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小屋での情事

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「私に刻まれた、呪い……快楽に、逆らえなくなる……」

 話には聞いた事があった。様々な用途のために淫紋を刻まれた女は、男の精をその身に受けない限り、湧き上がる性的な欲求に抗えなくなる。無理矢理それに耐えようとすると心身に異常をきたす、と。

 つまりビアンカは単なる痴女ではなく、魔術によって強制的に発情させられていたのだ。しかしそれがわかったところで、発情した匂いをまき散らす運命の相手を目の前にして、我慢できるほどアルバートは冷静ではなかった。

 それに、何より──

「一度ヤれば落ち着くんだよな?」

 アルバートは硬くそそり立った自分自信をビアンカの入り口に当てた。ぐっしょりと濡れた花弁はひくつき、物欲しげにアルバートの先端にまとわりつく。ひとまずはこの欲望を昇華させないと、冷静に話ができない。

「だ、だめ、だめっ……結婚する人としか、こういう事……しないって……」

「お前は俺の番だ。俺がお前を娶る。──嫌だと言っても、もう離すつもりはない」

 ビアンカの力のこもっていない懇願は、興奮状態のアルバートにさらなる喜びを与えただけだった。

「うっ……あああっ!」

 アルバートが一気にビアンカを貫くと、ビアンカの喉から悲鳴とも嬌声ともつかない声が漏れた。

「やぁ、おっきいっ……あぁっ!」

 ビアンカの中は狭いが柔らかく、奥へ奥へと誘うようにうねっている。

「くっ……」

 アルバートが無我夢中で腰を動かす度に、ビアンカの口から喘ぎ声が上がる。ビアンカの体は破瓜の痛みを感じてはいないようで、もっと深くまで突いてもらおうと、自ら足を大きく開いているようにさえ思える。

「ああっ……!あっ、あっ、ああっ!!」

 激しく動く度に大きな胸が激しく揺れ、アルバートはその胸にむしゃぶりついた。ビアンカを責め立てるのをやめ、彼女の中を味わうようにゆっくりと動く。そうすると、ビアンカが何やらとぎれとぎれに呟いているのが聞こえた。

「うっ……ふうっ……もう、お嫁に行けなくなっちゃった……」

 アルバートは眉根を寄せて、泣きそうな顔でそう繰り返すビアンカを見下ろした。

「……なんで、そんなこと言うんだ?」
「だって、だって……こんな、初めて会ったばかりの人にっ……私……」

「心配しなくていい。お前は俺の番だ。番と言うのは出会った瞬間から惹かれ合うものだ」
「つ、がい……?」

「……っ、そうだ、人間にはわからないのかもしれないが……俺は一目見たときに、運命の番だって、はっきり……わかった、ぞ……」

 ふたたびビアンカの中がきつくアルバートを締め付け、さすがのアルバートも言葉を紡ぐ事ができない。欲望のままに腰を揺らすと、ビアンカの喘ぎ声は次第に甘いものに変わってゆく。

「やっ、だめ……今度、中で……いっちゃう……っ、止めて……」

 ビアンカは涙声で懇願した。

「イケよ」

 ビアンカの最奥をぐりっと押すと、ビアンカは拒否するようにわなないた。

「やあっ……これ以上、淫乱になりたくない……っ」
「いいんだ。俺の前では、いくらでもみだらな姿になってもいい。……全部……俺がなんとかしてやる」

 小鳥がついばむような口づけをすると、ビアンカはだらりと床に伸びていた手を伸ばし、アルバートの頬を撫でた。

「わ、私のこと……お嫁さんに、してくれるの……?」
「そうだ。ずっと一緒にいよう。こんな寂しいところじゃなくて、お前が安心して暮らせる所に連れて行ってやる」

「……うれしいっ……」

 ビアンカの心は快楽と衝撃でぐちゃぐちゃになっていたが、アルバートの言葉がとにかく、とにかく嬉しかった。彼の腕に首をからめすがりつくと、アルバートもビアンカの頬に自らの頬を寄せた。

「ようやく、見つけた」

 アルバートは愛おしげにつぶやくと、再び律動を開始した。

「ああっ……!」

 体の中で飛び散った熱い飛沫を感じて、ビアンカの意識はそこで途切れた。

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