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五章(3)モブに転生した令嬢は、真実と愛を見つける
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シルフィアはおそるおそる彼を見つめた。少し身を離したクラウスが、彼女の金髪をすくいとって唇を押しつける。
「不安になるんだ。俺は、君がたくさんの男と会って気が気でない。この次に、魔法副師団長と護衛部隊長にも君を引き合わせなければならないと思うと、嫉妬でどうにかなりそうだ。君を、このまま隠してしまいたい」
「それは――」
「だめなのは分かってる。それに、彼らを挙げてそんなことを君に言うのはずるいということも、だが」
クラウスの声は切実な響きでかすれた。
「俺は先程、君と一つになることを願ってしまった。我慢はもうきかない」
それがアルベリオのところでは早く終わらせにかかったみたいだ。
シルフィアは愛おしくて彼を撫でた。クラウスがその手を上から掴まえ、心地よさそうにすり寄って唇をつける。
「君の、すべてを俺がもらいたい」
彼がてのひら、指、そして手首にもキスの雨を降らしていく。
その一つずつが、シルフィアを心地よさで包んだ。
「クラウス以外には目を魅かれません」
シルフィアは彼の頭を抱き寄せた。そうすることが自然みたいに、自分の膨らみに彼を迎え入れる。
「あなただけです。ですから、どうか安心してください」
クラウスが柔らかな胸に穏やかに目を細める。顔をすり寄せ、手で優しく触れ、ドレスの上からそっとキスを落とす。
胸の膨らみに触れられているのに、愛おしい気持ちしか湧き上らない。
「私はあなたを不安にさせたくないんです。それくらい、大切にしているから」
シルフィアは、触れ合いは恥ずかしいものではなく、特別な二人にとっては神聖なものなのだと思った。
「……君の口からようやく聞けた気持ちを利用して、俺はずるい男だな」
「ずるくありません。先程の気持ちを聞けて嬉しかったです。私も……あなたと同じ気持ちでしたから」
ひとたびあの熱を再開したら、もう止まれないだろう。
緊張すべきなのに、彼とこうして抱き合っている時間はひどく穏やかだった。その時を、彼女こそが望んでいる。
「結婚してください」
気づいたらぽろりと、呆気ないほど本心が彼女の口から出ていた。
腕の中でクラウスが目を潤ませる。
「ああ、もちろんだ。結婚しよう、シルフィア」
答えた彼が、感極まったみたいに微かに声を震わせ、それからはぐらかすみたいにシルフィアの胸に顔を押しつけて笑った。
「君は本当に意外性があるな。その台詞は俺が言うべきものではないかな」
「私の返事待ちだったではないですか」
「そうだな。嬉しいよシルフィア、ありがとう。君の頼まれごとが終わったら、結婚しよう」
両手を握り合い、近くから見つめ合う。
シルフィアは彼と同じく感涙に目を潤ませた。彼はとても嬉しそうに微笑んでいて、二人の間に、より深い愛が生まれるのを感じた。
「俺はすぐにでも結婚したが、その方が君も安心なんだろう?」
「はい。父はこの活動もデートだと思ってくれていますし、その方が都合もいいですし……」
「俺はデートのつもりでもあるよ。君と、毎日のように過ごせる」
「そんなこと、――ン」
シルフィアは彼に甘く唇を奪われた。強く引き寄せられて深く互いを感じ合った瞬間、こらえていたものが木っ端みじんに吹き飛んで、二人はあのタンスの中のキスを再開するみたにい何度も唇を触れ合わせていた。
胸がきゅんきゅんして苦しいくらいなのに『まだまだ足りない』と彼に触れた。
御者に養護院の馬車への言伝を頼んで、そのまま宿の近くで下ろしてもらった。王宮では我慢できけれど、もう一度思い出した熱はもう止められない。
日中だとかそんなこと我慢できなかった。
二人、握り合った手で心音を伝え合いながら個室に入ったところで、強く抱きしめ合って本能のまま獣みたいに淫らにキスを求め合う。
「んんっ、んっ、んぅ、ん」
お腹の奥がずっと切ない。
やり方も分からないのに、少しでも彼を近くに感じたくて激しいキスに溺れる。
ベッドに向かう時間も惜しむように身体をまさぐられた。
(ああ、なんて愛おしいの――)
彼の唇が離れ、頬へ首筋にキスをされる。求められている熱に身体の奥がきゅんきゅんするのを感じた。
気持ちよくて、そして幸せで、彼以外の何も考えられなくなる。
シルフィアは喘ぎながらも手を伸ばし、手探りで彼のマントの留め具を外した。恥ずかしくなって集中が途切れたら、クラウスが一度止めて見てくる。
「どうした? やはり、怖いか?」
「ううん、そうじゃないんです。あなたを脱がすなんて欲しくてたまらないみたいだし、その、もっと触って欲しいのが伝わったかなと思って恥ずかしくて……」
もっと彼に触れて欲しい。そんな欲を自覚してルフィアの胸の中は騒がしかった。
「大歓迎だ」
不意にクラウスがシルフィアの膝裏に手を差し入れ、そのまま抱き上げた。
驚いている間にも彼はベッドへ移動し、彼女を横たえる。
「俺と、こういうことをするのを望んでくれたということだろう?」
「は、はい……」
シルフィアはまたがってきた彼がドレスの紐を解き、上着から一枚ずつ脱がしていく様子をのをどきどきと見つめる。
「よかった。初めて君の身体に触れた際に、怖がらせたかなと心配していたんだ」
「怖いことなんて、何もありませんっ。気持ちよかった、ですし……」
口にして羞恥した。恥ずかしくて口元に手をあてたシルフィア、ドレスの上着部分が開かれて彼の眼前に肌着を晒している自分の状況に気づき、さらに恥ずかしくなる。
「君は――」
何やらクラウスが苦しそうな表情を浮かべた。
ややあってから彼が唐突にジャケットをベッドの外に放った。上着を素早く脱ぎ、彼の上半身がシルフィアの目の前で露になる。
意外にも筋肉質な肉体美に、シルフィアは見惚れた。
「すまないがもう止められない。君が、あまりにも可愛く俺を煽るから」
「煽るなんて私――」
「言い訳する唇は塞いでしまおう」
その言葉にきゅんとした。彼の口火れるが自分のそこに重なると、胸に満ちる満足感から期待してしまっていたのだと実感する。
彼は余裕がなさそうだったが、緊張をほぐそうとしてくれるキスが嬉しかった。
「ん、ふぅ、んん……」
気持ちいい、好き、そんな言葉が彼に踊らされている舌の上に溢れる。
「不安になるんだ。俺は、君がたくさんの男と会って気が気でない。この次に、魔法副師団長と護衛部隊長にも君を引き合わせなければならないと思うと、嫉妬でどうにかなりそうだ。君を、このまま隠してしまいたい」
「それは――」
「だめなのは分かってる。それに、彼らを挙げてそんなことを君に言うのはずるいということも、だが」
クラウスの声は切実な響きでかすれた。
「俺は先程、君と一つになることを願ってしまった。我慢はもうきかない」
それがアルベリオのところでは早く終わらせにかかったみたいだ。
シルフィアは愛おしくて彼を撫でた。クラウスがその手を上から掴まえ、心地よさそうにすり寄って唇をつける。
「君の、すべてを俺がもらいたい」
彼がてのひら、指、そして手首にもキスの雨を降らしていく。
その一つずつが、シルフィアを心地よさで包んだ。
「クラウス以外には目を魅かれません」
シルフィアは彼の頭を抱き寄せた。そうすることが自然みたいに、自分の膨らみに彼を迎え入れる。
「あなただけです。ですから、どうか安心してください」
クラウスが柔らかな胸に穏やかに目を細める。顔をすり寄せ、手で優しく触れ、ドレスの上からそっとキスを落とす。
胸の膨らみに触れられているのに、愛おしい気持ちしか湧き上らない。
「私はあなたを不安にさせたくないんです。それくらい、大切にしているから」
シルフィアは、触れ合いは恥ずかしいものではなく、特別な二人にとっては神聖なものなのだと思った。
「……君の口からようやく聞けた気持ちを利用して、俺はずるい男だな」
「ずるくありません。先程の気持ちを聞けて嬉しかったです。私も……あなたと同じ気持ちでしたから」
ひとたびあの熱を再開したら、もう止まれないだろう。
緊張すべきなのに、彼とこうして抱き合っている時間はひどく穏やかだった。その時を、彼女こそが望んでいる。
「結婚してください」
気づいたらぽろりと、呆気ないほど本心が彼女の口から出ていた。
腕の中でクラウスが目を潤ませる。
「ああ、もちろんだ。結婚しよう、シルフィア」
答えた彼が、感極まったみたいに微かに声を震わせ、それからはぐらかすみたいにシルフィアの胸に顔を押しつけて笑った。
「君は本当に意外性があるな。その台詞は俺が言うべきものではないかな」
「私の返事待ちだったではないですか」
「そうだな。嬉しいよシルフィア、ありがとう。君の頼まれごとが終わったら、結婚しよう」
両手を握り合い、近くから見つめ合う。
シルフィアは彼と同じく感涙に目を潤ませた。彼はとても嬉しそうに微笑んでいて、二人の間に、より深い愛が生まれるのを感じた。
「俺はすぐにでも結婚したが、その方が君も安心なんだろう?」
「はい。父はこの活動もデートだと思ってくれていますし、その方が都合もいいですし……」
「俺はデートのつもりでもあるよ。君と、毎日のように過ごせる」
「そんなこと、――ン」
シルフィアは彼に甘く唇を奪われた。強く引き寄せられて深く互いを感じ合った瞬間、こらえていたものが木っ端みじんに吹き飛んで、二人はあのタンスの中のキスを再開するみたにい何度も唇を触れ合わせていた。
胸がきゅんきゅんして苦しいくらいなのに『まだまだ足りない』と彼に触れた。
御者に養護院の馬車への言伝を頼んで、そのまま宿の近くで下ろしてもらった。王宮では我慢できけれど、もう一度思い出した熱はもう止められない。
日中だとかそんなこと我慢できなかった。
二人、握り合った手で心音を伝え合いながら個室に入ったところで、強く抱きしめ合って本能のまま獣みたいに淫らにキスを求め合う。
「んんっ、んっ、んぅ、ん」
お腹の奥がずっと切ない。
やり方も分からないのに、少しでも彼を近くに感じたくて激しいキスに溺れる。
ベッドに向かう時間も惜しむように身体をまさぐられた。
(ああ、なんて愛おしいの――)
彼の唇が離れ、頬へ首筋にキスをされる。求められている熱に身体の奥がきゅんきゅんするのを感じた。
気持ちよくて、そして幸せで、彼以外の何も考えられなくなる。
シルフィアは喘ぎながらも手を伸ばし、手探りで彼のマントの留め具を外した。恥ずかしくなって集中が途切れたら、クラウスが一度止めて見てくる。
「どうした? やはり、怖いか?」
「ううん、そうじゃないんです。あなたを脱がすなんて欲しくてたまらないみたいだし、その、もっと触って欲しいのが伝わったかなと思って恥ずかしくて……」
もっと彼に触れて欲しい。そんな欲を自覚してルフィアの胸の中は騒がしかった。
「大歓迎だ」
不意にクラウスがシルフィアの膝裏に手を差し入れ、そのまま抱き上げた。
驚いている間にも彼はベッドへ移動し、彼女を横たえる。
「俺と、こういうことをするのを望んでくれたということだろう?」
「は、はい……」
シルフィアはまたがってきた彼がドレスの紐を解き、上着から一枚ずつ脱がしていく様子をのをどきどきと見つめる。
「よかった。初めて君の身体に触れた際に、怖がらせたかなと心配していたんだ」
「怖いことなんて、何もありませんっ。気持ちよかった、ですし……」
口にして羞恥した。恥ずかしくて口元に手をあてたシルフィア、ドレスの上着部分が開かれて彼の眼前に肌着を晒している自分の状況に気づき、さらに恥ずかしくなる。
「君は――」
何やらクラウスが苦しそうな表情を浮かべた。
ややあってから彼が唐突にジャケットをベッドの外に放った。上着を素早く脱ぎ、彼の上半身がシルフィアの目の前で露になる。
意外にも筋肉質な肉体美に、シルフィアは見惚れた。
「すまないがもう止められない。君が、あまりにも可愛く俺を煽るから」
「煽るなんて私――」
「言い訳する唇は塞いでしまおう」
その言葉にきゅんとした。彼の口火れるが自分のそこに重なると、胸に満ちる満足感から期待してしまっていたのだと実感する。
彼は余裕がなさそうだったが、緊張をほぐそうとしてくれるキスが嬉しかった。
「ん、ふぅ、んん……」
気持ちいい、好き、そんな言葉が彼に踊らされている舌の上に溢れる。
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