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エージェント、県警本部長と話す夜(2)
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『スマックの存在を隠すということを想定して見ても、確かに疑問を感じざるをえません。覚せい剤で欺こうと考えると、逆にそれはリスクばかりでしかない。学生に出回る大半はスピードやMDMAなどの覚せい剤ですが、安易な摂取が出来る錠剤タイプのものが多く、麻薬常用者に愛用されている注射や吸引を避ける傾向にあります』
「……そうですね、通常は売人によってそれらがさばかれる。しかし、覚せい剤はどうやら、学園内の学生にのみ出回っているみたいなんだけど」
答える雪弥は、仕事上の敬語口調ではなく、語尾が思わずいつもの口調に戻った。
これまで様々な警察関係者とコンタクトを取ってきたが、冒頭から数分たらずで、ここまではっきりと意見を述べて話してきた人間は初めてだった。どこか怯えを潜ませていたが、これが本来の金島一郎本部長なのだろうと雪弥は思った。
麻薬の一種であるヘロインは、通称スマックと呼ばれる最も規制が厳しい薬物だ。加工した後はきめ細かい白い粉末になり、そこに砂糖やカフェインなどの添加物が混ぜられて薄められる。赤み掛かった灰色、茶色、黒色をしたものがあるのはそのためだ。
「内部にいる共犯者が配っているらしいけど、やはりそこで発生するのはリスクばかりとしか思えないというのは、こちらも同意見です。覚せい剤は麻薬とは別ルートで来ることが大半で、そう考えると、二つの密輸業者が学園に関わっている可能性も捨てきれない」
既に複数の仕入れ先が存在しているとなると、それはそれで面倒なパターンだ。
『……しかし、そもそも大量のヘロインを持ちこむこと事態、非常に難しく思われます。各国の取り締まりも厳重ですし…………そうですね、可能性としては中国から入荷されていることは考えられます。現在ヘロインが爆発的に広がり、対策はしているものの一向に収まる気配がない、と……ヘロインは大人気だそうで、高価であるにも関わらず歯止めが利かない状況のようです』
大人気、という言葉に雪弥は可笑しくなった。笑みをこぼしながらも、それを口にはせず「その可能性は僕らも考えています」と続ける。
「事実中国からの密輸業者が、茉莉海市の漁港に入っていたとの情報もあります。懸念は、東京の事件では卸業者が口封じで殺され、すぐに白鴎学園という新たな卸し場所が出来た事です。一つ潰しただけでは解決にはならないでしょう」
一度認識を確認するように間を置くと、金島が『その通りですね』と、頷くような衣擦れの音と共にそう答えた。
『すぐに新たな卸し場所を手配した、表に出ていないような別グループが存在している可能性ですね』
「学園に勤める人間をそそのかした線も強いとすると、こっちが解決したとしてもまた新たな被害場所が作られる。だからこそ、東京都こちらの双方で上手く動いて、同時に押さえる必要がある――まぁその中国からの密輸業者が、覚せい剤も一緒に運んできているというのなら楽なんですけどね。それなら話の展開も早い」
途中空気を和らげるように本心交じりに言って、雪弥は苦笑を浮かべた。
すると、数秒の沈黙を置いて金島が声を上げた。
『……一つよろしいでしょうか。密輸業者側が、薬物の製造加工にも携わっていた場合であれば、両方同時に持ち込んできているという可能性は捨てきれないと思います。本業が運ぶ事であるのか、薬物のプロフェッショナルであるのかによっても、事情は違ってくるとは思いますが』
結論としては言えないように、その声は電話越しで口ごもるような音だった。なるほど、と思いながらも雪弥は「続けて」と柔らかく促した。
『自分たちで商品を製造し、別からも商品化された物を仕入れて、同時に売っていた業者が過去にはありました。とはいえ、そうなると相応の設備とスペースを確保した拠点を必要としますし、組織規模もかなり大きなものです。日本警察だけではなく、外の警察機構に協力体勢を求めての捜査になると思われます』
そう想定して現在の学園にあてはめるとすると、自分たちで加工と製造を行い売りこむと同時に、資金・運営のために原料を運ぶ仕事をやっているものとも出来る。
「その場合だと、本業が運ぶ側でないという事にもなるので、今以上に複雑で厄介になりますよね……だとしたら、その後ろには更にデカいバッグがついているだろうし――あ。そうだ。ヘロインに関しては純粋純白で、取引されたあと国内で加工されているらしいです」
詳細まではナンバー1から聞いていない可能性を考え、情報を共有しておいた方がいいだろうと思い、雪弥はそれを伝えた。
金島が『純粋純白』と呟いて息を呑み、慎重に切り出す。
『純粋なヘロインがあった加工もされて、覚せい剤もさばかれているのですか…………確か覚せい剤は、これまでにない症状を引き起こさせているとか?』
「どんなものかは、これから確認するのでまだ判断材料も少ないですね」
『そうですね、まずは物を調べた方がいいでしょう。相手側の意図を知る手掛かりにもなると思います。茉莉海市やその一帯で薬物検挙者は上がっておりませんが、外から業者が介入している場所は限られますので調べ易いかと……』
思案するように声がかすれて、金島の言葉が曖昧に途切れる。
雪弥は風呂に入ることを考えながら、そろそろ会話を切り上げようと思って言葉を発した。
「東京で起こっている麻薬事件はうちの上司が動いているので、たぶん請求したら資料送ってくれると思います。今回の学園の件と関連があるらしいですから。――それから、捜査に邪魔になるので、巡回している警察官の行動はしばらく制限してくださいね」
ではこれで、と会話を終了させかけた雪弥に、金島が『あの』と慌てたように言った。
「ん? 何? 他に何かあります?」
『違うんです、その、一人息子が白鷗学園に通っておりまして』
身内のことを考えて怯えていたのか。
そう安易に納得しかけた時、雪弥は金島の名字を持つ人間が誰であったか気付いた。思い返せば、クラスメイトの暁也の名字は金島であり、彼の父親が県警察本部長である事を学校で聞いていたのだった、という事を思い出して唖然とした。
「そうか、あなたが暁也の……」
世間ってどこで繋がるか分かないな、と思ってつい呟いた。『暁也を知っているんですか?』と尋ねられ、曖昧に「うん」と肯く。
「クラスメイトなんで」
雪弥が答えると同時に、電話越しでガタンッと物音がした。金島が大きく息を呑み、ハッとした様子で慌ただしく言葉を並べる。
『息子はとんだ問題児でして、ご迷惑を掛けているのなら何とぞ――』
「暁也は、友だち想いの良い子ですよ」
不思議に思ってそう口にした。迷いのない言葉に、金島が不意を突かれたように口をつぐむ。
雪弥の脳裏には、受験に悩んでいる学生のふりをしたら、仏頂面で諦めるなと励まされた一件が浮かんでいた。修一と話していた暁也の様子を思い返してみると、やはり普通の高校生であると改めて思う。
強気そうな眼差しからは喧嘩っ早さを覚えるものの、理由もなく突然暴れたり迷惑を掛けたりするというイメージは湧かなかった。以前の学校で問題を起こしたらしい、とトイレ休憩の際に小耳には挟んだものの、本当の事なのだろうかと信憑性を覚えないでいる。
金島がようやく唇を開いたのは、雪弥が夜空に流れた星へと興味を移した頃だった。
『…………そうですか、良い子、ですか……』
囁いた金島は、自身に言い聞かせ噛みしめるようだった。雪弥は、夜空にもう一つ流れ星が落ちないかと顔を向けたまま「良い子ですよ」と思ったままの言葉で相槌を打った。
しばらく間を置いて、金島が最後の言葉を述べた。
『……学園は、あの子たちはこれから――』
「僕がなんとかします」
雪弥は、そう断言して電話を切った。
彼が眺める夜空で、もう一度淡く光り輝く星は現れなかった。
「……そうですね、通常は売人によってそれらがさばかれる。しかし、覚せい剤はどうやら、学園内の学生にのみ出回っているみたいなんだけど」
答える雪弥は、仕事上の敬語口調ではなく、語尾が思わずいつもの口調に戻った。
これまで様々な警察関係者とコンタクトを取ってきたが、冒頭から数分たらずで、ここまではっきりと意見を述べて話してきた人間は初めてだった。どこか怯えを潜ませていたが、これが本来の金島一郎本部長なのだろうと雪弥は思った。
麻薬の一種であるヘロインは、通称スマックと呼ばれる最も規制が厳しい薬物だ。加工した後はきめ細かい白い粉末になり、そこに砂糖やカフェインなどの添加物が混ぜられて薄められる。赤み掛かった灰色、茶色、黒色をしたものがあるのはそのためだ。
「内部にいる共犯者が配っているらしいけど、やはりそこで発生するのはリスクばかりとしか思えないというのは、こちらも同意見です。覚せい剤は麻薬とは別ルートで来ることが大半で、そう考えると、二つの密輸業者が学園に関わっている可能性も捨てきれない」
既に複数の仕入れ先が存在しているとなると、それはそれで面倒なパターンだ。
『……しかし、そもそも大量のヘロインを持ちこむこと事態、非常に難しく思われます。各国の取り締まりも厳重ですし…………そうですね、可能性としては中国から入荷されていることは考えられます。現在ヘロインが爆発的に広がり、対策はしているものの一向に収まる気配がない、と……ヘロインは大人気だそうで、高価であるにも関わらず歯止めが利かない状況のようです』
大人気、という言葉に雪弥は可笑しくなった。笑みをこぼしながらも、それを口にはせず「その可能性は僕らも考えています」と続ける。
「事実中国からの密輸業者が、茉莉海市の漁港に入っていたとの情報もあります。懸念は、東京の事件では卸業者が口封じで殺され、すぐに白鴎学園という新たな卸し場所が出来た事です。一つ潰しただけでは解決にはならないでしょう」
一度認識を確認するように間を置くと、金島が『その通りですね』と、頷くような衣擦れの音と共にそう答えた。
『すぐに新たな卸し場所を手配した、表に出ていないような別グループが存在している可能性ですね』
「学園に勤める人間をそそのかした線も強いとすると、こっちが解決したとしてもまた新たな被害場所が作られる。だからこそ、東京都こちらの双方で上手く動いて、同時に押さえる必要がある――まぁその中国からの密輸業者が、覚せい剤も一緒に運んできているというのなら楽なんですけどね。それなら話の展開も早い」
途中空気を和らげるように本心交じりに言って、雪弥は苦笑を浮かべた。
すると、数秒の沈黙を置いて金島が声を上げた。
『……一つよろしいでしょうか。密輸業者側が、薬物の製造加工にも携わっていた場合であれば、両方同時に持ち込んできているという可能性は捨てきれないと思います。本業が運ぶ事であるのか、薬物のプロフェッショナルであるのかによっても、事情は違ってくるとは思いますが』
結論としては言えないように、その声は電話越しで口ごもるような音だった。なるほど、と思いながらも雪弥は「続けて」と柔らかく促した。
『自分たちで商品を製造し、別からも商品化された物を仕入れて、同時に売っていた業者が過去にはありました。とはいえ、そうなると相応の設備とスペースを確保した拠点を必要としますし、組織規模もかなり大きなものです。日本警察だけではなく、外の警察機構に協力体勢を求めての捜査になると思われます』
そう想定して現在の学園にあてはめるとすると、自分たちで加工と製造を行い売りこむと同時に、資金・運営のために原料を運ぶ仕事をやっているものとも出来る。
「その場合だと、本業が運ぶ側でないという事にもなるので、今以上に複雑で厄介になりますよね……だとしたら、その後ろには更にデカいバッグがついているだろうし――あ。そうだ。ヘロインに関しては純粋純白で、取引されたあと国内で加工されているらしいです」
詳細まではナンバー1から聞いていない可能性を考え、情報を共有しておいた方がいいだろうと思い、雪弥はそれを伝えた。
金島が『純粋純白』と呟いて息を呑み、慎重に切り出す。
『純粋なヘロインがあった加工もされて、覚せい剤もさばかれているのですか…………確か覚せい剤は、これまでにない症状を引き起こさせているとか?』
「どんなものかは、これから確認するのでまだ判断材料も少ないですね」
『そうですね、まずは物を調べた方がいいでしょう。相手側の意図を知る手掛かりにもなると思います。茉莉海市やその一帯で薬物検挙者は上がっておりませんが、外から業者が介入している場所は限られますので調べ易いかと……』
思案するように声がかすれて、金島の言葉が曖昧に途切れる。
雪弥は風呂に入ることを考えながら、そろそろ会話を切り上げようと思って言葉を発した。
「東京で起こっている麻薬事件はうちの上司が動いているので、たぶん請求したら資料送ってくれると思います。今回の学園の件と関連があるらしいですから。――それから、捜査に邪魔になるので、巡回している警察官の行動はしばらく制限してくださいね」
ではこれで、と会話を終了させかけた雪弥に、金島が『あの』と慌てたように言った。
「ん? 何? 他に何かあります?」
『違うんです、その、一人息子が白鷗学園に通っておりまして』
身内のことを考えて怯えていたのか。
そう安易に納得しかけた時、雪弥は金島の名字を持つ人間が誰であったか気付いた。思い返せば、クラスメイトの暁也の名字は金島であり、彼の父親が県警察本部長である事を学校で聞いていたのだった、という事を思い出して唖然とした。
「そうか、あなたが暁也の……」
世間ってどこで繋がるか分かないな、と思ってつい呟いた。『暁也を知っているんですか?』と尋ねられ、曖昧に「うん」と肯く。
「クラスメイトなんで」
雪弥が答えると同時に、電話越しでガタンッと物音がした。金島が大きく息を呑み、ハッとした様子で慌ただしく言葉を並べる。
『息子はとんだ問題児でして、ご迷惑を掛けているのなら何とぞ――』
「暁也は、友だち想いの良い子ですよ」
不思議に思ってそう口にした。迷いのない言葉に、金島が不意を突かれたように口をつぐむ。
雪弥の脳裏には、受験に悩んでいる学生のふりをしたら、仏頂面で諦めるなと励まされた一件が浮かんでいた。修一と話していた暁也の様子を思い返してみると、やはり普通の高校生であると改めて思う。
強気そうな眼差しからは喧嘩っ早さを覚えるものの、理由もなく突然暴れたり迷惑を掛けたりするというイメージは湧かなかった。以前の学校で問題を起こしたらしい、とトイレ休憩の際に小耳には挟んだものの、本当の事なのだろうかと信憑性を覚えないでいる。
金島がようやく唇を開いたのは、雪弥が夜空に流れた星へと興味を移した頃だった。
『…………そうですか、良い子、ですか……』
囁いた金島は、自身に言い聞かせ噛みしめるようだった。雪弥は、夜空にもう一つ流れ星が落ちないかと顔を向けたまま「良い子ですよ」と思ったままの言葉で相槌を打った。
しばらく間を置いて、金島が最後の言葉を述べた。
『……学園は、あの子たちはこれから――』
「僕がなんとかします」
雪弥は、そう断言して電話を切った。
彼が眺める夜空で、もう一度淡く光り輝く星は現れなかった。
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