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四章(7)聖女とモブ転生者、そして気が気でない白騎士様

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(あ、あ、気持ちいい、イきたい……)

 シルフィアは快感を求め、大胆にもかくかくと腰を揺らした。

 そうすると彼のぎらぎらとしたブルーの目が、動きの一つも見逃さないと言わんばかりに一層強く見据えてくるのが分かる。

 欲しくてたまらないという男の目だ。喜びが胸に込み上げる。

 と、シルフィアは彼にもよくなってもらいたい思いが込み上げた。前世の知識をハッと思い出して視線を下げる。

 クラウスが気づいて隠そうとしたが、中から指が抜けるのと、シルフィアがその腕を掴まえて彼の腰元を見たのは同時だった。

「あ……」

 二人の声が、重なった。彼のそこはとても大きくなっていた。

「…………ごめん」

 クラウスがバツが悪そうな顔で、視線を逃がす。

「え? どうして謝るのですか?」
「いや、君にはまだ刺激が強すぎるかなって……」
「こんなことをしているのに? 私だって見られています」
「あとで処理してくるから、大丈夫だ」

 気にしないでと彼がはぐらかそうとする。何も知らない女の子だと思っているのかと、シルフィアは呆れた。

「嫌です」

 咄嗟に彼のシャツの左右の脇を掴み、ぐいっと自分の上に引き留めた。

「私、とても気持ちよくしていただきました。クラウスもなっていいんです」

 近くなった彼の目を見て、しつかりと言い聞かせる。クラウスが目を見開く。

「……気持ちよかった?」

 躊躇したものの、シルフィアは恥じらいに打ち勝ってこくんと頷く。

 クラウスがぶわりと嬉しそうに赤面した。たったこれだけのことで喜んでくれるのかと、彼女も胸がいっぱいになってしまった。

(ああ、そうか。言ってあげればよかったのね)

 いやらしいと思わないどころか、彼を嬉しがらせることだったみたいだ。

 自分の仕草や、言葉一つで一喜一憂する目の前のこの人が、愛おしい。シルフィアは、彼のシャツをつんっと控えめに引っ張る。

「クラウス、私も気持ちいいですけど……あなたにも同じくよくなって欲しいんです」

 すると彼が天井を見た。間を置いてから、大きく息を吐く。

「……危ない、理性が戻ってよかった……」
「クラウス? あっ」

 ベッドにうつ伏せの姿勢にされた。彼から胸が隠れてくれてほっとしたものの、そうするとぷりっとしたお尻が見えることが気になった。

「それなら、……少しだけ手伝ってくれると有難い」
「もちろんですっ」

 なんでもすると勢いで答えたシルフィアは、直後に後悔した。

「上げてくれるか?」

 彼に腰を抱かれてどきりとした。シルフィアは緊張しつつ、ものすごく恥ずかしいが、彼に突き出すようにしてお尻を上げる。

 後ろからズボンの緩める音がしていた。後ろから、大きな両手が彼女の腰を支える。

「あっ、……んぅ」

 温かなものがぬちゅりと秘所の蜜をこすった。それが一度、びくっと振動する。

「は、ぁ――達しそうだったから、敏感になっているんだな。脚、閉じて」

 言われるがままおそるおそるそうする。すると自分の太腿に挟まっているものが、男性の大きくなった欲望であることがよく伝わってきた。

 それは太くて、熱く、どくどくと脈打っている。

「あ……っ、ン」

 クラウスがずちゅ、ぬちゅ、と押し込んでは引き始めた。

 濡れた秘所に滑っていくその熱を覚えると、じりじりと再び快感の熱が込み上げる。

「あっ、……ふっ、……あんっ……あっ……」

 腰を振る彼の身体が、繰り返し尻にぶつかって身体が揺れる。

 こすり合う感触はたまらなくよかった。果てるにはまだ刺激が足りず、シルフィアはもっと尻を高く上げて太腿をぎゅっと閉じる。

(私のそこに、クラウスのが行き来して……)

 一緒に気持ちよくなっている吐息を背後から感じた。

 そうすると中に触られるのとはまた違う愉悦が幸福感と共に胸にまで押し寄せてくる。

「ああっ、ぁん、クラウス、……んっ」

 クラウスの動きが早まり、乳房が忙しなく上下に揺れてシーツにこすれていた。

「すまない、よくてっ、止められない」

 身体を揺らすことを申し訳なく思っているみたいな声だった。シルフィアは不思議に思う。

「んっ、気持ちいいの、だから大丈夫、もっと、あんっ、もっとして……っ」

 二人で幸せな気分になれるこの行為は尊いのだ。

 彼に気にせず動いて欲しくて、シーツを握って切なくてたまらないそこに強く挟み込む。

 今度は彼と一緒に、あの『気持ちいい』に行きたい。

「君は――っ」

 クラウスがぐっと背を屈め、激しく腰を振った。

「あっ、あっ、あぁっ、おかしく、なる、気持ちいいっ」

 彼が喜んでくれるから、今の感覚を伝える。けれどそれは同時に、自分にも快感をもたらすものだとシルフィアは知った。

(気持ちいい、身体が蕩けていきそう)

 口に出すと身体が『その通りだ』と反応するみたいに快感を強めた。

 触れられない胎内がもどかしいくらいに、切なく疼く。

 だが、この姿勢はとてもよかった。まるで本当に行為をしているみたいで、シルフィアの全身を甘く震わせた。

 もし、本当にしたらどれだけ気持ちがいいのだろう――?

 そんな好奇心がむくりと頭の奥に込み上げた時、膣奥が何かを締めつけたいとする動きを強めた。

「あっ……ああ、あぁイく、イき、そう……っ」

 シルフィアはシーツをめいっぱい握る。クラウスが前屈みになり、首の後ろや背にキスをして乳房を握る。

「んっ、あん、今そこ触っちゃ……」
「俺も君との行為を想像して、興奮してる。これだけでは君がイくのは難しいかもしれないから、手伝おう」

 ハッとそこにある彼の顔を肩越しに振り返ったら、彼の手がこすり合う二人の上に触れた。

「ひぅっ、だめ、だめだめっ」

 熟れた花芯を揺らされて、シルフィアはびくびくっと背を痙攣させた。

「ああっ、あぁっ、イく、イくのっ」

 同時に乳房の先を刺激され、強烈な快感が奥から込み上げてシーツに顔を押しつける。

「イっていいよ、俺も、そろそろそ出るっ」

 彼がぐちゅぐちゅと遠慮なく弄ってきた次の瞬間、シルフィアの頭の奥で官能の火がぱちぱちっと弾けた。

 ぞくぞくっと全身が総毛立つ感覚。太腿をぎゅぅっと閉じると、彼が後ろで呻く。

 彼の腰がぶるっと震え、何か熱いものが腹や脚にほとばしる。

(あ……彼も、イったんだわ……)

 しばらく呼吸を整えて動けなかった。荒く呼吸を繰り返しているシルフィアを、クラウスが後ろから抱え、一緒にベッドで横向きに倒れ込む。

「とてもよかった。少し、休むといい」

 髪を混ぜながら、彼が愛おしげに頭や肩、汗ばんだ背にもキスをする。

 シルフィアは彼の腕の中で満たされた気持ちに包まれて、恍惚とした疲労感の中、しばらく気持ちがいいキスを感じていた。

 ◇∞◇∞◇
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