75 / 97
3部 精霊女王の〝首狩り馬〟 編
75話 三人での食卓で
しおりを挟む
どうやら近付いてきていた人間の気配は、やはり彼のもとを訪ねようとしていた老人メンバーであったらしい。
夕食が始まった席にて、話を聞いてメイベルは外出して正解だったな、と思った。
「画家の頑固ジジイは、悔しがっていたか?」
「え? どうして?」
エインワースが不思議そうに尋ね返してきた。
メイベルは、彼の手製のスープに感激している孫、スティーブンを横目にチラリと見て「――いや、なんでも」と答えた。やはりこいつの心が狭いだけか。
「お前、器が狭いと恋人の一人も出来ないぞ」
眺めて思っているだけでいようと考えていたのに、じぃっと見ていたら、うっかり思ったまま指摘の言葉が口から出てしまった。
夕食メニューを堪能していたスティーブンのこめかみに、途端にピキリと青筋が立った。
「おい。いきなりなんで俺を貶してんだよ」
「好きな女が出来たら、束縛しそうだな、て」
「するかよ。というかだな、そういう事を異性に堂々と言うなよ」
私は精霊なんだが、とメイベルはエンドウ豆を混ぜたシーザーサラダを口に放り込みながら思った。冷水につけていた野菜は、シャキシャキとして美味しい。
するとエインワースが、フォークを持っていた手の人差し指を、ピンっと立ててこう言った。
「案外、スティーヴはぞっこんになって、そばから離しそうにないかもしれないねぇ」
「爺さんまで……。俺はそんなに子供じゃねぇよ」
ガリガリ、と頭をかいて彼がパンを手に取る。
「適度な距離くらい分かってる。手紙でも言ってるが、今は仕事一本で結婚にも興味がないしな」
「ふふっ。そんなこと言って、いつか、ソファでも離したくない人が出来るんだろうねぇ」
「なんだ、経験からの話かエインワース?」
メイベルは、ニヤニヤして尋ねた。
「今だから白状するけれど、私は膝抱っことかしてみたかったねぇ。恥ずかしがり屋だったから、妻にお願い出来なくて」
「嘘付け、お前なら堂々と甘えてそうだ」
「さて、どうだったろうね――メイベルやってみる?」
「却下だ。私を子供扱いするな」
プチトマトを刺したフォークを、ビシリと向けて断った。やりとりを聞いていたスティーブンが、何故か力が有り余って、パンをぶちっと半分にちぎっていた。
「いや、落ち着け俺……これはアレだし……うん……」
「何ぶつぶつ言ってんだ?」
訝ってメイベルが目を向ける。
以前、初めてやってきた際と少し反応が違う。エインワースがちょっと考えて、にこにこと知らぬ顔でチキン料理を自分の皿へと移し出した。
「なんだ、エインワースの話にドキリとでもしたのか? ったく、顎にちょっと触っただけで動揺するガキなところ、いつか心配されそうだな」
「だから、あれはたまたまだっつってんだろ沈めんぞマジで」
「まぁ怒るなよ。祖母としてアドバイスしてやってるだけだ――孫」
「祖母なら孫の名前忘れねぇだろ、あ?」
「スティーヴ、パンを焼いたのは久々だったけれど、美味しいかい?」
「すごく美味しいぞ爺さん」
ころっと雰囲気を変えて、スティーブンが凛々しくエインワースに即答した。別に仲裁しなくとも私達の仲は最悪だぞ、とメイベルは薄ら笑いで思っていた。
三人での夕食の時間は、ある意味で賑やかに過ぎていった。祖父と孫の会話を邪魔しないよう、というより加わるのが面倒でメイベルも食事を堪能出来た。
やがて、食卓に並んでいた料理も全て胃に収まった。
食器が下げられて、エインワースの希望で食後にコーヒーが出された。スティーブンも、しばしブラックコーヒーで食べ過ぎた腹を落ち着けていた。
「…………緑豆の混入率が、異様に高かったな……」
ぼそり、とスティーブンは今更のように感想を口にした。
少し甘くしたコーヒーを飲んでいたメイベルは、チラリとエインワースの方を確認した。このタイミングなら不自然ではないし問題もないか、と散歩の時に見付けた『家』について尋ねてみた。
「廃墟?」
エインワースが、不思議そうに見つめ返してきた。
「近くを通って、見た」
メイベルは、言葉短く答えた。
祖父を心配させないようにと考えたのか、続いて確認するように目を向けられたスティーブンも「――一緒に遠目で見掛けたんだ」と落ち着いた口調で言った。
「木の向こうに見えた。一面の花の中に、建物がぽつんとあった」
「ああ、それはオーウェンさんのところの家だね。随分前に、持ち主の彼が亡くなって以来、そのままにしてあるんだ」
エインワースが微笑む。
「しばらくはずっと一人で、あの家で暮らしていてね。花が咲き続けている間はそのままにしておいてくれないか、と、彼の妹と弟が頼まれたらしいんだ」
「花……?」
「スティーヴも見ただろう? 見事なロクメイの花だよ。不思議な事にね、人の手が入らなくなってからも彼の家では、一面見事なロクメイの花が咲き続けているんだ」
そこで目が合ったメイベルは、「確かに見事な花だった」と彼に返した。
「ふふ、実はね、昔から彼の家には、守り神が住んでいるとも伝えられているそうだ。私もここに引っ越してきてから、妻とその両親から話を聞かされたんだよ」
「ふうん。守り神、ね。一族の者はそれを信じている、と?」
「昔からずっと信じられてきた。だから、一族は都会へと移っていっても遺言を守っているんだ。まるで今しばらく神様が居座っていて、不思議な力でも働いているみたいだよねぇ」
そう口にして、エインワースがコーヒーカップを口許に運んだ。
ああ、こりゃ神様にたとえられている『ナニか』がいるんだろうと、私という精霊を知ってから推測に至ってる感じだな、とメイベルは察した。
普段から、ぽやぽやとしているようでいて敏い男だ。それでいて好奇心から追求してこないという事は、他にも何かしら色々と察している部分もあって、考えた末に黙っている事にしたのだろう。
今しばらく居座っている神様。
でも、いずれはいなくなってしまうのだろう。
エインワースの静かな微笑からは、そんな思いも見て取れるような気がした。終わってしまう互いについて、ほんの少しだけ話した時と、眼差しの感じが似ていたから。
メイベルは、つられたようにしてコーヒーカップを手に取った。
その中を見下ろせば、子供にしか見えない自分の顔が映っていた。しおらしい表情をしてはいけないと思うのに――、今は眉間に皺も作れなかった。
「…………もし、来年咲かなかったら」
ぽつり、と呟いた。
エインワースは、それでもやっぱり事情は訊いてこなかった。僅かな彼の反応から、聞こえていただろうとは分かったのに、コーヒーのお代わりを求めて立ち上がると、
「君がしたいように」
独り言か、内緒話でもするみたいに通りすがり囁いていっただけだった。
メイベルは、キッチンへと向かうその大きな背中を見つめた。もし私が、と問い掛けた言葉を、今は二人ではないと気付いて途中で呑み込んだ。
たとえ確認したとしても、彼は「私は眠る時はぐっすりだからね。知らないだろう」とでも言うのだろうけれど。
「コーヒー、飲まないのか?」
不意に、問われる声が聞こえて、持っていたコーヒーカップを揺らしてしまった。
考えていた最中だったメイベルは、見開いた目をパッと向けてしまう。すると目が合ったスティーブンが、珍しいもんを見たと言わんばかりの表情をした。
「え。あ、何?」
「何って、コーヒーだよ。持ったまんまだぞ」
「飲むよ。飲もうと思って手に取ったんだから」
頬杖をついて覗き込んできた彼が、指を向けてきた。だからメイベルは、自分に言い聞かせるように答えると、両手で持ったコーヒーカップを動かして少し飲んだ。
「じっと見てくるなよ」
飲みづらい。メイベルはすぐにコーヒーカップを口から離すと、チラリと軽く睨み付けた。
スティーブンは頬杖をついたまま「ふうん」と、少しだけ首を傾げる。風呂を済ませてセットもされていない前髪が、さらりと切れ長の目にかかった。
「なんか、お前が両手で持つとコーヒーカップが大きく見えるな、って」
「手が小さいのをここで馬鹿にするとか、さすがだな『教授』」
「何が『さすが』なのか分からないんだが、とりあえず教授呼びから離れろチビ精霊」
数秒、互いが睨み合っていた。
「で? 来年咲かなかったらって、どういう意味だ?」
「別に」
メイベルは、キッチンからエインワースが戻ってくる気配を感じて、再びコーヒーを飲んだ。
「なんだよ。爺さんには話せても、俺には話せないってか」
どうしてか、スティーブンがぶすっとして座り直していった。
エインワースが席についても、しばし彼は仏頂面でよそを見て苛々した様子でコーヒーを飲んでいた。よく分からん孫だな……とメイベルは思った。
夕食が始まった席にて、話を聞いてメイベルは外出して正解だったな、と思った。
「画家の頑固ジジイは、悔しがっていたか?」
「え? どうして?」
エインワースが不思議そうに尋ね返してきた。
メイベルは、彼の手製のスープに感激している孫、スティーブンを横目にチラリと見て「――いや、なんでも」と答えた。やはりこいつの心が狭いだけか。
「お前、器が狭いと恋人の一人も出来ないぞ」
眺めて思っているだけでいようと考えていたのに、じぃっと見ていたら、うっかり思ったまま指摘の言葉が口から出てしまった。
夕食メニューを堪能していたスティーブンのこめかみに、途端にピキリと青筋が立った。
「おい。いきなりなんで俺を貶してんだよ」
「好きな女が出来たら、束縛しそうだな、て」
「するかよ。というかだな、そういう事を異性に堂々と言うなよ」
私は精霊なんだが、とメイベルはエンドウ豆を混ぜたシーザーサラダを口に放り込みながら思った。冷水につけていた野菜は、シャキシャキとして美味しい。
するとエインワースが、フォークを持っていた手の人差し指を、ピンっと立ててこう言った。
「案外、スティーヴはぞっこんになって、そばから離しそうにないかもしれないねぇ」
「爺さんまで……。俺はそんなに子供じゃねぇよ」
ガリガリ、と頭をかいて彼がパンを手に取る。
「適度な距離くらい分かってる。手紙でも言ってるが、今は仕事一本で結婚にも興味がないしな」
「ふふっ。そんなこと言って、いつか、ソファでも離したくない人が出来るんだろうねぇ」
「なんだ、経験からの話かエインワース?」
メイベルは、ニヤニヤして尋ねた。
「今だから白状するけれど、私は膝抱っことかしてみたかったねぇ。恥ずかしがり屋だったから、妻にお願い出来なくて」
「嘘付け、お前なら堂々と甘えてそうだ」
「さて、どうだったろうね――メイベルやってみる?」
「却下だ。私を子供扱いするな」
プチトマトを刺したフォークを、ビシリと向けて断った。やりとりを聞いていたスティーブンが、何故か力が有り余って、パンをぶちっと半分にちぎっていた。
「いや、落ち着け俺……これはアレだし……うん……」
「何ぶつぶつ言ってんだ?」
訝ってメイベルが目を向ける。
以前、初めてやってきた際と少し反応が違う。エインワースがちょっと考えて、にこにこと知らぬ顔でチキン料理を自分の皿へと移し出した。
「なんだ、エインワースの話にドキリとでもしたのか? ったく、顎にちょっと触っただけで動揺するガキなところ、いつか心配されそうだな」
「だから、あれはたまたまだっつってんだろ沈めんぞマジで」
「まぁ怒るなよ。祖母としてアドバイスしてやってるだけだ――孫」
「祖母なら孫の名前忘れねぇだろ、あ?」
「スティーヴ、パンを焼いたのは久々だったけれど、美味しいかい?」
「すごく美味しいぞ爺さん」
ころっと雰囲気を変えて、スティーブンが凛々しくエインワースに即答した。別に仲裁しなくとも私達の仲は最悪だぞ、とメイベルは薄ら笑いで思っていた。
三人での夕食の時間は、ある意味で賑やかに過ぎていった。祖父と孫の会話を邪魔しないよう、というより加わるのが面倒でメイベルも食事を堪能出来た。
やがて、食卓に並んでいた料理も全て胃に収まった。
食器が下げられて、エインワースの希望で食後にコーヒーが出された。スティーブンも、しばしブラックコーヒーで食べ過ぎた腹を落ち着けていた。
「…………緑豆の混入率が、異様に高かったな……」
ぼそり、とスティーブンは今更のように感想を口にした。
少し甘くしたコーヒーを飲んでいたメイベルは、チラリとエインワースの方を確認した。このタイミングなら不自然ではないし問題もないか、と散歩の時に見付けた『家』について尋ねてみた。
「廃墟?」
エインワースが、不思議そうに見つめ返してきた。
「近くを通って、見た」
メイベルは、言葉短く答えた。
祖父を心配させないようにと考えたのか、続いて確認するように目を向けられたスティーブンも「――一緒に遠目で見掛けたんだ」と落ち着いた口調で言った。
「木の向こうに見えた。一面の花の中に、建物がぽつんとあった」
「ああ、それはオーウェンさんのところの家だね。随分前に、持ち主の彼が亡くなって以来、そのままにしてあるんだ」
エインワースが微笑む。
「しばらくはずっと一人で、あの家で暮らしていてね。花が咲き続けている間はそのままにしておいてくれないか、と、彼の妹と弟が頼まれたらしいんだ」
「花……?」
「スティーヴも見ただろう? 見事なロクメイの花だよ。不思議な事にね、人の手が入らなくなってからも彼の家では、一面見事なロクメイの花が咲き続けているんだ」
そこで目が合ったメイベルは、「確かに見事な花だった」と彼に返した。
「ふふ、実はね、昔から彼の家には、守り神が住んでいるとも伝えられているそうだ。私もここに引っ越してきてから、妻とその両親から話を聞かされたんだよ」
「ふうん。守り神、ね。一族の者はそれを信じている、と?」
「昔からずっと信じられてきた。だから、一族は都会へと移っていっても遺言を守っているんだ。まるで今しばらく神様が居座っていて、不思議な力でも働いているみたいだよねぇ」
そう口にして、エインワースがコーヒーカップを口許に運んだ。
ああ、こりゃ神様にたとえられている『ナニか』がいるんだろうと、私という精霊を知ってから推測に至ってる感じだな、とメイベルは察した。
普段から、ぽやぽやとしているようでいて敏い男だ。それでいて好奇心から追求してこないという事は、他にも何かしら色々と察している部分もあって、考えた末に黙っている事にしたのだろう。
今しばらく居座っている神様。
でも、いずれはいなくなってしまうのだろう。
エインワースの静かな微笑からは、そんな思いも見て取れるような気がした。終わってしまう互いについて、ほんの少しだけ話した時と、眼差しの感じが似ていたから。
メイベルは、つられたようにしてコーヒーカップを手に取った。
その中を見下ろせば、子供にしか見えない自分の顔が映っていた。しおらしい表情をしてはいけないと思うのに――、今は眉間に皺も作れなかった。
「…………もし、来年咲かなかったら」
ぽつり、と呟いた。
エインワースは、それでもやっぱり事情は訊いてこなかった。僅かな彼の反応から、聞こえていただろうとは分かったのに、コーヒーのお代わりを求めて立ち上がると、
「君がしたいように」
独り言か、内緒話でもするみたいに通りすがり囁いていっただけだった。
メイベルは、キッチンへと向かうその大きな背中を見つめた。もし私が、と問い掛けた言葉を、今は二人ではないと気付いて途中で呑み込んだ。
たとえ確認したとしても、彼は「私は眠る時はぐっすりだからね。知らないだろう」とでも言うのだろうけれど。
「コーヒー、飲まないのか?」
不意に、問われる声が聞こえて、持っていたコーヒーカップを揺らしてしまった。
考えていた最中だったメイベルは、見開いた目をパッと向けてしまう。すると目が合ったスティーブンが、珍しいもんを見たと言わんばかりの表情をした。
「え。あ、何?」
「何って、コーヒーだよ。持ったまんまだぞ」
「飲むよ。飲もうと思って手に取ったんだから」
頬杖をついて覗き込んできた彼が、指を向けてきた。だからメイベルは、自分に言い聞かせるように答えると、両手で持ったコーヒーカップを動かして少し飲んだ。
「じっと見てくるなよ」
飲みづらい。メイベルはすぐにコーヒーカップを口から離すと、チラリと軽く睨み付けた。
スティーブンは頬杖をついたまま「ふうん」と、少しだけ首を傾げる。風呂を済ませてセットもされていない前髪が、さらりと切れ長の目にかかった。
「なんか、お前が両手で持つとコーヒーカップが大きく見えるな、って」
「手が小さいのをここで馬鹿にするとか、さすがだな『教授』」
「何が『さすが』なのか分からないんだが、とりあえず教授呼びから離れろチビ精霊」
数秒、互いが睨み合っていた。
「で? 来年咲かなかったらって、どういう意味だ?」
「別に」
メイベルは、キッチンからエインワースが戻ってくる気配を感じて、再びコーヒーを飲んだ。
「なんだよ。爺さんには話せても、俺には話せないってか」
どうしてか、スティーブンがぶすっとして座り直していった。
エインワースが席についても、しばし彼は仏頂面でよそを見て苛々した様子でコーヒーを飲んでいた。よく分からん孫だな……とメイベルは思った。
0
お気に入りに追加
183
あなたにおすすめの小説

好きでした、さようなら
豆狸
恋愛
「……すまない」
初夜の床で、彼は言いました。
「君ではない。私が欲しかった辺境伯令嬢のアンリエット殿は君ではなかったんだ」
悲しげに俯く姿を見て、私の心は二度目の死を迎えたのです。
なろう様でも公開中です。
聖女を騙った少女は、二度目の生を自由に生きる
夕立悠理
恋愛
ある日、聖女として異世界に召喚された美香。その国は、魔物と戦っているらしく、兵士たちを励まして欲しいと頼まれた。しかし、徐々に戦況もよくなってきたところで、魔法の力をもった本物の『聖女』様が現れてしまい、美香は、聖女を騙った罪で、処刑される。
しかし、ギロチンの刃が落とされた瞬間、時間が巻き戻り、美香が召喚された時に戻り、美香は二度目の生を得る。美香は今度は魔物の元へ行き、自由に生きることにすると、かつては敵だったはずの魔王に溺愛される。
しかし、なぜか、美香を見捨てたはずの護衛も執着してきて――。
※小説家になろう様にも投稿しています
※感想をいただけると、とても嬉しいです
※著作権は放棄してません

五歳の時から、側にいた
田尾風香
恋愛
五歳。グレースは初めて国王の長男のグリフィンと出会った。
それからというもの、お互いにいがみ合いながらもグレースはグリフィンの側にいた。十六歳に婚約し、十九歳で結婚した。
グリフィンは、初めてグレースと会ってからずっとその姿を追い続けた。十九歳で結婚し、三十二歳で亡くして初めて、グリフィンはグレースへの想いに気付く。
前編グレース視点、後編グリフィン視点です。全二話。後編は来週木曜31日に投稿します。

【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?

そろそろ前世は忘れませんか。旦那様?
氷雨そら
恋愛
結婚式で私のベールをめくった瞬間、旦那様は固まった。たぶん、旦那様は記憶を取り戻してしまったのだ。前世の私の名前を呼んでしまったのがその証拠。
そしておそらく旦那様は理解した。
私が前世にこっぴどく裏切った旦那様の幼馴染だってこと。
――――でも、それだって理由はある。
前世、旦那様は15歳のあの日、魔力の才能を開花した。そして私が開花したのは、相手の魔力を奪う魔眼だった。
しかも、その魔眼を今世まで持ち越しで受け継いでしまっている。
「どれだけ俺を弄んだら気が済むの」とか「悪い女」という癖に、旦那様は私を離してくれない。
そして二人で眠った次の朝から、なぜかかつての幼馴染のように、冷酷だった旦那様は豹変した。私を溺愛する人間へと。
お願い旦那様。もう前世のことは忘れてください!
かつての幼馴染は、今度こそ絶対幸せになる。そんな幼馴染推しによる幼馴染推しのための物語。
小説家になろうにも掲載しています。

婚約破棄された私は、処刑台へ送られるそうです
秋月乃衣
恋愛
ある日システィーナは婚約者であるイデオンの王子クロードから、王宮敷地内に存在する聖堂へと呼び出される。
そこで聖女への非道な行いを咎められ、婚約破棄を言い渡された挙句投獄されることとなる。
いわれの無い罪を否定する機会すら与えられず、寒く冷たい牢の中で断頭台に登るその時を待つシスティーナだったが──
他サイト様でも掲載しております。

【完結】勘当されたい悪役は自由に生きる
雨野
恋愛
難病に罹り、15歳で人生を終えた私。
だが気がつくと、生前読んだ漫画の貴族で悪役に転生していた!?タイトルは忘れてしまったし、ラストまで読むことは出来なかったけど…確かこのキャラは、家を勘当され追放されたんじゃなかったっけ?
でも…手足は自由に動くし、ご飯は美味しく食べられる。すうっと深呼吸することだって出来る!!追放ったって殺される訳でもなし、貴族じゃなくなっても問題ないよね?むしろ私、庶民の生活のほうが大歓迎!!
ただ…私が転生したこのキャラ、セレスタン・ラサーニュ。悪役令息、男だったよね?どこからどう見ても女の身体なんですが。上に無いはずのモノがあり、下にあるはずのアレが無いんですが!?どうなってんのよ!!?
1話目はシリアスな感じですが、最終的にはほのぼの目指します。
ずっと病弱だったが故に、目に映る全てのものが輝いて見えるセレスタン。自分が変われば世界も変わる、私は…自由だ!!!
主人公は最初のうちは卑屈だったりしますが、次第に前向きに成長します。それまで見守っていただければと!
愛され主人公のつもりですが、逆ハーレムはありません。逆ハー風味はある。男装主人公なので、側から見るとBLカップルです。
予告なく痛々しい、残酷な描写あり。
サブタイトルに◼️が付いている話はシリアスになりがち。
小説家になろうさんでも掲載しております。そっちのほうが先行公開中。後書きなんかで、ちょいちょいネタ挟んでます。よろしければご覧ください。
こちらでは僅かに加筆&話が増えてたりします。
本編完結。番外編を順次公開していきます。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!
婚約破棄されて辺境へ追放されました。でもステータスがほぼMAXだったので平気です!スローライフを楽しむぞっ♪
naturalsoft
恋愛
シオン・スカーレット公爵令嬢は転生者であった。夢だった剣と魔法の世界に転生し、剣の鍛錬と魔法の鍛錬と勉強をずっとしており、攻略者の好感度を上げなかったため、婚約破棄されました。
「あれ?ここって乙女ゲーの世界だったの?」
まっ、いいかっ!
持ち前の能天気さとポジティブ思考で、辺境へ追放されても元気に頑張って生きてます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる