118 / 157
北の大陸蹂躙
北の大陸 リッカ・フェリside ー 誤算
しおりを挟む
「待て! 早まるな! 騒ぐんじゃない!」
冒険者に取り囲まれ、今にも手を出してしまいそうな状況をダンが一喝した。
「この方は魔王である可能性が非常に高い! おまえたちが束になってかかろうとも勝てる相手じゃないんだ! 噂くらいは聞いているだろう? その噂はギルドが調査したものとほぼ一緒なんだ。人間が残っているのは中央の大陸と、この北の大陸のみ。ここに魔王が来た理由……言わなくてもわかるだろう!!」
ダンは冒険者に言い聞かせるように状況を説明した。
理解あるものなら、ここで無闇に事を起こすことはないだろう。しかし、今は美味しい獲物が手に届く範囲にある。そう簡単に引き下がる者たちではなかった。
「けっ! そうだとしても、魔族になってエルフの使い走りにされるなんざ御免だね!」
「ふふふ……じゃあ、死ぬか?」
冒険者の威勢のいい啖呵に肩を震わせて答えるルーシェ。
そう言って見据えた冒険者もヘラヘラとした態度を見せていた。
「馬鹿! やめろ!」
「うるせぇ! テメェらはエルフを庇った罪人だ。構うことはねぇ! やっちまえ!」
「おお!!」
ダンの抑制も虚しく終わり、掛け声勇ましく畳み掛けるように全員が一歩を踏み出した。
しかし、その一歩より先へは誰も近づけなかった。
「お……おい。体が……どうなってんだ!」
「俺も……クソ! なんで動かねぇんだ!」
「クックック……ヒヒヒ……」
ルーシェが楽しそうに冒険者の前まで行き、男の顔に手を掲げた。
「テメェ! いったいなにをした!」
「答える必要なんてないだろう? 死——」
「——待ってくれ! 頼む! こいつら頭の悪い連中だからあなたの強さがわからないだけなんだ! 頼む!」
ルーシェの言葉を遮って、ダンが慈悲を願い叫んだ。
「なんだ? 邪魔するつもりか?」
「うっ……いっいや、邪魔したいわけじゃない……でも、そいつらの意見が全員の意見じゃない……この国を……そいつらと同じに見ないで欲しい」
「ふん……そうか。なら、もういいだろうか?」
ルーシェは不機嫌にダンを見据える。
これ以上の嘆願は危険だと悟ったダンは、小さく頷くと、静かに溜息を吐いた。
ダンは冒険者を見ることはなく、安堵のせいか、力なく項垂れていた。
ドン……。
鈍い音がした。
見れば、門兵の時と同じく、冒険者の首が落ちた音だった。
ドン……ドン……ドン……。
動けない冒険者たちの首が落ちていく。
あまりに呆気なく行われたあり得ない光景に、冒険者たちからの悲鳴は遅れて騒ぎ出す。
「うわぁぁぁああ!!! やめろ! やめろ! 来る——」
「嫌だ! やめ——」
「うわぁああ——」
ドン……ドン……ドン……。
悲鳴を上げた者から処理されていく命。
その規則性を冒険者たちが理解したのは半数の首が落ちてからのことだった。
場に静寂が訪れる。
「……どうした? もう威勢のいい者はいないのか? ほら……僕たちを処刑したいんだろう? エルフは多額の報酬が出るんだろ? こんなに静かになって……いったいどうしたんだ?」
ルーシェはとても楽しそうな表情を浮かべていた。
冒険者は固唾を飲み、恐怖に震える声を必死に押さえ込んでいる。
力の差を見せつけられ、己の無力さを身をもって痛感させられているのだろう。
ルーシェの問いに答えられる者は誰一人としていない。
どうしたらいいのかもわからず、じっと死の恐怖に耐えることしかできないようだった。
「ふん!」
ルーシェが振り返ると、冒険者たちの拘束は解かれ、皆が地に手を突いた。
「ダン……これで満足か?」
「え? ……あ……ありがとうございます」
唐突にルーシェから話しかけられて混乱したのか、冒険者が殺されたというのに感謝を述べるダン。
しかし、そんな場違いな答えのおかげか、ルーシェの顔は曇ってしまった。
「ッチ! で? この落とし前……どうつける? ギルドマスターなんだろう? 冒険者の粗相はおまえにも責任があると思うのだが」
「あ……えっと……どうしたら……いいでしょうか?」
「はぁ……魔王の脅威が知れるのも考えものだな。なら、おまえが庇ったこの国の王に会わせろ。すぐここに連れて来なければ、この国の蹂躙を始める……わかったらさっさと行け!」
「は……え!? いや、そんなこと私では不可能です! 王に謁見する場を作るのですら難しく……」
「謁見だと? それは王が僕に対してすることだ。ああそうか。わかった。おまえがそういう態度なら——」
「——お待ちください!! わかりました! すぐに向かわせていただきます!」
「最初からそうすればいいんだ。早く行け!」
「はい!!」
ダンが慌ててギルドを飛び出していく。
ギルドマスターとはいえ、国の王をこんなところへと連れて来られるかどうかは、ほとんど不可能に近かいだろう。
ルーシェがなにか考えを持っているとは思えず、単なる癇癪なのだろうことは十分に伝わっていた。
「ルーシェ……さすがに王様をここに連れて来るなんて無理なんじゃないかな?」
静寂を破ってリッカがもっともな疑問を投げかける。
「やっぱ無理かなぁ。でも、ギルドマスターが血相変えて来たとなったら無視はできないんじゃないかな?」
「そうだとしても……あ……もしかして……ルーシェは兵隊でも呼び寄せるつもりなんじゃ……」
「お! リッカ、よくわかったな」
「なるほど。それで返り討ちですか……」
「そ! それで、人間は皆殺し! ってね!」
あまりにスケールの大きい算段にリッカとフェリは溜息を吐いた。
くだらない茶番だが、ルーシェが人間を殺す時は必ず行う儀式のようなものだ。
人間を殺す口実をはっきりとしたものにする行為。
それでいて、ガーゴイルたちには無差別テロのようなこともするのだから、いまいち理解できないお遊びだった。
そして、ダンが飛び出してからしばらくが経ち、静かなギルド内で冒険者たちの胃に穴が開きそうなころ、ゆっくりと音を立ててギルドの扉が開いた。
皆が注目してドアを開けた者の姿を見れば、そこには豪華な衣装に身を包んだ少年。傍には厳つい甲冑を身につけた兵士が並んでいた。
「嘘……アリフォール王様……」
受付のお姉さんがあり得ない物でも見たかのように呟く。
ルーシェの思惑は外れ、王自らがギルドへと足を運んで参上したのだ。
それを見たルーシェは少し驚いた風だったが、やがて口角を上げて破顔しだす。
「……こちらです」
付き人のようにダンが王様を先導してルーシェの前まで連れて来る。
「魔王様、お約束どおり、アリフォール王を連れて参りました」
ダンが深々とルーシェへと頭を下げると、続けて王様と兵士が跪いた。
冒険者に取り囲まれ、今にも手を出してしまいそうな状況をダンが一喝した。
「この方は魔王である可能性が非常に高い! おまえたちが束になってかかろうとも勝てる相手じゃないんだ! 噂くらいは聞いているだろう? その噂はギルドが調査したものとほぼ一緒なんだ。人間が残っているのは中央の大陸と、この北の大陸のみ。ここに魔王が来た理由……言わなくてもわかるだろう!!」
ダンは冒険者に言い聞かせるように状況を説明した。
理解あるものなら、ここで無闇に事を起こすことはないだろう。しかし、今は美味しい獲物が手に届く範囲にある。そう簡単に引き下がる者たちではなかった。
「けっ! そうだとしても、魔族になってエルフの使い走りにされるなんざ御免だね!」
「ふふふ……じゃあ、死ぬか?」
冒険者の威勢のいい啖呵に肩を震わせて答えるルーシェ。
そう言って見据えた冒険者もヘラヘラとした態度を見せていた。
「馬鹿! やめろ!」
「うるせぇ! テメェらはエルフを庇った罪人だ。構うことはねぇ! やっちまえ!」
「おお!!」
ダンの抑制も虚しく終わり、掛け声勇ましく畳み掛けるように全員が一歩を踏み出した。
しかし、その一歩より先へは誰も近づけなかった。
「お……おい。体が……どうなってんだ!」
「俺も……クソ! なんで動かねぇんだ!」
「クックック……ヒヒヒ……」
ルーシェが楽しそうに冒険者の前まで行き、男の顔に手を掲げた。
「テメェ! いったいなにをした!」
「答える必要なんてないだろう? 死——」
「——待ってくれ! 頼む! こいつら頭の悪い連中だからあなたの強さがわからないだけなんだ! 頼む!」
ルーシェの言葉を遮って、ダンが慈悲を願い叫んだ。
「なんだ? 邪魔するつもりか?」
「うっ……いっいや、邪魔したいわけじゃない……でも、そいつらの意見が全員の意見じゃない……この国を……そいつらと同じに見ないで欲しい」
「ふん……そうか。なら、もういいだろうか?」
ルーシェは不機嫌にダンを見据える。
これ以上の嘆願は危険だと悟ったダンは、小さく頷くと、静かに溜息を吐いた。
ダンは冒険者を見ることはなく、安堵のせいか、力なく項垂れていた。
ドン……。
鈍い音がした。
見れば、門兵の時と同じく、冒険者の首が落ちた音だった。
ドン……ドン……ドン……。
動けない冒険者たちの首が落ちていく。
あまりに呆気なく行われたあり得ない光景に、冒険者たちからの悲鳴は遅れて騒ぎ出す。
「うわぁぁぁああ!!! やめろ! やめろ! 来る——」
「嫌だ! やめ——」
「うわぁああ——」
ドン……ドン……ドン……。
悲鳴を上げた者から処理されていく命。
その規則性を冒険者たちが理解したのは半数の首が落ちてからのことだった。
場に静寂が訪れる。
「……どうした? もう威勢のいい者はいないのか? ほら……僕たちを処刑したいんだろう? エルフは多額の報酬が出るんだろ? こんなに静かになって……いったいどうしたんだ?」
ルーシェはとても楽しそうな表情を浮かべていた。
冒険者は固唾を飲み、恐怖に震える声を必死に押さえ込んでいる。
力の差を見せつけられ、己の無力さを身をもって痛感させられているのだろう。
ルーシェの問いに答えられる者は誰一人としていない。
どうしたらいいのかもわからず、じっと死の恐怖に耐えることしかできないようだった。
「ふん!」
ルーシェが振り返ると、冒険者たちの拘束は解かれ、皆が地に手を突いた。
「ダン……これで満足か?」
「え? ……あ……ありがとうございます」
唐突にルーシェから話しかけられて混乱したのか、冒険者が殺されたというのに感謝を述べるダン。
しかし、そんな場違いな答えのおかげか、ルーシェの顔は曇ってしまった。
「ッチ! で? この落とし前……どうつける? ギルドマスターなんだろう? 冒険者の粗相はおまえにも責任があると思うのだが」
「あ……えっと……どうしたら……いいでしょうか?」
「はぁ……魔王の脅威が知れるのも考えものだな。なら、おまえが庇ったこの国の王に会わせろ。すぐここに連れて来なければ、この国の蹂躙を始める……わかったらさっさと行け!」
「は……え!? いや、そんなこと私では不可能です! 王に謁見する場を作るのですら難しく……」
「謁見だと? それは王が僕に対してすることだ。ああそうか。わかった。おまえがそういう態度なら——」
「——お待ちください!! わかりました! すぐに向かわせていただきます!」
「最初からそうすればいいんだ。早く行け!」
「はい!!」
ダンが慌ててギルドを飛び出していく。
ギルドマスターとはいえ、国の王をこんなところへと連れて来られるかどうかは、ほとんど不可能に近かいだろう。
ルーシェがなにか考えを持っているとは思えず、単なる癇癪なのだろうことは十分に伝わっていた。
「ルーシェ……さすがに王様をここに連れて来るなんて無理なんじゃないかな?」
静寂を破ってリッカがもっともな疑問を投げかける。
「やっぱ無理かなぁ。でも、ギルドマスターが血相変えて来たとなったら無視はできないんじゃないかな?」
「そうだとしても……あ……もしかして……ルーシェは兵隊でも呼び寄せるつもりなんじゃ……」
「お! リッカ、よくわかったな」
「なるほど。それで返り討ちですか……」
「そ! それで、人間は皆殺し! ってね!」
あまりにスケールの大きい算段にリッカとフェリは溜息を吐いた。
くだらない茶番だが、ルーシェが人間を殺す時は必ず行う儀式のようなものだ。
人間を殺す口実をはっきりとしたものにする行為。
それでいて、ガーゴイルたちには無差別テロのようなこともするのだから、いまいち理解できないお遊びだった。
そして、ダンが飛び出してからしばらくが経ち、静かなギルド内で冒険者たちの胃に穴が開きそうなころ、ゆっくりと音を立ててギルドの扉が開いた。
皆が注目してドアを開けた者の姿を見れば、そこには豪華な衣装に身を包んだ少年。傍には厳つい甲冑を身につけた兵士が並んでいた。
「嘘……アリフォール王様……」
受付のお姉さんがあり得ない物でも見たかのように呟く。
ルーシェの思惑は外れ、王自らがギルドへと足を運んで参上したのだ。
それを見たルーシェは少し驚いた風だったが、やがて口角を上げて破顔しだす。
「……こちらです」
付き人のようにダンが王様を先導してルーシェの前まで連れて来る。
「魔王様、お約束どおり、アリフォール王を連れて参りました」
ダンが深々とルーシェへと頭を下げると、続けて王様と兵士が跪いた。
0
お気に入りに追加
959
あなたにおすすめの小説
勇者に闇討ちされ婚約者を寝取られた俺がざまあするまで。
飴色玉葱
ファンタジー
王都にて結成された魔王討伐隊はその任を全うした。
隊を率いたのは勇者として名を挙げたキサラギ、英雄として誉れ高いジークバルト、さらにその二人を支えるようにその婚約者や凄腕の魔法使いが名を連ねた。
だがあろうことに勇者キサラギはジークバルトを闇討ちし行方知れずとなってしまう。
そして、恐るものがいなくなった勇者はその本性を現す……。
性奴隷を飼ったのに
お小遣い月3万
ファンタジー
10年前に俺は日本から異世界に転移して来た。
異世界に転移して来たばかりの頃、辿り着いた冒険者ギルドで勇者認定されて、魔王を討伐したら家族の元に帰れるのかな、っと思って必死になって魔王を討伐したけど、日本には帰れなかった。
異世界に来てから10年の月日が流れてしまった。俺は魔王討伐の報酬として特別公爵になっていた。ちなみに領地も貰っている。
自分の領地では奴隷は禁止していた。
奴隷を売買している商人がいるというタレコミがあって、俺は出向いた。
そして1人の奴隷少女と出会った。
彼女は、お風呂にも入れられていなくて、道路に落ちている軍手のように汚かった。
彼女は幼いエルフだった。
それに魔力が使えないように処理されていた。
そんな彼女を故郷に帰すためにエルフの村へ連れて行った。
でもエルフの村は魔力が使えない少女を引き取ってくれなかった。それどころか魔力が無いエルフは処分する掟になっているらしい。
俺の所有物であるなら彼女は処分しない、と村長が言うから俺はエルフの女の子を飼うことになった。
孤児になった魔力も無いエルフの女の子。年齢は14歳。
エルフの女の子を見捨てるなんて出来なかった。だから、この世界で彼女が生きていけるように育成することに決めた。
※エルフの少女以外にもヒロインは登場する予定でございます。
※帰る場所を無くした女の子が、美しくて強い女性に成長する物語です。
勇者に大切な人達を寝取られた結果、邪神が目覚めて人類が滅亡しました。
レオナール D
ファンタジー
大切な姉と妹、幼なじみが勇者の従者に選ばれた。その時から悪い予感はしていたのだ。
田舎の村に生まれ育った主人公には大切な女性達がいた。いつまでも一緒に暮らしていくのだと思っていた彼女らは、神託によって勇者の従者に選ばれて魔王討伐のために旅立っていった。
旅立っていった彼女達の無事を祈り続ける主人公だったが……魔王を倒して帰ってきた彼女達はすっかり変わっており、勇者に抱きついて媚びた笑みを浮かべていた。
青年が大切な人を勇者に奪われたとき、世界の破滅が幕を開く。
恐怖と狂気の怪物は絶望の底から生まれ落ちたのだった……!?
※カクヨムにも投稿しています。
【破天荒注意】陰キャの俺、異世界の女神の力を借り俺を裏切った幼なじみと寝取った陽キャ男子に復讐する
花町ぴろん
ファンタジー
陰キャの俺にはアヤネという大切な幼なじみがいた。
俺たち二人は高校入学と同時に恋人同士となった。
だがしかし、そんな幸福な時間は長くは続かなかった。
アヤネはあっさりと俺を捨て、イケメンの陽キャ男子に寝取られてしまったのだ。
絶望に打ちひしがれる俺。夢も希望も無い毎日。
そんな俺に一筋の光明が差し込む。
夢の中で出会った女神エリステア。俺は女神の加護を受け辛く険しい修行に耐え抜き、他人を自由自在に操る力を手に入れる。
今こそ復讐のときだ!俺は俺を裏切った幼なじみと俺の心を踏みにじった陽キャイケメン野郎を絶対に許さない!!
★寝取られ→ざまぁのカタルシスをお楽しみください。
※この小説は「小説家になろう」「カクヨム」にも掲載しています。
戦争から帰ってきたら、俺の婚約者が別の奴と結婚するってよ。
隣のカキ
ファンタジー
国家存亡の危機を救った英雄レイベルト。彼は幼馴染のエイミーと婚約していた。
婚約者を想い、幾つもの死線をくぐり抜けた英雄は戦後、結婚の約束を果たす為に生まれ故郷の街へと戻る。
しかし、戦争で負った傷も癒え切らぬままに故郷へと戻った彼は、信じられない光景を目の当たりにするのだった……
女神に同情されて異世界へと飛ばされたアラフォーおっさん、特S級モンスター相手に無双した結果、実力がバレて世界に見つかってしまう
サイダーボウイ
ファンタジー
「ちょっと冬馬君。このプレゼン資料ぜんぜんダメ。一から作り直してくれない?」
万年ヒラ社員の冬馬弦人(39歳)は、今日も上司にこき使われていた。
地方の中堅大学を卒業後、都内の中小家電メーカーに就職。
これまで文句も言わず、コツコツと地道に勤め上げてきた。
彼女なしの独身に平凡な年収。
これといって自慢できるものはなにひとつないが、当の本人はあまり気にしていない。
2匹の猫と穏やかに暮らし、仕事終わりに缶ビールが1本飲めれば、それだけで幸せだったのだが・・・。
「おめでとう♪ たった今、あなたには異世界へ旅立つ権利が生まれたわ」
誕生日を迎えた夜。
突如、目の前に現れた女神によって、弦人の人生は大きく変わることになる。
「40歳まで童貞だったなんて・・・これまで惨めで辛かったでしょ? でももう大丈夫! これからは異世界で楽しく遊んで暮らせるんだから♪」
女神に同情される形で異世界へと旅立つことになった弦人。
しかし、降り立って彼はすぐに気づく。
女神のとんでもないしくじりによって、ハードモードから異世界生活をスタートさせなければならないという現実に。
これは、これまで日の目を見なかったアラフォーおっさんが、異世界で無双しながら成り上がり、その実力がバレて世界に見つかってしまうという人生逆転の物語である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる