絶対的フィナーレ

ネコさん

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16、保健室

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「・・・聞きましょう。ここに座ってください。」

私は言われた通りに座り、話を始めた。



「私はずっと体に違和感を感じていました。それでこの土日に病院へ行きました。診断の結果・・
私は・・難病と言われる・・・小児がんを・・患っているということが・・分かりました。」

私は自分の声が震えていることには気付いていなかった。


「・・・・・」


「助かる可能性は低いとのことで私としては手術はしないと決意しました。ですが母は手術させたいようで意見が対立してしまったんです。
病気の発覚とケンカしたのが昨日だったので今日の体育にはいつも通り参加したんです」



「最近は体育なかったんですか」

「はい、天気や使用割りなど色々重なりまして・・で、久しぶりに体を動かしていると急に体に力が入らなくなって・・」


「もう話さなくて構いませんよ。そんなに貴方が無理をしてまで聞きたいことではありません」


「え?私無理なんてしてませんけど「してます。ほら涙出てるじゃないですか」


飯田先生はティッシュを二、三枚くれた。
目元を触れてみるとそこには生暖かい水が溜まっている。
無理・・してたのかな・・・

確かに病気のことを考えると泣きそうになる。
けど今回は本当に無自覚だ。
人前では話すべきではないな・・ああ、涙止まらない・・

私は六時間目はそのまま保健室で過ごした。


泣いて赤くなってしまった目も冷やしておいたので泣いていたことはばれてないと思う。

「麻也さん。選択肢としては病気の発作に備えて保健室で勉強をすることも可能ですよ。どうしますか」

保健室で勉強・・

私の場合はまだそれらしき発作は出てないし、それに・・


「ありがとうございます。でも大丈夫です。私はいつもと変わらない生活がしたいので」

まあ病気が発覚した時点で普通ではないんだけど、できる限り・・
誰かに負担をかけるようになるまでは・・このままが・・

キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン

これはたぶん六時間目の終わりのチャイムかな・・ってことは早く教室に戻らなきゃ!

・・うん!手も足も力が入る!休憩終了!!


「飯田先生ありがとうございました。もう大丈夫です!」
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