106 / 159
15章 深い森(5)
しおりを挟む
彼の腰に巻かれていたロープが、二人を頭上の出口へと引き上げ始めた。腕一本でよく支えられるなと、エルは、ガッシリと自分を支える彼の横顔を訝しげに見上げた。無駄に大きいから出来る芸当なのか……?
「どうせ、また迷子になってたんだろ」
「……真っ暗だったんだから、迷子もしょうがな――て、おいコラ。それ以上いうと、マジでぶっ飛ばすぞ」
方向音痴なのはお前の方だ、自覚して認めろよ大人げないッ。
エルが拳を固めて睨み上げると、ログが目を合わさぬまま「可愛くねぇな」と短い息をついた。まるで上から目線の物言いに、エルはカチンと来た。
「この際だからハッキリ言わせてもらうけど、お前の方がよっぽど方向音痴じゃん! もし一緒に迷子になったら、俺がいないとお前は迷子のままだからな――」
「だったら、お前が手を離さなきゃいいだろ」
当然のように言い返され、エルは、ログを訝しげに睨み上げた。
目が合ってすぐ、腕を掴まれて、太い胸板に押し付けられるように更に引き上げられた。大き過ぎる彼とは普段近づけない距離から、何を考えているのか分からない仏頂面の静かな眼差しで、真っ直ぐ見降ろされた。
「……俺が迷子になるって前提の設定は気にくわねぇが、つまり、お前が俺の手を離さなければ問題にならねぇ。お前からすると、俺は方向音痴なんだろう? じゃあ、お前は俺の手を離すな」
「でも」
俺がずっと、こいつが迷子にならないよう手を引くって事か? いやいや、普通逆だろ。デカい大人なんだから、普通ならログが俺の手を引くとかそういう……
そもそも、近いうちに別れなければならないのに、そんな事出来る訳がないだろうとは言えず、エルは言葉に詰まった。きっと例え話なのだと、ひとまず自分を落ち着けて少し考えてみる。
「もし、俺が迷子になったら……? 俺は、きっと、お前を巻き込めないよ」
エルには、絶対に迷子にならない自信も、常に正しい道を進める自信もなかった。彼の手を離さず握り続けていたら、この先に待っている『使命』に、否応無しに引きずり込む事になるだろう。
そんな事は、嫌だと思った。
しかし、エルが言葉を言い終わらないうちに、ログが「んなの知るかよ」と顔を顰め、腰に回した腕に力を入れた。
「難しい事をぐだぐだと考えんな。お前が迷子になったら、一緒に出口でもなんでも探せばいいだけだろ」
「それ、二人揃って迷子とかいう構図では……?」
「迷子じゃねぇ、探索だ」
いいか、とログは、エルに理解し難い理屈を押し通すように続けた。
「お前が勝手に一人で迷子になったら、俺が見付けてやるし、俺がその手を掴んだら、お前はいつもみたいに細かい事は考えず引っ張り回せばいい。二人で迷っちまったとしてもな、スウェンかセイジが、俺達を見付けてくれる」
それって結局は、他力本願というやつでは……?
エルはそう思ったが、促されるまま少しだけ考えてみた。へそ曲がりで口減らずな大きな子共――みたいな性格をしたログ――の手を引く自分を想像してみると、つい最近彼と迷子になった迷路が思い出された。
あのログが、素直について来るとは到底思えない。絶対に何かしら文句を言うか、気付いたら主導権を奪い返して勝手に先導に立っている気がする。
けれど、何だか、そんな未来が少しだけ可笑しくも思えた。
迷子になるのは、きっとログの方だろう。エルが慌てて彼を追い掛けて、そうやって一緒に道を探している間に、セイジが真っ直ぐ二人を見付け、スウェンが何食わぬ顔で合流するのだ。ひょっこりホテルマンがやって来て、どうして私を探して下さらないのですかと、そう文句を言うかもしれない。
そんな叶わない未来を想像して、楽しく感じてしまった自分にエルは苦笑した。
ログが頭上を仰ぎ、思い出したように顔を歪めて「そういや」と愚痴った。
「あのホテル野郎は、全く使えねぇな。どうにかしろと俺が言った途端、『この木の壁ならあなたの能力で壊せます』とか何とか言いやがって、暴れ狂う木の根の反動を利用して、俺をぶっ飛ばしやがった」
「……じゃあ、このロープって」
「ホテル野郎の私物だ。あいつ、『私に力仕事は無理です』とか言って、ちゃっかりロープの端をセイジに渡したんだぜ? スウェンも『ログが適任だよね』って笑顔で俺を見送りやがった」
なんとなく想像がつくような気がする。
エルは抱きしめられたまま、「そっか」と答えて目を閉じた。触れているログの大きな胸からは、心臓の鼓動が頬と手に伝わって心地良くもあった。
ああ、彼は生きているんだなと、エルは想いを噛みしめた。彼は生きていて、この世界の外に、身体が待っていてくれているのだ。
この世界は、もうすぐで完全に閉ざされてしまうだろう。
その前に、彼らを外の世界へ返さなければならない。エルには、この身と引き換えにやらなければならない事がある。――けれど、きっと彼らは大丈夫だろうとも思えるのだ。帰るべき身体が、彼らを引き寄せてくれるはずだから。
エルが気がかりなのは、クロエの事だった。
最期まで側にいて欲しいと彼女に言いながら、エルは結局、彼女を置いて、先に一人で逝こうとしているのだから。
※※※
ログに引っ張られて外に出ると、そこには夜が広がっていた。
巨木の根が、眠り落ちた竜のように大地を埋め尽くしていた。荒れ狂った後に、そのまま動きを止めてしまったような光景に、エルはしばし瞬きをして沈黙した。
この世界が夜に呑まれたのは、ログが、エルの救出に向かう直前の事だったらしい。
空はとっぷりと暮れ、星も見えない夜空が広がっていた。吹き抜ける冷気を含んだ風も、深夜のそれを思わせた。
「時間が逆転したのでしょう。完成された夢世界ほど、条件に縛られますから」
一同の無事が確認された後で、説明してくれたホテルマンがそう言った。
「大きなエネルギーを必要とする『夢』は、一時的に稼働を止める事があります。『夢』そのものに強い力が宿っていようとも、その力の元である『夢人』と、器である『宿主』がいない事には、膨大なエルネギーは育たないのです」
「つまり、エネルギー不足だって事か。――今なら妨害無しで進めるという認識でいいのかい?」
「その通りですよ、『親切なお客様』」
スウェンの問いに対し、ホテルマンは、胡散臭い顔でニッコリと笑った。
エルが木の中に閉じ込められていた間、外に残されたメンバーは、相当な体力を消耗されたようだった。衣服の一部は擦り切れ、ホテルマンの整えられた髪もやや乱れていた。ホテルマンはもっぱら、シャツに皺が入ってしまった事を残念がっており、疲弊はしていないようだが……
騒動の最中、ホテルマンはクロエを腕に抱えて逃げ回っていたらしい。彼は、エルにそう語った。
しかし、スウェン達の沈黙と疲弊振りを見る限り、この男はログが言っていたように、特に役に立たなかっただろう事が見て取れた。エルが真相を求めても、スウェンは溜息をこぼすばかりで、しばらくの間はホテルマンに目も向けなかった。セイジも珍しく黙りこみ、疲労の浮かぶ顔で遠くを見つめていた。
スウェンは騒動の際に、携帯していた探査機や地図を失ってしまっていた。一同が腰を休めている間、彼は足元に横たわる木々の根の間を覗きこみ、辺りを見渡し、大きく肩を落とした。
「まぁいいか。『夢人』とかいうの少年ほど使えないにしても、ホテルの彼が、道案内代わりにはなるだろうからね……」
スウェンの言葉を、ホテルマンは否定しなかった。ホテルマンは、何となく気が抜けたような、作り物の顔で面倒そうに「そうですねぇ、まぁ、確かに分かりますけれど、はい」とぼやいた。
少しの休憩を挟んだ後、一同はホテルマンの後について歩き出した。
車ほど大きな巨木の根や幹を踏み越え、エル達は森の終わりを目指した。
スウェンに答えた後、やる気が萎えたホテルマンの後ろ姿に、ログが苛立ちとストレスをぶつけると、彼は珍妙な表情でこちらを振り返り、その原因について告げた。
「だって、疲れてしまったのです。仕方がないのです」
ホテルマンは、唇に指を当てる仕草をした。その様子を見たスウェンが、悪寒と鳥肌が止まらない様子で「可愛くない全然可愛くないッ」と身震いし、ログが「このタイミングでやられると、マジで殺したくなるな」と殺気立った。
ホテルマンがしっかり守っていてくれた事もあり、無傷だったクロエは、エルと再会出来てからというもの、エルの腕に抱かれたまま飽きずに顔をすり寄せていた。エルがすっかり毛だらけになった頃、ようやく納得したようにボストンバッグに戻った。
歩き通す両足には、時間の経過と共に疲労が蓄積した。夜風は冷えるとはいえ、肌の上には汗が滲む。
夜が終わってしまう前に森を抜けなければならない、という意識もあって、休まず歩き続ける中で、次第に交わされる言葉数が減った。ホテルマンは度々、全員が後ろをついて来ているか確認したが、珍しく声も掛けなかった。
木々の向こうから、僅かな光りが差しこむ場所が目に止まり、森の終わりが見えた。
もう陽が昇るのだろうか。この世界の夜が終わってしまったら、生物を食う木々も活動を再開してしまう。そんな思いで自然と気持ちが急かされ、エルの前進する足にも、知らず力が入った。
木々の向こうが、白い――
エルは力を振り絞り、最後の大きな木の根を踏み越えた。
「どうせ、また迷子になってたんだろ」
「……真っ暗だったんだから、迷子もしょうがな――て、おいコラ。それ以上いうと、マジでぶっ飛ばすぞ」
方向音痴なのはお前の方だ、自覚して認めろよ大人げないッ。
エルが拳を固めて睨み上げると、ログが目を合わさぬまま「可愛くねぇな」と短い息をついた。まるで上から目線の物言いに、エルはカチンと来た。
「この際だからハッキリ言わせてもらうけど、お前の方がよっぽど方向音痴じゃん! もし一緒に迷子になったら、俺がいないとお前は迷子のままだからな――」
「だったら、お前が手を離さなきゃいいだろ」
当然のように言い返され、エルは、ログを訝しげに睨み上げた。
目が合ってすぐ、腕を掴まれて、太い胸板に押し付けられるように更に引き上げられた。大き過ぎる彼とは普段近づけない距離から、何を考えているのか分からない仏頂面の静かな眼差しで、真っ直ぐ見降ろされた。
「……俺が迷子になるって前提の設定は気にくわねぇが、つまり、お前が俺の手を離さなければ問題にならねぇ。お前からすると、俺は方向音痴なんだろう? じゃあ、お前は俺の手を離すな」
「でも」
俺がずっと、こいつが迷子にならないよう手を引くって事か? いやいや、普通逆だろ。デカい大人なんだから、普通ならログが俺の手を引くとかそういう……
そもそも、近いうちに別れなければならないのに、そんな事出来る訳がないだろうとは言えず、エルは言葉に詰まった。きっと例え話なのだと、ひとまず自分を落ち着けて少し考えてみる。
「もし、俺が迷子になったら……? 俺は、きっと、お前を巻き込めないよ」
エルには、絶対に迷子にならない自信も、常に正しい道を進める自信もなかった。彼の手を離さず握り続けていたら、この先に待っている『使命』に、否応無しに引きずり込む事になるだろう。
そんな事は、嫌だと思った。
しかし、エルが言葉を言い終わらないうちに、ログが「んなの知るかよ」と顔を顰め、腰に回した腕に力を入れた。
「難しい事をぐだぐだと考えんな。お前が迷子になったら、一緒に出口でもなんでも探せばいいだけだろ」
「それ、二人揃って迷子とかいう構図では……?」
「迷子じゃねぇ、探索だ」
いいか、とログは、エルに理解し難い理屈を押し通すように続けた。
「お前が勝手に一人で迷子になったら、俺が見付けてやるし、俺がその手を掴んだら、お前はいつもみたいに細かい事は考えず引っ張り回せばいい。二人で迷っちまったとしてもな、スウェンかセイジが、俺達を見付けてくれる」
それって結局は、他力本願というやつでは……?
エルはそう思ったが、促されるまま少しだけ考えてみた。へそ曲がりで口減らずな大きな子共――みたいな性格をしたログ――の手を引く自分を想像してみると、つい最近彼と迷子になった迷路が思い出された。
あのログが、素直について来るとは到底思えない。絶対に何かしら文句を言うか、気付いたら主導権を奪い返して勝手に先導に立っている気がする。
けれど、何だか、そんな未来が少しだけ可笑しくも思えた。
迷子になるのは、きっとログの方だろう。エルが慌てて彼を追い掛けて、そうやって一緒に道を探している間に、セイジが真っ直ぐ二人を見付け、スウェンが何食わぬ顔で合流するのだ。ひょっこりホテルマンがやって来て、どうして私を探して下さらないのですかと、そう文句を言うかもしれない。
そんな叶わない未来を想像して、楽しく感じてしまった自分にエルは苦笑した。
ログが頭上を仰ぎ、思い出したように顔を歪めて「そういや」と愚痴った。
「あのホテル野郎は、全く使えねぇな。どうにかしろと俺が言った途端、『この木の壁ならあなたの能力で壊せます』とか何とか言いやがって、暴れ狂う木の根の反動を利用して、俺をぶっ飛ばしやがった」
「……じゃあ、このロープって」
「ホテル野郎の私物だ。あいつ、『私に力仕事は無理です』とか言って、ちゃっかりロープの端をセイジに渡したんだぜ? スウェンも『ログが適任だよね』って笑顔で俺を見送りやがった」
なんとなく想像がつくような気がする。
エルは抱きしめられたまま、「そっか」と答えて目を閉じた。触れているログの大きな胸からは、心臓の鼓動が頬と手に伝わって心地良くもあった。
ああ、彼は生きているんだなと、エルは想いを噛みしめた。彼は生きていて、この世界の外に、身体が待っていてくれているのだ。
この世界は、もうすぐで完全に閉ざされてしまうだろう。
その前に、彼らを外の世界へ返さなければならない。エルには、この身と引き換えにやらなければならない事がある。――けれど、きっと彼らは大丈夫だろうとも思えるのだ。帰るべき身体が、彼らを引き寄せてくれるはずだから。
エルが気がかりなのは、クロエの事だった。
最期まで側にいて欲しいと彼女に言いながら、エルは結局、彼女を置いて、先に一人で逝こうとしているのだから。
※※※
ログに引っ張られて外に出ると、そこには夜が広がっていた。
巨木の根が、眠り落ちた竜のように大地を埋め尽くしていた。荒れ狂った後に、そのまま動きを止めてしまったような光景に、エルはしばし瞬きをして沈黙した。
この世界が夜に呑まれたのは、ログが、エルの救出に向かう直前の事だったらしい。
空はとっぷりと暮れ、星も見えない夜空が広がっていた。吹き抜ける冷気を含んだ風も、深夜のそれを思わせた。
「時間が逆転したのでしょう。完成された夢世界ほど、条件に縛られますから」
一同の無事が確認された後で、説明してくれたホテルマンがそう言った。
「大きなエネルギーを必要とする『夢』は、一時的に稼働を止める事があります。『夢』そのものに強い力が宿っていようとも、その力の元である『夢人』と、器である『宿主』がいない事には、膨大なエルネギーは育たないのです」
「つまり、エネルギー不足だって事か。――今なら妨害無しで進めるという認識でいいのかい?」
「その通りですよ、『親切なお客様』」
スウェンの問いに対し、ホテルマンは、胡散臭い顔でニッコリと笑った。
エルが木の中に閉じ込められていた間、外に残されたメンバーは、相当な体力を消耗されたようだった。衣服の一部は擦り切れ、ホテルマンの整えられた髪もやや乱れていた。ホテルマンはもっぱら、シャツに皺が入ってしまった事を残念がっており、疲弊はしていないようだが……
騒動の最中、ホテルマンはクロエを腕に抱えて逃げ回っていたらしい。彼は、エルにそう語った。
しかし、スウェン達の沈黙と疲弊振りを見る限り、この男はログが言っていたように、特に役に立たなかっただろう事が見て取れた。エルが真相を求めても、スウェンは溜息をこぼすばかりで、しばらくの間はホテルマンに目も向けなかった。セイジも珍しく黙りこみ、疲労の浮かぶ顔で遠くを見つめていた。
スウェンは騒動の際に、携帯していた探査機や地図を失ってしまっていた。一同が腰を休めている間、彼は足元に横たわる木々の根の間を覗きこみ、辺りを見渡し、大きく肩を落とした。
「まぁいいか。『夢人』とかいうの少年ほど使えないにしても、ホテルの彼が、道案内代わりにはなるだろうからね……」
スウェンの言葉を、ホテルマンは否定しなかった。ホテルマンは、何となく気が抜けたような、作り物の顔で面倒そうに「そうですねぇ、まぁ、確かに分かりますけれど、はい」とぼやいた。
少しの休憩を挟んだ後、一同はホテルマンの後について歩き出した。
車ほど大きな巨木の根や幹を踏み越え、エル達は森の終わりを目指した。
スウェンに答えた後、やる気が萎えたホテルマンの後ろ姿に、ログが苛立ちとストレスをぶつけると、彼は珍妙な表情でこちらを振り返り、その原因について告げた。
「だって、疲れてしまったのです。仕方がないのです」
ホテルマンは、唇に指を当てる仕草をした。その様子を見たスウェンが、悪寒と鳥肌が止まらない様子で「可愛くない全然可愛くないッ」と身震いし、ログが「このタイミングでやられると、マジで殺したくなるな」と殺気立った。
ホテルマンがしっかり守っていてくれた事もあり、無傷だったクロエは、エルと再会出来てからというもの、エルの腕に抱かれたまま飽きずに顔をすり寄せていた。エルがすっかり毛だらけになった頃、ようやく納得したようにボストンバッグに戻った。
歩き通す両足には、時間の経過と共に疲労が蓄積した。夜風は冷えるとはいえ、肌の上には汗が滲む。
夜が終わってしまう前に森を抜けなければならない、という意識もあって、休まず歩き続ける中で、次第に交わされる言葉数が減った。ホテルマンは度々、全員が後ろをついて来ているか確認したが、珍しく声も掛けなかった。
木々の向こうから、僅かな光りが差しこむ場所が目に止まり、森の終わりが見えた。
もう陽が昇るのだろうか。この世界の夜が終わってしまったら、生物を食う木々も活動を再開してしまう。そんな思いで自然と気持ちが急かされ、エルの前進する足にも、知らず力が入った。
木々の向こうが、白い――
エルは力を振り絞り、最後の大きな木の根を踏み越えた。
0
お気に入りに追加
77
あなたにおすすめの小説
【完結】婚約破棄されたので、引き継ぎをいたしましょうか?
碧桜 汐香
恋愛
第一王子に婚約破棄された公爵令嬢は、事前に引き継ぎの準備を進めていた。
まっすぐ領地に帰るために、その場で引き継ぎを始めることに。
様々な調査結果を暴露され、婚約破棄に関わった人たちは阿鼻叫喚へ。
第二王子?いりませんわ。
第一王子?もっといりませんわ。
第一王子を慕っていたのに婚約破棄された少女を演じる、彼女の本音は?
彼女の存在意義とは?
別サイト様にも掲載しております
父が死んだのでようやく邪魔な女とその息子を処分できる
兎屋亀吉
恋愛
伯爵家の当主だった父が亡くなりました。これでようやく、父の愛妾として我が物顔で屋敷内をうろつくばい菌のような女とその息子を処分することができます。父が死ねば息子が当主になれるとでも思ったのかもしれませんが、父がいなくなった今となっては思う通りになることなど何一つありませんよ。今まで父の威を借りてさんざんいびってくれた仕返しといきましょうか。根に持つタイプの陰険女主人公。
兄のお嫁さんに嫌がらせをされるので、全てを暴露しようと思います
きんもくせい
恋愛
リルベール侯爵家に嫁いできた子爵令嬢、ナタリーは、最初は純朴そうな少女だった。積極的に雑事をこなし、兄と仲睦まじく話す彼女は、徐々に家族に受け入れられ、気に入られていく。しかし、主人公のソフィアに対しては冷たく、嫌がらせばかりをしてくる。初めは些細なものだったが、それらのいじめは日々悪化していき、痺れを切らしたソフィアは、両家の食事会で……
10/1追記
※本作品が中途半端な状態で完結表記になっているのは、本編自体が完結しているためです。
ありがたいことに、ソフィアのその後を見たいと言うお声をいただいたので、番外編という形で作品完結後も連載を続けさせて頂いております。紛らわしいことになってしまい申し訳ございません。
また、日々の感想や応援などの反応をくださったり、この作品に目を通してくれる皆様方、本当にありがとうございます。これからも作品を宜しくお願い致します。
きんもくせい
裏切りの代償
志波 連
恋愛
伯爵令嬢であるキャンディは婚約者ニックの浮気を知り、婚約解消を願い出るが1年間の再教育を施すというニックの父親の言葉に願いを取り下げ、家出を決行した。
家庭教師という職を得て充実した日々を送るキャンディの前に父親が現れた。
連れ帰られ無理やりニックと結婚させられたキャンディだったが、子供もできてこれも人生だと思い直し、ニックの妻として人生を全うしようとする。
しかしある日ニックが浮気をしていることをしり、我慢の限界を迎えたキャンディは、友人の手を借りながら人生を切り開いていくのだった。
他サイトでも掲載しています。
R15を保険で追加しました。
表紙は写真AC様よりダウンロードしました。
私はお母様の奴隷じゃありません。「出てけ」とおっしゃるなら、望み通り出ていきます【完結】
小平ニコ
ファンタジー
主人公レベッカは、幼いころから母親に冷たく当たられ、家庭内の雑務を全て押し付けられてきた。
他の姉妹たちとは明らかに違う、奴隷のような扱いを受けても、いつか母親が自分を愛してくれると信じ、出来得る限りの努力を続けてきたレベッカだったが、16歳の誕生日に突然、公爵の館に奉公に行けと命じられる。
それは『家を出て行け』と言われているのと同じであり、レベッカはショックを受ける。しかし、奉公先の人々は皆優しく、主であるハーヴィン公爵はとても美しい人で、レベッカは彼にとても気に入られる。
友達もでき、忙しいながらも幸せな毎日を送るレベッカ。そんなある日のこと、妹のキャリーがいきなり公爵の館を訪れた。……キャリーは、レベッカに支払われた給料を回収しに来たのだ。
レベッカは、金銭に対する執着などなかったが、あまりにも身勝手で悪辣なキャリーに怒り、彼女を追い返す。それをきっかけに、公爵家の人々も巻き込む形で、レベッカと実家の姉妹たちは争うことになる。
そして、姉妹たちがそれぞれ悪行の報いを受けた後。
レベッカはとうとう、母親と直接対峙するのだった……
【完結】公女が死んだ、その後のこと
杜野秋人
恋愛
【第17回恋愛小説大賞 奨励賞受賞しました!】
「お母様……」
冷たく薄暗く、不潔で不快な地下の罪人牢で、彼女は独り、亡き母に語りかける。その掌の中には、ひと粒の小さな白い錠剤。
古ぼけた簡易寝台に座り、彼女はそのままゆっくりと、覚悟を決めたように横たわる。
「言いつけを、守ります」
最期にそう呟いて、彼女は震える手で錠剤を口に含み、そのまま飲み下した。
こうして、第二王子ボアネルジェスの婚約者でありカストリア公爵家の次期女公爵でもある公女オフィーリアは、獄中にて自ら命を断った。
そして彼女の死後、その影響はマケダニア王国の王宮内外の至るところで噴出した。
「ええい、公務が回らん!オフィーリアは何をやっている!?」
「殿下は何を仰せか!すでに公女は儚くなられたでしょうが!」
「くっ……、な、ならば蘇生させ」
「あれから何日経つとお思いで!?お気は確かか!」
「何故だ!何故この私が裁かれねばならん!」
「そうよ!お父様も私も何も悪くないわ!悪いのは全部お義姉さまよ!」
「…………申し開きがあるのなら、今ここではなく取り調べと裁判の場で存分に申すがよいわ。⸺連れて行け」
「まっ、待て!話を」
「嫌ぁ〜!」
「今さら何しに戻ってきたかね先々代様。わしらはもう、公女さま以外にお仕えする気も従う気もないんじゃがな?」
「なっ……貴様!領主たる儂の言うことが聞けんと」
「領主だったのは亡くなった女公さまとその娘の公女さまじゃ。あの方らはあんたと違って、わしら領民を第一に考えて下さった。あんたと違ってな!」
「くっ……!」
「なっ、譲位せよだと!?」
「本国の決定にございます。これ以上の混迷は連邦友邦にまで悪影響を与えかねないと。⸺潔く観念なさいませ。さあ、ご署名を」
「おのれ、謀りおったか!」
「…………父上が悪いのですよ。あの時止めてさえいれば、彼女は死なずに済んだのに」
◆人が亡くなる描写、及びベッドシーンがあるのでR15で。生々しい表現は避けています。
◆公女が亡くなってからが本番。なので最初の方、恋愛要素はほぼありません。最後はちゃんとジャンル:恋愛です。
◆ドアマットヒロインを書こうとしたはずが。どうしてこうなった?
◆作中の演出として自死のシーンがありますが、決して推奨し助長するものではありません。早まっちゃう前に然るべき窓口に一言相談を。
◆作者の作品は特に断りなき場合、基本的に同一の世界観に基づいています。が、他作品とリンクする予定は特にありません。本作単品でお楽しみ頂けます。
◆この作品は小説家になろうでも公開します。
◆24/2/17、HOTランキング女性向け1位!?1位は初ですありがとうございます!
愚かな父にサヨナラと《完結》
アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」
父の言葉は最後の一線を越えてしまった。
その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・
悲劇の本当の始まりはもっと昔から。
言えることはただひとつ
私の幸せに貴方はいりません
✈他社にも同時公開
どうぞご勝手になさってくださいまし
志波 連
恋愛
政略結婚とはいえ12歳の時から婚約関係にあるローレンティア王国皇太子アマデウスと、ルルーシア・メリディアン侯爵令嬢の仲はいたって上手くいっていた。
辛い教育にもよく耐え、あまり学園にも通学できないルルーシアだったが、幼馴染で親友の侯爵令嬢アリア・ロックスの励まされながら、なんとか最終学年を迎えた。
やっと皇太子妃教育にも目途が立ち、学園に通えるようになったある日、婚約者であるアマデウス皇太子とフロレンシア伯爵家の次女であるサマンサが恋仲であるという噂を耳にする。
アリアに付き添ってもらい、学園の裏庭に向かったルルーシアは二人が仲よくベンチに腰掛け、肩を寄せ合って一冊の本を仲よく見ている姿を目撃する。
風が運んできた「じゃあ今夜、いつものところで」という二人の会話にショックを受けたルルーシアは、早退して父親に訴えた。
しかし元々が政略結婚であるため、婚約の取り消しはできないという言葉に絶望する。
ルルーシアの邸を訪れた皇太子はサマンサを側妃として迎えると告げた。
ショックを受けたルルーシアだったが、家のために耐えることを決意し、皇太子妃となることを受け入れる。
ルルーシアだけを愛しているが、友人であるサマンサを助けたいアマデウスと、アマデウスに愛されていないと思い込んでいるルルーシアは盛大にすれ違っていく。
果たして不器用な二人に幸せな未来は訪れるのだろうか……
他サイトでも公開しています。
R15は保険です。
表紙は写真ACより転載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる