24 / 80
二章『まおうぐんとの たたかい』
二十三話『しんこう かいし』
しおりを挟む――― …
夢現世界の時間、午前11時50分。
ムークラウドの街の城壁を見下ろす、高い岩の崖は街の北にそびえ立つ。
崖の上から、魔物の軍勢は街を見下ろしニヤニヤと笑みを浮かべていた。
もうすぐだ。
もうすぐ、餌にありつける。
彼らは、人間を食料と見ていた。しかし、ムークラウドの街には高い城壁が魔物の侵入を防いでいて簡単に手出しは出来なかった。
この街までは魔王の居城も遠く、遠征で疲労が溜まった軍勢ではいくら人間相手とはいえどうしても攻めることが出来なかった街。
しかし、魔王はここ数年で力を蓄えてきている。
魔王の力は手下である魔物達の力でもあり、その恩恵を受ける事ができるのだ。
今ならば。人間どもの街に攻め込み、打ち滅ぼし…喰らうことができる。
腹を空かせたゴブリン達は、そう考えたのだった。
「野郎どもォッ!」
このゴブリン軍の長であるゴブリンリーダーは、崖の上に集結した100体のゴブリンに大声で指示し、鼓舞させる。
身の丈も、他のゴブリンとは程遠い。身の丈は2mを超え、発達した筋肉と鋭い爪。そして黒い瞳の眼光は、対峙した者を威圧する圧があった。
「機は満ちたァッ!今こそ我々ゴブリンが、人間どもを支配する時がきたのだァッ!」
「追い詰めろ!嬲れ!そして…喰らえェッ!!虐げられし我々ゴブリン族が、魔族の株を上げる絶好の機会が遂に今、目の前にあるのだァッ!」
「これより、あの街への侵攻を一斉に開始するぅッ!」
「さあ…ゴブリン達よ、最高のランチタイムだァァァァァァッ!!」
「「「うおおおおお――――――ッ!!!!」」」
野蛮な叫び声が、街に聞こえるくらいに大きく響き渡った。
いよいよ、魔物が街へと降り立っていくのであった。
――― …
「ゲヒヒヒ…」
「は、早くいこうぜ…もう待ちきれねェよ…」
「焦るな…一斉に、一斉にだ…!ジュルジュル…」
午前12時まであと少し。
北門ではゴブリン達10匹が今か今かとその時を草陰から待ち構えていた。
作戦はこうだ。
城壁の外からも見える、時計塔の時計。その針がピタリと午前12時に重なった時。
東西南北、それぞれ均等に分かれたゴブリン達が、一気に門へ侵攻し、見張りの兵士を圧倒する。
はじめは10匹。そして先行部隊が突入してから10分で後攻部隊15匹が街中へ入り込み、虱潰しに人間を食い尽くす。
なんとも単純な作戦ではあるが、普通の人間を圧倒する力を蓄えたゴブリン達には十分な作戦だった。
「なァ…しかしおかしいぜ。なんで門に兵士が一人もいねェんだ?」
「何か感づいたんじゃねェのか?街から逃げ出したとか…?」
「んなワケねェだろ。崖からそんな様子は見えなかったゼ」
「だとしたら…街中に隠れてるワケだ。ゲヒヒヒ…そいつは好都合だ。追い詰めるのもまた楽しみってモンだぜ…!」
「ケヒヒ…かくれんぼか。いいねェ。おい、喰った数で勝負しようぜ…!!」
ゴブリン達はそんな会話を物陰で行いながら、口元の涎を拭う。
そして…時計の針が12で重なった。
鐘の音と同時に、ゴブリン達は一斉に鉄製の門に近づき…体当たりをする!
鉄製の門は数度の体当たりでへこみ、中の閂が破壊された。
勢いよく左右の扉が開き… ゴブリン達は街中へと遂に侵入する!
「「「 いただきまァ~~~す!!! 」」」
街中へと走ろうとするゴブリン達は数歩を踏み出し…
衝撃で、再び門の所へと吹き飛ばされる。
「ぐへェッ!!」
「ゴベェェェェッ!!」
「な…な… なにが、起きた…!?」
「…ふう」
「うまい具合にまとまってきてくれたな。おかげで、一撃で全ヒットしてくれた」
「…安心したぜ」
「この程度で吹き飛ぶ敵なら…負けはしねーからな」
街中。門から数歩のところ。
時計塔へと続く大通りを、一人の体格のいい男が軽くステップを踏みながら待ち構えた。
一人の人間。
それだけなのに、ゴブリン達にはその男がまるで巨人のように大きいように思えてしまう。…体格のせいもあるだろうが。
「な…なんだ、こいつ…」
「舐めた口叩きやがって、この…!」
「美味そうな身体しやがって…!!」
「最後の一言が余計な。格好がつかねーじゃねぇか」
その男。
武闘家 ケーイチローは、自分の武術独特の構えをとる。
腰を深く落とし、右足を前に。左手を前へと突き出し、右手は背の後ろへ。拳を握りしめ、攻撃の時を待つ。
「来い、雑魚ども。ケーイチロー様の武術の練習台にしてくれるぜ」
「「「 ふざけんなァーーーッ!!! 」」」
10体のゴブリンは次々とケーイチローに飛びかかる。
牙を、爪を、次々と繰り出し、食事にありつこうと。
「ふンッ!!」
1体。後ろに下げていた右の拳の正拳突きで吹き飛ばす。
1体。左足の回し蹴りで吹き飛ばす。
1体。右肘の肘打ちを脳天に当て、地面に叩き付ける。
1体。左手の裏拳を顔面に思いきり打ち込み、倒す。
流れるような動作。襲い掛かるゴブリン達は一撃もケーイチローに攻撃を当てることができず、吹き飛ばされ、叩き付けられ、倒れていく。
「ゲハァァッ!!」
「ギィィッ!!」
「グ、グエエッ…!」
何体か、吹き飛ばされたゴブリンはそのまま身体を光が覆い、消滅する。
残りは5体。半分まで削られたゴブリン達は相手の強さに後ずさりする。
「どうした。お前らはこねーのか」
「ぐ…」
「そ、それならば…ッ」
「「「 一斉攻撃だーーーーッ!! 」」」
5体のゴブリンは全く同じタイミングでケーイチローに飛びかかる。
頭、上半身、下半身、それぞれに狙いを定め、一斉に食らいつこうと。
しかし、ゴブリン達は気付かなかった。
既にケーイチローは、自分の『スキル』の準備を完成させていたことに。
「… もらった」
大きく後ろに下げた右足を、薙ぎ払うように。5体のゴブリンが自分に触れる寸前で、放った。光のオーラを纏った、そのスキルを。
「龍爪回転脚ぅぅッ!!」
オーラはケーイチローの足を離れ。まるで水の波紋のように広がり。5体のゴブリンの身体に命中する。
「「「 ギャァァァァァァッ!!! 」」」
その衝撃と同時に、ゴブリン達は消滅した。
「…ふう」
姿勢を正し、手のひらを合わせて一礼をするケーイチロー。
その眼前に、ゴブリンは一体もいなかった。
「… … …」
「超気持ちいい…ッ!!」
【ケーイチロー 職業:武闘家(ランクC)】
レベル:14
HP :98
MP :0
攻撃力:77
防御力:53
素早さ:78
魔力 :0
【スキル】
龍爪回転脚 使用MP:0
足技。10秒の溜め時間が必要。溜め中は攻撃を行う事が出来ない。
オーラを足に纏い、前方広範囲に蹴りの威力に合わせたオーラを放ち、複数の敵にダメージを与えることができる。
距離が近ければ近いほどダメージが大きい。
虎王撃 使用MP
手技。20秒の溜め時間が必要。溜め中は攻撃を行う事が出来ない。
オーラを左右どちらかの拳に宿し、自分の力の数倍の威力をもつ正拳突きを放つことが可能。威力はレベルに比例する。
遠距離に放つことはできないため、敵と近づかなくてはいけない。
――― …
「ぐは…ッ」
「ぐ、ぎぎ…!」
東門。
きらりと光る刃が、飛ぶ。
二つのクナイの軌道は、二体のゴブリンの首元。それぞれ見事にそれが突き刺さると同時に、少女は告げた。
「爆裂… クナイッ!」
「「ギャアアアアア!!!」」
そのクナイが、爆発する。周りのゴブリンを巻き込み、爆風が、爆音が轟く。それと同時に二体のゴブリンは消滅した。
「ぎ、ぎぎぎ…ッ!」
「こ、こんな小娘に…我ら魔族が…!?」
「へへへー。さあ、次は誰っスか?ニンジャ、ユウキ!尋常に勝負するっスよ!」
くるりと一回転し、ユウキは再び両手に二本のクナイを煌めかせる。
しかし、ユウキは知らなかった。
自分の背後に一体のゴブリンが忍び寄っていることに。
「げへへへ… もらったァッ!!」
「!!??」
ガブリ。
距離を詰めたゴブリンは勢いよくユウキの背後の肩に喰らいついた。
…はずだった。
「な…! か、かて、ェ…」
ゴブリンが噛み付いたのは…ユウキの体格と同じ太さの、丸太だった。
「ふっふっふ… これぞ忍法、変わり身の術!」
気付けば丸太にかじりついているゴブリンの背後をとるユウキ。
「たあッ!!」
「ぐえッ…!」
クナイでゴブリンの背後を突くユウキ。突き刺さったクナイをそのまま離し、ゴブリンを蹴り飛ばす。そのままゴブリンは地面に崩れ、消滅した。
「ふいー、血が出なくて何よりっスね。でなけりゃキゼツしてるとこっス…」
しかし、クナイが消えた今。ユウキに武器はない。
次のクナイを出現させる前に攻撃を仕掛けようと考えたのだろう。最後の二体のゴブリンが、一気にユウキとの距離を詰める!
「もらったァァぁあっ!!!」
「…ふっ」
俄かに微笑むユウキ。
両手を前に突き出し、印を組む。そして、大きな、凛とした声で、言い放った。
「火遁の術ッ!!」
そして、手の先の地面から、勢いよく炎が噴き上がる!
紅蓮の炎は二体のゴブリンをあっという間に包み、焼き尽くす。
5秒ほどだろうか。炎が消えたとき、既にその場所にゴブリンの姿はなかった。
「これぞ、ニンジャの奥義…ッ! いやー、決まったっスーー!!」
敵を全て倒したユウキは、嬉しそうに飛び跳ねた。
「… … … センパイ、無事っスよね…!」
【ユウキ 職業:忍者(ランクC)】
レベル:17
HP :75
MP :45
攻撃力:82
防御力:50
素早さ:119
魔力 :69
【スキル】
クナイ精製:使用MP0
自分の両手に武器であるクナイを出現させる。一度精製をしたら次の精製まで10秒のクールタイムが必要。レベルに応じてクールタイムは短くなる。
尚、戦闘中しかこのスキルは使用できない。
爆裂クナイ:使用MP5
投げつけたクナイが爆発し、周囲の敵にダメージを与える。タイミングは『爆裂クナイ』と唱えたときに発動。爆発の威力はレベルに応じて上昇する。
変わり身の術:使用MP5
自分のいた場所に自分と同じサイズの丸太を出現させ、半径1mの場所に瞬間移動をする事ができる。レベルに応じて瞬間移動の範囲は広くできる。
発動は両手を合わせ、瞬間移動の場所を念じれば即時発動できる。
火遁の術:使用MP7
印を組み、自分の前方5m以内の念じた場所に、地中から噴き出る火柱を5秒間出現させられる。レベルに応じて火力は大きくなる。
印を組み、術名を唱えることで発動する。
――― …
「おいおい、コイツ…この格好…」
「まさか、教会の僧侶か…!?」
「一人でのこのこやってきて…キヒヒ、俺達に喰われにきたみたいだな…!」
笑って相手を見下す相手、10体と対峙しても、その僧侶はピクリとも笑わなかった。
深くフードを被り瞳を隠し、西の門から入ってきたゴブリンをその隙間から見据え、ただただ立ち尽くすのみ。
ゴブリン達はそれを、自分たちに脅えてこの青年は逃げ出さないのだと勘違いしていた。
だが、違う。
青年は相手を見据え、攻撃をする準備をしていたのだ。
闘志。決意。
それを燃やすための、準備を。
「なあ、僧侶さんよぉ~~!アンタ、神様のシモベなんだろ~!?」
「俺らにも恵んでくれよ~、神様の恵みってヤツをよォ~~」
「俺達、腹が減って死にそうなんだよォ~」
「… … …」
3匹のゴブリンは、戦う意思がないと見なした相手に、のこのこと歩いて近寄ってくる。
目の前にいる僧侶を、食べるために。
「おいおいおい、黙ってないでさァ~~」
「一口でいいからくれよォ」」
「アンタの…」
ガンッ!!!
突き出されたのは、銀杖だった。
それが一体のゴブリンの腹に、当たる。
「… あ…?」
その杖の先から。ゴブリンの腹に、光が宿る。
炎のように揺らめく、白色の炎は…やがて大きく、ゴブリンを包み込んでいく。
その炎は、すさまじい痛みをゴブリンに与えていた。
「あ、あああ…ああッ…!?く、ぐるジい…!! た、だすげ…ッっ!!」
「ぎゃあああああああああああああ!!!!」
既に顔まで焼かれたゴブリンは、悲鳴をあげて消滅する。
「な、な、な…」
「い、一体、なにが…!?」
ヒュン、ヒュンッ。
続けざまに杖が振るわれ、残り二体のゴブリンの横腹に当たる。
衝撃はない。吹き飛びもしない。痛みは、その瞬間には存在しない。
だが、ゴブリン達の腹に光の炎が灯される。
炎は燃料を得たようにあっという間にゴブリンの身体を包み、焼き、焦がしていくのだった。
「ギェェェェェェッ!!」
「アギャアアアアアアアアアア!!!」
一瞬の出来事。
僧侶は全くそこから動かずに、三体のゴブリンを打ち倒したのだった。
「こ、こいつ…!」
「ただの僧侶じゃ…ない…!?」
「…良かった」
僧侶の青年は、安堵の吐息を漏らして、被っていたフードを後ろに下げる。
残り7体のゴブリンを見据えると…二ィ、と笑って見せた。
「大した敵じゃない。イシエルの言っていた推奨レベルの情報は…間違っていなかったんだな」
「あ…!?」
言っている意味は分からなかったが、『大した敵ではない』と言われたゴブリン達の頭に血が上る。
激情して飛びかかろうとするゴブリン。
だが…一体のゴブリンが、何かに気付いて、上空を見上げた。
「な、なんだ… コレ…」
「え…? … あ、ああ…!?」
ゴブリン達は上を見る。
空中。いつの間にか杖を上に掲げていた僧侶の上空に、矢が浮かんでいた。
光り輝く、聖なる矢。それも半端な数ではない。10、20… それは見るほど、増えていくように見えた。
「… さっさと終わらせる…。さあ、覚悟しろ…!!」
「ひ…ひ…」
「「「 ひイイイイイ~~~ッ!! 」」」
悲鳴を上げるゴブリン達に向け、僧侶は杖を振り下ろす。
そして、叫んだ。
「光の聖矢ッ!!!」
矢は上空から、弓で引かれたように次々と発射される。
矢はゴブリンの身体を捉える。頭に、腕に、身体に、足に、次々と刺さり… それらは先ほどの杖と同じように、次々と白色の聖なる炎へと変わる。
「「「 ぎゃああああああーーーーーッ!!! 」」」
炎は瞬く間に7体のゴブリンを包んだ。
爆発するように辺りを光り、照らした聖なる炎は消え… ゴブリンの身体と一緒に、消え去った。
「… … …」
「これなら…」
「これなら、守れる…ッ!!この街を…!!」
僧侶の青年、マコトは、その確信を戦いの…そして勝利への決意へ、変えたのだった。
【マコト 職業:僧侶(ランクC)】
レベル:20
HP :103
MP :89
攻撃力:55
防御力:82
素早さ:58
魔力 :98
【スキル】
回復(小):使用MP3
対象者のHPを小回復し、傷を癒す。自分と半径3m以内にいるキャラクター一人に使用可能。術者のレベルに合わせて回復量も上がる。
硬化の術:使用MP5
対象者の防御力を上げ、物理攻撃によるダメージを和らげる。自分が触れた相手、または自分自身に使用可能。術者のレベルに合わせて上昇率が上がる。
解毒の術:使用MP4
対象者の体内にあるあらゆる毒を浄化する。自分自身か自分が触れた相手に使用可能。
速度強化の術:使用MP5
対象者の素早さを上げ、戦闘中の身のこなし、移動の速度を強化できる。自分が触れた相手、または自分自身に使用可能。術者のレベルに合わせて上昇率が上がる。
観察:使用MP1
念じた対象者、又はモンスターのステータスをウインドウに表示することができる。対象は自分から半径5m以内のものに限る。ウインドウは任意で他の者も閲覧することができる。
光の聖矢:使用MP:7
自分が念じた場所に光の矢を出現させ、直線上の敵に放つ事ができる。矢の数は溜め時間により増やす事ができる。(最大30本)
「シャインアロー」の発声とともに一斉に発射される。刺さった相手を聖なる炎が包みダメージを与える。
【装備】
聖なる銀杖(攻撃力+15)
特殊効果:所持者より10以上レベルが低い敵に対しては、触れるだけで聖なる炎が相手に宿り、相手を焼き尽くす。
――― …
0
お気に入りに追加
185
あなたにおすすめの小説
復讐完遂者は吸収スキルを駆使して成り上がる 〜さあ、自分を裏切った初恋の相手へ復讐を始めよう〜
サイダーボウイ
ファンタジー
「気安く私の名前を呼ばないで! そうやってこれまでも私に付きまとって……ずっと鬱陶しかったのよ!」
孤児院出身のナードは、初恋の相手セシリアからそう吐き捨てられ、パーティーを追放されてしまう。
淡い恋心を粉々に打ち砕かれたナードは失意のどん底に。
だが、ナードには、病弱な妹ノエルの生活費を稼ぐために、冒険者を続けなければならないという理由があった。
1人決死の覚悟でダンジョンに挑むナード。
スライム相手に死にかけるも、その最中、ユニークスキル【アブソープション】が覚醒する。
それは、敵のLPを吸収できるという世界の掟すらも変えてしまうスキルだった。
それからナードは毎日ダンジョンへ入り、敵のLPを吸収し続けた。
増やしたLPを消費して、魔法やスキルを習得しつつ、ナードはどんどん強くなっていく。
一方その頃、セシリアのパーティーでは仲間割れが起こっていた。
冒険者ギルドでの評判も地に落ち、セシリアは徐々に追いつめられていくことに……。
これは、やがて勇者と呼ばれる青年が、チートスキルを駆使して最強へと成り上がり、自分を裏切った初恋の相手に復讐を果たすまでの物語である。
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
〈完結〉この女を家に入れたことが父にとっての致命傷でした。
江戸川ばた散歩
ファンタジー
「私」アリサは父の後妻の言葉により、家を追い出されることとなる。
だがそれは待ち望んでいた日がやってきたでもあった。横領の罪で連座蟄居されられていた祖父の復活する日だった。
十年前、八歳の時からアリサは父と後妻により使用人として扱われてきた。
ところが自分の代わりに可愛がられてきたはずの異母妹ミュゼットまでもが、義母によって使用人に落とされてしまった。義母は自分の周囲に年頃の女が居ること自体が気に食わなかったのだ。
元々それぞれ自体は仲が悪い訳ではなかった二人は、お互い使用人の立場で二年間共に過ごすが、ミュゼットへの義母の仕打ちの酷さに、アリサは彼女を乳母のもとへ逃がす。
そして更に二年、とうとうその日が来た……
婚約破棄……そちらの方が新しい聖女……ですか。ところで殿下、その方は聖女検定をお持ちで?
Ryo-k
ファンタジー
「アイリス・フローリア! 貴様との婚約を破棄する!」
私の婚約者のレオナルド・シュワルツ王太子殿下から、突然婚約破棄されてしまいました。
さらには隣の男爵令嬢が新しい聖女……ですか。
ところでその男爵令嬢……聖女検定はお持ちで?
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
《勘違い》で婚約破棄された令嬢は失意のうちに自殺しました。
友坂 悠
ファンタジー
「婚約を考え直そう」
貴族院の卒業パーティーの会場で、婚約者フリードよりそう告げられたエルザ。
「それは、婚約を破棄されるとそういうことなのでしょうか?」
耳を疑いそう聞き返すも、
「君も、その方が良いのだろう?」
苦虫を噛み潰すように、そう吐き出すフリードに。
全てに絶望し、失意のうちに自死を選ぶエルザ。
絶景と評判の観光地でありながら、自殺の名所としても知られる断崖絶壁から飛び降りた彼女。
だったのですが。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる