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1-4: 現れ(phenomenon)
3. 遭遇
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身を刺すような寒さの中、その歌を耳にした瞬間、リベルは不思議な温かさに包まれたような気がした。体が宙に浮いたようなふんわりとした心地の後、リベルはゆっくりと地面に降り立った。一瞬のような数分のような、奇妙な感覚だった。指の先まで感覚が戻るような、柔らかな温かさが広がった。
ルミニタはすでに歌を終えていた。リベルはルミニタを包んでいた毛布を降ろし、くしゃくしゃになった髪を整えようとしたその時、彼女タの足元にいる何かに気が付いた。
「ルミニタ……こっちへ来るんだ、ゆっくりと」
ルミニタは小首を傾げた。リベルは腰のベルトの背中側に静かに手を回し、収められていたナイフの柄を握った。こんなものがこれらに効果があるのかどうか不明だが、無いよりはましだった。
「リベル?」
「こっちに来るんだ」
それは小さな生き物に見えた。ルミニタの足に黄色の頭を隠しながら、緑色の嘴のようなものを左右に振っている。まるで二足で歩く鳥類のようだ。リベルは始めて見る生き物に驚き、その正体を見極めようと、手に持っていたカンテラを掲げた。そして周囲を取り巻く異様な光景を目撃した。
蔓のような鞭を振りながら這い回りやや光沢した筒状の体を持つ何か。短い手足で周囲を駆け巡るオレンジ色のごつごつした球体。ルミニタと同じくらいの身長で回転しながら左右に移動する、布のような質感の白い円柱。生物とも物体とも判別の着かない、正体不明の何ものかが、周囲に佇んでいる。
少ない数ではなかった。目視できるだけでも、大小十匹(匹という序数が適切なのだろうか?)以上の"それら"が、リベルとルミニタを取り囲んでいた。既に囲まれているようだった。
リベルは後ろ手に握ったナイフを、すぐにでも抜けるよう構えながら、少しずつ摺り足で前進した。
その時、巨大な白い円柱がルミニタに接近した。円柱の上部に水平な裂け目が見えた。口だ。口を開いてルミニタへ襲いかかろうとしている。リベルは躊躇無く飛びかかり、刃を水平に抜き放とうとした、その瞬間。
「リベル、待って! この子何か伝えようとしている」
ルミニタは円柱に入った裂け目、口と思しき場所へ耳を近づけた。
「ほら、こっちへ来てみて!」
あまりの言動にリベルは虚を突かれたように固まった。ルミニタに引っ張られて近づくと、白い物体の口らしき場所から、ぼそぼそと何かが聞こえた。かろうじて「雨」という単語に聞き取れたが、リベルの頭の中ではっきりとした文章になることは無かった。
「こっちも!」
ルミニタはその場でしゃがみ、足元に絡まっていた筒状の生き物に顔を近づけた。
「ルミニタ、危険だ! そいつらが何者かわからないんだ、すぐに離れよう」
「怖くないよ、ほら」
リベルがルミニタに絡む生き物を掴もうとすると、彼女はその生き物の側面を指でなでて見せた。その生き物は体をうねうねと左右に揺らし、蔓を上下に振った。確かに、まるで撫でられて喜ぶ小動物のようにも見えた。
リベルが驚きとショックで言葉を失っていると、辺りを駆け回っていたオレンジの球体が足元へ近づいて来た。本体から不釣り合いな程短い手足らしきものを懸命に動かし、リベルの周りをぐるぐると回った。その動きは羊を追う牧羊犬のようにも思える。
冷静になって観察してみると、他の生き物たちも、走り回ったり踊り狂ったり、意味不明の動きをするだけで、ルミニタに危害を加える様子では感じられなかった。いつのまにか球体がリベルの傍に来て、その短い手でリベルの足を撫でた。
「しかし……これは……一体……」
「その子、お腹空いたって言ってる」
ルミニタはオレンジの球体の頭を撫でた。
「分かるの?」
「うん、なんとなくだけど……。この子は寒いって言ってる」
オレンジはルミニタの言葉に併せて地面に体をこすりつけた。地の中にもぐろうとしているのだろうか。
「そっちの……嘴みたいなやつは何て言ってるんだろう」
緑色の鳥類を思わせる生き物を指さして言った。
「その子はね……何かが流れるって。土って言っているのかな」
「向こうの木に止まっている鳥のような生き物は?」
「あの子は……分からない。遠いからかな。じっとこちらを見ているね」
二人の視線の先には、雪のように白い体羽毛を持つしなやかな鳥がいた。木の上からこちらを見つめる様子は、知性的にも見えた。
これらの生き物が危害を及ぼす可能性が低いことを理解し、リベルは少しずつ冷静になった。
「もしかして精霊なのかな」
ルミニタが少し興奮して言った。リベルもその可能性を考えていた。しかし、これまでに学院や文献の中で見たスケッチの中に、これらの存在と似た姿を記録は無かった。リベルの知る限り、平野の国の文献では、精霊は人間の姿に模した存在で描かれていた。
リベルは深呼吸をしてから、もう一度辺りを見回した。そして集まっている"それら"を確認した。緑色の体に、同じ色の嘴と黄色の頭を持つもの。オレンジ色をした丸く太った体に、短い手足が生えたもの。白い巨体でのそのそと動き回るもの。筒状の体に蔓のような手足をもつもの……。
「リベル、この子達、何か困っているみたい。話を聞いてみようよ」
緑色のうねうねしたものが蔓を伸ばし、ルミニタの服の裾を引っ張っていた。オレンジ色の球体も、短い手を左右に広げて何かジェスチャーをしていた。言われてみると、「困ったもんだ」等と言いながら、ため息をついている人間のように、見えなくもなかった。
この場に現れたものたちに少しずつ理解が及んでいく一方、リベルの頭には幼いころに兄妹三人で遭遇した竜巻の映像がよぎっていた。唸りを上げて飛び回る鉄の塊、迫りくる錆びた剣、見えない何者か……。リベルは今でも時折夢に見ることがあった。額に嫌な汗が流れた。
リベルの決心が片方に傾きかけた時、次第に周囲が明るくなった。夜空を覆っていた雲が流れ、月が顔を出し始めたのだった。月の光で照らされると、この場にいる存在たちは、二人が想っているよりたくさんいることが分かった。
ルミニタの足元に居るもの達の他に、少し離れて心配そうにこちらを窺うものも居る。大きさも様々で、膝下くらいの背丈の緑の嘴と、掌に収まる程度の小さなオレンジの球体が追いかけっこをしているような光景もあった。二人の腰くらいまでの背丈をした緑の筒状ものは、数人で集まって震えているようにも見えた。この世ならぬ神秘的な光景に、リベルは息を飲んだ。
リベルがルミニタの表情を伺うと、彼女もこの月明かりの光景に心を奪われているようだった。薄緑色の瞳は、未知への驚きと敬いで輝き、世界の美しさへの明るい希望に満ちているかのようだった。
リベルはもう一度落ち着いて、現れたものたちを見た。その中に一組の白い巨体を見つけた。リベルよりも大きな背丈のものと、ルミニタよりも小さい背丈のものが、寄り添ってこちらを窺っていた。円柱上の体から手足が生えている。最初に口を開いてルミニタに近づいてきたものと同じ種なのかもしれない。よく見ると、大きな白いものが少しだけ前に出て、小さな白いものを庇っているように見えた。
そしてその手は、いつか見た光景と同じように、固く繋がれていた。
リベルとルミニタの目が合った。二人はゆっくりと頷いた。
ルミニタはすでに歌を終えていた。リベルはルミニタを包んでいた毛布を降ろし、くしゃくしゃになった髪を整えようとしたその時、彼女タの足元にいる何かに気が付いた。
「ルミニタ……こっちへ来るんだ、ゆっくりと」
ルミニタは小首を傾げた。リベルは腰のベルトの背中側に静かに手を回し、収められていたナイフの柄を握った。こんなものがこれらに効果があるのかどうか不明だが、無いよりはましだった。
「リベル?」
「こっちに来るんだ」
それは小さな生き物に見えた。ルミニタの足に黄色の頭を隠しながら、緑色の嘴のようなものを左右に振っている。まるで二足で歩く鳥類のようだ。リベルは始めて見る生き物に驚き、その正体を見極めようと、手に持っていたカンテラを掲げた。そして周囲を取り巻く異様な光景を目撃した。
蔓のような鞭を振りながら這い回りやや光沢した筒状の体を持つ何か。短い手足で周囲を駆け巡るオレンジ色のごつごつした球体。ルミニタと同じくらいの身長で回転しながら左右に移動する、布のような質感の白い円柱。生物とも物体とも判別の着かない、正体不明の何ものかが、周囲に佇んでいる。
少ない数ではなかった。目視できるだけでも、大小十匹(匹という序数が適切なのだろうか?)以上の"それら"が、リベルとルミニタを取り囲んでいた。既に囲まれているようだった。
リベルは後ろ手に握ったナイフを、すぐにでも抜けるよう構えながら、少しずつ摺り足で前進した。
その時、巨大な白い円柱がルミニタに接近した。円柱の上部に水平な裂け目が見えた。口だ。口を開いてルミニタへ襲いかかろうとしている。リベルは躊躇無く飛びかかり、刃を水平に抜き放とうとした、その瞬間。
「リベル、待って! この子何か伝えようとしている」
ルミニタは円柱に入った裂け目、口と思しき場所へ耳を近づけた。
「ほら、こっちへ来てみて!」
あまりの言動にリベルは虚を突かれたように固まった。ルミニタに引っ張られて近づくと、白い物体の口らしき場所から、ぼそぼそと何かが聞こえた。かろうじて「雨」という単語に聞き取れたが、リベルの頭の中ではっきりとした文章になることは無かった。
「こっちも!」
ルミニタはその場でしゃがみ、足元に絡まっていた筒状の生き物に顔を近づけた。
「ルミニタ、危険だ! そいつらが何者かわからないんだ、すぐに離れよう」
「怖くないよ、ほら」
リベルがルミニタに絡む生き物を掴もうとすると、彼女はその生き物の側面を指でなでて見せた。その生き物は体をうねうねと左右に揺らし、蔓を上下に振った。確かに、まるで撫でられて喜ぶ小動物のようにも見えた。
リベルが驚きとショックで言葉を失っていると、辺りを駆け回っていたオレンジの球体が足元へ近づいて来た。本体から不釣り合いな程短い手足らしきものを懸命に動かし、リベルの周りをぐるぐると回った。その動きは羊を追う牧羊犬のようにも思える。
冷静になって観察してみると、他の生き物たちも、走り回ったり踊り狂ったり、意味不明の動きをするだけで、ルミニタに危害を加える様子では感じられなかった。いつのまにか球体がリベルの傍に来て、その短い手でリベルの足を撫でた。
「しかし……これは……一体……」
「その子、お腹空いたって言ってる」
ルミニタはオレンジの球体の頭を撫でた。
「分かるの?」
「うん、なんとなくだけど……。この子は寒いって言ってる」
オレンジはルミニタの言葉に併せて地面に体をこすりつけた。地の中にもぐろうとしているのだろうか。
「そっちの……嘴みたいなやつは何て言ってるんだろう」
緑色の鳥類を思わせる生き物を指さして言った。
「その子はね……何かが流れるって。土って言っているのかな」
「向こうの木に止まっている鳥のような生き物は?」
「あの子は……分からない。遠いからかな。じっとこちらを見ているね」
二人の視線の先には、雪のように白い体羽毛を持つしなやかな鳥がいた。木の上からこちらを見つめる様子は、知性的にも見えた。
これらの生き物が危害を及ぼす可能性が低いことを理解し、リベルは少しずつ冷静になった。
「もしかして精霊なのかな」
ルミニタが少し興奮して言った。リベルもその可能性を考えていた。しかし、これまでに学院や文献の中で見たスケッチの中に、これらの存在と似た姿を記録は無かった。リベルの知る限り、平野の国の文献では、精霊は人間の姿に模した存在で描かれていた。
リベルは深呼吸をしてから、もう一度辺りを見回した。そして集まっている"それら"を確認した。緑色の体に、同じ色の嘴と黄色の頭を持つもの。オレンジ色をした丸く太った体に、短い手足が生えたもの。白い巨体でのそのそと動き回るもの。筒状の体に蔓のような手足をもつもの……。
「リベル、この子達、何か困っているみたい。話を聞いてみようよ」
緑色のうねうねしたものが蔓を伸ばし、ルミニタの服の裾を引っ張っていた。オレンジ色の球体も、短い手を左右に広げて何かジェスチャーをしていた。言われてみると、「困ったもんだ」等と言いながら、ため息をついている人間のように、見えなくもなかった。
この場に現れたものたちに少しずつ理解が及んでいく一方、リベルの頭には幼いころに兄妹三人で遭遇した竜巻の映像がよぎっていた。唸りを上げて飛び回る鉄の塊、迫りくる錆びた剣、見えない何者か……。リベルは今でも時折夢に見ることがあった。額に嫌な汗が流れた。
リベルの決心が片方に傾きかけた時、次第に周囲が明るくなった。夜空を覆っていた雲が流れ、月が顔を出し始めたのだった。月の光で照らされると、この場にいる存在たちは、二人が想っているよりたくさんいることが分かった。
ルミニタの足元に居るもの達の他に、少し離れて心配そうにこちらを窺うものも居る。大きさも様々で、膝下くらいの背丈の緑の嘴と、掌に収まる程度の小さなオレンジの球体が追いかけっこをしているような光景もあった。二人の腰くらいまでの背丈をした緑の筒状ものは、数人で集まって震えているようにも見えた。この世ならぬ神秘的な光景に、リベルは息を飲んだ。
リベルがルミニタの表情を伺うと、彼女もこの月明かりの光景に心を奪われているようだった。薄緑色の瞳は、未知への驚きと敬いで輝き、世界の美しさへの明るい希望に満ちているかのようだった。
リベルはもう一度落ち着いて、現れたものたちを見た。その中に一組の白い巨体を見つけた。リベルよりも大きな背丈のものと、ルミニタよりも小さい背丈のものが、寄り添ってこちらを窺っていた。円柱上の体から手足が生えている。最初に口を開いてルミニタに近づいてきたものと同じ種なのかもしれない。よく見ると、大きな白いものが少しだけ前に出て、小さな白いものを庇っているように見えた。
そしてその手は、いつか見た光景と同じように、固く繋がれていた。
リベルとルミニタの目が合った。二人はゆっくりと頷いた。
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