91 / 97
3部 精霊女王の〝首狩り馬〟 編
91話 夜の精霊界
しおりを挟む
空気が変わったのが、肌に触れたしっとりとした冷気でも分かった。恐ろしいくらいに新鮮で、それでいて辺りは、静まり返った夜の深い森の風景だ。
ほんのりと青く光っているような木々の葉。足場の土の上に、ところどころ生えている雑草はやけに明るい緑にも見える。
――けれど、その世界には月明かりさえない。
それでも、真っ暗にならないのは精霊魔力が満ちているからだ。ただただ、しっとりと絡み付く空気と共に、風景がぼんやりと浮かび上がっている。
「一体、どこの層あたりの精霊界だろうな」
メイベルは、到着と共にスティーブンから手を離し、辺りをきょろきよろと見やった。
空気の質感から、想定したよりも随分深いところであろうと嫌な予感はしていた。訝って周りを観察しているスティーブンのそばで、彼女の眉間により強い皺が寄る。
色合いは全体的に暗い。ほとんど精霊界は、美しい風景の中にあるというのに、知らない者が見てもじめじめとした印象が強い光景だ。
「チッ――よりによって【墓場の処刑精霊】かよ」
自分達がいる精霊界の風景をざっと見回したメイベルは、品もなく舌打ちした。露骨な嫌がりっぷりを見て、スティーブンが尋ねる。
「何か、問題があるのか?」
「こいつは、ちょっと特殊な精霊でな。精霊界の掃除屋みたいなもので、その手下は、腐敗した肉体持ちの精霊モドキみたいな連中なんだ」
「はぁ?」
途端にスティーブンが、顰め面を浮かべる。
説明がよくなかったらしい。嫌だなぁ、面倒だなぁ、と思い返し続けていたメイベルは、顎に手をやって思案する。
「ああいうのって、なんて説明すればいいんだっけか。こう、とにかく面倒で、腐ってるし、土臭いし、精霊じゃなくて【墓場の処刑精霊】が作った人形みたいな?」
嫌すぎて、そちらに集中が回らなくて、メイベルは言いながら首を傾げていく。
しまいには思案する顔で黙り込んだ。そんな彼女を、しばし見下ろしていたスティーブンが、観察を終えるとこう言った。
「…………お前、結構抜けてるというか、物を知らないところがあるんじゃ――いてっ」
メイベルは、目も向けずに彼の足を軽く蹴った。
「人間界では、その精霊モドが【掃除屋】と呼ばれている。正確には【精霊の土人形】だ。土属性の高位精霊で、墓場の主である【墓場の処刑精霊】が作っている子分だ」
ひとまず、知っている範囲でしれっと説明する。
足をさすっていたスティーブンが、コノヤロー、と目を向けた。メイベルはそこで視線を返すと、なんでもなかったかのように軽く手ぶりを交えてこう続けた。
「んでもって、ここはその【墓場の処刑精霊】の生息域で、住処だ。やつらは、処刑人の中でも仕事熱心の厄介な精霊でもある、というか」
その時、柔らかな湿った土を踏む、たくさんの足音が耳に入ってきた。
嫌な匂いが鼻先をかすめる。ざわざわと近付いてくる音と気配に、嫌な予感を覚えて二人が目を向けた先には、ゴツゴツとした細い褐色の『小さな鬼』がいた。
「ああ。あれが、【精霊の土人形】だよ」
メイベルは、げんなりとした声でそう教える。
現われたのは、【墓場の処刑精霊】が作っている、命令に忠実な言葉さえも理解しない手下だった。
四つん這いで大地を移動し、尻尾でバランスを取る。手を器用に動かす事ができないので、口に鋼で大きなギザギサの刃を作って埋め込んでいる、という雑な作りだ。
――とはいえ、その名は精霊から見た印象である。
「土、人形……?」
全く予想外の姿だったようで、間の抜けた声でスティーブンが呟く。姿は小鬼だし、そもそも体が腐っていて、とても「土」という印象が出てこない。
四つん這いで進んでくる小鬼達が、濁った灯かりがあるだけの眼孔を、ロックオンするかのように二人へ真っ直ぐ向けた。
と思った直後、小鬼達が一斉に飛び出してきた。咄嗟にスティーブンが銃を引き抜き、近い数匹の額を一発ずつ打ち抜いきながらメイベルの腕を掴み、そしてガバッと反対方向へ走り出した。
「ありゃ土人形じゃなくて、動く死体みたいなもんだろ!」
彼が、怒ったように言ってくる。
そのまま一緒に走らされたメイベルは、訝って訂正を入れた。
「だから、アレらは高位精霊の作り物の手下であって、魂がなくて肉体は腐ってるけど食欲しかない掃除屋――」
「それをゾンビって言うんだバカ!」
言葉を遮られてしまった。
メイベルは、そうだったと言葉を思い出した。彼に手を解いてもらうと、両手を振って走りながらチラリと後方の様子を確認する。
「普通、二人で逃げられないくらいにもっと数がいる。群れになると、互いを投げ合って、かなり速く標的に追い付けるんだ」
「なんだそのホラー! くそっ、中身の剣は持ってこれば良かったな」
「斬っても無駄だよ。頭部がなくなっても、魔力がある限り、人形の体は腕一本になろうとバラバラで動き続ける」
「いよいよホラーな状況じゃねぇかッ」
「だから言ったろ、嫌な相手だって。だが、おかげで状況はまだマシだと分かった。やつらが、これだけしか出てこないって事は、【首狩り馬】の方を襲っているか、連行している最中だって事だ」
数を見た当初から、余裕があるメイベルがニヤッとする。
足の長さの違いも有利になっているのか、次第に小鬼と距離が開き出しているのを見たスティーブンが、一旦銃を戻しながら尋ねた。
「連行? どこへ連れて行くんだ?」
「処刑場だよ。そこは、墓場の主である【墓場の処刑精霊】の城だ」
メイベルは、走る彼にチラリと目を寄越して説明する。
「それぞれ、処刑人によって精霊を完全に殺す手段は違っている。【墓場の処刑精霊】は、城で魔力を完全に抜き取ってから、土に還す方法をとる」
魔法嫌いの学者であるスティーブンは、すぐにはピンとこない様子で考える。
「つまり城を目指せばいいのか?」
「ああ。精霊の中でも、かなりデカい住居で目立つから、すぐに見つかる。魔力を感じられないお前でも、風が向かってくる方を目指せば辿り着ける」
「風?」
「精霊界は、全て精霊と魔力によって自然現象も引き起こされる。ここ一帯に流れている『夜の風』は、敷地の主である【墓場の処刑精霊】の活動影響を受けてる」
するとスティーブンが、まさかという表情を浮かべた。
「おいおい。じゃあ、昼と夜の切り替わりも同じだったりするのか?」
「場所にもよるが、土地そのものに根付いた高位精霊の【主】がいれば、そうなる。ここは【墓場の処刑精霊】の活動期、つまりが目を覚ましている間の五十三時間は、夜。奴が眠ると昼夜が逆転する」
「そんなバカな……」
「そんなところなんだよ、精霊界は」
メイベルは、忠告するようにスティーブンに続ける。
「お前は人間で、しかも無知な非魔法使いだ。必要以上にはあちこちに進むなよ。精霊界も色々とあるからな」
精霊がたくさんいる、というだけではない。
学んだ魔法使いであるほど、精霊界にはできるだけ入らない方法をとる。メイベルはそう思い返しながら、ぶすっとした彼が「分かってる」と答える顔から視線をそらした。
「急ぐぞ。あのバカ馬が処分される前に」
周囲に余計な注意をいかさないよう、わざとそう言ってスティーブンに発破をかけた。
その辺りに隠れて、こちらを窺っている小冷静の気配は感じていた。精霊言語の囁き声が、魔力の流れでメイベルの聴覚に入てくる。
――うふふふ、ここでは、弱い弱い私達精霊も実態があるの。
――だから、人は無事じゃ済まない。
――ここは夜の精霊女王のいる深域。普段だったら、人間は入れないの。
――【精霊女王に直接祝福されしモノ】が連れてきたから……今は、様子見……。
くすくすと、無垢な彼女達が笑う声がする。
何が祝福だ。メイベルは振り払うように、より足に力を入れて走った。けれどこの胸に込み上げるモノを全てぶつける事もできなくて、表情をくしゃりとした。
ほんのりと青く光っているような木々の葉。足場の土の上に、ところどころ生えている雑草はやけに明るい緑にも見える。
――けれど、その世界には月明かりさえない。
それでも、真っ暗にならないのは精霊魔力が満ちているからだ。ただただ、しっとりと絡み付く空気と共に、風景がぼんやりと浮かび上がっている。
「一体、どこの層あたりの精霊界だろうな」
メイベルは、到着と共にスティーブンから手を離し、辺りをきょろきよろと見やった。
空気の質感から、想定したよりも随分深いところであろうと嫌な予感はしていた。訝って周りを観察しているスティーブンのそばで、彼女の眉間により強い皺が寄る。
色合いは全体的に暗い。ほとんど精霊界は、美しい風景の中にあるというのに、知らない者が見てもじめじめとした印象が強い光景だ。
「チッ――よりによって【墓場の処刑精霊】かよ」
自分達がいる精霊界の風景をざっと見回したメイベルは、品もなく舌打ちした。露骨な嫌がりっぷりを見て、スティーブンが尋ねる。
「何か、問題があるのか?」
「こいつは、ちょっと特殊な精霊でな。精霊界の掃除屋みたいなもので、その手下は、腐敗した肉体持ちの精霊モドキみたいな連中なんだ」
「はぁ?」
途端にスティーブンが、顰め面を浮かべる。
説明がよくなかったらしい。嫌だなぁ、面倒だなぁ、と思い返し続けていたメイベルは、顎に手をやって思案する。
「ああいうのって、なんて説明すればいいんだっけか。こう、とにかく面倒で、腐ってるし、土臭いし、精霊じゃなくて【墓場の処刑精霊】が作った人形みたいな?」
嫌すぎて、そちらに集中が回らなくて、メイベルは言いながら首を傾げていく。
しまいには思案する顔で黙り込んだ。そんな彼女を、しばし見下ろしていたスティーブンが、観察を終えるとこう言った。
「…………お前、結構抜けてるというか、物を知らないところがあるんじゃ――いてっ」
メイベルは、目も向けずに彼の足を軽く蹴った。
「人間界では、その精霊モドが【掃除屋】と呼ばれている。正確には【精霊の土人形】だ。土属性の高位精霊で、墓場の主である【墓場の処刑精霊】が作っている子分だ」
ひとまず、知っている範囲でしれっと説明する。
足をさすっていたスティーブンが、コノヤロー、と目を向けた。メイベルはそこで視線を返すと、なんでもなかったかのように軽く手ぶりを交えてこう続けた。
「んでもって、ここはその【墓場の処刑精霊】の生息域で、住処だ。やつらは、処刑人の中でも仕事熱心の厄介な精霊でもある、というか」
その時、柔らかな湿った土を踏む、たくさんの足音が耳に入ってきた。
嫌な匂いが鼻先をかすめる。ざわざわと近付いてくる音と気配に、嫌な予感を覚えて二人が目を向けた先には、ゴツゴツとした細い褐色の『小さな鬼』がいた。
「ああ。あれが、【精霊の土人形】だよ」
メイベルは、げんなりとした声でそう教える。
現われたのは、【墓場の処刑精霊】が作っている、命令に忠実な言葉さえも理解しない手下だった。
四つん這いで大地を移動し、尻尾でバランスを取る。手を器用に動かす事ができないので、口に鋼で大きなギザギサの刃を作って埋め込んでいる、という雑な作りだ。
――とはいえ、その名は精霊から見た印象である。
「土、人形……?」
全く予想外の姿だったようで、間の抜けた声でスティーブンが呟く。姿は小鬼だし、そもそも体が腐っていて、とても「土」という印象が出てこない。
四つん這いで進んでくる小鬼達が、濁った灯かりがあるだけの眼孔を、ロックオンするかのように二人へ真っ直ぐ向けた。
と思った直後、小鬼達が一斉に飛び出してきた。咄嗟にスティーブンが銃を引き抜き、近い数匹の額を一発ずつ打ち抜いきながらメイベルの腕を掴み、そしてガバッと反対方向へ走り出した。
「ありゃ土人形じゃなくて、動く死体みたいなもんだろ!」
彼が、怒ったように言ってくる。
そのまま一緒に走らされたメイベルは、訝って訂正を入れた。
「だから、アレらは高位精霊の作り物の手下であって、魂がなくて肉体は腐ってるけど食欲しかない掃除屋――」
「それをゾンビって言うんだバカ!」
言葉を遮られてしまった。
メイベルは、そうだったと言葉を思い出した。彼に手を解いてもらうと、両手を振って走りながらチラリと後方の様子を確認する。
「普通、二人で逃げられないくらいにもっと数がいる。群れになると、互いを投げ合って、かなり速く標的に追い付けるんだ」
「なんだそのホラー! くそっ、中身の剣は持ってこれば良かったな」
「斬っても無駄だよ。頭部がなくなっても、魔力がある限り、人形の体は腕一本になろうとバラバラで動き続ける」
「いよいよホラーな状況じゃねぇかッ」
「だから言ったろ、嫌な相手だって。だが、おかげで状況はまだマシだと分かった。やつらが、これだけしか出てこないって事は、【首狩り馬】の方を襲っているか、連行している最中だって事だ」
数を見た当初から、余裕があるメイベルがニヤッとする。
足の長さの違いも有利になっているのか、次第に小鬼と距離が開き出しているのを見たスティーブンが、一旦銃を戻しながら尋ねた。
「連行? どこへ連れて行くんだ?」
「処刑場だよ。そこは、墓場の主である【墓場の処刑精霊】の城だ」
メイベルは、走る彼にチラリと目を寄越して説明する。
「それぞれ、処刑人によって精霊を完全に殺す手段は違っている。【墓場の処刑精霊】は、城で魔力を完全に抜き取ってから、土に還す方法をとる」
魔法嫌いの学者であるスティーブンは、すぐにはピンとこない様子で考える。
「つまり城を目指せばいいのか?」
「ああ。精霊の中でも、かなりデカい住居で目立つから、すぐに見つかる。魔力を感じられないお前でも、風が向かってくる方を目指せば辿り着ける」
「風?」
「精霊界は、全て精霊と魔力によって自然現象も引き起こされる。ここ一帯に流れている『夜の風』は、敷地の主である【墓場の処刑精霊】の活動影響を受けてる」
するとスティーブンが、まさかという表情を浮かべた。
「おいおい。じゃあ、昼と夜の切り替わりも同じだったりするのか?」
「場所にもよるが、土地そのものに根付いた高位精霊の【主】がいれば、そうなる。ここは【墓場の処刑精霊】の活動期、つまりが目を覚ましている間の五十三時間は、夜。奴が眠ると昼夜が逆転する」
「そんなバカな……」
「そんなところなんだよ、精霊界は」
メイベルは、忠告するようにスティーブンに続ける。
「お前は人間で、しかも無知な非魔法使いだ。必要以上にはあちこちに進むなよ。精霊界も色々とあるからな」
精霊がたくさんいる、というだけではない。
学んだ魔法使いであるほど、精霊界にはできるだけ入らない方法をとる。メイベルはそう思い返しながら、ぶすっとした彼が「分かってる」と答える顔から視線をそらした。
「急ぐぞ。あのバカ馬が処分される前に」
周囲に余計な注意をいかさないよう、わざとそう言ってスティーブンに発破をかけた。
その辺りに隠れて、こちらを窺っている小冷静の気配は感じていた。精霊言語の囁き声が、魔力の流れでメイベルの聴覚に入てくる。
――うふふふ、ここでは、弱い弱い私達精霊も実態があるの。
――だから、人は無事じゃ済まない。
――ここは夜の精霊女王のいる深域。普段だったら、人間は入れないの。
――【精霊女王に直接祝福されしモノ】が連れてきたから……今は、様子見……。
くすくすと、無垢な彼女達が笑う声がする。
何が祝福だ。メイベルは振り払うように、より足に力を入れて走った。けれどこの胸に込み上げるモノを全てぶつける事もできなくて、表情をくしゃりとした。
0
お気に入りに追加
184
あなたにおすすめの小説

好きでした、さようなら
豆狸
恋愛
「……すまない」
初夜の床で、彼は言いました。
「君ではない。私が欲しかった辺境伯令嬢のアンリエット殿は君ではなかったんだ」
悲しげに俯く姿を見て、私の心は二度目の死を迎えたのです。
なろう様でも公開中です。

婚約破棄された私の結婚は、すでに決まっていた
月山 歩
恋愛
婚約破棄され、心の整理がつかないアリスに次の日には婚約の打診をするルーク。少ししか話してない人だけど、流されるままに婚約してしまう。政略結婚って言ったけれど、こんなに優しいのはどうしてかしら?
「不細工なお前とは婚約破棄したい」と言ってみたら、秒で破棄されました。
桜乃
ファンタジー
ロイ王子の婚約者は、不細工と言われているテレーゼ・ハイウォール公爵令嬢。彼女からの愛を確かめたくて、思ってもいない事を言ってしまう。
「不細工なお前とは婚約破棄したい」
この一言が重要な言葉だなんて思いもよらずに。
※約4000文字のショートショートです。11/21に完結いたします。
※1回の投稿文字数は少な目です。
※前半と後半はストーリーの雰囲気が変わります。
表紙は「かんたん表紙メーカー2」にて作成いたしました。
❇❇❇❇❇❇❇❇❇
2024年10月追記
お読みいただき、ありがとうございます。
こちらの作品は完結しておりますが、10月20日より「番外編 バストリー・アルマンの事情」を追加投稿致しますので、一旦、表記が連載中になります。ご了承ください。
1ページの文字数は少な目です。
約4500文字程度の番外編です。
バストリー・アルマンって誰やねん……という読者様のお声が聞こえてきそう……(;´∀`)
ロイ王子の側近です。(←言っちゃう作者 笑)
※番外編投稿後は完結表記に致します。再び、番外編等を投稿する際には連載表記となりますこと、ご容赦いただけますと幸いです。

婚約破棄?一体何のお話ですか?
リヴァルナ
ファンタジー
なんだかざまぁ(?)系が書きたかったので書いてみました。
エルバルド学園卒業記念パーティー。
それも終わりに近付いた頃、ある事件が起こる…
※エブリスタさんでも投稿しています

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
お前など家族ではない!と叩き出されましたが、家族になってくれという奇特な騎士に拾われました
蒼衣翼
恋愛
アイメリアは今年十五歳になる少女だ。
家族に虐げられて召使いのように働かされて育ったアイメリアは、ある日突然、父親であった存在に「お前など家族ではない!」と追い出されてしまう。
アイメリアは養子であり、家族とは血の繋がりはなかったのだ。
閉じ込められたまま外を知らずに育ったアイメリアは窮地に陥るが、救ってくれた騎士の身の回りの世話をする仕事を得る。
養父母と義姉が自らの企みによって窮地に陥り、落ちぶれていく一方で、アイメリアはその秘められた才能を開花させ、救い主の騎士と心を通わせ、自らの居場所を作っていくのだった。
※小説家になろうさま・カクヨムさまにも掲載しています。

【完結】番である私の旦那様
桜もふ
恋愛
異世界であるミーストの世界最強なのが黒竜族!
黒竜族の第一皇子、オパール・ブラック・オニキス(愛称:オール)の番をミースト神が異世界転移させた、それが『私』だ。
バールナ公爵の元へ養女として出向く事になるのだが、1人娘であった義妹が最後まで『自分』が黒竜族の番だと思い込み、魅了の力を使って男性を味方に付け、なにかと嫌味や嫌がらせをして来る。
オールは政務が忙しい身ではあるが、溺愛している私の送り迎えだけは必須事項みたい。
気が抜けるほど甘々なのに、義妹に邪魔されっぱなし。
でも神様からは特別なチートを貰い、世界最強の黒竜族の番に相応しい子になろうと頑張るのだが、なぜかディロ-ルの侯爵子息に学園主催の舞踏会で「お前との婚約を破棄する!」なんて訳の分からない事を言われるし、義妹は最後の最後まで頭お花畑状態で、オールを手に入れようと男の元を転々としながら、絡んで来ます!(鬱陶しいくらい来ます!)
大好きな乙女ゲームや異世界の漫画に出てくる「私がヒロインよ!」な頭の変な……じゃなかった、変わった義妹もいるし、何と言っても、この世界の料理はマズイ、不味すぎるのです!
神様から貰った、特別なスキルを使って異世界の皆と地球へ行き来したり、地球での家族と異世界へ行き来しながら、日本で得た知識や得意な家事(食事)などを、この世界でオールと一緒に自由にのんびりと生きて行こうと思います。
前半は転移する前の私生活から始まります。

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる