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19、本当の親
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「母さんね麻也の本当の母さんじゃないんだ」
本当であればこの事は麻也が中学に入ってから言うつもりだった。
「麻也はね私の姉さんの子供なんだ」
十二年前
私は姉さんの病院へ旦那と共に行った。
姉さんの子供が生まれたという知らせを受けたからだ。
姉さんの子供は男女の双子。
まだ生まれて一日しか経っていなかったのでまだまだ顔が真っ赤だった。
本当にかわいかった。
私たちの親、つまりこの子達にとってのおばあちゃんおじいちゃんはいない。
だから私は何でもくれる祖父母的ポジションの叔母になると決めた。
そう言うと姉さんは笑った。
赤ちゃんの名前も聞いた。
お兄ちゃんの方は静夜(せいや)
妹の方が麻也
静夜は旦那さんが、麻也は姉さんが名付けたらしい。
とてもいとおしい。
本当に穏やかな時間が流れていた。
だがその楽しい世界は一瞬で壊れた。
急にすごい地鳴りがした。
天地がひっくり返ったと思ってしまうような激しい揺れが起こった。
私が混乱していると麻也を抱いていた姉さんが急に麻也を私に抱かせて私を押した。
わたしは麻也を守るように倒れた。
姉さんたちの方を見ると、姉さんの下半身には天井のコンクリートが崩れ落ちてきていた。
私は直ぐに姉さんを助けようとしたけど
「麻也を連れて早く逃げて!お願い!麻也の事をお願い!!!」
姉さんはそういいながら泣いていた。
私には姉さんに言われた通りまやを抱きながら早く外に出るしか出来ることはなかった。
私は語り終えると二階の物置からあるものを取り出した。
「これはね姉さんが貴方達にって」
本当であればこの事は麻也が中学に入ってから言うつもりだった。
「麻也はね私の姉さんの子供なんだ」
十二年前
私は姉さんの病院へ旦那と共に行った。
姉さんの子供が生まれたという知らせを受けたからだ。
姉さんの子供は男女の双子。
まだ生まれて一日しか経っていなかったのでまだまだ顔が真っ赤だった。
本当にかわいかった。
私たちの親、つまりこの子達にとってのおばあちゃんおじいちゃんはいない。
だから私は何でもくれる祖父母的ポジションの叔母になると決めた。
そう言うと姉さんは笑った。
赤ちゃんの名前も聞いた。
お兄ちゃんの方は静夜(せいや)
妹の方が麻也
静夜は旦那さんが、麻也は姉さんが名付けたらしい。
とてもいとおしい。
本当に穏やかな時間が流れていた。
だがその楽しい世界は一瞬で壊れた。
急にすごい地鳴りがした。
天地がひっくり返ったと思ってしまうような激しい揺れが起こった。
私が混乱していると麻也を抱いていた姉さんが急に麻也を私に抱かせて私を押した。
わたしは麻也を守るように倒れた。
姉さんたちの方を見ると、姉さんの下半身には天井のコンクリートが崩れ落ちてきていた。
私は直ぐに姉さんを助けようとしたけど
「麻也を連れて早く逃げて!お願い!麻也の事をお願い!!!」
姉さんはそういいながら泣いていた。
私には姉さんに言われた通りまやを抱きながら早く外に出るしか出来ることはなかった。
私は語り終えると二階の物置からあるものを取り出した。
「これはね姉さんが貴方達にって」
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