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伯爵様は錯乱中とのことです
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ひとまず執事に事情を尋ねてみた。
「あなたは亡くなった愛犬にそっくりで、勘違いされているようです」
「愛、犬……?」
予想外の言葉で、思わず言葉を繰り返してしまった。
「あの、犬と人間だと似ている要素がまるで浮かばないのですけれど……?」
ただただ状況に余計混乱しただけだった。すると執事が、離れていくベンチの近くに転がっていた旅行鞄に気付いた。
「あちら、あなたの私物ですか?」
「あっ、はい! そうです」
執事がすたすたと取りに戻った。旅行鞄に巻かれていた列車の荷物検査用の札を眺め、持ち上げ、持ってくる。
「あ、ありがとうございます」
「いえ」
「あの、とこころでこの状況をどうにかしたいのですが」
フェリシアは、後ろから殿方に持ち上げられている状況に、思わずお願いするような声で執事へ告げた。
通っていく人たちが、ことごとく『え』という顔で見ていくのだ。注目なんて浴びたことがなかったフェリシアは、大変慣れない。
「旦那様が離さない限りは、無理です」
「無理って……諦めないでください……そもそも亡くなった愛犬にそっくりだというのは、どういうことなのですか。私は人間なのですがっ」
「今、絶賛錯乱中なのです」
「錯乱中……!?」
それは、大変だ。
フェリシアは何を言っても通じていないような感じの背後の男を見る。
「ジャスミンは、旦那様が爵位を継ぐ前から飼っていた愛犬でした」
亡くなったとはっきり執事が語っても、後ろの彼が反応する様子はなかった。
「爵位……」
「はい。伯爵になります」
フェリシアは緊張で身が固まった。
(ま、まさか、このへんた――いえ彼が伯爵様だなんて!)
隣国の伯爵に対して失礼な態度はできない。
フェリシアは『国交問題』『相手は大貴族』という言葉が頭に浮かんで、ピシッと身体を動かなくする。
見た感じ二十代頃だが、若くして伯爵になったようだ。
そろりとうかがったのを見てか、執事が追って言ってくる。
「ジャスミンが亡くなってもう二年になります。最近、墓参りで一度ご実家の方に戻られたのですが、その影響であなたを見て思いが爆発したようですね」
つまり人間を、犬だと受け止めるくらいに錯乱しているのか。
(……変な人だわ)
それくらい大切にしていたのだろうけれど、フェリシアのどこをどう見て愛犬の特徴と結びつけたのか。
ジャスミンというくらいだから、性別しか合っていない気がする。
「えーと、ちなみにどのへんが似ているのでしょうか……?」
「恐らくは、髪です」
「髪!?」
「ジャスミンは美しいコートの毛並みを持つアイリッシュ・セターという犬種でして。赤茶色の体毛をしています。そこは、確かに私から見てもそっくりな〝色〟です」
言いながら、執事がフェリシアの髪を指差した。
フェリシアはとくに覚えられるような令嬢ではなかった。日差しにあたると茶金に見えると両親は褒めたが、赤茶色の髪はいいよ彼女を平凡に見せた。瞳の色だけは妹と同じ明るい新緑色だが――。
(まさかの、髪? 髪で勘違いされたの?)
フェリシアは唖然とする。
にわかには信じがたい。大型犬の毛色と一緒だったからって、人間と犬を間違えるだろうか。
「あ。今は錯乱中なんでしたっけ……」
「そうです。旦那様が落ち着けば大丈夫ですよ、落ち着けば」
「二回言われたのがすごく気になるんですけど」
フェリシアは嫌な予感がしてきた。そもそも自分を抱き締める男の腕が、ぎゅぅっとしてきて『離さないぞ』と訴えてくる。
すると執事は、それには答えずフェリシアの恰好をしげしげと観察した。
「見たところ、こちらにはやってきたばかりのようですね? 鞄に入国の切符もついたままになっていました。旅になれていないと見受けられます」
「……それが何か?」
ばっちりと言い当ててくるところが、嫌な予感を増させた。
「もしや雇用先を探しておられるのでは?」
「えっ、なぜそれを!?」
「簡単な話ですよ。近隣国から出稼ぎで来た方々は、の国の最先端の列車事情に、まずは困らされてここに辿りつきますから」
「そうなんですね……」
なんて複雑な列車事情なのだろう。どうやらこの国の交通は、他国の人間には優しくない造りだったようだ。
「旦那様は愛犬と勘違いしていて、あなたを離す気はないようですし、ここで臨時雇用を提案いたします」
「り、臨時雇用?」
「はい。あなたにはまず、衣食住を保障しましょう」
それは、今もっとも求めている安定さだったが、フェリシアはたじろぐ。
「この勘違い状態での雇用提案には不安しかないのですが……」
「旦那様が落ち着かないとどこまでも追いかけられますよ。そして、私も旦那様に仕事をさせるためなら、あなたを逃がしません」
フェリシアは怖いと思って身が竦む。
(なんて主人に忠誠を持っている有能な執事なのかしらっ)
とはいえ、伯爵家の執事と伯爵本人を相手に、フェリシアが揉められるはずもない。迷惑をかけないからと言って、実家の子爵家を出た矢先だ。
ここで断ると身元を調べ上げられるのも、困る。
(家に連絡でも取られたら大変だわ。居場所も、知られたくないし)
放っておいて欲しい。妹は初夜も終え、妻としての満たされた人生をスタートしている頃だろう。
その一方で自分は……と考えたくないから、フェリシアはここにいる。
(身元を探らない条件で、と交渉しよう)
子爵家なんて知られ、女性一人ここへ来た理由について変な勘ぐりをされるのも困る。
「あの、私――きゃっ」
その時、抱き締めて頭を押し付けていた男が、突然顔を上げた。
「イヴァン! 今すぐ帰るぞ!」
「ティークラブへは?」
「予定変更だ、僕は行かない。ジャスミンと一緒に帰る。離れるわけがないだろう、僕とジャスミンは強い絆で結ばれているんだからな!」
フェリシアは、気になりすぎてずっと目で追いかけていた人々が、ざわっとなるのを聞いた。
(ああぁ、もう不安しかないわ……)
彼は愛犬だと思ってその発言をしている。
だが、その腕に女性を抱き上げ、台詞だけ聞いていると猛烈な愛の告白のようだ。
「錯乱している間、辛抱するだけです。ちゃんと給料も出しましょう」
「勘違いばかりが深まりそうで不安しかなくなりました……」
そんな会話にもフェリシアを抱き上げている男は全然反応しない。それでいて、執事も彼女の意見は取り合わなかった。
「申し遅れました。私はエルベラント伯爵家の執事長、イヴァン・イーザと申します。そして、あなたを抱き上げているのが二十七歳で爵位を受け、現在二十九歳のエルベラント伯爵、ロジャー・エルベラントです」
少しだけ上かと思っていたら、五歳年上だったらしい。
「あなたの名前は?」
「えっ? あ、私はフェリシア・コルコッティです」
答えた矢先、ハッとする。
「大丈夫です。こちらも無理を言ってお願いしている立場ですので、身元は調べません」
「そ、そうですか」
何か事情があってこちらに来たとは察せられたらしい。
(そうよね、列車の乗り方も分からないのにたった一人で若い他国の女性が、と見たらだれでも事情があるとは勘ぐるかも)
仕事に徹していて、執事が自分に興味がないのは助かる。
「あっ、でも名前を言ったらさすがに彼も――」
「そちらに関しても問題ありませんよ」
フェリシアの様子をじーっと見ていたイヴァンが、視線が合うと顔を正面に向けつつ、目線は固定したまま続ける。
「旦那様は錯乱中ですから、自分の都合に合わせてこの状況を理解しないのと同じで、あなたが名乗ったとしても名前を認識しないでしょう」
「なんて重症……!」
「はい。人の目も気にせず初対面のレディを抱き締めている時点で、もう重症です」
確かに、とフェリシアは思った。
「これより、あなたを旦那様の犬役として雇用します」
改めて役割を言葉として突きつけられると、なんだか衝撃がすごい。
「犬役……」
「つまり愛犬の代わりとして屋敷にいていただくのが、あなたの仕事です」
「でも彼、伯爵様なのですよね? お仕事とか」
「旦那様がそばを離れている間は、メイドとして屋敷の仕事を手伝っていただきます。給料も正当な代価をお支払いいたします。ね、きちんとした〝仕事〟でしょう?」
なんて有能そうな執事は涼しげに言ってくる。
とはいえ、まさかの〝犬役〟が目的の雇用だ。
(でも……すぐにお屋敷のメイド仕事にありつけるのは有り難いかも)
普通、それだけの屋敷に世話になるとすると紹介がいる。しかしフェリシアはこの国では使者家であることは隠すつもりだし、実家から探せないように兄の知り合いさえもないここに思い切って来たのだ。
内気な彼女に、見知らぬ土地に来て初日で〝知り合い〟ができたことも心強い。
しかし、逃がさない感満載の伯爵家の執事長は怖いし、自分を愛犬だと思って抱き締め続けている伯爵様も、危ない。
フェリシアの胸中は複雑だった。
(……私、大丈夫なのかしら?)
できるだけ早く降ろして欲しいともフェリシアは思った。
「あなたは亡くなった愛犬にそっくりで、勘違いされているようです」
「愛、犬……?」
予想外の言葉で、思わず言葉を繰り返してしまった。
「あの、犬と人間だと似ている要素がまるで浮かばないのですけれど……?」
ただただ状況に余計混乱しただけだった。すると執事が、離れていくベンチの近くに転がっていた旅行鞄に気付いた。
「あちら、あなたの私物ですか?」
「あっ、はい! そうです」
執事がすたすたと取りに戻った。旅行鞄に巻かれていた列車の荷物検査用の札を眺め、持ち上げ、持ってくる。
「あ、ありがとうございます」
「いえ」
「あの、とこころでこの状況をどうにかしたいのですが」
フェリシアは、後ろから殿方に持ち上げられている状況に、思わずお願いするような声で執事へ告げた。
通っていく人たちが、ことごとく『え』という顔で見ていくのだ。注目なんて浴びたことがなかったフェリシアは、大変慣れない。
「旦那様が離さない限りは、無理です」
「無理って……諦めないでください……そもそも亡くなった愛犬にそっくりだというのは、どういうことなのですか。私は人間なのですがっ」
「今、絶賛錯乱中なのです」
「錯乱中……!?」
それは、大変だ。
フェリシアは何を言っても通じていないような感じの背後の男を見る。
「ジャスミンは、旦那様が爵位を継ぐ前から飼っていた愛犬でした」
亡くなったとはっきり執事が語っても、後ろの彼が反応する様子はなかった。
「爵位……」
「はい。伯爵になります」
フェリシアは緊張で身が固まった。
(ま、まさか、このへんた――いえ彼が伯爵様だなんて!)
隣国の伯爵に対して失礼な態度はできない。
フェリシアは『国交問題』『相手は大貴族』という言葉が頭に浮かんで、ピシッと身体を動かなくする。
見た感じ二十代頃だが、若くして伯爵になったようだ。
そろりとうかがったのを見てか、執事が追って言ってくる。
「ジャスミンが亡くなってもう二年になります。最近、墓参りで一度ご実家の方に戻られたのですが、その影響であなたを見て思いが爆発したようですね」
つまり人間を、犬だと受け止めるくらいに錯乱しているのか。
(……変な人だわ)
それくらい大切にしていたのだろうけれど、フェリシアのどこをどう見て愛犬の特徴と結びつけたのか。
ジャスミンというくらいだから、性別しか合っていない気がする。
「えーと、ちなみにどのへんが似ているのでしょうか……?」
「恐らくは、髪です」
「髪!?」
「ジャスミンは美しいコートの毛並みを持つアイリッシュ・セターという犬種でして。赤茶色の体毛をしています。そこは、確かに私から見てもそっくりな〝色〟です」
言いながら、執事がフェリシアの髪を指差した。
フェリシアはとくに覚えられるような令嬢ではなかった。日差しにあたると茶金に見えると両親は褒めたが、赤茶色の髪はいいよ彼女を平凡に見せた。瞳の色だけは妹と同じ明るい新緑色だが――。
(まさかの、髪? 髪で勘違いされたの?)
フェリシアは唖然とする。
にわかには信じがたい。大型犬の毛色と一緒だったからって、人間と犬を間違えるだろうか。
「あ。今は錯乱中なんでしたっけ……」
「そうです。旦那様が落ち着けば大丈夫ですよ、落ち着けば」
「二回言われたのがすごく気になるんですけど」
フェリシアは嫌な予感がしてきた。そもそも自分を抱き締める男の腕が、ぎゅぅっとしてきて『離さないぞ』と訴えてくる。
すると執事は、それには答えずフェリシアの恰好をしげしげと観察した。
「見たところ、こちらにはやってきたばかりのようですね? 鞄に入国の切符もついたままになっていました。旅になれていないと見受けられます」
「……それが何か?」
ばっちりと言い当ててくるところが、嫌な予感を増させた。
「もしや雇用先を探しておられるのでは?」
「えっ、なぜそれを!?」
「簡単な話ですよ。近隣国から出稼ぎで来た方々は、の国の最先端の列車事情に、まずは困らされてここに辿りつきますから」
「そうなんですね……」
なんて複雑な列車事情なのだろう。どうやらこの国の交通は、他国の人間には優しくない造りだったようだ。
「旦那様は愛犬と勘違いしていて、あなたを離す気はないようですし、ここで臨時雇用を提案いたします」
「り、臨時雇用?」
「はい。あなたにはまず、衣食住を保障しましょう」
それは、今もっとも求めている安定さだったが、フェリシアはたじろぐ。
「この勘違い状態での雇用提案には不安しかないのですが……」
「旦那様が落ち着かないとどこまでも追いかけられますよ。そして、私も旦那様に仕事をさせるためなら、あなたを逃がしません」
フェリシアは怖いと思って身が竦む。
(なんて主人に忠誠を持っている有能な執事なのかしらっ)
とはいえ、伯爵家の執事と伯爵本人を相手に、フェリシアが揉められるはずもない。迷惑をかけないからと言って、実家の子爵家を出た矢先だ。
ここで断ると身元を調べ上げられるのも、困る。
(家に連絡でも取られたら大変だわ。居場所も、知られたくないし)
放っておいて欲しい。妹は初夜も終え、妻としての満たされた人生をスタートしている頃だろう。
その一方で自分は……と考えたくないから、フェリシアはここにいる。
(身元を探らない条件で、と交渉しよう)
子爵家なんて知られ、女性一人ここへ来た理由について変な勘ぐりをされるのも困る。
「あの、私――きゃっ」
その時、抱き締めて頭を押し付けていた男が、突然顔を上げた。
「イヴァン! 今すぐ帰るぞ!」
「ティークラブへは?」
「予定変更だ、僕は行かない。ジャスミンと一緒に帰る。離れるわけがないだろう、僕とジャスミンは強い絆で結ばれているんだからな!」
フェリシアは、気になりすぎてずっと目で追いかけていた人々が、ざわっとなるのを聞いた。
(ああぁ、もう不安しかないわ……)
彼は愛犬だと思ってその発言をしている。
だが、その腕に女性を抱き上げ、台詞だけ聞いていると猛烈な愛の告白のようだ。
「錯乱している間、辛抱するだけです。ちゃんと給料も出しましょう」
「勘違いばかりが深まりそうで不安しかなくなりました……」
そんな会話にもフェリシアを抱き上げている男は全然反応しない。それでいて、執事も彼女の意見は取り合わなかった。
「申し遅れました。私はエルベラント伯爵家の執事長、イヴァン・イーザと申します。そして、あなたを抱き上げているのが二十七歳で爵位を受け、現在二十九歳のエルベラント伯爵、ロジャー・エルベラントです」
少しだけ上かと思っていたら、五歳年上だったらしい。
「あなたの名前は?」
「えっ? あ、私はフェリシア・コルコッティです」
答えた矢先、ハッとする。
「大丈夫です。こちらも無理を言ってお願いしている立場ですので、身元は調べません」
「そ、そうですか」
何か事情があってこちらに来たとは察せられたらしい。
(そうよね、列車の乗り方も分からないのにたった一人で若い他国の女性が、と見たらだれでも事情があるとは勘ぐるかも)
仕事に徹していて、執事が自分に興味がないのは助かる。
「あっ、でも名前を言ったらさすがに彼も――」
「そちらに関しても問題ありませんよ」
フェリシアの様子をじーっと見ていたイヴァンが、視線が合うと顔を正面に向けつつ、目線は固定したまま続ける。
「旦那様は錯乱中ですから、自分の都合に合わせてこの状況を理解しないのと同じで、あなたが名乗ったとしても名前を認識しないでしょう」
「なんて重症……!」
「はい。人の目も気にせず初対面のレディを抱き締めている時点で、もう重症です」
確かに、とフェリシアは思った。
「これより、あなたを旦那様の犬役として雇用します」
改めて役割を言葉として突きつけられると、なんだか衝撃がすごい。
「犬役……」
「つまり愛犬の代わりとして屋敷にいていただくのが、あなたの仕事です」
「でも彼、伯爵様なのですよね? お仕事とか」
「旦那様がそばを離れている間は、メイドとして屋敷の仕事を手伝っていただきます。給料も正当な代価をお支払いいたします。ね、きちんとした〝仕事〟でしょう?」
なんて有能そうな執事は涼しげに言ってくる。
とはいえ、まさかの〝犬役〟が目的の雇用だ。
(でも……すぐにお屋敷のメイド仕事にありつけるのは有り難いかも)
普通、それだけの屋敷に世話になるとすると紹介がいる。しかしフェリシアはこの国では使者家であることは隠すつもりだし、実家から探せないように兄の知り合いさえもないここに思い切って来たのだ。
内気な彼女に、見知らぬ土地に来て初日で〝知り合い〟ができたことも心強い。
しかし、逃がさない感満載の伯爵家の執事長は怖いし、自分を愛犬だと思って抱き締め続けている伯爵様も、危ない。
フェリシアの胸中は複雑だった。
(……私、大丈夫なのかしら?)
できるだけ早く降ろして欲しいともフェリシアは思った。
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