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第8話 「目覚め」
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その夜、森の中の小さな旅館にてーー。
「......ん....」
机の上のランプに淡い光が灯る。光が目に差し込み、少年はゆっくり眼を覚ました。
(....ここは...?)
(.......ああ、この人、さっきのーー。)
「あ.....悪い、起こしちまったか?」
「......ううん、大丈夫...」
少年は体を起こそうとするが、鈍痛が頭の中を走った。
「ーーっ!」
「おいおい待て待て、体を起こすのはまだ早い。長い眠りからさめたばかりなんだから、無理しちゃダメだ。」
「うん......ありがとう...。」
少年は再びベットに寝転ぶと、頭痛がなくなり気が楽になった。
「ふぅ...ごめんね...色々苦労かけて....」
「気にするな。あんたが今無事でここにいる。それだけで十分だ。」
その時、部屋のドアが開く。
「ジーク、様子はどうだ...おっ!」
「ギル、ちょうど良かった。今起きたところだ。」
もう一人が部屋に入ってきて、荷物をその辺に置く。
(この人も、僕を助けてくれたーー。)
「横になれば大丈夫そうだし...早速で悪いが話、できるか?」
「うん...大丈夫だよ....。」
「わかった...そうだな...色々話したいところだが、まずは名前からだな。俺の名前は、ジーク・フリート。んでこいつがーー」
「俺はギルバート・ガメッシュ。ギルって呼んでくれ!」
「..,そっか...ジーク君に...ギル君...」
「僕の名前は...ローラン・マーニュ。二人とも...助けてくれて、本当にありがとう。」
「ローランか!へへん、いいってことよ!」
鼻をこするギルにジークは苦笑を浮かべる。
「えーと...あんたを助けたのは、ある話をするためなんだ。」
「話....?」
「話というより、勧誘、かもしれないな。」
「あんた、"能力者"って、知ってるか?」
「えーっと......能力者....?」
「.....うっ!」
少年は急に頭を抑えた。
「お、おい!大丈夫か!」
「う...うん....大丈夫...思い出した。...知ってるよ。"能力者"。」
「...え....君たち、能力者の事、知ってるの...?」
「ああ。知ってるぜ。」
「知ってるもなにも、何を隠そう俺たちが能力者だからな!」
ギルはまたドヤ顔をする。そして、ジークたちは自分たちにある紋章をローランに見せた。
「ええっ...!!君達、能力者なんだ...!?初めて見たよ..."僕以外の"...」
「....って事は....あんたも....。」
「うん...僕も"能力者"だよ。」
そういうと、ローランはうなじのあたりを見せると、そこには紋章があった。
「...やはりか。それじゃあ、それ以外のことはどこまで知ってるんだ?」
「大体は把握してるよ...僕らにまつわる"伝承"...とか。」
「なら話は早いな。ローラン....俺たちと一緒に来てくれ。世界を...救おう。」
「...ああ、もちろんだよ!」
「即答だな....どっかの誰かさんと違って。」
ギルバートはクスクス笑っている。
「うるせーよ...改めてよろしく、ローラン。」
「ああ、よろしく!...もしかしたら本当に伝承の話だけだと思ってたんだ...本当は僕しかいないんじゃないかって...これで、あの人の願いも果たせるかな。」
「あの人...?」
「うん。あの人は、僕がいたあの研究所で、能力者に関する研究をしていた。」
「初めは...とある組織の研究員だったんだけど、ある時に組織を抜け、僕を連れ出して、あの研究所へと向かった。」
「それからは一人で研究を行っていたんだ。僕を、いや、"僕たち"を被験体として。」
to be continued...
「......ん....」
机の上のランプに淡い光が灯る。光が目に差し込み、少年はゆっくり眼を覚ました。
(....ここは...?)
(.......ああ、この人、さっきのーー。)
「あ.....悪い、起こしちまったか?」
「......ううん、大丈夫...」
少年は体を起こそうとするが、鈍痛が頭の中を走った。
「ーーっ!」
「おいおい待て待て、体を起こすのはまだ早い。長い眠りからさめたばかりなんだから、無理しちゃダメだ。」
「うん......ありがとう...。」
少年は再びベットに寝転ぶと、頭痛がなくなり気が楽になった。
「ふぅ...ごめんね...色々苦労かけて....」
「気にするな。あんたが今無事でここにいる。それだけで十分だ。」
その時、部屋のドアが開く。
「ジーク、様子はどうだ...おっ!」
「ギル、ちょうど良かった。今起きたところだ。」
もう一人が部屋に入ってきて、荷物をその辺に置く。
(この人も、僕を助けてくれたーー。)
「横になれば大丈夫そうだし...早速で悪いが話、できるか?」
「うん...大丈夫だよ....。」
「わかった...そうだな...色々話したいところだが、まずは名前からだな。俺の名前は、ジーク・フリート。んでこいつがーー」
「俺はギルバート・ガメッシュ。ギルって呼んでくれ!」
「..,そっか...ジーク君に...ギル君...」
「僕の名前は...ローラン・マーニュ。二人とも...助けてくれて、本当にありがとう。」
「ローランか!へへん、いいってことよ!」
鼻をこするギルにジークは苦笑を浮かべる。
「えーと...あんたを助けたのは、ある話をするためなんだ。」
「話....?」
「話というより、勧誘、かもしれないな。」
「あんた、"能力者"って、知ってるか?」
「えーっと......能力者....?」
「.....うっ!」
少年は急に頭を抑えた。
「お、おい!大丈夫か!」
「う...うん....大丈夫...思い出した。...知ってるよ。"能力者"。」
「...え....君たち、能力者の事、知ってるの...?」
「ああ。知ってるぜ。」
「知ってるもなにも、何を隠そう俺たちが能力者だからな!」
ギルはまたドヤ顔をする。そして、ジークたちは自分たちにある紋章をローランに見せた。
「ええっ...!!君達、能力者なんだ...!?初めて見たよ..."僕以外の"...」
「....って事は....あんたも....。」
「うん...僕も"能力者"だよ。」
そういうと、ローランはうなじのあたりを見せると、そこには紋章があった。
「...やはりか。それじゃあ、それ以外のことはどこまで知ってるんだ?」
「大体は把握してるよ...僕らにまつわる"伝承"...とか。」
「なら話は早いな。ローラン....俺たちと一緒に来てくれ。世界を...救おう。」
「...ああ、もちろんだよ!」
「即答だな....どっかの誰かさんと違って。」
ギルバートはクスクス笑っている。
「うるせーよ...改めてよろしく、ローラン。」
「ああ、よろしく!...もしかしたら本当に伝承の話だけだと思ってたんだ...本当は僕しかいないんじゃないかって...これで、あの人の願いも果たせるかな。」
「あの人...?」
「うん。あの人は、僕がいたあの研究所で、能力者に関する研究をしていた。」
「初めは...とある組織の研究員だったんだけど、ある時に組織を抜け、僕を連れ出して、あの研究所へと向かった。」
「それからは一人で研究を行っていたんだ。僕を、いや、"僕たち"を被験体として。」
to be continued...
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