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3部 精霊女王の〝首狩り馬〟 編
91話 夜の精霊界
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空気が変わったのが、肌に触れたしっとりとした冷気でも分かった。恐ろしいくらいに新鮮で、それでいて辺りは、静まり返った夜の深い森の風景だ。
ほんのりと青く光っているような木々の葉。足場の土の上に、ところどころ生えている雑草はやけに明るい緑にも見える。
――けれど、その世界には月明かりさえない。
それでも、真っ暗にならないのは精霊魔力が満ちているからだ。ただただ、しっとりと絡み付く空気と共に、風景がぼんやりと浮かび上がっている。
「一体、どこの層あたりの精霊界だろうな」
メイベルは、到着と共にスティーブンから手を離し、辺りをきょろきよろと見やった。
空気の質感から、想定したよりも随分深いところであろうと嫌な予感はしていた。訝って周りを観察しているスティーブンのそばで、彼女の眉間により強い皺が寄る。
色合いは全体的に暗い。ほとんど精霊界は、美しい風景の中にあるというのに、知らない者が見てもじめじめとした印象が強い光景だ。
「チッ――よりによって【墓場の処刑精霊】かよ」
自分達がいる精霊界の風景をざっと見回したメイベルは、品もなく舌打ちした。露骨な嫌がりっぷりを見て、スティーブンが尋ねる。
「何か、問題があるのか?」
「こいつは、ちょっと特殊な精霊でな。精霊界の掃除屋みたいなもので、その手下は、腐敗した肉体持ちの精霊モドキみたいな連中なんだ」
「はぁ?」
途端にスティーブンが、顰め面を浮かべる。
説明がよくなかったらしい。嫌だなぁ、面倒だなぁ、と思い返し続けていたメイベルは、顎に手をやって思案する。
「ああいうのって、なんて説明すればいいんだっけか。こう、とにかく面倒で、腐ってるし、土臭いし、精霊じゃなくて【墓場の処刑精霊】が作った人形みたいな?」
嫌すぎて、そちらに集中が回らなくて、メイベルは言いながら首を傾げていく。
しまいには思案する顔で黙り込んだ。そんな彼女を、しばし見下ろしていたスティーブンが、観察を終えるとこう言った。
「…………お前、結構抜けてるというか、物を知らないところがあるんじゃ――いてっ」
メイベルは、目も向けずに彼の足を軽く蹴った。
「人間界では、その精霊モドが【掃除屋】と呼ばれている。正確には【精霊の土人形】だ。土属性の高位精霊で、墓場の主である【墓場の処刑精霊】が作っている子分だ」
ひとまず、知っている範囲でしれっと説明する。
足をさすっていたスティーブンが、コノヤロー、と目を向けた。メイベルはそこで視線を返すと、なんでもなかったかのように軽く手ぶりを交えてこう続けた。
「んでもって、ここはその【墓場の処刑精霊】の生息域で、住処だ。やつらは、処刑人の中でも仕事熱心の厄介な精霊でもある、というか」
その時、柔らかな湿った土を踏む、たくさんの足音が耳に入ってきた。
嫌な匂いが鼻先をかすめる。ざわざわと近付いてくる音と気配に、嫌な予感を覚えて二人が目を向けた先には、ゴツゴツとした細い褐色の『小さな鬼』がいた。
「ああ。あれが、【精霊の土人形】だよ」
メイベルは、げんなりとした声でそう教える。
現われたのは、【墓場の処刑精霊】が作っている、命令に忠実な言葉さえも理解しない手下だった。
四つん這いで大地を移動し、尻尾でバランスを取る。手を器用に動かす事ができないので、口に鋼で大きなギザギサの刃を作って埋め込んでいる、という雑な作りだ。
――とはいえ、その名は精霊から見た印象である。
「土、人形……?」
全く予想外の姿だったようで、間の抜けた声でスティーブンが呟く。姿は小鬼だし、そもそも体が腐っていて、とても「土」という印象が出てこない。
四つん這いで進んでくる小鬼達が、濁った灯かりがあるだけの眼孔を、ロックオンするかのように二人へ真っ直ぐ向けた。
と思った直後、小鬼達が一斉に飛び出してきた。咄嗟にスティーブンが銃を引き抜き、近い数匹の額を一発ずつ打ち抜いきながらメイベルの腕を掴み、そしてガバッと反対方向へ走り出した。
「ありゃ土人形じゃなくて、動く死体みたいなもんだろ!」
彼が、怒ったように言ってくる。
そのまま一緒に走らされたメイベルは、訝って訂正を入れた。
「だから、アレらは高位精霊の作り物の手下であって、魂がなくて肉体は腐ってるけど食欲しかない掃除屋――」
「それをゾンビって言うんだバカ!」
言葉を遮られてしまった。
メイベルは、そうだったと言葉を思い出した。彼に手を解いてもらうと、両手を振って走りながらチラリと後方の様子を確認する。
「普通、二人で逃げられないくらいにもっと数がいる。群れになると、互いを投げ合って、かなり速く標的に追い付けるんだ」
「なんだそのホラー! くそっ、中身の剣は持ってこれば良かったな」
「斬っても無駄だよ。頭部がなくなっても、魔力がある限り、人形の体は腕一本になろうとバラバラで動き続ける」
「いよいよホラーな状況じゃねぇかッ」
「だから言ったろ、嫌な相手だって。だが、おかげで状況はまだマシだと分かった。やつらが、これだけしか出てこないって事は、【首狩り馬】の方を襲っているか、連行している最中だって事だ」
数を見た当初から、余裕があるメイベルがニヤッとする。
足の長さの違いも有利になっているのか、次第に小鬼と距離が開き出しているのを見たスティーブンが、一旦銃を戻しながら尋ねた。
「連行? どこへ連れて行くんだ?」
「処刑場だよ。そこは、墓場の主である【墓場の処刑精霊】の城だ」
メイベルは、走る彼にチラリと目を寄越して説明する。
「それぞれ、処刑人によって精霊を完全に殺す手段は違っている。【墓場の処刑精霊】は、城で魔力を完全に抜き取ってから、土に還す方法をとる」
魔法嫌いの学者であるスティーブンは、すぐにはピンとこない様子で考える。
「つまり城を目指せばいいのか?」
「ああ。精霊の中でも、かなりデカい住居で目立つから、すぐに見つかる。魔力を感じられないお前でも、風が向かってくる方を目指せば辿り着ける」
「風?」
「精霊界は、全て精霊と魔力によって自然現象も引き起こされる。ここ一帯に流れている『夜の風』は、敷地の主である【墓場の処刑精霊】の活動影響を受けてる」
するとスティーブンが、まさかという表情を浮かべた。
「おいおい。じゃあ、昼と夜の切り替わりも同じだったりするのか?」
「場所にもよるが、土地そのものに根付いた高位精霊の【主】がいれば、そうなる。ここは【墓場の処刑精霊】の活動期、つまりが目を覚ましている間の五十三時間は、夜。奴が眠ると昼夜が逆転する」
「そんなバカな……」
「そんなところなんだよ、精霊界は」
メイベルは、忠告するようにスティーブンに続ける。
「お前は人間で、しかも無知な非魔法使いだ。必要以上にはあちこちに進むなよ。精霊界も色々とあるからな」
精霊がたくさんいる、というだけではない。
学んだ魔法使いであるほど、精霊界にはできるだけ入らない方法をとる。メイベルはそう思い返しながら、ぶすっとした彼が「分かってる」と答える顔から視線をそらした。
「急ぐぞ。あのバカ馬が処分される前に」
周囲に余計な注意をいかさないよう、わざとそう言ってスティーブンに発破をかけた。
その辺りに隠れて、こちらを窺っている小冷静の気配は感じていた。精霊言語の囁き声が、魔力の流れでメイベルの聴覚に入てくる。
――うふふふ、ここでは、弱い弱い私達精霊も実態があるの。
――だから、人は無事じゃ済まない。
――ここは夜の精霊女王のいる深域。普段だったら、人間は入れないの。
――【精霊女王に直接祝福されしモノ】が連れてきたから……今は、様子見……。
くすくすと、無垢な彼女達が笑う声がする。
何が祝福だ。メイベルは振り払うように、より足に力を入れて走った。けれどこの胸に込み上げるモノを全てぶつける事もできなくて、表情をくしゃりとした。
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メイベルは、到着と共にスティーブンから手を離し、辺りをきょろきよろと見やった。
空気の質感から、想定したよりも随分深いところであろうと嫌な予感はしていた。訝って周りを観察しているスティーブンのそばで、彼女の眉間により強い皺が寄る。
色合いは全体的に暗い。ほとんど精霊界は、美しい風景の中にあるというのに、知らない者が見てもじめじめとした印象が強い光景だ。
「チッ――よりによって【墓場の処刑精霊】かよ」
自分達がいる精霊界の風景をざっと見回したメイベルは、品もなく舌打ちした。露骨な嫌がりっぷりを見て、スティーブンが尋ねる。
「何か、問題があるのか?」
「こいつは、ちょっと特殊な精霊でな。精霊界の掃除屋みたいなもので、その手下は、腐敗した肉体持ちの精霊モドキみたいな連中なんだ」
「はぁ?」
途端にスティーブンが、顰め面を浮かべる。
説明がよくなかったらしい。嫌だなぁ、面倒だなぁ、と思い返し続けていたメイベルは、顎に手をやって思案する。
「ああいうのって、なんて説明すればいいんだっけか。こう、とにかく面倒で、腐ってるし、土臭いし、精霊じゃなくて【墓場の処刑精霊】が作った人形みたいな?」
嫌すぎて、そちらに集中が回らなくて、メイベルは言いながら首を傾げていく。
しまいには思案する顔で黙り込んだ。そんな彼女を、しばし見下ろしていたスティーブンが、観察を終えるとこう言った。
「…………お前、結構抜けてるというか、物を知らないところがあるんじゃ――いてっ」
メイベルは、目も向けずに彼の足を軽く蹴った。
「人間界では、その精霊モドが【掃除屋】と呼ばれている。正確には【精霊の土人形】だ。土属性の高位精霊で、墓場の主である【墓場の処刑精霊】が作っている子分だ」
ひとまず、知っている範囲でしれっと説明する。
足をさすっていたスティーブンが、コノヤロー、と目を向けた。メイベルはそこで視線を返すと、なんでもなかったかのように軽く手ぶりを交えてこう続けた。
「んでもって、ここはその【墓場の処刑精霊】の生息域で、住処だ。やつらは、処刑人の中でも仕事熱心の厄介な精霊でもある、というか」
その時、柔らかな湿った土を踏む、たくさんの足音が耳に入ってきた。
嫌な匂いが鼻先をかすめる。ざわざわと近付いてくる音と気配に、嫌な予感を覚えて二人が目を向けた先には、ゴツゴツとした細い褐色の『小さな鬼』がいた。
「ああ。あれが、【精霊の土人形】だよ」
メイベルは、げんなりとした声でそう教える。
現われたのは、【墓場の処刑精霊】が作っている、命令に忠実な言葉さえも理解しない手下だった。
四つん這いで大地を移動し、尻尾でバランスを取る。手を器用に動かす事ができないので、口に鋼で大きなギザギサの刃を作って埋め込んでいる、という雑な作りだ。
――とはいえ、その名は精霊から見た印象である。
「土、人形……?」
全く予想外の姿だったようで、間の抜けた声でスティーブンが呟く。姿は小鬼だし、そもそも体が腐っていて、とても「土」という印象が出てこない。
四つん這いで進んでくる小鬼達が、濁った灯かりがあるだけの眼孔を、ロックオンするかのように二人へ真っ直ぐ向けた。
と思った直後、小鬼達が一斉に飛び出してきた。咄嗟にスティーブンが銃を引き抜き、近い数匹の額を一発ずつ打ち抜いきながらメイベルの腕を掴み、そしてガバッと反対方向へ走り出した。
「ありゃ土人形じゃなくて、動く死体みたいなもんだろ!」
彼が、怒ったように言ってくる。
そのまま一緒に走らされたメイベルは、訝って訂正を入れた。
「だから、アレらは高位精霊の作り物の手下であって、魂がなくて肉体は腐ってるけど食欲しかない掃除屋――」
「それをゾンビって言うんだバカ!」
言葉を遮られてしまった。
メイベルは、そうだったと言葉を思い出した。彼に手を解いてもらうと、両手を振って走りながらチラリと後方の様子を確認する。
「普通、二人で逃げられないくらいにもっと数がいる。群れになると、互いを投げ合って、かなり速く標的に追い付けるんだ」
「なんだそのホラー! くそっ、中身の剣は持ってこれば良かったな」
「斬っても無駄だよ。頭部がなくなっても、魔力がある限り、人形の体は腕一本になろうとバラバラで動き続ける」
「いよいよホラーな状況じゃねぇかッ」
「だから言ったろ、嫌な相手だって。だが、おかげで状況はまだマシだと分かった。やつらが、これだけしか出てこないって事は、【首狩り馬】の方を襲っているか、連行している最中だって事だ」
数を見た当初から、余裕があるメイベルがニヤッとする。
足の長さの違いも有利になっているのか、次第に小鬼と距離が開き出しているのを見たスティーブンが、一旦銃を戻しながら尋ねた。
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メイベルは、走る彼にチラリと目を寄越して説明する。
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「ああ。精霊の中でも、かなりデカい住居で目立つから、すぐに見つかる。魔力を感じられないお前でも、風が向かってくる方を目指せば辿り着ける」
「風?」
「精霊界は、全て精霊と魔力によって自然現象も引き起こされる。ここ一帯に流れている『夜の風』は、敷地の主である【墓場の処刑精霊】の活動影響を受けてる」
するとスティーブンが、まさかという表情を浮かべた。
「おいおい。じゃあ、昼と夜の切り替わりも同じだったりするのか?」
「場所にもよるが、土地そのものに根付いた高位精霊の【主】がいれば、そうなる。ここは【墓場の処刑精霊】の活動期、つまりが目を覚ましている間の五十三時間は、夜。奴が眠ると昼夜が逆転する」
「そんなバカな……」
「そんなところなんだよ、精霊界は」
メイベルは、忠告するようにスティーブンに続ける。
「お前は人間で、しかも無知な非魔法使いだ。必要以上にはあちこちに進むなよ。精霊界も色々とあるからな」
精霊がたくさんいる、というだけではない。
学んだ魔法使いであるほど、精霊界にはできるだけ入らない方法をとる。メイベルはそう思い返しながら、ぶすっとした彼が「分かってる」と答える顔から視線をそらした。
「急ぐぞ。あのバカ馬が処分される前に」
周囲に余計な注意をいかさないよう、わざとそう言ってスティーブンに発破をかけた。
その辺りに隠れて、こちらを窺っている小冷静の気配は感じていた。精霊言語の囁き声が、魔力の流れでメイベルの聴覚に入てくる。
――うふふふ、ここでは、弱い弱い私達精霊も実態があるの。
――だから、人は無事じゃ済まない。
――ここは夜の精霊女王のいる深域。普段だったら、人間は入れないの。
――【精霊女王に直接祝福されしモノ】が連れてきたから……今は、様子見……。
くすくすと、無垢な彼女達が笑う声がする。
何が祝福だ。メイベルは振り払うように、より足に力を入れて走った。けれどこの胸に込み上げるモノを全てぶつける事もできなくて、表情をくしゃりとした。
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