黒猫と白い歯車

ぱしぇる

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[1]始まり

5.白猫

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 赤土の地面が更に赤く染まっている。顔を上げると空もそっくり同じ色で鮮やかな赤。いつのまにか日の入りが近づいていた。そしてメリアの目の前には夕日に染まっていく砂浜と、赤く暖かい光を映している海がどこまでも続いていた。
 全てが赤に染まった美しい光景に、メリアは感嘆のため息を漏らした。
「わぁ、とっても綺麗…ここには美しい景色が沢山あるのね…」
 しばらく見惚れていたメリアだったが、目的を思い出し慌てて左を向く。見覚えのある光景にほっとする。似たような形の家がぽつぽつと並んでいるが、一番手前がマトリカリアの家だ。入り口に少しくすんだ青の布がかかっている。マトリカリアの首に掛かっている石の色に似ていると思った。
「マトリカリアの家は海のすぐそばだったのね。」
 そういえば先程から潮の香りがしていた。家を出た時には気がつかなかったが。緊張し過ぎていたのかも、とメリアはくすっと笑った。マトリカリアは表情が固く少し冷たい言葉遣いの時もあるが、とても親切な猫だ。それは出会ってから今までの数時間でよく分かっていた。初めての土地でここまで落ち着いて景色を眺める事が出来るのもマトリカリアのおかげだ。
 メリアは赤土の地面の一番端に腰を下ろして、簡単に飛び降りられるほどの低さにある砂浜を眺めた。自分はこの砂浜に倒れていたのだろうか。冷たい大荒れの海にのみ込まれここに生きて流れ着くなんて奇跡に等しい。それにマトリカリアが拾ってくれなかったらそのまま死んでいたかもしれない。後でマトリカリアにしっかりとお礼を言おう、と思ったメリアだったが、そこで大きな違和感を覚えた。
 自分が目覚めたのは随分前のような感じがしていたが、ほんの数時間前だ。目が覚めた時少しふらつきはしたが、飛び上がる程の元気があった。長いこと波に揉まれていたのに随分元気だ。マトリカリアは運んだだけだと言っていたが、ずっと看病してくれていたのだろうか。それとも、マトリカリアの他にも助けてくれた生き物がいたのだろうか。
 一度気になるとどうしても色々考えてしまう。もう日はほとんど沈んでいたが、メリアの頭の中にはこれだと納得できるような答えが無かった。仕方なくマトリカリアがすぐに助けてくれたおかげだと思うことにして立ち上がると、知らない声が聞こえた。
「やめて下さい!その子は…!私の子よっ!やめて!」
 ただごとではなさそうだ。悲鳴ともいえるその声に、メリアは思わず駆け出した。
 来た道を急いで戻る。あまり遠くはないようで段々と声が近くなる。いくつ目かの角を曲がると、そこには四匹の猫がいた。
 四匹のうち三匹は白猫で、三匹とも体が大きく強そうだ。その向かいには白に黒い模様の猫がいた。細い体を震わせながら呟いている。
「やめて…その子は…私の…やめて…」
 よく見ると、一番右の白猫は白くてふわふわしたものをくわえていた。子猫だ。その白く小さな体と、特徴的な赤い瞳。メリアが知っている赤目の猫は、一匹だけだ。
「アネモネ…?」
 細い白黒の猫が母親だろうか。だとしたら、白猫は子猫を奪っている事になる。メリアは慌てて前に飛び出すと、一番大きな白猫に向かって叫んだ。
「あなた達!一体何をしているの!?母猫から子猫を奪うなんて!返しなさい!」
 白猫は一瞬驚いた顔をしていたが、すぐに馬鹿にしたような顔に変わった。
「はあ?お前みたいなチビに何が出来るんだ?黒猫のくせに!」
 メリアも負けじと言い返す。
「黒猫も白猫も関係ないでしょう!子猫を返しなさいよ!」
「黒猫も白猫もだと?ふざけるな!白猫は最も高貴な存在であり頂点に立つ者だ!そしてこの子猫も白猫として生まれてきたのだ。国の財産だ!こんな場所で暮らさせる訳にはいかん。我らが引き取る!」
 白猫の言っている意味が分からない。白猫が一番偉い?国の財産?毛の色だけで?白い毛に生まれただけで母親と引き離されるなんて!
「そんなの…おかしい…絶対おかしい!」
 メリアの中に怒りが込み上げてくる。自分の二倍もある大きさの白猫を睨むと飛びかかろうとした。が、メリアが白猫に触れる前にメリアと白猫との距離は遠く離れていた。白猫の巨体が飛んでいる。それも後ろに。
 白猫は大きな衝撃を受けたように後ろに吹き飛ばされると背中から地面に落ち、小さく呻いた。
「「え?」」
 一番左にいた白猫とメリアが同時に呟いた。白猫は驚いて目を見開きながら後ずさり、「行くぞ!」と少し震える声で右の白猫に言いながら走って行った。それに続いて子猫を咥えた右の猫と吹き飛ばされて驚いた顔のままの大きな猫も走って行ってしまった。
 白猫達はとても驚いた顔をしていたが、一番驚いたのはメリアだった。
「私…何もしていないのに。」
 白猫達はメリアがやったと思っているようだが、メリアは白猫に触れていないし、力も使っていない。一体誰が……後ろに誰かいる?メリアが急いで振り返ると、いくつか先の角に猫がいた。青いマントにフードを被っていて顔は見えない。猫はメリアが見ていることに気がついたようで、すぐに曲がり角に姿を消した。メリアは追いかけようとしたが、震えている白黒の猫を見て立ち止まる。そうだ、今は子猫を取り返さなければ。振り返ると、白の尻尾が三つ、角を曲がって消えようとしていた。諦めるにはまだ早い。メリアは思い切り地面を蹴って走り出した。
「待ちなさい!誰か!子猫が連れて行かれたの!」
 メリアは全速力で追いかけるが、曲がり角の多い道で見失いそうだ。
 途中で白と茶色のまだら模様の猫がメリアに声をかけた。
「黒いお嬢ちゃん!どうしたんだい、そんなに慌てて!」
「子猫が連れて行かれたの!白猫を、追いかけて!」
 メリアが走りながら答えた。
「白猫?」
 まだら猫の表情が少しこわばった。まだら猫はメリアに並んでもう一つ問いかける。
「何でまた…子猫って、もしかして白猫が産まれたのか?!お嬢ちゃんの妹かい?」
「そうよ!妹じゃないけど。とにかく連れ戻さないと!」
「…そうかい。お嬢ちゃん、残念だが、諦めな。」
 まだら猫が歩みを止めた。
「どうして?」
 メリアが一瞬目を離した隙に、白猫の姿は見えなくなっていた。メリアは再び走りだそうとしたが、まだら猫がメリアの尻尾をくわえた。
「離してください。行かなくちゃ!」
「ダメだ。」
 まだら猫がメリアの尻尾をくわえたまま、ふがふが言った。メリアが引っ張るのを止めると、尻尾を離した。
「白猫に逆らおうとしたって、怖い目に合うだけだよ。妹ちゃんのことははかわいそうだが、向こうでは良い生活が出来るだろう。お嬢ちゃんに出来るのは、妹ちゃんの幸せを祈ることぐらいさ。」
「そんな…そんなこと」
「悪いことは言わない。これからは白猫に関わらない方が良いぞ。妹ちゃんのことも忘れた方が良い。白猫は、住む世界が違うんだ。お嬢ちゃんもわかるだろう?もう家に帰りな。」
 「かわいそうに…」と小さく呟きながら、まだら猫はもといた方向へ向かって歩いて行った。
「わからないわ!白猫だから離れなければいけないの?同じ猫で、同じ場所で生活していたのに、家族や友達がいるのに、毛色が違うだけで…違う世界へ行ってしまうの?」
 わからない。わからない! そんなに「白」が大切なの?メリアは心の中で繰り返しながら、アネモネの母猫の元へ戻った。

「ごめんなさい。子猫を…連れ戻せなかったわ。」
 母猫は弱々しく首を振った。
「いいえ…あの子は、白猫だから…どうにもならないのよ。それに…きっと、ここより…良い生活が…送れる、から。連れ戻そうと…して、くれて…ありがとう。」
 震える声を聞いて、メリアは胸が苦しくなった。母猫の表情はとても辛そうで、言っていることが嘘ではなくとも、自分に言い聞かせているように聞こえた。
 でも、それでも…「良い生活」が、必ずしも幸せだとは限らないのではないか。こんなにも母猫がアネモネを想っているのに。それに、子猫にとって母親は何よりも大切だ。生きる術を教え、時には助け、時には見守り、愛情を注ぐ存在が。あの乱暴な白猫達の元で、ここにいる母猫と暮らすよりも幸せな生活が出来るだろうか。出来ない。メリアははっきりと感じた。
「私…こんなこと…あってはいけないと思います。今はまだ力不足だけど、必ず誰もが幸せな世界にする!そしてあなたの子供も連れ戻すわ!」
 いきなり「世界を変える」と宣言したメリアに白黒の猫は驚いた顔をしたが、弱々しく微笑み「ありがとう。」と呟いた。そしてそのまま目の前の家の入り口をくぐって見えなくなった。
 気がつくと空はすっかり暗くなり、星がいくつか瞬いた。そろそろ帰らなければ、とメリアが振り返ろうとすると、後ろから知っている声が聞こえた。
「こんな所で何してるの?」
 メリアがパッと振り返ると、月の光で輝く銀色の猫がいた。夜になると一段と毛色が目立ち、美しく見える。
「マトリカリア!ちょうど良かった。ここがどこなのか分からなくて。」
 マトリカリアは小さくため息を吐くと後ろを向いて歩き出した。
「質問の答えになってないよ。」
「そうね。ごめんなさい。」
 メリアがマトリカリアについて歩き出す。
「私…白猫だけの特別な世界なんて、おかしいと思うの。」
 マトリカリアが一瞬立ち止まり、すぐに歩き出す。
「質問の答えになってない。」
 そして立ち止まると、静かに、しかしよく通る声で言った。
「僕も、ずっとそう思ってるよ。」
 マトリカリアの言葉に、メリアの声が大きくなる。
「だから、世界を変えるの!ここを、誰もが幸せに暮らせる場所にする!」
 マトリカリアが振り返った。ひどく驚いた顔をしている。満月のような瞳だ。長い沈黙の後、マトリカリアの口角が上がった。
「そうだね。…なぜか君ならやってしまいそうな気がするよ。」
「マトリカリア、今笑った?」
「気のせいじゃない?」
 マトリカリアが後ろを向いて速足で歩き出した。メリアが追う。
「ごめんなさい!気のせいだったことにするから!」
「気のせいだったって…」
 マトリカリアは前を向いているが、笑っている、とメリアは思った。つられてメリアも笑ってしまう。
「何笑ってるの。」
「マトリカリアが笑うからよ。」
「気のせいだよ。」
 しばらくしてメリアの笑いが収まった頃には、もうマトリカリアの家の前だった。メリアが真剣な表情になり、やっと話し始めた。
「それで…もっとこの大陸のこと、そして白猫のことを知りたいの。今のままでは何も出来ないことくらいわかってるわ。」
 子を想う母猫でさえも諦めてしまう程の、白猫の大きな力。その力に対抗するためには、どれ程の時間と努力が必要だろうか。
 マトリカリアは頷き、入り口の布をくぐる。
「長くなるから、虫でもつまみながら話すよ。」
 そう言われて初めて気がついた。マトリカリアの後ろに布の袋が浮いている。
「もしかして、食料を買いに行っていたの?」
「そうだよ。家にある分じゃ足りないでしょ。」
 確かにマトリカリアの言う通りだった。部屋には飲み水の入った桶と柔らかそうな大きいクッションが二つ、天井に届きそうな高さ___と言ってもジャンプすれば届く高さだが___の本が綺麗に並べられた本棚。本棚の上には赤や青、緑の石が乗っている。そして食べ物はかごに入ったネズミだけだった。
 マトリカリアは袋をネズミの入ったかごの隣に置くと、本棚の上の赤い石を浮かべ、クッションの前に降ろした。そしてマトリカリアが石をじっと見つめると、石が赤くぼんやりと光った。
「!…部屋が暖かくなったわ。」
 マトリカリアはクッションに腰を下ろすと、袋の中から乾燥させてカリカリになった虫を二つのクッションの前に十匹ずつ出した。
「座りなよ。白猫について…僕が知っていることを話すから。」
 メリアは頷き、マトリカリアの隣のクッションに腰を下ろす。お腹が空いたので、目の前にあったバッタをくわえ、噛み砕く。バリバリと心地良い音がした。マトリカリアもコオロギをバリバリと噛み、飲み込むと口を開いた。
「白猫がこの大陸を支配するようになったのは約百年前。それまでは毛色に関係なく選ばれた者が王として国を治めていたらしい。しかし、プライドの高い白猫はずっと王に逆らっていた。そして約百年前、王の補佐をしていた白猫が仲間の白猫と協力して王を殺し、国を乗っ取ったんだ。」
 そこまで言うと、マトリカリアはバッタを食べた。メリアも小さなキリギリスを飲み込んだ。
「白猫の王は新たな王城を雪山の頂上に建て、王城周辺から白い毛ではない猫を追放した。」
「ねえマトリカリア、どうして他の猫は白猫に逆らえなかったの?」
「白猫が…国の『宝』を手に入れたからさ。」
「『宝』って?」
「詳しくは…分からない。どこにも書いていないんだ。“恐ろしい力”“大きな力”“誰も逆らうことが出来ない”。そんなことしか書かれていない。その言葉を恐れて、誰も白猫に逆らえなかった。そのうち白猫の勢力は拡大し、この大陸全てを支配するようになった。大陸の一番端のこの村でさえ、定期的に食べ物や宝石を納めなければいけない。必死に働いても、その半分近くは白猫に取られるんだ。」
「そんな…」
 メリアは思わず呟いた。昼間見た商店街では活気があり、どの猫も楽しそうに見えた。本当は、あの笑顔の裏で沢山の苦労をしていたのだ。あれは、不自由の中の小さな自由だったのだ。
 そんな苦労をしても、辛いことがあっても、少しでも日々を楽しく過ごそうとしている猫達がいるのに、白猫は他の猫に働かせて好き勝手している。そう思ったら、メリアの中に再び怒りが込み上げてきた。しかし、マトリカリアの顔を見てその怒りは心の奥に仕舞われた。
「白猫達は、珍しい薬草も占領してる。そのせいで…重い病気にかかった猫は助からない。本当なら助かるはずなのに、助からない。白猫が少しの薬草を分ければ一匹の命が救えるのに、それをしないから…助けられないんだ。」
 俯きながら話すマトリカリアの表情はとても辛そうで、白い子猫、アネモネを連れ去られた母猫と重なった。
「今日は…もう寝よう。明日また先生の所に行かないといけないし。」
「…ええ。」
 メリアは残りの虫をさっさと食べてクッションの上で丸くなった。味がしなくて不味かった。

「起きて。」
 低く透き通った声と共に、額をちょんと突かれた。メリアが重い瞼を開くと、そこには月が二つ。まだ夢を見ているのか。そう思っている内に月が小さくなっていく。メリアは自分が下に落ちていくように錯覚して、慌てて体を起こした。
「やっと起きた。寝るの好きだね。早く顔洗って、そこのネズミ食べて。水もあるから。カランコエ先生の所に行くんでしょ。」
 いきなり眠気が吹き飛んだメリアは大急ぎで頭を回転させ、やっと今の状況を理解した。
「お、おはようマトリカリア。ごめんなさい、急いで準備するわ!」
 メリアは大雑把に顔を洗い、ネズミにかぶりつきながら昨日の夜を思い出した。
 眠ろうと目を閉じても、ずっと白黒の母猫やマトリカリアの苦しそうな顔が瞼の裏に焼き付いていた。嫌になって目を開けてはもう一度閉じの繰り返し。しかしメリアの睡魔を追い払っていたのはそれだけではなかった。
 大きな白猫を遠くまで吹き飛ばした謎の猫。あれほど体格が良く偉そうな白猫達が逃げるくらいなのだから、相当な力の持ち主なのだろう。なぜ助けてくれたのか。そして助けたのになぜ逃げてしまったのか。メリアは不思議に思っていた。
「準備出来た?行くよ。」
 考え始めるとまた無限のループに入ってしまうので、メリアは頭を左右にぶんぶんと振り、頭の中から白猫と青いフードを追い出すとマトリカリアを追った。
 今はもっとこの大陸や力について知らなければ。そう思いながらメリアはカランコエとの修行に励むのだった。

 それから数日が過ぎ、メリアとマトリカリアは少しずつ暑くなり始めた帰り道を歩いていた。
 メリアのメオを操る力は日に日に安定し、メオの温度を上げる技も習得していた。カランコエによると、メリアの成長スピードはマトリカリア以上で驚異的らしい。カランコエは毎日のように「素晴らしいわあ!」と叫んでいた。そんな訳でメリアは、メオの温度を下げる練習を始めていた。これはマトリカリアが得意なので、メオの温度を変化させるコツを掴んでからはマトリカリアに教わっていた。
 メオの温度を下げる技は心を落ち着かせないと上手くいかない上、かなりの体力を使う。一方温度を上げる場合は、感情が高ぶり体温が上がっていた方が簡単に高い温度に上げる事が出来る。
 メリアは温度を上げる方はすぐに出来るようになったが、温度を下げる方は苦戦していた。簡単にメオの温度を下げられるマトリカリアは流石だと思う。いつも冷静な彼だから出来る技だ。
 マトリカリアと行動しながら、メリアは少しずつアルストロでの生活に慣れていた。リーテン村の道は大体覚えていたし、ここの仕組みも何となくわかってきた。学校から家までの道のりはもう見慣れたものだ。今ではメリアが前を歩いている。いつも通りの帰り道。しかし、いつもは聞こえないのに、メリアの知っている声が聞こえた。聞こえてしまった。あの大きな白猫の声だ。
「待て!この!裏切り者ぉ!」
 砂を踏む音が近づいて来る。右手、商店街の方向からだ。メリアの耳がぴんと立って右に向いた。続けて体ごと顔をさっと右に向ける。
 今度は何事かと身構えると、家と家の間の猫一匹分の隙間から青いものが飛び出し、すぐ側にいたメリアの左肩に思いきりぶつかった。予想外の事にメリアはそのままよろける。なんとか踏み止まりとっさに左を見ると、そこには青いフードを被った、いや、被っていた猫が倒れていた。
 倒れた勢いでフードが脱げ、その顔がはっきりと見える。真っ青の瞳と目が合った。
「し、ろ…猫?」
 マントとフードに隠されていた毛は、雪のように濁りのない白だった。
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