ホシワタリのあなたへ

Kotoh

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1-2: 蜂蜜色の村(Alderwick)

1. 曙

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山脈と空の境界が少し白くなり、紺色の雲が棚引く様が見える。間もなく夜が明ける。平野の国プラトーは冬の季節を終え、春を迎えようとしていた。

まだ霜の残る街道を少年が歩いている。歳の頃は18歳。顔立ちにはまだ少年の幼さが残るが、物静かで落ち着いた佇まいはどこか品を感じさせた。ダークブラウンの髪の毛が風に流れている。

やがて彼は目的地である村へたどり着いた。蜂蜜色の石灰岩で作られた建物が並ぶ、人口200人程度の小さなこの村は、オルダーウィックという。

入り口で農作業をしていた男性と挨拶を交わし、少年は自宅へ向かった。名はリベル。平原での嵐から十年が過ぎていた。
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