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本能と衝動的殺意の(3)
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彼女の腕の先から現れた『長い無数のソレ』が、一体なんであるのか、視認する暇はなかった。
途端にアリスが、立っていた地面を砕く力で前方へ飛び出してきた。打ちつけるような風圧をまとい、身を低く屈めたまま突進して雪弥に向かう。
「雪弥!」
「蒼慶様いけませんッ!」
目にも止まらぬ急発進を見て、飛び出しかけた蒼慶を宵月が制した。その直後、雪弥は自分の顔に一点集中で向かってきた『凶器』の先を、咄嗟に銃身で受け止めていた。
アリスの指先は、人間の手の姿を失って茶色く硬化していた。先端を鋭く尖らせた枝をはやし、それは一本一本が生きているかのように伸縮自在で、枝先は更に分岐して大きく伸び広がっている。
こちらの顔面を貫けなかった彼女が、可笑しそうに顔を歪めて「あれぇ?」と言う。
「ただの銃で受け止められちゃった。しかも壊れないんだけど、妙な加工でもしてんの?」
「……少しばかり頑丈仕様でね。その手こそ、どうしたの」
「これが『本来の俺の一部』だよ。たった一撃でも、なかなか重いだろ?」
そう言いながら、アリスが止められた手をそのままに、残っていた方の手も繰り出してきた。雪弥は身体を反らせてそれを避けると、一旦体勢を構えなおすように後退した。
変異した彼女の指は、やはり木の枝か幹のようだった。伸び方に法則性がなく、太さも不揃いで、威力に関しては木と思えない。チラリと確認してみると、特別加工されている銃は、一発目の攻撃を防いだ際に小さな亀裂が入ってしまっていた。
その時、アリスの指となっている枝が急速に成長し、地面を激しく打ってバウンドした。生きているように上がったかと思うと、いびつな線を描いて頭上から突き刺すように落ちてくる。
それを察知してすぐ、雪弥は一瞬で後方へと跳躍していた。地面にバウンドしながら、こちらへと伸てくる枝を後退しながら右へ左へと避ける。一度高く跳躍し、身体をひねりながら弧を描いて連続した攻撃をかわしたものの、追ってくる速度と距離は縮まらない。
「これじゃ、ほんとに埒(らち)があかないな……」
敵の攻撃の動きを観察しつつ、そう口の中に呟きを落とした。銃を持っていない手で着地すると同時に、更に身体を跳躍させて宙を舞う。
雪弥は、上昇が止んだタイミングで、空中で体勢を整えるように身体を半回転させて、襲い来る枝を蹴り技で薙ぎ折った。壊れた枝は再生しない。けれど成長によって伸び続ける仕様らしい事を確認しながら、間を置かずに第二撃、第三撃を放って足で叩き潰す。
次々に打ち込む攻撃の反動で、上空へと身体を持ち上げた。枝を踏み台にして身をそらした際、銃を持っていない方の手を伸ばして幹の部分を粉砕し、落下の力を利用して枝の分岐点を足で木端微塵に潰してみたが、相手側の攻撃速度に変化は見られなかった。
植物の『成長』というのは、もしかしたら『再生』よりも厄介であるのかもしれない。
そう考えながら、雪弥は背後に迫った攻撃を反射的に捉え、身体を素早く反転させた一瞬で、銃を構えた。目前に迫った複数の鋭い枝先に向かって、続けて素早く銃弾を撃ち込んで潰すと、ついでに遠くの太い幹に狙いを定めて撃ってみた。
銃弾は、太くなった幹に対しては、表面に少し傷を入れただけだった。どうやら、あれくらいの太さになると、この程度の飛び道具では効果が薄いらしい。
そうチラリと目を寄越して確認した雪弥は、一旦体勢を整えるべく、襲いかかって来た丈夫な枝を踏み台にした。そのまま放物線を描いて、巨大な柱の中腹まで飛ぶと、足を付けたところで敵の現在の位置へ目を向ける。
「そこで止まるなよ番犬! もっと反撃して来ないと、面白くねぇだろが!」
カチリと視線が合ったアリスが、ギラギラと嗤ってそう吠えた。蠢きながら伸び続けていた枝が、その足元に一時引き返すようにして膨れ上がった一瞬後――
息も吐けない攻防を注視していた蒼慶達の視界から、風圧で砕かれた地面を残して、彼女の姿が消えていた。ロケットが発射されたような爆音を起こしたアリスが、柱目掛けて一直線に飛び出したのだ。
スカートが捲れて太腿まで露わになっているのも構わず、金髪を振り乱しながらこちらに迫ってくる少女の姿を見て、雪弥はそっと表情を歪めた。
そこに浮かんだのは、向けられている殺意に対抗するような厳しさではなく、どこか静けさを漂わせた悲しさだった。
アリスが腕を振るうのを見て、串刺しのように向かってくる無数の枝がくる直前に、地面に降りるべく柱を蹴った。その後を、彼女が「久々の息のいい獲物だぜ!」と追い駆け、互いに跳躍で移動しながらの攻撃と回避が続いた。
地面が抉られ、柱の角が粉砕され、遠慮を知らない怒涛の攻撃で無数の穴が開く。それでも避けるばかりで、雪弥は一向に防ごうとはしない。
辺りに舞った土埃が濃くなった頃、痺れを切らしたようにアリスが怒号した。
「ヤる気がねぇんなら、とっとと捕まってクタバレ番犬! クソヤローめ、こっちは腹が減って血が飲みたくてたまらねぇってのに、テメェぶっ殺さないと上に行けねぇだろうが! 殺し合いさせろよ! 殺させろ! 死ね! 逃げ回られるだけじゃクソつまらねぇよ!」
吐き捨てられる汚らしい暴言を聞いて、雪弥は肩越しにそちらを見やった。弱々しい光を灯したその鮮やかな青い瞳が、物言いだけにそっと細められる。
兄達がこちらを目で追いながらも、自信たっぷりな表情で『終わるのを待っている』紗江子を確認している様子も、先程からずっと見えてはいた。あちらまで被害が出ないように、逃げ続けているからである。
けれど、これ以上は引き延ばせない。
もう何度目かも分からない着地を柱の側面にしたところで、雪弥は神妙な顔でアリスを見つめ返した。向かってくる彼女が「とうとうやる気になったか!」と赤い目を見開いて、笑いながら己の凶器を振るってくる。
その一瞬、雪弥の中で、時間の流れがゆっくりになった。先程から脳裏に繰り返されている、つい数時間前まで緋菜と笑い合っていたアリスの姿が、またしても浮かんでいた。
それを思い返しながら、手に持っていた銃を離した。変わり果てた目の前のアリスから、一度だけそらすように目を伏せ、カチリと意識を切り替える。
直後、雪弥は碧眼を見開いて、真っ直ぐ彼女を見据えていた。一瞬にして殺気に研ぎ澄まされた目が、凍えるような青い光を煌々と帯びて、襲い来る攻撃を捉える。
爪がギチギチと音を立てて鋭利に伸びた。強い殺気を察知したアリスが、咄嗟に枝を地面に突き立てて空中で止まった時、銀色の煌めきと共に彼の右手が振るわれて、ひゅっと風を切る音を上げていた。
切断音は、ひどくあっさりしたものだった。紙でも切ったかのようなキレイな切り口を見せて、華奢な指先から切り離された枝が、ぱらぱらと落下していく。
アリスが、短くされた両手の枝を見て「え」と声を上げた。自身の目でさえ視識出来なかった一瞬の出来事に、何が起こったのかすぐには呑み込めない様子で、問うような目を雪弥へと戻しながら、背中から落ちていく。
落下していく彼女の金髪が、ふわりと宙に広がった。牙を覗かせる花弁のような小さな唇が、罵倒を浴びせるように大きく開いていく光景が、雪弥の目にはスローモーションのように映っていた。
――彼女を傷つけたくない。今は別人格とはいえ、あの子はアリスで……。
けれど心音は煩いほど高鳴り、全身の血流が激しく波打って周りの雑音を消し去っていた。落ちていくアリスの姿を前に、頭の中が痺れるような興奮に真っ赤に染まるのを感じた。全身が一つの強い衝動に疼き、両足にぐっと力が入る。
殺したい。赤い血を流す『彼』のさまがみたい。
殺せ殺せ殺せ……領域(テリトリー)に入った、獲物だ、ならば殺していいはずだろう。嗚呼、憎いぞ。生きている『音』が不快だ。聞こえてくるその心臓の音を止めてしまえ。
――殺生の賽(さい)を振れ。我は【蒼緋蔵家の番犬】であるぞ。
雪弥の両目が、一際強く鮮やかな青い光を灯して浮かび上がった。その美麗な顔に、これまでにない強気な笑みが刻まれた直後、彼の身体は一瞬で柱の側面を踏み砕いて、前方へと飛び出していた。
目と鼻の先に迫り来る様子に気付いて、アリスがハッと顔を強張らせた。正面から彼女を確認した雪弥が、ロックオンしたまま口角を引き上げて、囁く。
やぁ獰戯、探したよ。またお前を殺してやろう――……
「ッちくしょうざけんな! ほぼ完全じゃねぇかよ!」
アリスが両腕を交差させ、その手の先から再び枝が吹き出した。巨木な幹となりながら急激に成長し続け、自身と雪弥を一気に飲み込む。それを見た蒼慶が、弟の名を呼ぼうと唇を開きかけが、次の瞬間に宵月と共にその顔を強張らせた。
白銀の閃光とともに、二人を呑みこんでいたモノが、一瞬にしてバラバラになっていた。アリスを真っ直ぐ見つめる雪弥の両手の指は、伸びた鋭利な白銀の爪を更に禍々しく広げて、骨を断つ十本の刃となって構えられる。
落下の軌道さえ立て直せていないアリスが、すぐに仕留められる状況だと察して、顔を引き攣らせた。
けれど、雪弥はすぐに爪を振るわなかった。唐突に不敵な笑み浮かべたかと思うと、まるで獣のように宙で素早く一回転し、彼女の腹部に強靭な蹴りを叩きこんでいた。
空中で腹をゴキリと潰されたアリスが、短い呻きを上げて、一瞬にして地面に叩きつけられた。衝撃音と共に着地点が粉砕され、その小さな身体が瓦礫と土埃の中に消える中、紗江子が飛散する瓦礫から咄嗟に身を守っていた。
視界を遮る土埃から、突如、十を超える鋭利な枝が飛び出した。それは落下してくる雪弥の身体を串刺しにしようと迫ったものの、呆気なくかわされて、右手一振りで切断されてしまう。
それでも枝は、攻撃の手を緩めなかった。暴れ狂うかのように地面を壊しながら、着地した雪弥を執拗に追い駆ける。
バックステップで回避する雪弥の口元が、落ち着き始めた土埃の向こうに獲物を真っ直ぐ捉えて、不意に笑んだ。何度目かの攻撃をかわした直後、地面すれすれに身を屈めたかと思うと、足場を踏み砕く衝撃音を上げて急発進する。
「調子に乗ってんじゃねぇぞクソが!」
よろりと立ち上がったアリスが、血の混じった唾を吐き捨てながら吠え、両手を地面に突き刺した。地中を伝った枝が、二人の間を遮るようにして一斉に吹き出し、太さを増して密集した幹の壁と化したが、それは一瞬にして切り裂かれていた。
彼女が対応するよりも数倍速く、凍てつくような殺気を帯びた光る碧眼が浮かび上がり、目にも止まらぬ速さで白銀の爪が振るわれた。
ドッ――と嫌な音が上がった。地面に手を残した彼女が、分断された両腕を振り乱して血を撒き散らしながら、咆哮の如く絶叫を上げて空気を震わせた。
「俺のッ、俺の『身体』の両手首がねぇよおおおおおおおお!」
その直後、悲鳴が途切れて「あ?」という間の抜けた声に変わった。
崩れ落ちそうになった膝が地面につくよりも早く、今度は彼女のスカートから覗く足が『消え』ていて、背中から地面に落ちる直前には、呆気なく腕が『余所に飛んでいって』しまっていた。
それを柱のそばから見ていた紗江子の顔は、すっかり蒼白していた。
「こんなこと、聞いてない。番犬候補にしては『あまりにも普通の子』だって、夜蜘羅様もおっしゃっていたじゃない。それなのに、どうして正常でありながら、あんな狂った残虐な『狩り』をしているのよ……まさか、私達ただの使い捨ての餌に寄越されたんじゃ……」
彼女が、ぶるぶると震える身体を柱に寄りからせて支えながら、親指の爪をガチガチと噛んで一人呟く。
歩み寄った雪弥が、倒れ込んだアリスを見下ろした。虫の息だった彼女が、苦痛と屈辱に呻いて「番犬ッ」と怨念のこもった声で吠えた。
「畜生このクソッタレめ! 俺の手がッ、俺の脚が! あんな離れた場所に……!」
ごぼっ、とアリスが苦しそうに咳き込んだ。噛みしめた唇から血を流しながら、先程叩きつけられた際に折れた背骨で、どうにか起き上がろうとしてもがく。
短くなった彼女の四肢が、バタバタと動かされて流血範囲を広げた。その様子はあまりにも異質なくらい悲惨すぎたが、鈍い光を宿した碧眼で見ている雪弥の表情に、変化はなかった。
元の長さまで引っ込んでいた彼の爪が、すうっと鋭利さを戻し始め、右手が持ち上がる。けれどその時、一つの銃声が鳴り響いて、雪弥はピタリと手を止めていた。
ゆっくりと音の発生元へ目を向けてみると、金細工の装飾がされた白い銃を、天井に向けて立っている蒼慶の姿があった。発砲されたばかりの銃口からは、薄らと煙が立ち昇っている。
「やめろ、雪弥」
蒼慶が、命令するように低い声でそう告げた。そこで一度言葉を切ったかと思うと、ぐっと目を細めてこう続ける。
「人格は違うが、彼女はアリスなんだぞ」
掠れたその声を聞いて、雪弥は再びアリスへと目を向けた。彼女は「畜生、殺してやる」と苦しそうに涙をこぼしながら、虫の息だというのに身をよじっていた。フリルのスカートはボロボロになり、大量の血液がその色をすっかり変えてしまっている。
殺すなと指示してくる兄の言葉を、上手く理解する事が出来ない。とても冷静であるはずなのに、そう考えている自分にも小さな違和感を覚えた。
「いいか雪弥。私がいくまで、そこを動くな」
そう口にした蒼慶が、分厚い本を脇に抱えたまま走り出した。その後ろから宵月が続く。
雪弥はその声を聞きながら、変わり果てたアリスの様子を見つめていた。彼女は、確かにアリスだ。でも、どうしようもないじゃないか――このままにしておいても、どうせ死んでしまう。苦しい事が続く方が酷だろう。
「ねぇ、アリス。君は一体、どんな夢を見ているのだろうか……大丈夫だよ、痛みもなく一瞬で終わらせるから」
己に言い聞かせるようにして、口の中で呟いた。はたして、それが正しいのかも分からない。迷う心が蘇って胸が締めつけられたが、その役目が果たせるのは自分だけだ。だから、ゆっくりと右手を持ち上げた。
不意に、至近距離で発砲音が上がった。アリスが心臓に弾丸を撃ち込まれて、大きく身体を痙攣させて絶命する。
雪弥は一瞬、何が起こったのか理解出来なかった。手の爪を戻しながら、ゆっくりと振り返った。
すぐ隣に、彼女に銃を向けたままの蒼慶が立っていた。彼は銃口の先で絶命した幼い少女の死体を見つめており、その険しい表情とは裏腹に、切れ長の瞳には悲痛さが浮かんでいた。
「兄さん、どうして――」
だって、殺すのは僕の役目なのに。
あなたがそんな顔をしてしまわないように、僕がアリスの最期を迎えさせるつもりでいたのに……――
そう言い掛けた思考が、こつん、という物音で不意にかき消えた。残っていた敵の気配を察知した瞬間、雪弥はぐるりと首を動かして、そちらに目を向けていた。
見開かれた碧眼が冷たい光を放ち、支柱から後ずさりした紗江子の姿を認める。目が合った途端に彼女が恐怖に身体を強張らせ、まるで化け物を見るかのようにひゅっと息を吸いこんだ。その様子に目を留めたまま、彼が弾丸のように地面を砕いて急発進する。
「待て雪弥! 彼女には話す余地がッ――」
弟を止めようとして、咄嗟に銃を手放した蒼慶の手が、空を掴んだ。肩越しに振り返りもせず、雪弥が瞳孔を開かせたまま「否」と答える。
「もはや話す余地、なし」
答えたその唇が、美麗な弧を描いた。ああ、コレは殺しても良いのだ。そう獲物を捉えた瞳が嬉しそうに見開かれて、両手の爪がギチギチと音を立てて伸びる。
紗江子が悲鳴を上げて、ワンピースドレスを翻した。その一瞬後「こんなはずがない」と叫んだ彼女の言葉は、鈍い音と同時にひしゃげて、切り離された首ごと宙を舞っていた。
まるで大型獣にでも切り裂かれたかのように、地面に大きな爪跡が打ち込まれた。巨大な柱の一部が、キレイな切断面を覗かせて抜け落ち、頭部を失った彼女の身体が『一瞬にしてバラバラと』崩れ落ちる。
あっという間の事だった。長い爪をしまった雪弥は、死体の前にゆらりと立ったところで、ぼんやりとした様子で宙を見やった。その瞳から、淡い光が消える。
蒼慶の腕から、大きな古い本が滑り落ちた。それに気付いて、雪弥は返り血が付いた頬を、僅かにそちらへと向けた。けれど視線を合わせず、赤く濡らした手を下げたまま力なく唇を開く。
「これが僕なんだよ、兄さん」
ぼんやりと考えながら、雪弥は力なく言葉を吐き出した。
「そばで兄さん達を支えられたら、とは思うけれど、僕は兄さんのそばにいられない。あなたは『右腕としてそばにいろ』というけれど、これが普段から僕がやっている『仕事』だ…………アリスも傷つけたくなかった、敵じゃなければと願った。それのなに、同時に殺したくて仕方がなかったよ」
雪弥は白状して、力なく視線を動かした。
転がった紗江子の首を見つめて、泣き方も分からない子供のような表情を浮かべた。彼女の苦痛な最期の表情を眺めていると、まるで母が遠い記憶の向こうから、今の自分を非難しているようにも思えた。
「だから僕には、あなたの右腕になるのは無理なんです。……僕には『ナンバー』の仕事がお似合いで、きっと、それ以外を選べないんだ」
雪弥はポツリと言うと、一度も蒼慶を振り返る事なく地下を出ていった。
途端にアリスが、立っていた地面を砕く力で前方へ飛び出してきた。打ちつけるような風圧をまとい、身を低く屈めたまま突進して雪弥に向かう。
「雪弥!」
「蒼慶様いけませんッ!」
目にも止まらぬ急発進を見て、飛び出しかけた蒼慶を宵月が制した。その直後、雪弥は自分の顔に一点集中で向かってきた『凶器』の先を、咄嗟に銃身で受け止めていた。
アリスの指先は、人間の手の姿を失って茶色く硬化していた。先端を鋭く尖らせた枝をはやし、それは一本一本が生きているかのように伸縮自在で、枝先は更に分岐して大きく伸び広がっている。
こちらの顔面を貫けなかった彼女が、可笑しそうに顔を歪めて「あれぇ?」と言う。
「ただの銃で受け止められちゃった。しかも壊れないんだけど、妙な加工でもしてんの?」
「……少しばかり頑丈仕様でね。その手こそ、どうしたの」
「これが『本来の俺の一部』だよ。たった一撃でも、なかなか重いだろ?」
そう言いながら、アリスが止められた手をそのままに、残っていた方の手も繰り出してきた。雪弥は身体を反らせてそれを避けると、一旦体勢を構えなおすように後退した。
変異した彼女の指は、やはり木の枝か幹のようだった。伸び方に法則性がなく、太さも不揃いで、威力に関しては木と思えない。チラリと確認してみると、特別加工されている銃は、一発目の攻撃を防いだ際に小さな亀裂が入ってしまっていた。
その時、アリスの指となっている枝が急速に成長し、地面を激しく打ってバウンドした。生きているように上がったかと思うと、いびつな線を描いて頭上から突き刺すように落ちてくる。
それを察知してすぐ、雪弥は一瞬で後方へと跳躍していた。地面にバウンドしながら、こちらへと伸てくる枝を後退しながら右へ左へと避ける。一度高く跳躍し、身体をひねりながら弧を描いて連続した攻撃をかわしたものの、追ってくる速度と距離は縮まらない。
「これじゃ、ほんとに埒(らち)があかないな……」
敵の攻撃の動きを観察しつつ、そう口の中に呟きを落とした。銃を持っていない手で着地すると同時に、更に身体を跳躍させて宙を舞う。
雪弥は、上昇が止んだタイミングで、空中で体勢を整えるように身体を半回転させて、襲い来る枝を蹴り技で薙ぎ折った。壊れた枝は再生しない。けれど成長によって伸び続ける仕様らしい事を確認しながら、間を置かずに第二撃、第三撃を放って足で叩き潰す。
次々に打ち込む攻撃の反動で、上空へと身体を持ち上げた。枝を踏み台にして身をそらした際、銃を持っていない方の手を伸ばして幹の部分を粉砕し、落下の力を利用して枝の分岐点を足で木端微塵に潰してみたが、相手側の攻撃速度に変化は見られなかった。
植物の『成長』というのは、もしかしたら『再生』よりも厄介であるのかもしれない。
そう考えながら、雪弥は背後に迫った攻撃を反射的に捉え、身体を素早く反転させた一瞬で、銃を構えた。目前に迫った複数の鋭い枝先に向かって、続けて素早く銃弾を撃ち込んで潰すと、ついでに遠くの太い幹に狙いを定めて撃ってみた。
銃弾は、太くなった幹に対しては、表面に少し傷を入れただけだった。どうやら、あれくらいの太さになると、この程度の飛び道具では効果が薄いらしい。
そうチラリと目を寄越して確認した雪弥は、一旦体勢を整えるべく、襲いかかって来た丈夫な枝を踏み台にした。そのまま放物線を描いて、巨大な柱の中腹まで飛ぶと、足を付けたところで敵の現在の位置へ目を向ける。
「そこで止まるなよ番犬! もっと反撃して来ないと、面白くねぇだろが!」
カチリと視線が合ったアリスが、ギラギラと嗤ってそう吠えた。蠢きながら伸び続けていた枝が、その足元に一時引き返すようにして膨れ上がった一瞬後――
息も吐けない攻防を注視していた蒼慶達の視界から、風圧で砕かれた地面を残して、彼女の姿が消えていた。ロケットが発射されたような爆音を起こしたアリスが、柱目掛けて一直線に飛び出したのだ。
スカートが捲れて太腿まで露わになっているのも構わず、金髪を振り乱しながらこちらに迫ってくる少女の姿を見て、雪弥はそっと表情を歪めた。
そこに浮かんだのは、向けられている殺意に対抗するような厳しさではなく、どこか静けさを漂わせた悲しさだった。
アリスが腕を振るうのを見て、串刺しのように向かってくる無数の枝がくる直前に、地面に降りるべく柱を蹴った。その後を、彼女が「久々の息のいい獲物だぜ!」と追い駆け、互いに跳躍で移動しながらの攻撃と回避が続いた。
地面が抉られ、柱の角が粉砕され、遠慮を知らない怒涛の攻撃で無数の穴が開く。それでも避けるばかりで、雪弥は一向に防ごうとはしない。
辺りに舞った土埃が濃くなった頃、痺れを切らしたようにアリスが怒号した。
「ヤる気がねぇんなら、とっとと捕まってクタバレ番犬! クソヤローめ、こっちは腹が減って血が飲みたくてたまらねぇってのに、テメェぶっ殺さないと上に行けねぇだろうが! 殺し合いさせろよ! 殺させろ! 死ね! 逃げ回られるだけじゃクソつまらねぇよ!」
吐き捨てられる汚らしい暴言を聞いて、雪弥は肩越しにそちらを見やった。弱々しい光を灯したその鮮やかな青い瞳が、物言いだけにそっと細められる。
兄達がこちらを目で追いながらも、自信たっぷりな表情で『終わるのを待っている』紗江子を確認している様子も、先程からずっと見えてはいた。あちらまで被害が出ないように、逃げ続けているからである。
けれど、これ以上は引き延ばせない。
もう何度目かも分からない着地を柱の側面にしたところで、雪弥は神妙な顔でアリスを見つめ返した。向かってくる彼女が「とうとうやる気になったか!」と赤い目を見開いて、笑いながら己の凶器を振るってくる。
その一瞬、雪弥の中で、時間の流れがゆっくりになった。先程から脳裏に繰り返されている、つい数時間前まで緋菜と笑い合っていたアリスの姿が、またしても浮かんでいた。
それを思い返しながら、手に持っていた銃を離した。変わり果てた目の前のアリスから、一度だけそらすように目を伏せ、カチリと意識を切り替える。
直後、雪弥は碧眼を見開いて、真っ直ぐ彼女を見据えていた。一瞬にして殺気に研ぎ澄まされた目が、凍えるような青い光を煌々と帯びて、襲い来る攻撃を捉える。
爪がギチギチと音を立てて鋭利に伸びた。強い殺気を察知したアリスが、咄嗟に枝を地面に突き立てて空中で止まった時、銀色の煌めきと共に彼の右手が振るわれて、ひゅっと風を切る音を上げていた。
切断音は、ひどくあっさりしたものだった。紙でも切ったかのようなキレイな切り口を見せて、華奢な指先から切り離された枝が、ぱらぱらと落下していく。
アリスが、短くされた両手の枝を見て「え」と声を上げた。自身の目でさえ視識出来なかった一瞬の出来事に、何が起こったのかすぐには呑み込めない様子で、問うような目を雪弥へと戻しながら、背中から落ちていく。
落下していく彼女の金髪が、ふわりと宙に広がった。牙を覗かせる花弁のような小さな唇が、罵倒を浴びせるように大きく開いていく光景が、雪弥の目にはスローモーションのように映っていた。
――彼女を傷つけたくない。今は別人格とはいえ、あの子はアリスで……。
けれど心音は煩いほど高鳴り、全身の血流が激しく波打って周りの雑音を消し去っていた。落ちていくアリスの姿を前に、頭の中が痺れるような興奮に真っ赤に染まるのを感じた。全身が一つの強い衝動に疼き、両足にぐっと力が入る。
殺したい。赤い血を流す『彼』のさまがみたい。
殺せ殺せ殺せ……領域(テリトリー)に入った、獲物だ、ならば殺していいはずだろう。嗚呼、憎いぞ。生きている『音』が不快だ。聞こえてくるその心臓の音を止めてしまえ。
――殺生の賽(さい)を振れ。我は【蒼緋蔵家の番犬】であるぞ。
雪弥の両目が、一際強く鮮やかな青い光を灯して浮かび上がった。その美麗な顔に、これまでにない強気な笑みが刻まれた直後、彼の身体は一瞬で柱の側面を踏み砕いて、前方へと飛び出していた。
目と鼻の先に迫り来る様子に気付いて、アリスがハッと顔を強張らせた。正面から彼女を確認した雪弥が、ロックオンしたまま口角を引き上げて、囁く。
やぁ獰戯、探したよ。またお前を殺してやろう――……
「ッちくしょうざけんな! ほぼ完全じゃねぇかよ!」
アリスが両腕を交差させ、その手の先から再び枝が吹き出した。巨木な幹となりながら急激に成長し続け、自身と雪弥を一気に飲み込む。それを見た蒼慶が、弟の名を呼ぼうと唇を開きかけが、次の瞬間に宵月と共にその顔を強張らせた。
白銀の閃光とともに、二人を呑みこんでいたモノが、一瞬にしてバラバラになっていた。アリスを真っ直ぐ見つめる雪弥の両手の指は、伸びた鋭利な白銀の爪を更に禍々しく広げて、骨を断つ十本の刃となって構えられる。
落下の軌道さえ立て直せていないアリスが、すぐに仕留められる状況だと察して、顔を引き攣らせた。
けれど、雪弥はすぐに爪を振るわなかった。唐突に不敵な笑み浮かべたかと思うと、まるで獣のように宙で素早く一回転し、彼女の腹部に強靭な蹴りを叩きこんでいた。
空中で腹をゴキリと潰されたアリスが、短い呻きを上げて、一瞬にして地面に叩きつけられた。衝撃音と共に着地点が粉砕され、その小さな身体が瓦礫と土埃の中に消える中、紗江子が飛散する瓦礫から咄嗟に身を守っていた。
視界を遮る土埃から、突如、十を超える鋭利な枝が飛び出した。それは落下してくる雪弥の身体を串刺しにしようと迫ったものの、呆気なくかわされて、右手一振りで切断されてしまう。
それでも枝は、攻撃の手を緩めなかった。暴れ狂うかのように地面を壊しながら、着地した雪弥を執拗に追い駆ける。
バックステップで回避する雪弥の口元が、落ち着き始めた土埃の向こうに獲物を真っ直ぐ捉えて、不意に笑んだ。何度目かの攻撃をかわした直後、地面すれすれに身を屈めたかと思うと、足場を踏み砕く衝撃音を上げて急発進する。
「調子に乗ってんじゃねぇぞクソが!」
よろりと立ち上がったアリスが、血の混じった唾を吐き捨てながら吠え、両手を地面に突き刺した。地中を伝った枝が、二人の間を遮るようにして一斉に吹き出し、太さを増して密集した幹の壁と化したが、それは一瞬にして切り裂かれていた。
彼女が対応するよりも数倍速く、凍てつくような殺気を帯びた光る碧眼が浮かび上がり、目にも止まらぬ速さで白銀の爪が振るわれた。
ドッ――と嫌な音が上がった。地面に手を残した彼女が、分断された両腕を振り乱して血を撒き散らしながら、咆哮の如く絶叫を上げて空気を震わせた。
「俺のッ、俺の『身体』の両手首がねぇよおおおおおおおお!」
その直後、悲鳴が途切れて「あ?」という間の抜けた声に変わった。
崩れ落ちそうになった膝が地面につくよりも早く、今度は彼女のスカートから覗く足が『消え』ていて、背中から地面に落ちる直前には、呆気なく腕が『余所に飛んでいって』しまっていた。
それを柱のそばから見ていた紗江子の顔は、すっかり蒼白していた。
「こんなこと、聞いてない。番犬候補にしては『あまりにも普通の子』だって、夜蜘羅様もおっしゃっていたじゃない。それなのに、どうして正常でありながら、あんな狂った残虐な『狩り』をしているのよ……まさか、私達ただの使い捨ての餌に寄越されたんじゃ……」
彼女が、ぶるぶると震える身体を柱に寄りからせて支えながら、親指の爪をガチガチと噛んで一人呟く。
歩み寄った雪弥が、倒れ込んだアリスを見下ろした。虫の息だった彼女が、苦痛と屈辱に呻いて「番犬ッ」と怨念のこもった声で吠えた。
「畜生このクソッタレめ! 俺の手がッ、俺の脚が! あんな離れた場所に……!」
ごぼっ、とアリスが苦しそうに咳き込んだ。噛みしめた唇から血を流しながら、先程叩きつけられた際に折れた背骨で、どうにか起き上がろうとしてもがく。
短くなった彼女の四肢が、バタバタと動かされて流血範囲を広げた。その様子はあまりにも異質なくらい悲惨すぎたが、鈍い光を宿した碧眼で見ている雪弥の表情に、変化はなかった。
元の長さまで引っ込んでいた彼の爪が、すうっと鋭利さを戻し始め、右手が持ち上がる。けれどその時、一つの銃声が鳴り響いて、雪弥はピタリと手を止めていた。
ゆっくりと音の発生元へ目を向けてみると、金細工の装飾がされた白い銃を、天井に向けて立っている蒼慶の姿があった。発砲されたばかりの銃口からは、薄らと煙が立ち昇っている。
「やめろ、雪弥」
蒼慶が、命令するように低い声でそう告げた。そこで一度言葉を切ったかと思うと、ぐっと目を細めてこう続ける。
「人格は違うが、彼女はアリスなんだぞ」
掠れたその声を聞いて、雪弥は再びアリスへと目を向けた。彼女は「畜生、殺してやる」と苦しそうに涙をこぼしながら、虫の息だというのに身をよじっていた。フリルのスカートはボロボロになり、大量の血液がその色をすっかり変えてしまっている。
殺すなと指示してくる兄の言葉を、上手く理解する事が出来ない。とても冷静であるはずなのに、そう考えている自分にも小さな違和感を覚えた。
「いいか雪弥。私がいくまで、そこを動くな」
そう口にした蒼慶が、分厚い本を脇に抱えたまま走り出した。その後ろから宵月が続く。
雪弥はその声を聞きながら、変わり果てたアリスの様子を見つめていた。彼女は、確かにアリスだ。でも、どうしようもないじゃないか――このままにしておいても、どうせ死んでしまう。苦しい事が続く方が酷だろう。
「ねぇ、アリス。君は一体、どんな夢を見ているのだろうか……大丈夫だよ、痛みもなく一瞬で終わらせるから」
己に言い聞かせるようにして、口の中で呟いた。はたして、それが正しいのかも分からない。迷う心が蘇って胸が締めつけられたが、その役目が果たせるのは自分だけだ。だから、ゆっくりと右手を持ち上げた。
不意に、至近距離で発砲音が上がった。アリスが心臓に弾丸を撃ち込まれて、大きく身体を痙攣させて絶命する。
雪弥は一瞬、何が起こったのか理解出来なかった。手の爪を戻しながら、ゆっくりと振り返った。
すぐ隣に、彼女に銃を向けたままの蒼慶が立っていた。彼は銃口の先で絶命した幼い少女の死体を見つめており、その険しい表情とは裏腹に、切れ長の瞳には悲痛さが浮かんでいた。
「兄さん、どうして――」
だって、殺すのは僕の役目なのに。
あなたがそんな顔をしてしまわないように、僕がアリスの最期を迎えさせるつもりでいたのに……――
そう言い掛けた思考が、こつん、という物音で不意にかき消えた。残っていた敵の気配を察知した瞬間、雪弥はぐるりと首を動かして、そちらに目を向けていた。
見開かれた碧眼が冷たい光を放ち、支柱から後ずさりした紗江子の姿を認める。目が合った途端に彼女が恐怖に身体を強張らせ、まるで化け物を見るかのようにひゅっと息を吸いこんだ。その様子に目を留めたまま、彼が弾丸のように地面を砕いて急発進する。
「待て雪弥! 彼女には話す余地がッ――」
弟を止めようとして、咄嗟に銃を手放した蒼慶の手が、空を掴んだ。肩越しに振り返りもせず、雪弥が瞳孔を開かせたまま「否」と答える。
「もはや話す余地、なし」
答えたその唇が、美麗な弧を描いた。ああ、コレは殺しても良いのだ。そう獲物を捉えた瞳が嬉しそうに見開かれて、両手の爪がギチギチと音を立てて伸びる。
紗江子が悲鳴を上げて、ワンピースドレスを翻した。その一瞬後「こんなはずがない」と叫んだ彼女の言葉は、鈍い音と同時にひしゃげて、切り離された首ごと宙を舞っていた。
まるで大型獣にでも切り裂かれたかのように、地面に大きな爪跡が打ち込まれた。巨大な柱の一部が、キレイな切断面を覗かせて抜け落ち、頭部を失った彼女の身体が『一瞬にしてバラバラと』崩れ落ちる。
あっという間の事だった。長い爪をしまった雪弥は、死体の前にゆらりと立ったところで、ぼんやりとした様子で宙を見やった。その瞳から、淡い光が消える。
蒼慶の腕から、大きな古い本が滑り落ちた。それに気付いて、雪弥は返り血が付いた頬を、僅かにそちらへと向けた。けれど視線を合わせず、赤く濡らした手を下げたまま力なく唇を開く。
「これが僕なんだよ、兄さん」
ぼんやりと考えながら、雪弥は力なく言葉を吐き出した。
「そばで兄さん達を支えられたら、とは思うけれど、僕は兄さんのそばにいられない。あなたは『右腕としてそばにいろ』というけれど、これが普段から僕がやっている『仕事』だ…………アリスも傷つけたくなかった、敵じゃなければと願った。それのなに、同時に殺したくて仕方がなかったよ」
雪弥は白状して、力なく視線を動かした。
転がった紗江子の首を見つめて、泣き方も分からない子供のような表情を浮かべた。彼女の苦痛な最期の表情を眺めていると、まるで母が遠い記憶の向こうから、今の自分を非難しているようにも思えた。
「だから僕には、あなたの右腕になるのは無理なんです。……僕には『ナンバー』の仕事がお似合いで、きっと、それ以外を選べないんだ」
雪弥はポツリと言うと、一度も蒼慶を振り返る事なく地下を出ていった。
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