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1-7: 星の夜の告白(Magianicus)
3.星の時間
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涼しげな夜風が頬を撫で,ルミニタは顔を上げた。
流星はまだ見られないが,深い黒色の幕間に輝く星々は,息を飲むような美しさだった。
地上に見える家々の小さな灯りと,天井に光る銀幕の世界。まるで異世界が同時に存在しているみたい,ルミニタはそう思った。彼女にとってそれらは,比べることの難しい,別種の独立した命の光のようだった。
ほんの少しの肌寒さを感じ,ルミニタは両腕を前に組んだ。
「ルミ,最近ずっと元気がなかったね。何かあったの?」
リベルはそう言って,自分の着ていた上着をルミニタの肩にかけた。そよ風が吹き,少し長くなった彼の前髪が流れた。
ルミニタの脳裏にヘステルの言葉が過った。少しの間迷ってから,彼女は答えた。
「なんでもないの。ただ寂しくて」
ルミニタは座ったまま,膝に顔を押しつけた。
(リベルが心配してくれている。すごく優しい声だった)
ルミニタは,胸を小さな手でぎゅっとされたように感じた。その気持ちを言葉にする術を,彼女はまだ持っていなかった。
その一方で,こんな時を過ごしている自分に対して罪悪感を覚えていた。
(ヘステルと,ちゃんと話さなくちゃいけないのに。なのに,こうやって外に出かけている。私は逃げてばっかりだ……)
そう思うと,彼女は正直になることができなかった。
その時,夜空の暗闇に一筋の切れ目が走った。二人は立ち上がって空を見上げた。一つ,また一つと,一瞬の白い光の線が,空を駆けていく。流星の時間だった。
光の流れは途切れること無く続き,その数を増していった。幻想的な光景に,二人は思わず息を飲んだ。
「綺麗」ルミニタはそう呟いて,側に居たリベルの服を掴んだ。
「リベルも見た?」
ルミニタがリベルの顔を覗き込んだ。リベルもまた,ルミニタを見つめていた。
それは彼女が今までに見たことのないような,真剣な表情だった。ルミニタは再び息を飲んだ。
「ルミ,君に伝えたい,大事な話があるんだ」
流星はまだ見られないが,深い黒色の幕間に輝く星々は,息を飲むような美しさだった。
地上に見える家々の小さな灯りと,天井に光る銀幕の世界。まるで異世界が同時に存在しているみたい,ルミニタはそう思った。彼女にとってそれらは,比べることの難しい,別種の独立した命の光のようだった。
ほんの少しの肌寒さを感じ,ルミニタは両腕を前に組んだ。
「ルミ,最近ずっと元気がなかったね。何かあったの?」
リベルはそう言って,自分の着ていた上着をルミニタの肩にかけた。そよ風が吹き,少し長くなった彼の前髪が流れた。
ルミニタの脳裏にヘステルの言葉が過った。少しの間迷ってから,彼女は答えた。
「なんでもないの。ただ寂しくて」
ルミニタは座ったまま,膝に顔を押しつけた。
(リベルが心配してくれている。すごく優しい声だった)
ルミニタは,胸を小さな手でぎゅっとされたように感じた。その気持ちを言葉にする術を,彼女はまだ持っていなかった。
その一方で,こんな時を過ごしている自分に対して罪悪感を覚えていた。
(ヘステルと,ちゃんと話さなくちゃいけないのに。なのに,こうやって外に出かけている。私は逃げてばっかりだ……)
そう思うと,彼女は正直になることができなかった。
その時,夜空の暗闇に一筋の切れ目が走った。二人は立ち上がって空を見上げた。一つ,また一つと,一瞬の白い光の線が,空を駆けていく。流星の時間だった。
光の流れは途切れること無く続き,その数を増していった。幻想的な光景に,二人は思わず息を飲んだ。
「綺麗」ルミニタはそう呟いて,側に居たリベルの服を掴んだ。
「リベルも見た?」
ルミニタがリベルの顔を覗き込んだ。リベルもまた,ルミニタを見つめていた。
それは彼女が今までに見たことのないような,真剣な表情だった。ルミニタは再び息を飲んだ。
「ルミ,君に伝えたい,大事な話があるんだ」
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