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カディオはひどく動揺しているみたいだった。
(これは、何かしたいことがあるみたいね)
シェスティは名探偵になった気分で、考えを巡らせる。
その途端に周囲を取り囲んでいる騎士のうち、若い一人がこらえきれなくなったみたいに言ってきた。
「シェスティ様、恐らく考えられていることは事実とまったく違うものかと存じます。ですのでとりあえず、やめて差し上げてくださいっ」
「何が?」
あ、とシェスティは閃いた。
「チェスで私を負かそうとか思ったとか? 私、向こうの国でも鍛えていたのよ。負ける気かしないわ」
「そうじゃない」
自分で口元を拭ったカディオが、そう告げてきた。
「違うの? じゃあ、カードゲーム?」
「うぐ……それも、違う」
「じゃあ、どんな勝負をしようと思ってきたのよ」
するとカディオが、円卓に手を置いて顔を近付けてきた。
「俺は、――シェスティと話しでもしようかと思っただけだが?」
「え?」
「話し、だ」
様子をうかがうみたいに彼がじっと見つめ、理解させるみたいに言葉をしっかりと告げてくる。
「……競い合いではなく?」
「違う」
溜息をこらえるみたいにカディオの眉間に皺が寄る。
途端、待機していたメイドたちが口元に手をやり、ひそひそと言う。
「殿下、かわいそう……」
「あれは反省しきりの顔ですね……」
そう騎士たちが、メイドたちに相槌のようなものを打っている。
シェスティは気になってそちらを見ようとした。そうしたら、カディオがその方向に顔を寄せてくる。
「ちょっと、見えないんだけど」
「見なくていい」
「だって気になるじゃない」
すると、何やら「だって殿下は」という、騎士とメイドたちの内緒話みたいな会話が耳に入ってきた。
気になる。
シェスティは、そちらを見ようと意気込んだ。
その瞬間、カディオが立ち上がった。椅子がカタンッと音を立てると同時に、円卓に手をついた彼の顔が眼前に寄せられ、シェスティは驚く。
「シェスティは俺だけを見ていてくれっ」
「……ふぇ?」
シェスティは頬がじわじわと熱くなった。
カディオが、ハッとしたように言葉を続ける。
「ち、ちがっ、今のは深い意味はなくてだなっ」
「う、うん、そうよね。分かってる」
「あっ、違うんだ、そうじゃなくて……っ」
焦ったように言葉を続けてきた彼が、何かを否定しかけて、頭を悩ませたみたいに「ぐぅ」とうなる。そうして間もなく、彼は着席した。
騎士とメイドたちが自分の口を塞いでいた。
シェスティは戸惑う。目を向けると、護衛騎士隊長が静かにため息を吐く。
「お気になさらないでください。殿下はこの通り、ただお話しをしたいといらしただけですから」
「そ、そうなのね……」
でも、話し、なんて言われても困ってしまう。
(普段これといって話しなんて……)
カディオも困っているのだろう。下を見つめ、沈黙してしまっている。
(どうして、急に話しをしようだなんて?)
仲良くなりたい、のだろうか。
花束に続いて、今の状況にそんな可能性がまたしても浮上してくる。
「どんな話しがしたいの?」
気付けばシェスティは、するりとそんな言葉が口から出ていた。
カディオが唇にきゅっと力を入れる。目の下を染め、視線を少し泳がせて、それからようやくちらりとシェスティを見つめ返してきた。
「……留学の話しとか。俺も自分のことを話すから、一つずつ交換しないか?」
それも真新しい試みだ。
普段、男女がどんな話をするのかシェスティも分からない。
だから、交換式のほうがしやすそうな気もした。
「分かったわ。じゃあ、私からね」
「ああ」
一つずつ語っていく。シェスティが話し終われば、今度はカディオが、彼女が留学に行っている時のエピソードを一つ話す。
思い出を交換していくように互いが一つずつ話していく、というのは意外と話題が尽きなかった。
紅茶のおかわりが入り、円卓の上の菓子も徐々に減っていく。
「そうか。アローグレイ侯爵家の子息たちは、意外と落ち着きがないようだな」
「ふふ、そうなの。気質的に獣人族と馬が合うのでないかしら」
「だからウチとうまくやれているんだろうな。アローグレイ侯爵は学生時代に、父とよくつるんでいたらしい」
「えぇっ、そうなの? かなりおちゃめなことをしていたと聞いたけれど」
「そうだ。一緒に『おちゃめ』をやらかして、当時婚約者だった母に叱られていたそうだ」
カディオもおかしそうに笑う。
そこにふふっと笑い返したシェスティは、いつの間にか過ぎている時間を見て、驚く。
(あ、私――彼と普通に話せているわ)
気付けば一時間の歓談となっていた。
時間が過ぎるのを忘れていたのも、カディオの笑い声を聞いたのも初めてではないだろうか。
そしてこの時間を、心地よいと感じている自分がいる。
(言わないといけないわよね。もう、終わりだって)
カディオにも予定があるだろう。
けれど、どうにも口が開かない。
楽しそうな彼の邪魔をしたくない。そう思った時だった。
ティーカップを持ち上げたカディオが、棚の上に置かれた時計にふっと目を留めた。
「あ」
彼も気付いてしまったようだ。
「すない、長居をしてしまった」
「う、ううんっ、いいのよ別に。他に私は予定もなかったから」
謝られたことに驚いて、慌てて問題はないと伝える。
三年前までもそうだった。
両親が彼を招いた時の二人の茶会も、きっかり一時間だ。当時彼はすでに成人していたので、そう時間が取れない立場なのはシェスティも分かっていた。
『彼の休憩に付き合うつもりで、一緒にお茶をしてやってくれないかしら?』
『え? あ、はい』
カディオを見送るべく一緒に廊下へと出た時、王妃にそんなことを頼まれていた記憶が、ふっとよみがえる。
シェスティは今回の訪問に、ハッと謎が解けた気がした。
「どうした?」
やはり、今度も目敏くカディオに察知されてしまった。
「えぇと……いいのよ、ちょっとしたことだから気にしないで」
「気になる」
先導する護衛騎士隊長の後ろに続きながら、カディオが隣からじっと見下ろしてくる。
「なんでそう食いついてくるのよ。以前だったら気にしなかったでしょ」
「花束の一件で危機感を覚えた」
「危機感?」
通り過ぎて行く中、居合わせたメイドたちが頭を下げていくのだが、どこからか「ぷっ」と声が聞こえた気がした。
「シェスティ」
そちらを見ようとしたら、やっぱりカディオが邪魔してくる。
「その……休憩で立ち寄ったのよね? 休憩所にしたいと直接用件を書いても、私は構わないからね?」
「は?」
「あなた体調不良だったみたいだし、休みたい時には『休憩したい』と言っても、全然いいのよ」
なぜだかカディオが、間を置いて大きなた息を吐いた。彼の頭の上にある獣耳と、それから尻尾までぺしょっという具合に下がる。
(あれ、違うの?)
何やらシェスティは心臓が速まった。
それが間違いだとしたら、彼が今日来たのは――。
「シェスティ」
「ひゃいっ」
緊張したせいで、変な返事になってしまった。
カディオが足を止める。くるりと顔を向けられたシェスティは、恥ずかしさのあまり顔を赤らめて立ち尽くす。
彼は目を見開いていた。だが、シェスティが恥ずかしがっているのが移ったのだろう。徐々に彼の頬も染まっていく。
(やめてっ、私がもっと恥ずかしくなっちゃうからっ)
分かる。恥ずかしがっている人を見ると、自分も恥ずかしくなるものだ。
シェスティは彼に悪いことをした気になってしまい、どうにか二人の間の空気を変えようとした。周りから護衛騎士隊長たちメイドたちも注目してくる視線も、恥ずかしすぎる。
「あ、あの、違うの、ちょっと噛んじゃっただけで――」
「シェスティっ、言いたいことがあるっ」
突然、カディオが勢いよく両手を握ってきた。
「ふぁ!?」
彼に顔をぐんっと近付けられて、シェスティはまたしても変な声が出てしまった。
(これは、何かしたいことがあるみたいね)
シェスティは名探偵になった気分で、考えを巡らせる。
その途端に周囲を取り囲んでいる騎士のうち、若い一人がこらえきれなくなったみたいに言ってきた。
「シェスティ様、恐らく考えられていることは事実とまったく違うものかと存じます。ですのでとりあえず、やめて差し上げてくださいっ」
「何が?」
あ、とシェスティは閃いた。
「チェスで私を負かそうとか思ったとか? 私、向こうの国でも鍛えていたのよ。負ける気かしないわ」
「そうじゃない」
自分で口元を拭ったカディオが、そう告げてきた。
「違うの? じゃあ、カードゲーム?」
「うぐ……それも、違う」
「じゃあ、どんな勝負をしようと思ってきたのよ」
するとカディオが、円卓に手を置いて顔を近付けてきた。
「俺は、――シェスティと話しでもしようかと思っただけだが?」
「え?」
「話し、だ」
様子をうかがうみたいに彼がじっと見つめ、理解させるみたいに言葉をしっかりと告げてくる。
「……競い合いではなく?」
「違う」
溜息をこらえるみたいにカディオの眉間に皺が寄る。
途端、待機していたメイドたちが口元に手をやり、ひそひそと言う。
「殿下、かわいそう……」
「あれは反省しきりの顔ですね……」
そう騎士たちが、メイドたちに相槌のようなものを打っている。
シェスティは気になってそちらを見ようとした。そうしたら、カディオがその方向に顔を寄せてくる。
「ちょっと、見えないんだけど」
「見なくていい」
「だって気になるじゃない」
すると、何やら「だって殿下は」という、騎士とメイドたちの内緒話みたいな会話が耳に入ってきた。
気になる。
シェスティは、そちらを見ようと意気込んだ。
その瞬間、カディオが立ち上がった。椅子がカタンッと音を立てると同時に、円卓に手をついた彼の顔が眼前に寄せられ、シェスティは驚く。
「シェスティは俺だけを見ていてくれっ」
「……ふぇ?」
シェスティは頬がじわじわと熱くなった。
カディオが、ハッとしたように言葉を続ける。
「ち、ちがっ、今のは深い意味はなくてだなっ」
「う、うん、そうよね。分かってる」
「あっ、違うんだ、そうじゃなくて……っ」
焦ったように言葉を続けてきた彼が、何かを否定しかけて、頭を悩ませたみたいに「ぐぅ」とうなる。そうして間もなく、彼は着席した。
騎士とメイドたちが自分の口を塞いでいた。
シェスティは戸惑う。目を向けると、護衛騎士隊長が静かにため息を吐く。
「お気になさらないでください。殿下はこの通り、ただお話しをしたいといらしただけですから」
「そ、そうなのね……」
でも、話し、なんて言われても困ってしまう。
(普段これといって話しなんて……)
カディオも困っているのだろう。下を見つめ、沈黙してしまっている。
(どうして、急に話しをしようだなんて?)
仲良くなりたい、のだろうか。
花束に続いて、今の状況にそんな可能性がまたしても浮上してくる。
「どんな話しがしたいの?」
気付けばシェスティは、するりとそんな言葉が口から出ていた。
カディオが唇にきゅっと力を入れる。目の下を染め、視線を少し泳がせて、それからようやくちらりとシェスティを見つめ返してきた。
「……留学の話しとか。俺も自分のことを話すから、一つずつ交換しないか?」
それも真新しい試みだ。
普段、男女がどんな話をするのかシェスティも分からない。
だから、交換式のほうがしやすそうな気もした。
「分かったわ。じゃあ、私からね」
「ああ」
一つずつ語っていく。シェスティが話し終われば、今度はカディオが、彼女が留学に行っている時のエピソードを一つ話す。
思い出を交換していくように互いが一つずつ話していく、というのは意外と話題が尽きなかった。
紅茶のおかわりが入り、円卓の上の菓子も徐々に減っていく。
「そうか。アローグレイ侯爵家の子息たちは、意外と落ち着きがないようだな」
「ふふ、そうなの。気質的に獣人族と馬が合うのでないかしら」
「だからウチとうまくやれているんだろうな。アローグレイ侯爵は学生時代に、父とよくつるんでいたらしい」
「えぇっ、そうなの? かなりおちゃめなことをしていたと聞いたけれど」
「そうだ。一緒に『おちゃめ』をやらかして、当時婚約者だった母に叱られていたそうだ」
カディオもおかしそうに笑う。
そこにふふっと笑い返したシェスティは、いつの間にか過ぎている時間を見て、驚く。
(あ、私――彼と普通に話せているわ)
気付けば一時間の歓談となっていた。
時間が過ぎるのを忘れていたのも、カディオの笑い声を聞いたのも初めてではないだろうか。
そしてこの時間を、心地よいと感じている自分がいる。
(言わないといけないわよね。もう、終わりだって)
カディオにも予定があるだろう。
けれど、どうにも口が開かない。
楽しそうな彼の邪魔をしたくない。そう思った時だった。
ティーカップを持ち上げたカディオが、棚の上に置かれた時計にふっと目を留めた。
「あ」
彼も気付いてしまったようだ。
「すない、長居をしてしまった」
「う、ううんっ、いいのよ別に。他に私は予定もなかったから」
謝られたことに驚いて、慌てて問題はないと伝える。
三年前までもそうだった。
両親が彼を招いた時の二人の茶会も、きっかり一時間だ。当時彼はすでに成人していたので、そう時間が取れない立場なのはシェスティも分かっていた。
『彼の休憩に付き合うつもりで、一緒にお茶をしてやってくれないかしら?』
『え? あ、はい』
カディオを見送るべく一緒に廊下へと出た時、王妃にそんなことを頼まれていた記憶が、ふっとよみがえる。
シェスティは今回の訪問に、ハッと謎が解けた気がした。
「どうした?」
やはり、今度も目敏くカディオに察知されてしまった。
「えぇと……いいのよ、ちょっとしたことだから気にしないで」
「気になる」
先導する護衛騎士隊長の後ろに続きながら、カディオが隣からじっと見下ろしてくる。
「なんでそう食いついてくるのよ。以前だったら気にしなかったでしょ」
「花束の一件で危機感を覚えた」
「危機感?」
通り過ぎて行く中、居合わせたメイドたちが頭を下げていくのだが、どこからか「ぷっ」と声が聞こえた気がした。
「シェスティ」
そちらを見ようとしたら、やっぱりカディオが邪魔してくる。
「その……休憩で立ち寄ったのよね? 休憩所にしたいと直接用件を書いても、私は構わないからね?」
「は?」
「あなた体調不良だったみたいだし、休みたい時には『休憩したい』と言っても、全然いいのよ」
なぜだかカディオが、間を置いて大きなた息を吐いた。彼の頭の上にある獣耳と、それから尻尾までぺしょっという具合に下がる。
(あれ、違うの?)
何やらシェスティは心臓が速まった。
それが間違いだとしたら、彼が今日来たのは――。
「シェスティ」
「ひゃいっ」
緊張したせいで、変な返事になってしまった。
カディオが足を止める。くるりと顔を向けられたシェスティは、恥ずかしさのあまり顔を赤らめて立ち尽くす。
彼は目を見開いていた。だが、シェスティが恥ずかしがっているのが移ったのだろう。徐々に彼の頬も染まっていく。
(やめてっ、私がもっと恥ずかしくなっちゃうからっ)
分かる。恥ずかしがっている人を見ると、自分も恥ずかしくなるものだ。
シェスティは彼に悪いことをした気になってしまい、どうにか二人の間の空気を変えようとした。周りから護衛騎士隊長たちメイドたちも注目してくる視線も、恥ずかしすぎる。
「あ、あの、違うの、ちょっと噛んじゃっただけで――」
「シェスティっ、言いたいことがあるっ」
突然、カディオが勢いよく両手を握ってきた。
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彼に顔をぐんっと近付けられて、シェスティはまたしても変な声が出てしまった。
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