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土地神様に遭った少女について(2)
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学校指定鞄の傍には、赤い色彩が際立つ化粧ポーチがあった。その他にもシルバーの光沢が映える大人向けの財布やキーポーチが鞄口から覗いており、どれも金や銀で装飾されたブランドマークが入っていた。
滑らかな素材の小さなポーチや小銭入れが、鞄から覗いた使用感のある学生ノートの中で浮いていた。高級感をまとったそれらは、まるで場違いな場所に放りだされているかのようだった。
雪弥の視線の先に気付いた愛美が、控えめに笑みを浮かべてこう言った。
「それ、まだ理香ちゃんが部活に顔を出してくれていたとき、彼女にもらった物なんです」
「あれってブランド品ってやつだよね? 一つや二つじゃないみたいだけど」
「そんなの持て余すほど手に入るから、あげるっていって私たちに配っていったんですよ」
恥ずかしさの波が少し落ち着いた香奈枝が、むっつりとした表情で口を挟んだ。
「というか先輩、転入生だったんですか?」
そう尋ねる瞳は、なぜ理香のことを知りたがっているんだ、と語っていた。
雪弥が言い訳を述べる間もなく、香奈枝は短く息をついて「まぁいいですけど」と自分から話を切った。出会い頭の勢いでエネルギーをごっそりもっていかれたとでもいうように、深く考える事を放棄してひどく投げやりに言う。
「夜の学校に忍び込んで騒ぎを起こしてからは、全然学校にも来ないんですよ。皆は祟りだって言ってるけど、そんなの嘘ですよ。私、買い物に出かけたとき男と一緒にいる理香を見たんです。すっごく高そうな服とアクセサリーを着て、ぴんぴんしてましたよ。もう、その男に夢中って感じでした」
香奈枝は一度深く息を吸うと、低い声色で「人の心を弄ぶような事する人、私は大嫌いです」と独り言のように吐き捨てた。押し殺すような怒りを感じて、雪弥が「まぁまぁ」となだめる言葉も聞かずに、彼女は踵を返して大股で歩き出してしまう。
どう対応したら良いかわからず、雪弥は言葉もなく香奈枝を見送った。すると、愛実が「すみません」と申し訳なさそうに肩身を狭めた。
「香奈枝ちゃんは、優しい子なんです。ピアノを弾いていた筒井(つつい)君という人がいたんですけど、理香ちゃんのことでいろいろとあって退部してしまって……それで、香奈枝ちゃんは怒ってもいるんです」
愛美は、トロンボーンを抱え直した香奈枝から、雪弥へと視線を戻して柔らかく笑んだ。全体的に少しあどけなさは残るが、これから大人になるような女性らしい雰囲気もあった。
「あなたは転入生、でしたね。私、三年一組の桐泉愛美(きりずみあいみ)です」
雪弥は数秒遅れて「四組の本田雪弥です」と返し、曖昧に語尾を切って続けた。
「同級生なんだから、敬語じゃなくてもいいんだけど……」
「あの、すみません。癖なんです……」
愛美は困ったように答え、雪弥もまたぎこなく笑みを返した。
敬語が苦手でほとんどタメ口で話す彼と比べると、遠慮がちで上品な彼女は、正反対の位置にいる。雪弥は言葉使いに遠慮がなく、日本で最も恐れられている男にも、平気な顔で「あんた馬鹿だろ」と口を挟むほどだ。
真っ先にそんな自分の事が脳裏に浮かび、雪弥は明後日の方向へと視線を逃がした。
「えっと、そういう癖っていいと思うよ、正しい日本語は美しい響きがあって耳にもいいというか……うん、礼儀と敬意を持って話さなきゃいけない相手がいる人に、見習わせたいと思うくらいだよ、ははは…………」
雪弥は言葉を濁した。礼儀と敬意、と口にした辺りで、ちらりとナンバー1の顔を思い浮かべたものの、それが実行出来るかどうかと考えた直後に、心の中で謝っていた。
ごめん、やっぱり礼儀とか敬意を持った敬語って、僕には無理そうだ。
「なんだか、本田君って大人の人みたいですね」
「えっ」
雪弥は声を上げ、反射的に愛美を振り返った。愛美の遠慮がちな微笑を数秒目にしてあと、真っ白になった頭で慌てて訂正する。
「いや、僕は君と同じ三年生で、同じ年に生まれた学生であって、えぇと、少し老けていると言われなくもないけれど――」
「いいえ、そういう事ではないんです。誤解して受け取ってしまったのなら、ごめんなさい。とても素敵だと、そう伝えたかっただけです」
どこでどう「素敵」だといわれる要素があったのか。
雪弥は全く理解できずに頬をかいた。にっこりと笑う愛美に、下手な作り笑いを浮かべて場を切り上げようと口を開く。
「その、突然訪ねてごめんね。今日は話をありがとう。えぇと、先輩想いのあの子……カナエちゃんにもそう伝えてくれるかな」
香奈枝の名を思い出すまでにコンマ数秒かかったが、愛美は「はい」と柔らかく答えて頷いた。雪弥はゆっくりとガラス扉を締め、そのまま第二音楽室をあとにした。
雪弥は教室へと向かいながら、修一が祟りに遭ったと語った理香が、暁也がいっていたように、今でも町に繰り出していることを思った。
怪談話をでっちあげたのは、恐らくはヘロインを抱える学園から、学園関係者たちを遠ざける目的もあるのだろう。愛美や香奈枝から聞き出した情報から、理香という少女に高価なプレゼントをする男の影があるのも確かだ。
今事件と結び付けるのは早急である。とはいえ、もし仮に理香が事件の協力者、もしくは薬物使用者として参加しているとしたならば、付き合っている男は事件当事者という図式が浮かぶ。
生徒たちの間を縫うように歩いていた雪弥は、三学年の教室に差しかかったところで、カキーン、という懐かしい音に足を止めた。開いた窓に歩み寄ると、野球のユニフォームをつけた少年たちが運動場に広がっている。
「…………やっぱり、すごく若いなぁ」
二組のチームに別れた彼らは、一喜一憂しながら楽しそうに練習試合を続けていた。白がベースのユニフォームは、すでに茶色い土埃にまみれている。
そのとき、雪弥は視界の端に映る廊下に、学生服ではない人間が見えてそちらへと顔を向けた。雪弥と同じぐらいの背丈をした私服の青年が、手にプリントや資料を持って教室隣の空き部屋へと入って行った。扉には「進学講座、数学」と印字された紙が貼られている。
現役の大学生が、高校生を教えていることを雪弥は思い出した。教室よりも少し小さな室内にはたくさんの生徒が座っており、狭まったスペースの窓側には、数学科目を担当している矢部の姿があった。大学生はやや小さめの黒板前に立つと、緊張気味に生徒たちを見回して講座を始める。
教師になりたいと思っている大学生には、とても恵まれた環境なのかもしれない。大学構内でも教師の仕事を模擬的に体験する授業が行われ、積極的な生徒には、実際に高校生へ勉学を指導する時間が設けられている。
雪弥は歩き出し、白鷗学園を取り囲む茉莉海市の地図を記憶から引き出した。
高知県にある典型的な山のふもとに点在する農地に囲まれた茉莉海市は、白鷗学園がある都心を中心に建物が広がっており、大通りから住宅街を挟んだ北側に市の建物を置いていた。そこには電車や大きな道路が敷かれ、交通に不便しない場所となっている。
旧市街地と呼ばれる場もまだ残っていたが、それでも農地、住宅街、商業地帯、港がきれいに区分されており、市の活性化を図る大通りに商店街や商業用の建物が密集していた。
やはり、まず調べるなら中心街かな。
思いながら、雪弥は穏やか過ぎる白鷗学園高等部の様子を眺めた。廊下には生徒が行き交い、通り過ぎて行く教室から時々じゃれあう少年たちが飛び出す。各教室では勉強や談笑する生徒たちの声が飛びっていた、色を拒絶するような建物内部の白も賑わいに満ちていた。
覚せい剤やヘロインなんて、まるで遠い世界の話だと、雪弥は一人静かに思った。
滑らかな素材の小さなポーチや小銭入れが、鞄から覗いた使用感のある学生ノートの中で浮いていた。高級感をまとったそれらは、まるで場違いな場所に放りだされているかのようだった。
雪弥の視線の先に気付いた愛美が、控えめに笑みを浮かべてこう言った。
「それ、まだ理香ちゃんが部活に顔を出してくれていたとき、彼女にもらった物なんです」
「あれってブランド品ってやつだよね? 一つや二つじゃないみたいだけど」
「そんなの持て余すほど手に入るから、あげるっていって私たちに配っていったんですよ」
恥ずかしさの波が少し落ち着いた香奈枝が、むっつりとした表情で口を挟んだ。
「というか先輩、転入生だったんですか?」
そう尋ねる瞳は、なぜ理香のことを知りたがっているんだ、と語っていた。
雪弥が言い訳を述べる間もなく、香奈枝は短く息をついて「まぁいいですけど」と自分から話を切った。出会い頭の勢いでエネルギーをごっそりもっていかれたとでもいうように、深く考える事を放棄してひどく投げやりに言う。
「夜の学校に忍び込んで騒ぎを起こしてからは、全然学校にも来ないんですよ。皆は祟りだって言ってるけど、そんなの嘘ですよ。私、買い物に出かけたとき男と一緒にいる理香を見たんです。すっごく高そうな服とアクセサリーを着て、ぴんぴんしてましたよ。もう、その男に夢中って感じでした」
香奈枝は一度深く息を吸うと、低い声色で「人の心を弄ぶような事する人、私は大嫌いです」と独り言のように吐き捨てた。押し殺すような怒りを感じて、雪弥が「まぁまぁ」となだめる言葉も聞かずに、彼女は踵を返して大股で歩き出してしまう。
どう対応したら良いかわからず、雪弥は言葉もなく香奈枝を見送った。すると、愛実が「すみません」と申し訳なさそうに肩身を狭めた。
「香奈枝ちゃんは、優しい子なんです。ピアノを弾いていた筒井(つつい)君という人がいたんですけど、理香ちゃんのことでいろいろとあって退部してしまって……それで、香奈枝ちゃんは怒ってもいるんです」
愛美は、トロンボーンを抱え直した香奈枝から、雪弥へと視線を戻して柔らかく笑んだ。全体的に少しあどけなさは残るが、これから大人になるような女性らしい雰囲気もあった。
「あなたは転入生、でしたね。私、三年一組の桐泉愛美(きりずみあいみ)です」
雪弥は数秒遅れて「四組の本田雪弥です」と返し、曖昧に語尾を切って続けた。
「同級生なんだから、敬語じゃなくてもいいんだけど……」
「あの、すみません。癖なんです……」
愛美は困ったように答え、雪弥もまたぎこなく笑みを返した。
敬語が苦手でほとんどタメ口で話す彼と比べると、遠慮がちで上品な彼女は、正反対の位置にいる。雪弥は言葉使いに遠慮がなく、日本で最も恐れられている男にも、平気な顔で「あんた馬鹿だろ」と口を挟むほどだ。
真っ先にそんな自分の事が脳裏に浮かび、雪弥は明後日の方向へと視線を逃がした。
「えっと、そういう癖っていいと思うよ、正しい日本語は美しい響きがあって耳にもいいというか……うん、礼儀と敬意を持って話さなきゃいけない相手がいる人に、見習わせたいと思うくらいだよ、ははは…………」
雪弥は言葉を濁した。礼儀と敬意、と口にした辺りで、ちらりとナンバー1の顔を思い浮かべたものの、それが実行出来るかどうかと考えた直後に、心の中で謝っていた。
ごめん、やっぱり礼儀とか敬意を持った敬語って、僕には無理そうだ。
「なんだか、本田君って大人の人みたいですね」
「えっ」
雪弥は声を上げ、反射的に愛美を振り返った。愛美の遠慮がちな微笑を数秒目にしてあと、真っ白になった頭で慌てて訂正する。
「いや、僕は君と同じ三年生で、同じ年に生まれた学生であって、えぇと、少し老けていると言われなくもないけれど――」
「いいえ、そういう事ではないんです。誤解して受け取ってしまったのなら、ごめんなさい。とても素敵だと、そう伝えたかっただけです」
どこでどう「素敵」だといわれる要素があったのか。
雪弥は全く理解できずに頬をかいた。にっこりと笑う愛美に、下手な作り笑いを浮かべて場を切り上げようと口を開く。
「その、突然訪ねてごめんね。今日は話をありがとう。えぇと、先輩想いのあの子……カナエちゃんにもそう伝えてくれるかな」
香奈枝の名を思い出すまでにコンマ数秒かかったが、愛美は「はい」と柔らかく答えて頷いた。雪弥はゆっくりとガラス扉を締め、そのまま第二音楽室をあとにした。
雪弥は教室へと向かいながら、修一が祟りに遭ったと語った理香が、暁也がいっていたように、今でも町に繰り出していることを思った。
怪談話をでっちあげたのは、恐らくはヘロインを抱える学園から、学園関係者たちを遠ざける目的もあるのだろう。愛美や香奈枝から聞き出した情報から、理香という少女に高価なプレゼントをする男の影があるのも確かだ。
今事件と結び付けるのは早急である。とはいえ、もし仮に理香が事件の協力者、もしくは薬物使用者として参加しているとしたならば、付き合っている男は事件当事者という図式が浮かぶ。
生徒たちの間を縫うように歩いていた雪弥は、三学年の教室に差しかかったところで、カキーン、という懐かしい音に足を止めた。開いた窓に歩み寄ると、野球のユニフォームをつけた少年たちが運動場に広がっている。
「…………やっぱり、すごく若いなぁ」
二組のチームに別れた彼らは、一喜一憂しながら楽しそうに練習試合を続けていた。白がベースのユニフォームは、すでに茶色い土埃にまみれている。
そのとき、雪弥は視界の端に映る廊下に、学生服ではない人間が見えてそちらへと顔を向けた。雪弥と同じぐらいの背丈をした私服の青年が、手にプリントや資料を持って教室隣の空き部屋へと入って行った。扉には「進学講座、数学」と印字された紙が貼られている。
現役の大学生が、高校生を教えていることを雪弥は思い出した。教室よりも少し小さな室内にはたくさんの生徒が座っており、狭まったスペースの窓側には、数学科目を担当している矢部の姿があった。大学生はやや小さめの黒板前に立つと、緊張気味に生徒たちを見回して講座を始める。
教師になりたいと思っている大学生には、とても恵まれた環境なのかもしれない。大学構内でも教師の仕事を模擬的に体験する授業が行われ、積極的な生徒には、実際に高校生へ勉学を指導する時間が設けられている。
雪弥は歩き出し、白鷗学園を取り囲む茉莉海市の地図を記憶から引き出した。
高知県にある典型的な山のふもとに点在する農地に囲まれた茉莉海市は、白鷗学園がある都心を中心に建物が広がっており、大通りから住宅街を挟んだ北側に市の建物を置いていた。そこには電車や大きな道路が敷かれ、交通に不便しない場所となっている。
旧市街地と呼ばれる場もまだ残っていたが、それでも農地、住宅街、商業地帯、港がきれいに区分されており、市の活性化を図る大通りに商店街や商業用の建物が密集していた。
やはり、まず調べるなら中心街かな。
思いながら、雪弥は穏やか過ぎる白鷗学園高等部の様子を眺めた。廊下には生徒が行き交い、通り過ぎて行く教室から時々じゃれあう少年たちが飛び出す。各教室では勉強や談笑する生徒たちの声が飛びっていた、色を拒絶するような建物内部の白も賑わいに満ちていた。
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