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エステルは、アルツィオと一曲だけ踊った。
間もなく顔を上げたのだが、周りからやけに熱いほど注目集めていて驚いた。
(ここで勘違いされると、あとが大変なのに……)
アルツィオに申し訳なかった。
「いかがされました? もう一曲踊りたくなりましたか」
「……おふざけもほどほどになさって」
ジョークなのは分かっていた。
結局、エステルは半分は踊れなかったと言ってもいい。
アルツィオが胸を貸してくれたおかげで醜態はさらさずに済んだものの、公爵令嬢として、隣国の王子のダンスのお相手もまともにできなかったことに反省している。
「踊れなかったことですか。大丈夫ですよ」
――また、心の音、を聞いて推測したのだろう。
ひとまず姿勢をといたものの、彼が両手を取ったままのせいで見つめ合う形になる。
(本気で二曲目を踊るつもりだろうか)
エステルの、名誉挽回のため?
けれど〝踊り直す方がまずい〟とは彼女も分かっている。そんなこと、するはずがない。
「あとでリリーローズ様に求婚する際に、困ったことになってしまうますわよ。みんな、戸惑います」
なかなか手を離してくれない彼の方に、つんっと爪先立ちをして囁きかけた。
アルツィオが、どうしてか妖艶な笑みを浮かべた。
「今の、その表情をする場面ではなかったでしょう」
「いえ、こうすると〝心の音〟が愉快すぎて、おかしくってつい笑みが浮かんでしまいます」
「……はぁ」
たまに、彼が言っている独り言のようなものがよく分からない。
「踊りませんよ。もちろんです」
アルツィオが言いながら、紳士の礼を取ってエステルの右手を恭しく持ち上げる。
「私の二曲目という名のつくダンスは、私の愛しいリリーローズのために」
ちゅ、と彼の唇がエステルの指先に落とされた。
エステルはその演技力に口元がひくつく。
(声が聞こえていなかったら私への好意みたいに見えるじゃないの……)
案の定、周りの令嬢達からうらやましがる溜息がうっとりとこぼれていた。
これまでエステルのことを相手にもしていなかったのに、紳士も含めて、みんなが前向きな話しを交わし合う。
「ご友人とおっしゃっていたらしいが、本当かな」
「あの美しい第三王子殿下が好意を向けてらしているなんて、素晴らしい令嬢なのね」
「どちらになるのかな。やはり結婚相手に?」
「いや、どうかな、まだ現在の婚約について正式な発表はされていないし――」
「あんなに初々しい令嬢だったのだな。魔力がないのが、なんとももったいない」
魔力、それが邪魔してエステルの国内での結婚は難しい。
エステルは改めてそれを突きつけられた気がした。
ここで評判が戻ったとしても、どの家もエステルの魔力量のことを考えて令息の縁談申し込みには渋るだろう。
分かっていたことなので、ショックはあまりない。
「もう少し付き合ってくださいませんか?」
視線が下がった時、くいっと優しく手を引かれる。
ハタと目を上げてみると、アルツィオは甘いほどに微笑んでいる。
(……私はリリーローズ様ではないのですけれど?)
エステルは、きょとんとした。
「ですが――」
リリーローズ様のもとに戻らないと。
そう言いかけた唇に、不意にアルツィオの人差し指が触れる。
男性の少しかたい指の腹が触れるのを感じて、じんっと痺れるような感覚。さすがのエステルも、頬がじわりと熱を持つ。
周りが「きゃーっ」と黄色い声を上げた。
まだダンスも演奏音が続いているというのに、貴族達はほとんど踊ることにも気が回らない様子でエステルとアルツィオを注目していた。
「な、な……っ」
するとアルツィオが、思わせぶりに顔を近づける。
「今は、他の女性の名前を呼ばない方が得策かと」
囁き声は普通なのに、何やら雰囲気がやたら甘い。
(……こ、この距離、要る!?)
声が聞こえていないと、秘密の話でもしているみたいではないか。
いや、そもそも彼は好きでもないと女性にこんな態度まで平然と作ってしまえるのか。
それもまたエステルには信じられないことだった。
「あのねアルツィオっ――」
「大丈夫ですよ。彼女には先に話してあります。私の部下もここに入り込んでいますから」
「え? あなたの部隊の?」
と考えたところで、それはそうか、とエステルは納得する。
アルツィオは第三王子だ。護衛として必ず誰かそばについているだろう。
(でも――)
いったい、どういう魂胆だろうか。
戸惑っている間にも、彼がエステルの手を引いてしまった。
「あっ」
魔力をほとんど失ったせいで体力はない。
一曲のほとんどは踊れていなかったとはいえ、今のエステルにはじゅうぶん疲弊する。足がふらふらして彼の導くままにしか進めなかった。
「アルツィオ、いったいどこへ」
「夜の庭園へ行きましょう。あそこの方がゆっくり話せますし」
アルツィオは、今度は小声ではなかった。
まるで周りに聞かせるみたいに告げられたせいで、周りから歓声みたいな声が上がる。
エステルは、こちらを振り返りにこっと笑いかけてきた彼に腹が立ってきた。夜の庭園、というと恋人達の場だ。
(ほんと、何がしたいのっ)
あとでリリーローズとのことに響きでもしたら、どうするのか。
彼女には伝えているとは言っていたけれど心配になる。
(この騒ぎを聞いた彼女が、どう思うか)
せっかく求婚と告げて意識させたのに、疑われるようなことがあったら、どうするのか。
身分違いであることを気にして、もし身を引いてしまったら?
エステルは、彼とは結婚しないのに――。
そんなことを考えている間にも、体力が底をつき始めた身体は自由にならず、アルツィオが導くままに貴族達の間を抜けていく。
移動していく二人の姿は、ダンスの場ではよく目立った。
ざわめきが、後ろから追い駆けてくるのをエステルは感じた。
(ああ、だめなの、急にそんなに歩かれたら――……)
予感の直後、エステルは足元からすぅっと力が抜けていくのを感じた。
少なすぎる魔力と共に、体力が尽きたのだ。
けれどその直後、エステルは踊るみたいにアルツィオに支えられ、そのまま流れるようにして横抱きされていた。
「なっ……!」
男性に、身体を抱えられている。
エステルは初めてのことで頬を染め「ア、アル……っ」と言葉にならない声をもらしていた。
おそらくは、また〝心の音〟で察されたのだ。
アルツィオは足を止めず、軽々と抱いたまま歩いていく。
「すみません、療養後なのに無理をさせましたね」
そういうことはどうでもいい。
とにかく恥ずかしすぎた。下ろして欲しい。
余計に注目も増してしまい、みるみるうちに顔が熱くなるのをエステルは感じた。
ようやく細い声で下ろして欲しいと伝えたが、その時には彼は夜の庭園へと降りられる階段通路へと差し掛かっていた。
「ふふ、もう少し我慢していてください」
なんだかアルツィオはとても楽しそうだった。
(――ほ、ほんと、性格が悪い!)
なんだ、人を恥ずかしがらせて楽しいのだろうか。
そんなことを思っていると、エステルの反論も許さないみたいに彼は外へと出た。庭園側の出入り口を警備している騎士達が、ぽかんと口を開けて見送っていく。
そこは会場の窓からこぼれた明かりと、ほぼ満月に近い月明かりに照らし出されていた。
視界は悪くない。花々も、美しく鑑賞することができる。
「お、下ろして」
「もう少し我慢しておいでなさい」
まぁまぁとなだめるように言いながら、彼は庭園へ入り、どんどん進んでいく。
ここは婚約者同士か、恋人か、夫婦か――つまりはカップルが楽しむことでも知られている場所だった。
エステルが、避けていた場所だ。
アンドレアは、彼女をここへ誘うことはないから。
(見ていると、惨めな気持ちになる)
そんな自分の気持ちさえ醜く感じ、エステルは事自己嫌悪に陥った。
「そう俯かないで」
アルツィオが、内緒話みたいな囁きを落としてきた。
「きっと、今夜はいい日になるから」
何を根拠に、なんて思ってしまったのは、エステルの心がすさんでいるせいだろう。
間もなく顔を上げたのだが、周りからやけに熱いほど注目集めていて驚いた。
(ここで勘違いされると、あとが大変なのに……)
アルツィオに申し訳なかった。
「いかがされました? もう一曲踊りたくなりましたか」
「……おふざけもほどほどになさって」
ジョークなのは分かっていた。
結局、エステルは半分は踊れなかったと言ってもいい。
アルツィオが胸を貸してくれたおかげで醜態はさらさずに済んだものの、公爵令嬢として、隣国の王子のダンスのお相手もまともにできなかったことに反省している。
「踊れなかったことですか。大丈夫ですよ」
――また、心の音、を聞いて推測したのだろう。
ひとまず姿勢をといたものの、彼が両手を取ったままのせいで見つめ合う形になる。
(本気で二曲目を踊るつもりだろうか)
エステルの、名誉挽回のため?
けれど〝踊り直す方がまずい〟とは彼女も分かっている。そんなこと、するはずがない。
「あとでリリーローズ様に求婚する際に、困ったことになってしまうますわよ。みんな、戸惑います」
なかなか手を離してくれない彼の方に、つんっと爪先立ちをして囁きかけた。
アルツィオが、どうしてか妖艶な笑みを浮かべた。
「今の、その表情をする場面ではなかったでしょう」
「いえ、こうすると〝心の音〟が愉快すぎて、おかしくってつい笑みが浮かんでしまいます」
「……はぁ」
たまに、彼が言っている独り言のようなものがよく分からない。
「踊りませんよ。もちろんです」
アルツィオが言いながら、紳士の礼を取ってエステルの右手を恭しく持ち上げる。
「私の二曲目という名のつくダンスは、私の愛しいリリーローズのために」
ちゅ、と彼の唇がエステルの指先に落とされた。
エステルはその演技力に口元がひくつく。
(声が聞こえていなかったら私への好意みたいに見えるじゃないの……)
案の定、周りの令嬢達からうらやましがる溜息がうっとりとこぼれていた。
これまでエステルのことを相手にもしていなかったのに、紳士も含めて、みんなが前向きな話しを交わし合う。
「ご友人とおっしゃっていたらしいが、本当かな」
「あの美しい第三王子殿下が好意を向けてらしているなんて、素晴らしい令嬢なのね」
「どちらになるのかな。やはり結婚相手に?」
「いや、どうかな、まだ現在の婚約について正式な発表はされていないし――」
「あんなに初々しい令嬢だったのだな。魔力がないのが、なんとももったいない」
魔力、それが邪魔してエステルの国内での結婚は難しい。
エステルは改めてそれを突きつけられた気がした。
ここで評判が戻ったとしても、どの家もエステルの魔力量のことを考えて令息の縁談申し込みには渋るだろう。
分かっていたことなので、ショックはあまりない。
「もう少し付き合ってくださいませんか?」
視線が下がった時、くいっと優しく手を引かれる。
ハタと目を上げてみると、アルツィオは甘いほどに微笑んでいる。
(……私はリリーローズ様ではないのですけれど?)
エステルは、きょとんとした。
「ですが――」
リリーローズ様のもとに戻らないと。
そう言いかけた唇に、不意にアルツィオの人差し指が触れる。
男性の少しかたい指の腹が触れるのを感じて、じんっと痺れるような感覚。さすがのエステルも、頬がじわりと熱を持つ。
周りが「きゃーっ」と黄色い声を上げた。
まだダンスも演奏音が続いているというのに、貴族達はほとんど踊ることにも気が回らない様子でエステルとアルツィオを注目していた。
「な、な……っ」
するとアルツィオが、思わせぶりに顔を近づける。
「今は、他の女性の名前を呼ばない方が得策かと」
囁き声は普通なのに、何やら雰囲気がやたら甘い。
(……こ、この距離、要る!?)
声が聞こえていないと、秘密の話でもしているみたいではないか。
いや、そもそも彼は好きでもないと女性にこんな態度まで平然と作ってしまえるのか。
それもまたエステルには信じられないことだった。
「あのねアルツィオっ――」
「大丈夫ですよ。彼女には先に話してあります。私の部下もここに入り込んでいますから」
「え? あなたの部隊の?」
と考えたところで、それはそうか、とエステルは納得する。
アルツィオは第三王子だ。護衛として必ず誰かそばについているだろう。
(でも――)
いったい、どういう魂胆だろうか。
戸惑っている間にも、彼がエステルの手を引いてしまった。
「あっ」
魔力をほとんど失ったせいで体力はない。
一曲のほとんどは踊れていなかったとはいえ、今のエステルにはじゅうぶん疲弊する。足がふらふらして彼の導くままにしか進めなかった。
「アルツィオ、いったいどこへ」
「夜の庭園へ行きましょう。あそこの方がゆっくり話せますし」
アルツィオは、今度は小声ではなかった。
まるで周りに聞かせるみたいに告げられたせいで、周りから歓声みたいな声が上がる。
エステルは、こちらを振り返りにこっと笑いかけてきた彼に腹が立ってきた。夜の庭園、というと恋人達の場だ。
(ほんと、何がしたいのっ)
あとでリリーローズとのことに響きでもしたら、どうするのか。
彼女には伝えているとは言っていたけれど心配になる。
(この騒ぎを聞いた彼女が、どう思うか)
せっかく求婚と告げて意識させたのに、疑われるようなことがあったら、どうするのか。
身分違いであることを気にして、もし身を引いてしまったら?
エステルは、彼とは結婚しないのに――。
そんなことを考えている間にも、体力が底をつき始めた身体は自由にならず、アルツィオが導くままに貴族達の間を抜けていく。
移動していく二人の姿は、ダンスの場ではよく目立った。
ざわめきが、後ろから追い駆けてくるのをエステルは感じた。
(ああ、だめなの、急にそんなに歩かれたら――……)
予感の直後、エステルは足元からすぅっと力が抜けていくのを感じた。
少なすぎる魔力と共に、体力が尽きたのだ。
けれどその直後、エステルは踊るみたいにアルツィオに支えられ、そのまま流れるようにして横抱きされていた。
「なっ……!」
男性に、身体を抱えられている。
エステルは初めてのことで頬を染め「ア、アル……っ」と言葉にならない声をもらしていた。
おそらくは、また〝心の音〟で察されたのだ。
アルツィオは足を止めず、軽々と抱いたまま歩いていく。
「すみません、療養後なのに無理をさせましたね」
そういうことはどうでもいい。
とにかく恥ずかしすぎた。下ろして欲しい。
余計に注目も増してしまい、みるみるうちに顔が熱くなるのをエステルは感じた。
ようやく細い声で下ろして欲しいと伝えたが、その時には彼は夜の庭園へと降りられる階段通路へと差し掛かっていた。
「ふふ、もう少し我慢していてください」
なんだかアルツィオはとても楽しそうだった。
(――ほ、ほんと、性格が悪い!)
なんだ、人を恥ずかしがらせて楽しいのだろうか。
そんなことを思っていると、エステルの反論も許さないみたいに彼は外へと出た。庭園側の出入り口を警備している騎士達が、ぽかんと口を開けて見送っていく。
そこは会場の窓からこぼれた明かりと、ほぼ満月に近い月明かりに照らし出されていた。
視界は悪くない。花々も、美しく鑑賞することができる。
「お、下ろして」
「もう少し我慢しておいでなさい」
まぁまぁとなだめるように言いながら、彼は庭園へ入り、どんどん進んでいく。
ここは婚約者同士か、恋人か、夫婦か――つまりはカップルが楽しむことでも知られている場所だった。
エステルが、避けていた場所だ。
アンドレアは、彼女をここへ誘うことはないから。
(見ていると、惨めな気持ちになる)
そんな自分の気持ちさえ醜く感じ、エステルは事自己嫌悪に陥った。
「そう俯かないで」
アルツィオが、内緒話みたいな囁きを落としてきた。
「きっと、今夜はいい日になるから」
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