」

「さやちゃん!あのね宮っちが廊下走ってたから注意してるの」

注意?こんなにたくさんで一人を?

私は宮っちの方へ視線をやると目があった。

何か言いたそうに目線をやっている。

「宮っち、どうして走ってたの?」

「実は、何故か陸くんから追いかけられてて・・・」

陸くんはおなじクラスのヤンチャな男の子だ。

よく双子の弟と喧嘩している。

まあそんな子に追いかけられたら怖いよね・・・

「なっちゃん。怒った方がいいのは陸くんの方みたいだよ。」

私はなっちゃんの方を見てニコッと笑った。

「宮っちはこれからは走らないようにしてね。追いかけられたら何?って止まって聞き返してみて。相手は逃げるから追いかけたくなるんだよ。もしまだ追いかけてくるんだったら先生に相談して、いい?」

「う、うん!ありがとう!」

そう言って宮っちは外に遊びにいった。

「なっちゃんも誰かを注意するときはひとりで注意した方がいいよ。勘違いさせちゃうかもしれないからね。」


その後、なっちゃんは陸を探していってしまった。

なっちゃんは正義感が人一倍強い。

だから誰かを注意するときは怒っていると相手を勘違いさせてしまう場合が多い。

けれどなっちゃんは人の気持ちをその人の身になって考えれるので、そこに悪気は全く無いのだろう。

彼女は確かにリーダーの素質があると思う。

けれど、自分が見たものばかりに気をとられてると後ろのものが見えなくなってしまう。

そこがなっちゃんの欠点だ。

私はまたすみちゃんとりんちゃんを探し始めた。
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