22 / 49
四章(1)聖女とモブ転生者、そして気が気でない白騎士様
しおりを挟む
「反省して努力してるってか? そもそもさ、彼女があっさり婚約破棄を受け入れたのも信用されてないからだろ。未練がないから『ノー』を突きつけた。信頼してもいないのに、お前の言葉が彼女に受け入れられると思うか?」
「えっ……」
シルフィアの反応が好感触すぎて、浮かれて考え及んでいなかった。
思い返せば『違うんだ』と話しをした際、彼女も不思議がっている様子だった。
それなのに、追って確認される言葉ももらっていない。
(俺は彼女に一分一秒でも時間を割くべきだと考えていたが……そもそも奇妙な出来事を信じてもらえないと、触れて想いを伝える行為も意味がない……?)
昨日、二人の距離を親密な行為と共にぐっと縮められたのでは、と思ったのはクラウスだけだったのか。
リューイが「ふんっ」と鼻息をもらした。
「少し過去の方だって反省しろ。お前は、婚約者という肩書きに甘んじていた」
「そう、だな……それは俺も最近思ったよ」
シルフィアはデートも楽しそうだった。
節度を持った距離を好むレディが多いと教えられてきたものの、手を繋いでみると彼女は恥じらいつつも嬉しそうにしていた。
(シルフィアはああいうことも好きなのに、俺は、ずっとしてやれなかったんだな)
初めてのデートで痛感させられた。
騎士だからこうでなくてはだとか、レディだから気安く触れてはいけないだとかいう誰がいつ決めたのかも分からない一般論なんて要らなかった。シルフィアがどんなことを好まなくて、どんなことを好んでいるのか――。
それだけが重要だったのだと、クラウスは二人にとって大事なことを学んだ。
(だからこそ俺は、全力でくどく)
今のところクラウスにとっての懸念は彼女の弟くらいだ。あとは、シルフィアが他の男に目がいかないよう全力で自分に繋ぎ止める。
とにかく、しばらく社交からは離そう。
意外と押しに弱いらしい彼女に、他の男を近づけないようにして――。
「隊長、今よろしいですか?」
「なんだ?」
ノックの音に気づいて顔を上げると、部下が扉から顔を覗かせた。
「今、婚約者様がいらしていて……」
「何? シルフィアが?」
クラウスは思わず腰を上げた。
「はい。それで、その……隊長に急ぎでアードリュー・クロレツオ第一王子殿下からの言伝がある、と」
場に、しばし理解を必要とした沈黙が漂った。
「――は?」
固まっていたクラウスはようやく声が出た。
アードリューはこの国の第一王子で、彼より一つ年下の美しく聡明な王子だ。それが、なぜ、シルフィアと会ったのか。
リューイが戸惑い気味に「何がどうなって」と呟いて、ハッと口に手をやる。
「まさか、破局話を聞いて殿下が名乗り上げたとか?」
「そんな物騒な憶測はやめてくださいリューイ先輩っ、絶対に違うと思います!」
「あっ、隊長!」
事務官が気づいて立ち上がったが、クラウスは出入り口にいた部下に駆けつけ「シルフィアのもとへ案内しろ」と告げながら共に走り出していた。
このあと、まさかシルフィアを王宮で騒がれているイケメンたちに会わせなければならない事態になるなんて、この時クラウスは思ってもいなかったのだった――。
◆◆◆
聖女が第二王子たちと出発した。
王都では朝に届いた新聞でもその話題が一面記事を飾っていた。これで【神樹】の心配ごとは消え去り、国内で増え始めている魔物の被害も収束するだろう、と。
それはまさにゲーム通りだったのだが、祝うような大声援を背景に、シルフィアは主人公と入れ違うように裏門から王宮へと上がっていた。
「それでは白騎士殿、よき一日を」
シルフィアの隣で裏門の警備に通行証を見せたのは、クラウスだ。警備兵たちは彼がいつも通り王子か国王に顔を出しに来たと思ったようだ。
それは正しいのだが、普段とやや状況が違っている。
白い廊下に上がって人が絶えたところで、隣からそっと溜息が聞こえた。
「はぁ……なぜ、アードリュー殿下のところへ連れて行かないといけないのか……」
シルフィアは困った表情を浮かべる。
(私もどうしてこうなったのか分からないわ……)
本日、朝食が終わって間もなくクラウスが迎えにきた。
もちろん両親も理由を知らない。先日から誠心誠意行動を見せることが続いているので、またデートだと二人は思っているみたいだった。
クラウスは溜息が尽きないし目もあまり会わない。
(よほど連れてきたくない事情でもあった?)
シルフィアは気にしてちらりとクラウスを盗み見る。
急なことを申し訳なく思っていた。婚約者なので連れてきてくれと頼まれたことを、負担に思っているのだろうか。
と考えたものの、直後に勘違いだと気づく。
「……俺の天敵になりえるイケメンに会わせたくない……王位を譲った聡明な殿下とか、心意気の騎士っぷりには負ける気がする……」
いったい、彼は何と張り合っているのか。
シルフィアは顔が赤くなってクラウスから視線を外す。彼はただただ心配みたいだ。
『まさか嫁ぎ先に名乗り出られたのか!?』
『……はい?』
彼にアードリューの言葉を伝えに行った際、なぜか第一王子に結婚先の相手として打診されたと勘違いされた。
『俺は君と結婚したくてたまらない! 結婚したい気持ちは本物なんだ!』
あの冷静沈着な白騎士であるはずのクラウスに手を両手で握られ、大勢の白騎士部隊員たちが行き交う一階ロビーで叫ばれた。
シルフィアは一瞬わけが分からなくて言葉が出なかった。
開口一番、部隊員たちの大注目の中で愛を叫ばれてただただ恥ずかしかった。
『クラウス? あのね、私がここへ来たのは――』
『信じて欲しいっ、俺がベッドで君に触れて伝えた言葉も想いも事実だ!』
『きゃあっ、待って待ってストップですっ』
『俺は君と結婚したい、君以外なんて考えられない。どうか第一王子の縁談なんて断ってくれ、彼のことは尊敬しているが君を奪われるなんて嫌だっ』
『ちょっと待って――』
『いいや、やめない。この前の発言で君を混乱させてしまったのは分かる。心から謝ろう。謝罪が足りないのなら全身全霊で償う。うまく説明できないが、あの言葉は、俺のものではないんだっ。どうか信じてくれ。俺は、君が心底可愛くてたまらないんだ。君が愛おしくて、離れても君のことばかり考えている』
シルフィアはもう首まで真っ赤になっていた。周りの騎士たちが「お~」やら「あいつ必死だな」やら言っていたのも恥ずかしくてたまらなかった。
結婚しないと告げたのは〝王宮で起こっているという奇妙な現象〟によるもの。
その可能性を知ったあとだったから、彼女はクラウスが迎えにきた姿を見ただけでまたどきどきが再発した。
騎士たちが顔見知りという反応でクラウスに挨拶していく。
少し進むと、近衛騎士が立つ厳重な警備の通路に差し掛かった。
「アードリュー殿下と約束しているのだが、いらしているか」
「もちろんです。話はうかがっています」
こちらへ、と近衛騎士は小声で答えて二人を案内する。
進んだ先にあったのは金色の装飾も美しい扉を持った部屋だ。近衛騎士が声を掛け、中から了承の言葉があって扉が開く。
「あっ」
シルフィアと、室内から目が合ったバクザの声が重なった。
「あー……この前はすまなかったな」
扉が閉まると室内には三人が残された。彼が気まずそうに立ち上がると、クラウスが真っ先尋ねる。
「バクザ、アードリュー殿下は?」
「今日の話し合いに参加するもう一人、ミュゼスター公を秘密の通路から迎えに。それからシルフィア嬢には、改めてお詫びを申し上げる。そして助かった、ありがとう」
召喚師団特務隊長のローブマントの裾を床につけ、最上位の謝辞を示したバクザに、シルフィアは驚く。
「えっ……」
シルフィアの反応が好感触すぎて、浮かれて考え及んでいなかった。
思い返せば『違うんだ』と話しをした際、彼女も不思議がっている様子だった。
それなのに、追って確認される言葉ももらっていない。
(俺は彼女に一分一秒でも時間を割くべきだと考えていたが……そもそも奇妙な出来事を信じてもらえないと、触れて想いを伝える行為も意味がない……?)
昨日、二人の距離を親密な行為と共にぐっと縮められたのでは、と思ったのはクラウスだけだったのか。
リューイが「ふんっ」と鼻息をもらした。
「少し過去の方だって反省しろ。お前は、婚約者という肩書きに甘んじていた」
「そう、だな……それは俺も最近思ったよ」
シルフィアはデートも楽しそうだった。
節度を持った距離を好むレディが多いと教えられてきたものの、手を繋いでみると彼女は恥じらいつつも嬉しそうにしていた。
(シルフィアはああいうことも好きなのに、俺は、ずっとしてやれなかったんだな)
初めてのデートで痛感させられた。
騎士だからこうでなくてはだとか、レディだから気安く触れてはいけないだとかいう誰がいつ決めたのかも分からない一般論なんて要らなかった。シルフィアがどんなことを好まなくて、どんなことを好んでいるのか――。
それだけが重要だったのだと、クラウスは二人にとって大事なことを学んだ。
(だからこそ俺は、全力でくどく)
今のところクラウスにとっての懸念は彼女の弟くらいだ。あとは、シルフィアが他の男に目がいかないよう全力で自分に繋ぎ止める。
とにかく、しばらく社交からは離そう。
意外と押しに弱いらしい彼女に、他の男を近づけないようにして――。
「隊長、今よろしいですか?」
「なんだ?」
ノックの音に気づいて顔を上げると、部下が扉から顔を覗かせた。
「今、婚約者様がいらしていて……」
「何? シルフィアが?」
クラウスは思わず腰を上げた。
「はい。それで、その……隊長に急ぎでアードリュー・クロレツオ第一王子殿下からの言伝がある、と」
場に、しばし理解を必要とした沈黙が漂った。
「――は?」
固まっていたクラウスはようやく声が出た。
アードリューはこの国の第一王子で、彼より一つ年下の美しく聡明な王子だ。それが、なぜ、シルフィアと会ったのか。
リューイが戸惑い気味に「何がどうなって」と呟いて、ハッと口に手をやる。
「まさか、破局話を聞いて殿下が名乗り上げたとか?」
「そんな物騒な憶測はやめてくださいリューイ先輩っ、絶対に違うと思います!」
「あっ、隊長!」
事務官が気づいて立ち上がったが、クラウスは出入り口にいた部下に駆けつけ「シルフィアのもとへ案内しろ」と告げながら共に走り出していた。
このあと、まさかシルフィアを王宮で騒がれているイケメンたちに会わせなければならない事態になるなんて、この時クラウスは思ってもいなかったのだった――。
◆◆◆
聖女が第二王子たちと出発した。
王都では朝に届いた新聞でもその話題が一面記事を飾っていた。これで【神樹】の心配ごとは消え去り、国内で増え始めている魔物の被害も収束するだろう、と。
それはまさにゲーム通りだったのだが、祝うような大声援を背景に、シルフィアは主人公と入れ違うように裏門から王宮へと上がっていた。
「それでは白騎士殿、よき一日を」
シルフィアの隣で裏門の警備に通行証を見せたのは、クラウスだ。警備兵たちは彼がいつも通り王子か国王に顔を出しに来たと思ったようだ。
それは正しいのだが、普段とやや状況が違っている。
白い廊下に上がって人が絶えたところで、隣からそっと溜息が聞こえた。
「はぁ……なぜ、アードリュー殿下のところへ連れて行かないといけないのか……」
シルフィアは困った表情を浮かべる。
(私もどうしてこうなったのか分からないわ……)
本日、朝食が終わって間もなくクラウスが迎えにきた。
もちろん両親も理由を知らない。先日から誠心誠意行動を見せることが続いているので、またデートだと二人は思っているみたいだった。
クラウスは溜息が尽きないし目もあまり会わない。
(よほど連れてきたくない事情でもあった?)
シルフィアは気にしてちらりとクラウスを盗み見る。
急なことを申し訳なく思っていた。婚約者なので連れてきてくれと頼まれたことを、負担に思っているのだろうか。
と考えたものの、直後に勘違いだと気づく。
「……俺の天敵になりえるイケメンに会わせたくない……王位を譲った聡明な殿下とか、心意気の騎士っぷりには負ける気がする……」
いったい、彼は何と張り合っているのか。
シルフィアは顔が赤くなってクラウスから視線を外す。彼はただただ心配みたいだ。
『まさか嫁ぎ先に名乗り出られたのか!?』
『……はい?』
彼にアードリューの言葉を伝えに行った際、なぜか第一王子に結婚先の相手として打診されたと勘違いされた。
『俺は君と結婚したくてたまらない! 結婚したい気持ちは本物なんだ!』
あの冷静沈着な白騎士であるはずのクラウスに手を両手で握られ、大勢の白騎士部隊員たちが行き交う一階ロビーで叫ばれた。
シルフィアは一瞬わけが分からなくて言葉が出なかった。
開口一番、部隊員たちの大注目の中で愛を叫ばれてただただ恥ずかしかった。
『クラウス? あのね、私がここへ来たのは――』
『信じて欲しいっ、俺がベッドで君に触れて伝えた言葉も想いも事実だ!』
『きゃあっ、待って待ってストップですっ』
『俺は君と結婚したい、君以外なんて考えられない。どうか第一王子の縁談なんて断ってくれ、彼のことは尊敬しているが君を奪われるなんて嫌だっ』
『ちょっと待って――』
『いいや、やめない。この前の発言で君を混乱させてしまったのは分かる。心から謝ろう。謝罪が足りないのなら全身全霊で償う。うまく説明できないが、あの言葉は、俺のものではないんだっ。どうか信じてくれ。俺は、君が心底可愛くてたまらないんだ。君が愛おしくて、離れても君のことばかり考えている』
シルフィアはもう首まで真っ赤になっていた。周りの騎士たちが「お~」やら「あいつ必死だな」やら言っていたのも恥ずかしくてたまらなかった。
結婚しないと告げたのは〝王宮で起こっているという奇妙な現象〟によるもの。
その可能性を知ったあとだったから、彼女はクラウスが迎えにきた姿を見ただけでまたどきどきが再発した。
騎士たちが顔見知りという反応でクラウスに挨拶していく。
少し進むと、近衛騎士が立つ厳重な警備の通路に差し掛かった。
「アードリュー殿下と約束しているのだが、いらしているか」
「もちろんです。話はうかがっています」
こちらへ、と近衛騎士は小声で答えて二人を案内する。
進んだ先にあったのは金色の装飾も美しい扉を持った部屋だ。近衛騎士が声を掛け、中から了承の言葉があって扉が開く。
「あっ」
シルフィアと、室内から目が合ったバクザの声が重なった。
「あー……この前はすまなかったな」
扉が閉まると室内には三人が残された。彼が気まずそうに立ち上がると、クラウスが真っ先尋ねる。
「バクザ、アードリュー殿下は?」
「今日の話し合いに参加するもう一人、ミュゼスター公を秘密の通路から迎えに。それからシルフィア嬢には、改めてお詫びを申し上げる。そして助かった、ありがとう」
召喚師団特務隊長のローブマントの裾を床につけ、最上位の謝辞を示したバクザに、シルフィアは驚く。
1,978
お気に入りに追加
4,544
あなたにおすすめの小説
記憶を失くした彼女の手紙 消えてしまった完璧な令嬢と、王子の遅すぎた後悔の話
甘糖むい
恋愛
婚約者であるシェルニア公爵令嬢が記憶喪失となった。
王子はひっそりと喜んだ。これで愛するクロエ男爵令嬢と堂々と結婚できると。
その時、王子の元に一通の手紙が届いた。
そこに書かれていたのは3つの願いと1つの真実。
王子は絶望感に苛まれ後悔をする。
私が死んで満足ですか?
マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。
ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。
全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。
書籍化にともない本編を引き下げいたしました
初夜に大暴言を吐かれた伯爵夫人は、微笑みと共に我が道を行く ―旦那様、今更擦り寄られても困ります―
望月 或
恋愛
「お前の噂を聞いたぞ。毎夜町に出て男を求め、毎回違う男と朝までふしだらな行為に明け暮れているそうだな? その上糸目を付けず服や装飾品を買い漁り、多大な借金を背負っているとか……。そんな醜悪な女が俺の妻だとは非常に不愉快極まりない! 今後俺に話し掛けるな! 俺に一切関与するな! 同じ空気を吸ってるだけでとんでもなく不快だ……!!」
【王命】で決められた婚姻をし、ハイド・ランジニカ伯爵とオリービア・フレイグラント子爵令嬢の初夜は、彼のその暴言で始まった。
そして、それに返したオリービアの一言は、
「あらあら、まぁ」
の六文字だった。
屋敷に住まわせている、ハイドの愛人と噂されるユーカリや、その取巻きの使用人達の嫌がらせも何のその、オリービアは微笑みを絶やさず自分の道を突き進んでいく。
ユーカリだけを信じ心酔していたハイドだったが、オリービアが屋敷に来てから徐々に変化が表れ始めて……
※作者独自の世界観満載です。違和感を感じたら、「あぁ、こういう世界なんだな」と思って頂けたら有難いです……。
白い結婚三年目。つまり離縁できるまで、あと七日ですわ旦那様。
あさぎかな@電子書籍二作目発売中
恋愛
異世界に転生したフランカは公爵夫人として暮らしてきたが、前世から叶えたい夢があった。パティシエールになる。その夢を叶えようと夫である王国財務総括大臣ドミニクに相談するも答えはノー。夫婦らしい交流も、信頼もない中、三年の月日が近づき──フランカは賭に出る。白い結婚三年目で離縁できる条件を満たしていると迫り、夢を叶えられないのなら離縁すると宣言。そこから公爵家一同でフランカに考え直すように動き、ドミニクと話し合いの機会を得るのだがこの夫、山のように隠し事はあった。
無言で睨む夫だが、心の中は──。
【詰んだああああああああああ! もうチェックメイトじゃないか!? 情状酌量の余地はないと!? ああ、どうにかして侍女の準備を阻まなければ! いやそれでは根本的な解決にならない! だいたいなぜ後妻? そんな者はいないのに……。ど、どどどどどうしよう。いなくなるって聞いただけで悲しい。死にたい……うう】
4万文字ぐらいの中編になります。
※小説なろう、エブリスタに記載してます
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
婚約者から婚約破棄をされて喜んだのに、どうも様子がおかしい
棗
恋愛
婚約者には初恋の人がいる。
王太子リエトの婚約者ベルティーナ=アンナローロ公爵令嬢は、呼び出された先で婚約破棄を告げられた。婚約者の隣には、家族や婚約者が常に可愛いと口にする従妹がいて。次の婚約者は従妹になると。
待ちに待った婚約破棄を喜んでいると思われる訳にもいかず、冷静に、でも笑顔は忘れずに二人の幸せを願ってあっさりと従者と部屋を出た。
婚約破棄をされた件で父に勘当されるか、何処かの貴族の後妻にされるか待っていても一向に婚約破棄の話をされない。また、婚約破棄をしたのに何故か王太子から呼び出しの声が掛かる。
従者を連れてさっさと家を出たいべルティーナと従者のせいで拗らせまくったリエトの話。
※なろうさんにも公開しています。
※短編→長編に変更しました(2023.7.19)
王子妃教育に疲れたので幼馴染の王子との婚約解消をしました
さこの
恋愛
新年のパーティーで婚約破棄?の話が出る。
王子妃教育にも疲れてきていたので、婚約の解消を望むミレイユ
頑張っていても落第令嬢と呼ばれるのにも疲れた。
ゆるい設定です
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる