精霊魔女のレクイエム

百門一新

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2部 ヴィハイン子爵の呪いの屋敷 編

52話 一休憩×クッキー×教授の災難

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 一つ目の慰霊碑を出た後、資料を確認して照らし合わせながら、バルツェの町の東西南北に散らばっている術式が組み込まれていそうな各場所を回った。

 全部を確認するまでに、午後の数時間までたっぷりかかった。

 調査した結果、全て同じように壊されてしまっている事が分かった。今、ヴィハイン子爵邸やその周辺地を鎮めるための加護は、一切消失してしまっている状態だ。

 そう確認が取れたところで、一休憩を取る事にして近くの店に立ち寄った。水分補給がてら、飲み物を買って外の席で足を休める。

 メイベルは今頃のように疲労感を覚え、若干ぐったりとなってしまった。つい、冷たい紅茶をのろのろと飲みながら、向かいの椅子にいるスティーブンを見やった。

 彼は地図資料にチェックを入れていて、疲労感皆無といった顔で自前の手帳にもメモを付けている。昨日散々疲れているとか言っていたのに、こうして外を歩き回っている今はちっとも平気そうだ。

 こいつが、全然足にダメージもきていないのが信じられん。

 そう思って眺めていると、彼がテキパキと荷物を片付け、一旦立ち上がって再び店内に入って行った。もうその動きだけで、メイベルは疲労感が増してしまう。

 駄目だ、やっぱりちょっと疲れた。

 術式を精霊魔力で引っ張り出して、何度も確認したせいもあるのだろう。少し休みたいと感じて、テーブルに頬をくっ付けて身体から力を抜いた。

 すっかり西日に傾いた日差しが、柔らかく降り注いでいる。ひんやりとしたテーブルの冷たさが気持ちいい。

 緑の髪が見えてしまわないよう、ローブのフードをもっと引っ張っていると、向かい側に戻ってきた彼がハキハキとした声を掛けてきた。

「他に確認するべきところはあるか? ああ、それからチョコクッキーも追加で買ってきた。こういう時は糖分摂取が効くからな、クッキーでも食え」
「…………」

 元気なこいつが、なんか嫌だな……。

 頭越しに元気な声を掛けられたメイベルは、何故か小さな苛立ちを覚えてしまう。少し考えたところで、これまでになかった反応だからではないかと気付く。

 そもそも少し前までの彼なら、話を聞かないで勝手に色々と動いていたイメージがある。それだというのに、他にも何か確認したい事があるか、と進んで尋ねてくるのも珍しい気がした。

 そのまま少し頭を動かして、チラリと目を向けてみた。珈琲と一緒にクッキーをつまんでいたスティーブンが、気付いて怪訝な眼差しを返してきた。

「なんだよ?」
「……お前、無駄に元気だよなぁ、って……?」
「どういう意味だコラ」

 ピキリ、と彼のこめかみに青筋が立つ。

 これはいつも通りである。メイベルは、実に謎だと思って少し視線をそらして考えた。なんだかやる気に満ちているというか、疲れている時に見たらますます腹が立つような元気良さだ。

「体力が余っているっぽいのは、寝坊したおかげなのか……?」
「おい、脳内の考え事が丸聞こえだぞ」
「んなこと言われてもな」

 いいように言えば、どこか前向き。変な感じがするところがあるといえば、調査に集中してガンガン各場所を回っている間、ずっと彼が上機嫌そうであるところというか。

 でも考えるのも疲れてきて、メイベルは途端に思考をやめた。

「すぐ浮かぶところはないし、次の動きについてはお前に任せるよ」

 言いながら、肩から力を抜いたまま片手をひらひらと振る。

「とりあえず、私はクッキーに手を伸ばすくらいなら、その分の時間もじっとしていたい気分だ。ちょっと使い過ぎて『精霊の目』が疲れた」

 素直にそう伝えたら、彼が「ふうん」と流し目をそらした。

 このまま数分だけでも眠ってしまおうかな。そう考えたメイベルは、目を閉じようとしたところで、スティーブンがクッキーをパキリと割るのが見えた。

 彼はクッキーを小さくしたかと思うと、組んでいた足を解いた。そのままテーブル越しに手を伸ばして、メイベルの唇にクッキーの欠片をそっと押し込む。

 あ、甘い。

 ぼんやりそう思って、メイベルは押し込まれるがままクッキーを口に受け入れた。唇に、そっと触れた指の感触と体温を覚えていた。

 珍しく気を遣って食わせてくれているのだろうか。そう考えていると、ようやくそっと指が抜けていった。不思議に思ってじっと見つめ返しつつも、甘さにつられて、もごもごと口を動かして食べた。

 するとスティーブンが、堪え切れずといった様子で笑う吐息をこぼした。

「どうだ、疲れている時は美味いだろ?」

 なんだか一人で楽しそうだ。そんなにこのクッキーを気に入っているのだろうか?

 とはいえ、確かに悪くないチョコ味だ。そう思ったメイベルは、口の中にあった甘さを飲み込んでからこう答えた。

「まぁ、入っているチョコの欠片も、なかなか濃厚な気がする」
「俺としても好みのクッキーだ。美味い――ほら」

 そうしたら、一欠片を自分でも味見した彼が、次から次へとクッキーの欠片を口に運んできた。

 メイベルが食べ終わると、指でつまんでクッキーの欠片をまた唇にあてる。その甘い香りに条件反射のようにそっと口を開ければ、ゆっくり指を押し込んで舌の上に置く。

 一体何が面白いのか分からない。とうとう小皿の上が空になってしまったのを見て、メイベルはそのタイミングでのそりと頭を起こした。

「なぁ。お前の食う分がなくなったけど、いいのか?」

 すると、今になって気付いたかのような顔で、スティーブンが小皿に目を向けた。どこか思案するような眼差しで、指先に付いたクッキーの屑を舐める。

 メイベルは、グラスを両手で持って冷たい紅茶を口にした。

 そういえば、エインワースもよく食べさせようとしてくる事があったと思い出す。庭に【土の恵みのモノ】が出た時の反応も似ていたし、変なところで血筋が出るもんだな思った。

 とはいえ、それにしても――とメイベルの気がすぅっと引き締まる。

 ヴィハイン子爵邸の周囲に漂う雰囲気を改めて思い返してみると、過去の多くあった死の怨念もあって、やっぱり死界という言葉がいよいよしっくりくるようだった。封印術式が壊されていた件とも一部繋がるところがあり、その目的がかなり気になっている。

 意図的に死界に近づけているのではないか――それが一番の気掛かりだった。いくつか浮かぶ事の中で、もっとも可能性が高い推測に関してもモノだ。

「…………何せ、あまりにも代償がデカい……」

 メイベルは、口の中に思案をこぼした。恐らくは、普通の人間ならばしない。

 ――の話だが。

 いくつか調査の中で引っかかっている事はあるものの、まだ推測を絞り込むには至らないでいる。要るのは明確な理由、強い目的だ。そもそも魔法使いの中でも、霊力で作られた術式を『見』て感知出来る者は僅か。

 そう考えていたところで、ふと、あまりにも精霊がいない事に気付いた。思えば滞在初日以降、その気配をどんどん感じなくなっている気がする。

「なぁ、お前が最後に精霊を見たのはいつだ?」

 引き続き考えながら、手に持っていたグラスを置いてそう尋ねた。

 するとスティーブンが、思い耽っていたように「あ?」と声を出して顔を上げた。そこでようやく、メイベルへと顰め面を向ける。

「お前の言う、姿って事か? それなら昨晩、風呂待ちの時に格闘していたモフモフの固まりが一匹だ」

 そう言った彼が、「なんだよ、気になる感じで考え込んでんな」と、テーブルに腕をついて聞く姿勢を取る。

「何か気になる事でもあんのか?」
「考えてみれば、あのが、淀んだ土地にギリギリ対応出来るタイプの精霊だと思ってな」

 メイベルは、思案顔で椅子に背をもたれて腕を組んだ。

「元々精霊の少ない土地柄とはいえ、二日程度で土地一帯の精霊事情が変化するというのもあまりない。もし術式を壊したのが、を目的としていたとしたら、かなり厄介な事になるかもし――」

 その時、通りから町人たちが騒ぐ声が聞こえてきて、メイベルの思案の声は途切れた。

 目を向けてみると、箒に乗った魔法使いたちが、上空を次々に猛スピードで通り過ぎて行く姿があった。それを目に留めた瞬間、メイベルはガタンッと音を立てて立ち上がっていた。

「ちょうどいい。あの無法魔法使いが連れている精霊を、確認するチャンスだ」
「は? ――あっ、おい待てよ!」

 唐突に走り出したメイベルの後を、スティーブンが慌てて追う。

「取締局の連中が派手に動いているとなると、近くに無法魔法使いもいるはずだ」

 彼女は、追い付いた彼の方に横目を向けて言う。

「それなら、私達の方で先に見付けてしまえばいい」
「魔法で逃げているとなると、魔力がどうのこうのとかで見付けるのも難しいんだろ?」

 いくつかの説明については、大雑把ながらきちんと頭の中に入れていたスティーブンが疑問を口にする。すると、問われたメイベルはニヤリとした。

 なんだか嫌な予感を覚えたかのように、彼が若干身を引いた。しかし、そんなスティーブンの腕を、彼女は逃がさんと言わんばかりにむんずと掴んだ。

「こうなったら奥の手だ、きっと近くにいる」

 こうして呼ぶのは初めてだなと思いながらも、本当は嫌で仕方がないし、めちゃくちゃ複雑だったが、メイベルはすぅっと息を吸い込んで――こう叫んだ。

「いるんだろう【】!」

 走りながら、腹の底から命令を告げる。

「【精霊に呪われしモノ】の望みに応え、逃げるべく動いている精霊の許へ私達を運べ!」

 不意に、大地を踏みにじる馬の蹄の音が響いた。

 その直後、メイベルとスティーブンの足元に、黒々しい光を放って精霊の魔法陣が浮かび上がった。ぶわりと風が巻き起こり、二人の足が僅かに浮く。

「おいいいいいいいいいい!? なんだよこれ!?」

 魔法の気配を身体で実感したスティーブンが、地面から離れている自分の足を見て目を剥いた。

「おまっ、ちょ、嘘だろ、コレってまさか魔ほ――」
「『移動』なら馬の方が速い」

 絶句手前といった様子で言葉を詰まらせる彼の声も聞かず、メイベルは強張りそうになる顔に、どうにか強がった笑みを浮かべてそう言った。

 魔力を僅かに分け与える久々の感触。今にも引きずり出されて失われそうになる精霊魔力のざわめきと、向こうから魔力を繋げられる心地悪さを体内に感じた。

 その時、かなり近くで馬の蹄が地を蹴る音がした。

 二人の頭の中に直接声が響く。


――御意。我、【首狩り馬】が貴女の望みを叶えよう。


 直後、そのまま視界が黒に呑まれた。

 一瞬にして二人を包み込んだのは、暗黒の『黒』。五感が現実世界から切り離される無感覚と共に、時間から切り取られて呼吸さえ止まる。

 異界の空気がぞわりと肌に触れて、思考まで黒く塗り潰そうとする。

 その一瞬後、メイベルとスティーブンは別の道に降り立っていた。ようやく呼吸が出来るようになって、大きく息を吐き出しながら二人は着地と同時に再び走り出す。

 頭の中の向こうで、蹄の音が離れて遠くなって行く。

 姿が見えないのにという威圧感を受けていたスティーブンが、詰まっていた息を吐き出したところで、メイベルをがばりと見た。

「おい待て、今のマジでなんだッ」
「お前が大嫌いな『魔法』」

 彼女が、横顔を向けたまましれっと答える。

 するとスティーブンは、耐え難いといった様子で苦悶の声を上げた。

「嘘だろ……っ! ……おまッ……畜生よくも……ぐおおぉぉっ」
「煩いぞ、そんなのは後にしろ――孫」
「てんめぇえええええええ!」
「ほれ見てみろ、お目当ての魔法使いが向こうにいるぞ!」

 メイベルは、不敵な笑みを浮かべて彼にそう教えた。

 前方にいたローブの男が、魔法の気配に気付いてハッと振り返ってきた。その過剰反応なあやしい動きに気付いて、ようやくスティーブンが「あ?」と目を向ける。

 先日見た時と同じく、フードを深く降ろしていて顔は見えない。けれど相手はこちらを覚えていたようで、ギョッとしたような姿勢を取った。

「あの時のッ、肉体持ちの高位精霊!?」

 無法魔法使いが、僅かに覗く口許で掠れた低い声を出して狼狽する。

「そんな、まさか取締局の協力者だったのか? もしや、もう嗅ぎ付けられた……? いや、しかし、まさか……一体『どの魔法使いの精霊』なんだ」

 かなり動揺した様子で、無法魔法使いがぶつぶつと口にしていた。迫るメイベルとスティーブンが加速したのを見ると、ハッとした様子で右手を下へと向ける。

「我が契約精霊よッ! 俺を『運べ』!」

 そんな叫びが発された直後、男の足元から影が噴き出した。それと共に、二十歳ほどの青年の姿をしたモノが、ゆらりと現れてそばに浮かび上がる。

 不意に、ソレが、ふっとこちらへ目を寄越してきた。

 淀んだ真っ黒の『精霊の目』、感情のない表情。細かい粒子のようなゆらめく『影』をまとったその悪精霊は、異様な雰囲気がなければ人と紛うほど完全な人型をしていた。

 その姿を目に留めた途端、メイベルはざわりと殺気立った。気付いたスティーブンが、初めて目に留めた激昂の気配に目を瞠る。

「テメェ……」

 そう低く呟いた彼女の『金色の精霊の目』が、激しい怒りから魔力の淡い光りを滲ませた。感情を露わに、ギリィッと奥歯を噛み締める表情を浮かべている。

 青年の姿をした精霊が、ふわふわと浮いたままゆっくりと首を傾げた。

 その一瞬後、彼とローブ男の姿は、あっという間に黒い影に呑まれて消えていった。メイベルは彼らがいた場所に辿り着くなり、忌々しげに足元を見下ろす。

「チッ、やっぱり魔力の痕跡まで消えている、か」

 気圧されて少し遅れを取っていたスティーブンが、その隣で立ち止まった。少し外れかけたフードを、ピリピリした様子のまま被り直す彼女に声を掛ける。

「そうすると、あの人型精霊が、お前が言っていた『魔力を削る』とかいう生まれの古い精霊って事か?」
「――そうだ、【いにしえの悪精霊】。しかも属性は闇で、精霊の魔力だろうが喰らうだ」

 そう教えられたスティーブンが、「え」「は」と疑問たっぷりの戸惑いを見せた。

 先程の精霊が、男の姿をしていた事を言いたいのだろう。しかし考察を続けているメイベルは、答えている余裕はないという真面目な顔でこう続けた。

「至急確認したい事が出来た。今すぐ墓地に連れて行け」
「墓地……?」

 スティーブンは、続いて困惑顔で言葉を反芻した。言いづらそうながら「あのな……?」と遠慮がちに声を出しつつ、ある方向に指を向ける。

「この町の墓地って、すぐそこなんだが……」

 一緒に地図だって何度も見たはずだが、お前もしかして地図が読めないとか方向感覚がないとかいうやつなのか、と彼は呆気に取られた様子で呟いたのだった。
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