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19章 抗う者達の戦場(1)
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エルがマルクとの戦いに挑み始めて、少し経った頃、無人のビルの中を歩き続けていたセイジは、ようやく外の景色が眺められる場所まで辿り着いたところだった。
セイジは先程まで、暗闇の中を彷徨歩いていたのだ。実際、そこは電灯が消えてしまった非常階段だったのだが、彼は何度も足を滑らせながら下へと向かい、一筋の明かりがさす回廊へと抜け出し、ビルのフロアに進めたのだ。
割れた硝子窓の下を見降ろしたセイジは、『仮想空間エリス』の様子を一望して驚いた。荒廃した街の所々には消炎が立ち上り、遥か向こうには、こちらに迫り来る黒い壁に世界が削られてゆく光景があった。
セイジは、現状を把握出来ず、しばらく世界が闇に呑まれてゆく様を眺めていた。
右手の方向に、巨大な塔がある事に気付いて目を向けた。首を伸ばして確認してみると、この街で唯一電気の通った荘厳な電波塔のようだと察した。塔の頂上は、暗雲立ち込める雲の向こうに隠れ、かなりの標高があるのだろうなぁ、と場違いな感想をぼんやり抱いた。
どうやら、目的とする『エリス・プログラム』の心臓部は、あの塔の中にあるのだろう。
ひとまずセイジは推測した。地上はどうなっているか分からないが、所々戦闘音が聞こえるので、もしかしたら、また出遅れてしまっているのかもしれない。そう考えて気落ちした。
うん、これはまた、ログに怒られるパターンのような気がしてきた。
スウェン達は、もうアリスを見付けただろうか。脱出の件に関しては、一体どうなっているのだろう?
とにかく階下に降りなければ、とセイジは考えた。確認したがエレベーターは止まっており、移動手段は非常階段しかなさそうだった。しかし、灯りのない非常階段は真っ暗で、足元が見えないのだ。降りるまでに余計に時間がかかってしまうだろう。
セイジは、フロアの床を見降ろした。何度か足を打ちつけて、その強度を確認してみる。
これくらいなら打ち抜けるかもしれない。そう考えて、おもむろに拳を振り上げた時、強く制止する女の子の声が、彼の頭の中に響いた。
――駄目よ、やめて。
聞き覚えのあるその声は、セイジが以前のセキュリティー・エリアで出会った、エルによく似た女の子の声だった。
セイジが慌てて拳を引っ込めると、頭の奥で彼女が安堵の息を吐くのが聞こえた。
――とんでもない人ねぇ……まさか上の方に到着してしまうなんて、よっぽど引きが強いのかしら。でも、わたしとしては助かったわ。もう、間に合わないかと思ったもの。ほとんど消えてしまって、姿も保つ事が出来ないから……七階にアリスを連れて来たわ。だから、上から瓦礫を振らせるような事はやめてちょうだい。
その時、エレベーターに光りが灯った。半ば反射的に振り返り、セイジが駆け寄ると、上がって来たエレベーターが到着音を上げて、その扉を開いた。
乗れということなのだろうか。
セイジは少しだけ考え、特に危機感も覚えないまま、素直にエレベーターの中へ乗り込んだ。またお前は苦労せずに、というログの幻聴が聞こえて来そうだったが、アリスの救出は大事な任務だ。きっと、そんな懸念はないだろうと思い直した。
セイジがエレベーターに乗り込んですぐ、扉が閉まり、七階のボタンが点灯した。
空調が壊れているせいか、密封された室内は蒸し暑かった。高層ビルのエレベーターは、滑るように階下へ進むと、チン、と乾いた音を立てて扉を開いた。
到着したビルの七階は、ベージュのマットが敷かれただけの、椅子もテーブルもない開けたオフィス・フロアが広がっていた。硝子や瓦礫の欠片が少し転がっていたものの、壁は真新しく、寂しいほど伽藍とした空間が開けている。
七階のフロアに踏み入ってすぐ、セイジは、空間の中央に横たわる一人の少女の姿に気付いた。マルクに連れ出された時と同じく、袖の短いレースの付いたついた上着と、たっぷりのフリルが特徴の桃色のスカート、丸みのある黒いブーツを着用したアリスだった。
アリスは、床にウェーブを描くブロンドの髪を広げ、胸の上で手を組んだまま眠っていた。
心音や呼吸を確認したところ、異常はなく怪我もしていないようだ。しかし、セイジが彼女を起こそうと名前を呼びかけても、大丈夫かと頬に触れても、まるで起きる気配はなかった。
『まだ、目覚めの時ではないわ。大丈夫、もう少しで目を覚ますはずだから……』
先程とは違う、柔らかい女性の声が部屋に響いた。
セイジは警戒し、素早く辺りを見回した。人の姿は確認出来なかったが、彼は念の為アリスを抱きかかえると、警戒しつつも尋ねた。
「あの子はどうしたんだ? アリスをここまで連れて来てくれた、あの子は――」
『あの子も言っていたでしょう。もう、時間がなかったの。彼女は、この世界の危険からアリスを隠し通し、そして、あなたに託す為に、全ての力を使い果たしてしまったのよ』
「消えてしまったのか……? 私は、礼すら言えていない」
『彼女は、自分の願いと使命に従っただけ。だから、どうか悲しまないで。願いの為に消えていったあの子の為に、私たちが今出来る事をするのよ』
女性の声を聞いていると、不思議と、自分の母親の事が思い出された。セイジは兄弟が多くいたが、いつも忙しくなく動いていた母親が、こちらに見せた微笑みと優しい声が、懐かしく蘇って来る。
姿なきその声は、まるで母性の象徴のように温かみのある声をしていた。慈愛を覚え、敵意はまるで感じない。
「あなたは、誰なんだ? 私達の事を知っている者か?」
続けて尋ねてみたが、声は答えてくれなかった。その代わり『見てちょうだい』と、セイジを窓辺へと促した。
セイジは、言われるままに窓辺へと立ち、地上を見降ろしてみた。塔の方向へ、ログが息を切らせて駆けている姿があった。連続で破壊の力を発動させたのか、彼の左手の袖口は、少し焼き切れてしまっていた。
セイジは、ログが向かう先に目を走らせ――ハッと目を見開いた。
そこには、複数の巨大な瓦礫が宙へ浮かび上がっていたる光景があった。その目と鼻の先に、黒いロングコートを揺らめかせて佇む、小さな後ろ姿がある。見間違いではなく、それがエル本人である事に気付いて、セイジは一瞬呼吸を忘れた。
『お願い、あの子達を助けてあげて。きっと、あなたになら出来るから』
声が言い終わるよりも早く、セイジは、アリスを強く抱きしめ窓の外へと飛び出していた。
かなり高さがあるが、きっと大丈夫だろう。宙に躍り出てすぐに、セイジは着地に備えて両足を突き出した。
「『助けてあげて』、だって? 当然だろう! 仲間なんだから!」
セイジがそう叫び返した時、地上を走っていたログが、その声に気付いて足を止めた。
こちらを仰ぎ見たログは、途端に顔を強張らせると、「おまッ、なんてところから登場するんだよ!」と口を開いた。
ログが足を止めた場所は、セイジの着地予定地点だった。セイジは、アリスを抱き締める腕に力を込めると、調整が効かないからそこをどいて欲しい、とログに向かって声を張り上げた。
踵を返したログが「バカヤロー!」と捨て台詞を吐いた直後、セイジの身体が着地し、その衝撃で地面が大きくめり込んだ。
衝撃の風圧で瓦礫の一部が飛び、逃げ遅れたログもひっくり返った。
※※※
セイジは先程まで、暗闇の中を彷徨歩いていたのだ。実際、そこは電灯が消えてしまった非常階段だったのだが、彼は何度も足を滑らせながら下へと向かい、一筋の明かりがさす回廊へと抜け出し、ビルのフロアに進めたのだ。
割れた硝子窓の下を見降ろしたセイジは、『仮想空間エリス』の様子を一望して驚いた。荒廃した街の所々には消炎が立ち上り、遥か向こうには、こちらに迫り来る黒い壁に世界が削られてゆく光景があった。
セイジは、現状を把握出来ず、しばらく世界が闇に呑まれてゆく様を眺めていた。
右手の方向に、巨大な塔がある事に気付いて目を向けた。首を伸ばして確認してみると、この街で唯一電気の通った荘厳な電波塔のようだと察した。塔の頂上は、暗雲立ち込める雲の向こうに隠れ、かなりの標高があるのだろうなぁ、と場違いな感想をぼんやり抱いた。
どうやら、目的とする『エリス・プログラム』の心臓部は、あの塔の中にあるのだろう。
ひとまずセイジは推測した。地上はどうなっているか分からないが、所々戦闘音が聞こえるので、もしかしたら、また出遅れてしまっているのかもしれない。そう考えて気落ちした。
うん、これはまた、ログに怒られるパターンのような気がしてきた。
スウェン達は、もうアリスを見付けただろうか。脱出の件に関しては、一体どうなっているのだろう?
とにかく階下に降りなければ、とセイジは考えた。確認したがエレベーターは止まっており、移動手段は非常階段しかなさそうだった。しかし、灯りのない非常階段は真っ暗で、足元が見えないのだ。降りるまでに余計に時間がかかってしまうだろう。
セイジは、フロアの床を見降ろした。何度か足を打ちつけて、その強度を確認してみる。
これくらいなら打ち抜けるかもしれない。そう考えて、おもむろに拳を振り上げた時、強く制止する女の子の声が、彼の頭の中に響いた。
――駄目よ、やめて。
聞き覚えのあるその声は、セイジが以前のセキュリティー・エリアで出会った、エルによく似た女の子の声だった。
セイジが慌てて拳を引っ込めると、頭の奥で彼女が安堵の息を吐くのが聞こえた。
――とんでもない人ねぇ……まさか上の方に到着してしまうなんて、よっぽど引きが強いのかしら。でも、わたしとしては助かったわ。もう、間に合わないかと思ったもの。ほとんど消えてしまって、姿も保つ事が出来ないから……七階にアリスを連れて来たわ。だから、上から瓦礫を振らせるような事はやめてちょうだい。
その時、エレベーターに光りが灯った。半ば反射的に振り返り、セイジが駆け寄ると、上がって来たエレベーターが到着音を上げて、その扉を開いた。
乗れということなのだろうか。
セイジは少しだけ考え、特に危機感も覚えないまま、素直にエレベーターの中へ乗り込んだ。またお前は苦労せずに、というログの幻聴が聞こえて来そうだったが、アリスの救出は大事な任務だ。きっと、そんな懸念はないだろうと思い直した。
セイジがエレベーターに乗り込んですぐ、扉が閉まり、七階のボタンが点灯した。
空調が壊れているせいか、密封された室内は蒸し暑かった。高層ビルのエレベーターは、滑るように階下へ進むと、チン、と乾いた音を立てて扉を開いた。
到着したビルの七階は、ベージュのマットが敷かれただけの、椅子もテーブルもない開けたオフィス・フロアが広がっていた。硝子や瓦礫の欠片が少し転がっていたものの、壁は真新しく、寂しいほど伽藍とした空間が開けている。
七階のフロアに踏み入ってすぐ、セイジは、空間の中央に横たわる一人の少女の姿に気付いた。マルクに連れ出された時と同じく、袖の短いレースの付いたついた上着と、たっぷりのフリルが特徴の桃色のスカート、丸みのある黒いブーツを着用したアリスだった。
アリスは、床にウェーブを描くブロンドの髪を広げ、胸の上で手を組んだまま眠っていた。
心音や呼吸を確認したところ、異常はなく怪我もしていないようだ。しかし、セイジが彼女を起こそうと名前を呼びかけても、大丈夫かと頬に触れても、まるで起きる気配はなかった。
『まだ、目覚めの時ではないわ。大丈夫、もう少しで目を覚ますはずだから……』
先程とは違う、柔らかい女性の声が部屋に響いた。
セイジは警戒し、素早く辺りを見回した。人の姿は確認出来なかったが、彼は念の為アリスを抱きかかえると、警戒しつつも尋ねた。
「あの子はどうしたんだ? アリスをここまで連れて来てくれた、あの子は――」
『あの子も言っていたでしょう。もう、時間がなかったの。彼女は、この世界の危険からアリスを隠し通し、そして、あなたに託す為に、全ての力を使い果たしてしまったのよ』
「消えてしまったのか……? 私は、礼すら言えていない」
『彼女は、自分の願いと使命に従っただけ。だから、どうか悲しまないで。願いの為に消えていったあの子の為に、私たちが今出来る事をするのよ』
女性の声を聞いていると、不思議と、自分の母親の事が思い出された。セイジは兄弟が多くいたが、いつも忙しくなく動いていた母親が、こちらに見せた微笑みと優しい声が、懐かしく蘇って来る。
姿なきその声は、まるで母性の象徴のように温かみのある声をしていた。慈愛を覚え、敵意はまるで感じない。
「あなたは、誰なんだ? 私達の事を知っている者か?」
続けて尋ねてみたが、声は答えてくれなかった。その代わり『見てちょうだい』と、セイジを窓辺へと促した。
セイジは、言われるままに窓辺へと立ち、地上を見降ろしてみた。塔の方向へ、ログが息を切らせて駆けている姿があった。連続で破壊の力を発動させたのか、彼の左手の袖口は、少し焼き切れてしまっていた。
セイジは、ログが向かう先に目を走らせ――ハッと目を見開いた。
そこには、複数の巨大な瓦礫が宙へ浮かび上がっていたる光景があった。その目と鼻の先に、黒いロングコートを揺らめかせて佇む、小さな後ろ姿がある。見間違いではなく、それがエル本人である事に気付いて、セイジは一瞬呼吸を忘れた。
『お願い、あの子達を助けてあげて。きっと、あなたになら出来るから』
声が言い終わるよりも早く、セイジは、アリスを強く抱きしめ窓の外へと飛び出していた。
かなり高さがあるが、きっと大丈夫だろう。宙に躍り出てすぐに、セイジは着地に備えて両足を突き出した。
「『助けてあげて』、だって? 当然だろう! 仲間なんだから!」
セイジがそう叫び返した時、地上を走っていたログが、その声に気付いて足を止めた。
こちらを仰ぎ見たログは、途端に顔を強張らせると、「おまッ、なんてところから登場するんだよ!」と口を開いた。
ログが足を止めた場所は、セイジの着地予定地点だった。セイジは、アリスを抱き締める腕に力を込めると、調整が効かないからそこをどいて欲しい、とログに向かって声を張り上げた。
踵を返したログが「バカヤロー!」と捨て台詞を吐いた直後、セイジの身体が着地し、その衝撃で地面が大きくめり込んだ。
衝撃の風圧で瓦礫の一部が飛び、逃げ遅れたログもひっくり返った。
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