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四章(2)聖女とモブ転生者、そして気が気でない白騎士様
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「いえいえっ、どうか顔を上げてくださいっ」
「いや、白騎士クラウス殿の婚約者であるのに非礼を欠いた対応であったのも詫びる。俺も、おかげであれ以上周りの者を困らせずに済んだ。だから謝罪を受け取ってくれ」
「分かり、ました……」
クラウスには『冷静ではなくなっていたバクザを』とは伝えていた。
胸がどきどきしすぎて細かくは伝えていなかったから、彼が隣で訝う顔をしているのは感じていた。彼らの関係性を悪くしないためにも謝罪を受け取って丸く収めた方がいい。
「あの、ところで驚きました。新聞では皆様、聖女様たちと出発したと……確かあなた様も大神殿へ出発されるはずでは」
「急な腹痛を使って欠席したんだ、お前も……今は正気みたいだな」
バクザがシルフィアの隣にいるクラウスを見て、しげしげとうかがう。
「じゃあ、俺と同じ?」
クラウスは驚いたようで小さく目を見開く。
「そうか、シルフィア嬢もどこまで話せばいいのか分からなかったんだな。急に殿下が現れて動揺していた、どうか許してやれ」
「いや、俺は別に攻める気は……俺も伝えに来られた時には悪かったと……」
ごにょごにょと言って視線を逃がされたバクザが、隣で恥じらって俯いたシルフィアも確認し、顔を顰める。
「なんだ、何かあっのか?」
「何もないっ」
「……まぁいい。俺もおかしなこっとになっていたようで魔法のプロなのに情けない話だ。とにかく座って待つといい、俺も待ちだ」
シルフィアはクラウスと共にソファに座った。
緊張して待って間もなく、部屋の主である第一王子とミュゼスター公が回った戸棚の向こうから現れた。
「みな、ご足労に感謝する。ここにいるのは味方だ、かしこまる必要はない」
現れるなり、アードリューが立ち上がったシルフィアたちに手を上げ、上座の一人掛けソファに向かいながら言う。
そんな彼のそばについていたのは、金色の髪と目を持った年齢不詳の美しい男だ。
「やぁシルフィア、私のパーティーに来た以来だね」
目が会うと、彼――ミュゼスター公がシルフィアににこりと笑いかけた。
「ミュゼスター公様には、ご機嫌麗しゅう」
「全然会いに来てくれなくて寂しいよ。君の父が嫌がってこの前もノーを突きつけられた」
仲良くしてくれる人なのに、父は学校時代の先輩だった彼を警戒している。というか苦手に意識を持っているようだった。
バミュロと仲がいいのは、父よりも先に兄の同級生として知り合っていた母の方だ。
アードリューが着席をすすめ、部屋に集まった者たちは一つのテーブルを囲む三人掛けソファと一人掛けソファにそれぞれ腰を下ろす。
「我々がここで集まっているのは秘密だ。手短に済ませよう。今、奇妙なことが王宮を中心に起こっている。我が弟の第二王子を筆頭に、教育係に就任した者たちが次々と聖女レイニア嬢に夢中になっていっているのは、みなも知っているな?」
目を向けられたシルフィアは「とても噂になっていますから」とぎこちなく答えた。
あまり気にさせないよう呟いたつもりだったが、隣のクラウスが顔を手に押しつけてしまう。
「耳に痛い……」
「それは俺も同じだ。まかこの俺がっ、後輩も放ったらかしにしてハーレムだと!?」
「落ち着けバクザ、正気に戻ってくれて何よりだ」
それくらいバクザにとっては痛いことだったらしい。つい叫んでしまったことを、彼はハッとしてアードリューに頭を下げる。
「アードリュー第一王子殿下につきましては『もう学友でもなんでもない』などと突っぱねてしまったこと、重ね重ね――」
「ああ一部記憶が戻ったのか。もういい、あれはお前のせいではない」
シルフィアは見ていて胸が痛くなった。
(まるでこの前のクラウスを見ているみたいだわ……)
状況が混乱しているのは分かった。友でさえ、友ではなくなる状況に攻略対象たちはいる。
その時、ミュゼスター公が手を合わせた。
「召喚師団特務隊長、および白騎士も思うことはあるだろうが、殿下がおっしゃった通りだ。君たちは悪くない。さ、そんなことはもう水に流そうではないか」
「そんなことって……」
「白騎士、私にとってはその程度の話だよ。恐らく彼女がなんらかの方法で周りの男を自分の虜にしている。だが聖女が力を悪用してハーレムを作ろうが、私は興味がない」
場の空気が緊張に引き締まるのを感じた。
「まさか、そんな」
思わず声が出てしまったシルフィアに、ミュゼスター公が気遣わしげに優しい微笑みを浮かべる。
「君にはショックな話かもしれないね。だが、聖女の力を授かろうが、ただの人間だ。理想は持つべきではない」
そうではない。聖女は――レイニア・バクーイルは、この世界の〝主人公〟だ。
バクザの件を目の前にして彼女が関わっている可能性は浮かんだものの、シルフィアはゲームでどれだけいい子か知っているからこそ否定的な気持ちが先行した。
何かの間違いではないか、だってこの世界は【聖なる大樹とレイニアの運命の恋】そのもので――。
「とはいえ今回、王都の権力者が集まるこの王宮の中心近くで始まっている。第二王子は公務ができない状態になり、日々パーティーやらデートやらで彼を連れ回す彼女の我儘も目に余る。他のハーレム要員も同じだ。彼女の要求にどんどん従う」
かなりの数の者が不信を覚えているそうだ。
聖女に警戒されず調査できるよう、騒がないようにとミュゼスター公が抑えているという。
「私が思うに、彼女の目的は女王になることではないかと思ってね。だからこの件に関してはは趣味趣向として片付く話ではなくなった」
「まさか」
「私も当初、一人の男爵令嬢がそんな大きなことを企てるものか疑わしかったが、聖女は第二王子から始まって権力者を次々に取り込んでいる。これは、いずれ政権にも響いてくる事態に発展しかねないと私も懸念を持った」
息を吞んだシルフィアに、アードューが残念ながらと躊躇いがちに言った。
見てみると、説明を受けたバグザもクラウスも彼らと同じ意見のようだ。考えていたクラウスが冷静にも意見する。
「陛下たちはご無事なのか?」
「今のところは、な。だがレイニア嬢の言いなりになってしまう強烈な暗示がいつかかるか分からない。魔法の検査をしてみても引っかかることがないのは厄介だ。聖女だけが持つという力はあらゆる護符さえ無力化する。お前たちを正気に戻そうとあらゆる解除魔法も、魔法薬も、暗示返しも試したが我々は惨敗した」
「だけど絶望していた時に、私の可愛い後輩の娘であるシルフィア嬢の存在が、我々の停滞していた思考に一滴の水を落とした」
ミュゼスター公ににこやかに手で示され、シルフィアは戸惑い気味に自分を指差す。
「私、ですか……?」
「白騎士クラウス・エンゼルロイズが、君と一回会ってから行動が崩れ始め、二回目の接触で完全に暗示が解けて聖女のもとから離れることができた――バグザから話を聞いたが、手を握られた瞬間に頭のもやが晴れていったらしい。何かした覚えは?」
「いえ、私はとくに何も」
ただ、手を取ってバクザを馬車の方へ誘導しただけだ。
「白騎士はどうかな? 何か感じた?」
「バクザの意見を聞いて、同じだと感じました。そういえば俺もパーティーで彼女の手を取った時に、似たような感覚になったのがきっかけだったと思います」
「なるほど。やはり接触がもっとも有効らしいな」
バミュロの言い方が気になったのか、クラウスが眉を寄せた。
シルフィアは戸惑った。するとアードリューがテーブル越しに手振りを交えて「落ち着いて聞いて欲しい」と言った。
「いや、白騎士クラウス殿の婚約者であるのに非礼を欠いた対応であったのも詫びる。俺も、おかげであれ以上周りの者を困らせずに済んだ。だから謝罪を受け取ってくれ」
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「あの、ところで驚きました。新聞では皆様、聖女様たちと出発したと……確かあなた様も大神殿へ出発されるはずでは」
「急な腹痛を使って欠席したんだ、お前も……今は正気みたいだな」
バクザがシルフィアの隣にいるクラウスを見て、しげしげとうかがう。
「じゃあ、俺と同じ?」
クラウスは驚いたようで小さく目を見開く。
「そうか、シルフィア嬢もどこまで話せばいいのか分からなかったんだな。急に殿下が現れて動揺していた、どうか許してやれ」
「いや、俺は別に攻める気は……俺も伝えに来られた時には悪かったと……」
ごにょごにょと言って視線を逃がされたバクザが、隣で恥じらって俯いたシルフィアも確認し、顔を顰める。
「なんだ、何かあっのか?」
「何もないっ」
「……まぁいい。俺もおかしなこっとになっていたようで魔法のプロなのに情けない話だ。とにかく座って待つといい、俺も待ちだ」
シルフィアはクラウスと共にソファに座った。
緊張して待って間もなく、部屋の主である第一王子とミュゼスター公が回った戸棚の向こうから現れた。
「みな、ご足労に感謝する。ここにいるのは味方だ、かしこまる必要はない」
現れるなり、アードリューが立ち上がったシルフィアたちに手を上げ、上座の一人掛けソファに向かいながら言う。
そんな彼のそばについていたのは、金色の髪と目を持った年齢不詳の美しい男だ。
「やぁシルフィア、私のパーティーに来た以来だね」
目が会うと、彼――ミュゼスター公がシルフィアににこりと笑いかけた。
「ミュゼスター公様には、ご機嫌麗しゅう」
「全然会いに来てくれなくて寂しいよ。君の父が嫌がってこの前もノーを突きつけられた」
仲良くしてくれる人なのに、父は学校時代の先輩だった彼を警戒している。というか苦手に意識を持っているようだった。
バミュロと仲がいいのは、父よりも先に兄の同級生として知り合っていた母の方だ。
アードリューが着席をすすめ、部屋に集まった者たちは一つのテーブルを囲む三人掛けソファと一人掛けソファにそれぞれ腰を下ろす。
「我々がここで集まっているのは秘密だ。手短に済ませよう。今、奇妙なことが王宮を中心に起こっている。我が弟の第二王子を筆頭に、教育係に就任した者たちが次々と聖女レイニア嬢に夢中になっていっているのは、みなも知っているな?」
目を向けられたシルフィアは「とても噂になっていますから」とぎこちなく答えた。
あまり気にさせないよう呟いたつもりだったが、隣のクラウスが顔を手に押しつけてしまう。
「耳に痛い……」
「それは俺も同じだ。まかこの俺がっ、後輩も放ったらかしにしてハーレムだと!?」
「落ち着けバクザ、正気に戻ってくれて何よりだ」
それくらいバクザにとっては痛いことだったらしい。つい叫んでしまったことを、彼はハッとしてアードリューに頭を下げる。
「アードリュー第一王子殿下につきましては『もう学友でもなんでもない』などと突っぱねてしまったこと、重ね重ね――」
「ああ一部記憶が戻ったのか。もういい、あれはお前のせいではない」
シルフィアは見ていて胸が痛くなった。
(まるでこの前のクラウスを見ているみたいだわ……)
状況が混乱しているのは分かった。友でさえ、友ではなくなる状況に攻略対象たちはいる。
その時、ミュゼスター公が手を合わせた。
「召喚師団特務隊長、および白騎士も思うことはあるだろうが、殿下がおっしゃった通りだ。君たちは悪くない。さ、そんなことはもう水に流そうではないか」
「そんなことって……」
「白騎士、私にとってはその程度の話だよ。恐らく彼女がなんらかの方法で周りの男を自分の虜にしている。だが聖女が力を悪用してハーレムを作ろうが、私は興味がない」
場の空気が緊張に引き締まるのを感じた。
「まさか、そんな」
思わず声が出てしまったシルフィアに、ミュゼスター公が気遣わしげに優しい微笑みを浮かべる。
「君にはショックな話かもしれないね。だが、聖女の力を授かろうが、ただの人間だ。理想は持つべきではない」
そうではない。聖女は――レイニア・バクーイルは、この世界の〝主人公〟だ。
バクザの件を目の前にして彼女が関わっている可能性は浮かんだものの、シルフィアはゲームでどれだけいい子か知っているからこそ否定的な気持ちが先行した。
何かの間違いではないか、だってこの世界は【聖なる大樹とレイニアの運命の恋】そのもので――。
「とはいえ今回、王都の権力者が集まるこの王宮の中心近くで始まっている。第二王子は公務ができない状態になり、日々パーティーやらデートやらで彼を連れ回す彼女の我儘も目に余る。他のハーレム要員も同じだ。彼女の要求にどんどん従う」
かなりの数の者が不信を覚えているそうだ。
聖女に警戒されず調査できるよう、騒がないようにとミュゼスター公が抑えているという。
「私が思うに、彼女の目的は女王になることではないかと思ってね。だからこの件に関してはは趣味趣向として片付く話ではなくなった」
「まさか」
「私も当初、一人の男爵令嬢がそんな大きなことを企てるものか疑わしかったが、聖女は第二王子から始まって権力者を次々に取り込んでいる。これは、いずれ政権にも響いてくる事態に発展しかねないと私も懸念を持った」
息を吞んだシルフィアに、アードューが残念ながらと躊躇いがちに言った。
見てみると、説明を受けたバグザもクラウスも彼らと同じ意見のようだ。考えていたクラウスが冷静にも意見する。
「陛下たちはご無事なのか?」
「今のところは、な。だがレイニア嬢の言いなりになってしまう強烈な暗示がいつかかるか分からない。魔法の検査をしてみても引っかかることがないのは厄介だ。聖女だけが持つという力はあらゆる護符さえ無力化する。お前たちを正気に戻そうとあらゆる解除魔法も、魔法薬も、暗示返しも試したが我々は惨敗した」
「だけど絶望していた時に、私の可愛い後輩の娘であるシルフィア嬢の存在が、我々の停滞していた思考に一滴の水を落とした」
ミュゼスター公ににこやかに手で示され、シルフィアは戸惑い気味に自分を指差す。
「私、ですか……?」
「白騎士クラウス・エンゼルロイズが、君と一回会ってから行動が崩れ始め、二回目の接触で完全に暗示が解けて聖女のもとから離れることができた――バグザから話を聞いたが、手を握られた瞬間に頭のもやが晴れていったらしい。何かした覚えは?」
「いえ、私はとくに何も」
ただ、手を取ってバクザを馬車の方へ誘導しただけだ。
「白騎士はどうかな? 何か感じた?」
「バクザの意見を聞いて、同じだと感じました。そういえば俺もパーティーで彼女の手を取った時に、似たような感覚になったのがきっかけだったと思います」
「なるほど。やはり接触がもっとも有効らしいな」
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