6 / 18
6
しおりを挟む
それは――仲村渠も、実際に経験を踏んでいるところだった。
「そうですね。実際、私も手探りの状態です」
けれど、でも……と仲村渠は、膝の上の手を握り締める。
「俺が、いえ私が可能性を探すことを諦めては、いけないのです」
彼女の、ために。
彼が視線を向けると、占い師も妻の方を見た。壁の竜のイラストを見ていた妻が、ふっと気付いて「こんにちは」と言って彼女に微笑んだ。
「こんにちは」
占い師の女が、初めて口元で小さく微笑んだ。
けれど気のせいか、仲村渠にはそれが、何かを察知して少し悲しげに、もしくは同情か心配を交えて浮かべて笑みに思えた。
「では占うことは『今、あなたの知りたいこと、それを解決するための糸口』とします。難しいですが、やってみましょう」
「難しい……」
仲村渠は、彼女がたびたび口にしているその言葉が気になった。
「試練であっても、神様もヒントぐらいは出してくれるはずです」
神様――なぜか、こその言葉が頭の中に引っかかった。
女はそう言うと、タロットカード切り始め、集中し一心に何か思っている目でタロットカードをテーブルに置きだした。
仲村渠は、身慣れぬカード占いの様子を静かに見守った。
彼が我知らず腿の上に置いた手に拳を作っていると、妻が気遣うように、自身の手を上から重ねてきた。
彼はハツとして、緊張している自分に気付く。
急ぎ取り繕い、彼がぎこちない微笑みを返してみせると、妻は相変わらず夢心地みたいに、ふんわりと微笑んできた。
「大丈夫ですよ、あなた」
それは仲村渠がかけるべきはずであった言葉なのに、妻がそう言った。
「怖いことは、何もありませんからね」
妻は、まるで子どもをあやすように彼の手を撫でた。
「だから私、お傍を離れたりしませんわ」
彼女は仲村渠の手を優しく握る。彼は、取り乱してはいけないのだと我が身を叱りつけて「そうか」と、どうにか普通に答えられた。
変えることの出来ない過去も、二人が微笑みあうことが出来ない今という現在の未来についても、すべて知った上で、妻のためにする――そう彼は決めていた。
「……なるほど」
占い師の声が、ふと耳に触れた。
「何か、分かったことでも……?」
目線を戻してみると、占い師はテーブルの上にいくつか開かれたタロットカードの絵を、じーっと見つめている。
「悪霊や、そういった現象によるものではないようです。あなた方のどちらも、大きな守り手によって、強く守護されていると占いには出ています」
占い師の女は、消化不良のような顔を仲村渠に向けた。
「そう、ですか……」
「霊的な世界から言えば悪い現象ではないにしても、あなた方にとって困ったことが起こっているのは確かですよね。そこに関しては私の占いに何も出ませんでしたが、あなた方は強く守護されていると占いに出ていますので、もしかしたら、私にそれ以上のことを知る術がない、という可能性もあります」
「知る術……? つまり、占えない、ということですか?」
「はい。ですから、とても難しい相手だったのです」
あ、だから『難しいと』と仲村渠は思う。
「占い師は、占う相手の守護霊の力、または持ち合わせている相手の霊力が、自身の力を上回ってしまっている場合は〝視えない〟んですよ。ガードされてしまって、覗き見ることができない、と言いますか」
「なるほど……」
「そうすると、すべてを占ってやることが出来ないのです」
占えない?
そんな馬鹿なことあるかと苛立ちそうになったが、ふと、昔どこかで、似たような話を耳にしたことを仲村渠は思い出した。
『霊力が強いから、正しく占うことができないらしいのよ――』
そう昔、有名な霊能力者の生い立ちについて、年配の女達がママ会のごとく立ち話をしていた気がする。
その時は興味も湧かなかったが、そういった難しい事情もある……のかもしれないと、仲村渠は思った。
(そもそもここで俺が苛立っても、どうしようもないだろう)
仲村渠は考え直した。もし、占い師が言うように自分達が守護霊に強く守られているというのなら、せっかく巡り合えた本物の占い師の前だ。前回のように、何も、収穫がないまま終わることにはならないはずだ。そう、自分に言い聞かせた。
(ああ、神様、彼女のご先祖様。どうか私達をお導きください――)
仲村渠は、らしくもなく祈った。
「…………何か、アドバイスは出ていますか? 少しの手掛かりでもいいのです」
深呼吸をしたのち、目を上げると、占い師が切実そうな目でじっとこちらを見ていた。
「そうですね……」
女は考え、いくつかのカードを捲った。それから考えを告げる。
「キーワードは北にある、と思います。運気は南にあるようです。しかし……それ以上は、何も」
ということは、仲村渠が『北へ向かおう』と思った直感は、間違っていなかったということだ。
それはなんとなく、彼の胸に何となしに沸き上がった思いだった。
他にも、二人のユタのもとを訪れる予定を入れていた。
何かしら進展はあるだろう。そう仲村渠は期待した。
「お力になれず、申し訳ありませんでした」
占い師は、席を立つ仲村渠に向かって申し訳なさそうに頭を下げた。
「いえっ、そんなことはありません。少し、すっきりできました」
「そうおっしゃっていただけて有難いです」
女は、初めの印象と違って小さくしおらしく見えた。あの厳しく見えた眼差しは、もしかしたら何かを〝視よう〟としていたのではないか?と、仲村渠は思えた。
「守護の力が強いのであれば、あなたは導かれ、巡り合うでしょう」
「努力は――してみようと、思っています」
仲村渠は礼を言い、料金を払って部屋の外へ出た。
カウンターにいた占い師と同じ顔をした女性店員が、可愛らしく微笑んで、「娘さんのプレゼントにいかがですか」とブレスレッドの並んだ棚の一つを指してきた。
「厄を払ってくれるそうです。首里から入荷している水晶なのですけれど、こちらでストラップにアレンジさせてもらっている物もありますよ」
小さな透明ビーズの間に、見慣れた数珠よりも小さな水晶と、四方にピンクの飾りが並んだブレスレットだった。料金も安い方だ。ストラップに関しても女性が好みそうな可愛らしいデザインが複数並んでいる。
(娘、か)
そう思いながら、仲村渠はあまり気が進まなかった。
こういう代物への知識はない。迷信や信仰は大事にするものの、こういった信仰グッズが売買されることについては、あまりいい見解は持っていなかった。
妻は、自分の生まれ年の十二支の絵が彫られた水晶のブレスレットを見ていた。
気に入ったのか、彼女がその一つを手に取ると、楽しそうに微笑んで仲村渠の分も探して持ってきた。
「せっかくだから、買いましょうよ」
「ふふっ――そうだな」
妻の楽しそうな笑顔に負けた、というやつだろう。
仲村渠は気持ちもガラッとかわってしまって、穏やかな気持ちでそれを女性店員に頼み、二つのブレスレットを購入した。
その場で、二人の腕にブレスレットをはめた。
妻が選んだのは、女物のブレスレットだったので彼は少々照れ臭くなったが、笑う妻の顔を見ていると、やはり『まあいいか』と思えた。
「信じれば、どんな物でも御守りになりえますよ。値段の高さで、守る相手を選ぶ神様なんてこの世にはきっといませんもの」
妻との会話から迷信深くないと分かったのか、女性店員が柔らかな微笑でそう言った。
「そうですね。実際、私も手探りの状態です」
けれど、でも……と仲村渠は、膝の上の手を握り締める。
「俺が、いえ私が可能性を探すことを諦めては、いけないのです」
彼女の、ために。
彼が視線を向けると、占い師も妻の方を見た。壁の竜のイラストを見ていた妻が、ふっと気付いて「こんにちは」と言って彼女に微笑んだ。
「こんにちは」
占い師の女が、初めて口元で小さく微笑んだ。
けれど気のせいか、仲村渠にはそれが、何かを察知して少し悲しげに、もしくは同情か心配を交えて浮かべて笑みに思えた。
「では占うことは『今、あなたの知りたいこと、それを解決するための糸口』とします。難しいですが、やってみましょう」
「難しい……」
仲村渠は、彼女がたびたび口にしているその言葉が気になった。
「試練であっても、神様もヒントぐらいは出してくれるはずです」
神様――なぜか、こその言葉が頭の中に引っかかった。
女はそう言うと、タロットカード切り始め、集中し一心に何か思っている目でタロットカードをテーブルに置きだした。
仲村渠は、身慣れぬカード占いの様子を静かに見守った。
彼が我知らず腿の上に置いた手に拳を作っていると、妻が気遣うように、自身の手を上から重ねてきた。
彼はハツとして、緊張している自分に気付く。
急ぎ取り繕い、彼がぎこちない微笑みを返してみせると、妻は相変わらず夢心地みたいに、ふんわりと微笑んできた。
「大丈夫ですよ、あなた」
それは仲村渠がかけるべきはずであった言葉なのに、妻がそう言った。
「怖いことは、何もありませんからね」
妻は、まるで子どもをあやすように彼の手を撫でた。
「だから私、お傍を離れたりしませんわ」
彼女は仲村渠の手を優しく握る。彼は、取り乱してはいけないのだと我が身を叱りつけて「そうか」と、どうにか普通に答えられた。
変えることの出来ない過去も、二人が微笑みあうことが出来ない今という現在の未来についても、すべて知った上で、妻のためにする――そう彼は決めていた。
「……なるほど」
占い師の声が、ふと耳に触れた。
「何か、分かったことでも……?」
目線を戻してみると、占い師はテーブルの上にいくつか開かれたタロットカードの絵を、じーっと見つめている。
「悪霊や、そういった現象によるものではないようです。あなた方のどちらも、大きな守り手によって、強く守護されていると占いには出ています」
占い師の女は、消化不良のような顔を仲村渠に向けた。
「そう、ですか……」
「霊的な世界から言えば悪い現象ではないにしても、あなた方にとって困ったことが起こっているのは確かですよね。そこに関しては私の占いに何も出ませんでしたが、あなた方は強く守護されていると占いに出ていますので、もしかしたら、私にそれ以上のことを知る術がない、という可能性もあります」
「知る術……? つまり、占えない、ということですか?」
「はい。ですから、とても難しい相手だったのです」
あ、だから『難しいと』と仲村渠は思う。
「占い師は、占う相手の守護霊の力、または持ち合わせている相手の霊力が、自身の力を上回ってしまっている場合は〝視えない〟んですよ。ガードされてしまって、覗き見ることができない、と言いますか」
「なるほど……」
「そうすると、すべてを占ってやることが出来ないのです」
占えない?
そんな馬鹿なことあるかと苛立ちそうになったが、ふと、昔どこかで、似たような話を耳にしたことを仲村渠は思い出した。
『霊力が強いから、正しく占うことができないらしいのよ――』
そう昔、有名な霊能力者の生い立ちについて、年配の女達がママ会のごとく立ち話をしていた気がする。
その時は興味も湧かなかったが、そういった難しい事情もある……のかもしれないと、仲村渠は思った。
(そもそもここで俺が苛立っても、どうしようもないだろう)
仲村渠は考え直した。もし、占い師が言うように自分達が守護霊に強く守られているというのなら、せっかく巡り合えた本物の占い師の前だ。前回のように、何も、収穫がないまま終わることにはならないはずだ。そう、自分に言い聞かせた。
(ああ、神様、彼女のご先祖様。どうか私達をお導きください――)
仲村渠は、らしくもなく祈った。
「…………何か、アドバイスは出ていますか? 少しの手掛かりでもいいのです」
深呼吸をしたのち、目を上げると、占い師が切実そうな目でじっとこちらを見ていた。
「そうですね……」
女は考え、いくつかのカードを捲った。それから考えを告げる。
「キーワードは北にある、と思います。運気は南にあるようです。しかし……それ以上は、何も」
ということは、仲村渠が『北へ向かおう』と思った直感は、間違っていなかったということだ。
それはなんとなく、彼の胸に何となしに沸き上がった思いだった。
他にも、二人のユタのもとを訪れる予定を入れていた。
何かしら進展はあるだろう。そう仲村渠は期待した。
「お力になれず、申し訳ありませんでした」
占い師は、席を立つ仲村渠に向かって申し訳なさそうに頭を下げた。
「いえっ、そんなことはありません。少し、すっきりできました」
「そうおっしゃっていただけて有難いです」
女は、初めの印象と違って小さくしおらしく見えた。あの厳しく見えた眼差しは、もしかしたら何かを〝視よう〟としていたのではないか?と、仲村渠は思えた。
「守護の力が強いのであれば、あなたは導かれ、巡り合うでしょう」
「努力は――してみようと、思っています」
仲村渠は礼を言い、料金を払って部屋の外へ出た。
カウンターにいた占い師と同じ顔をした女性店員が、可愛らしく微笑んで、「娘さんのプレゼントにいかがですか」とブレスレッドの並んだ棚の一つを指してきた。
「厄を払ってくれるそうです。首里から入荷している水晶なのですけれど、こちらでストラップにアレンジさせてもらっている物もありますよ」
小さな透明ビーズの間に、見慣れた数珠よりも小さな水晶と、四方にピンクの飾りが並んだブレスレットだった。料金も安い方だ。ストラップに関しても女性が好みそうな可愛らしいデザインが複数並んでいる。
(娘、か)
そう思いながら、仲村渠はあまり気が進まなかった。
こういう代物への知識はない。迷信や信仰は大事にするものの、こういった信仰グッズが売買されることについては、あまりいい見解は持っていなかった。
妻は、自分の生まれ年の十二支の絵が彫られた水晶のブレスレットを見ていた。
気に入ったのか、彼女がその一つを手に取ると、楽しそうに微笑んで仲村渠の分も探して持ってきた。
「せっかくだから、買いましょうよ」
「ふふっ――そうだな」
妻の楽しそうな笑顔に負けた、というやつだろう。
仲村渠は気持ちもガラッとかわってしまって、穏やかな気持ちでそれを女性店員に頼み、二つのブレスレットを購入した。
その場で、二人の腕にブレスレットをはめた。
妻が選んだのは、女物のブレスレットだったので彼は少々照れ臭くなったが、笑う妻の顔を見ていると、やはり『まあいいか』と思えた。
「信じれば、どんな物でも御守りになりえますよ。値段の高さで、守る相手を選ぶ神様なんてこの世にはきっといませんもの」
妻との会話から迷信深くないと分かったのか、女性店員が柔らかな微笑でそう言った。
0
お気に入りに追加
27
あなたにおすすめの小説
【完結】Amnesia(アムネシア)~カフェ「時遊館」に現れた美しい青年は記憶を失っていた~
紫紺
ミステリー
郊外の人気カフェ、『時游館』のマスター航留は、ある日美しい青年と出会う。彼は自分が誰かも全て忘れてしまう記憶喪失を患っていた。
行きがかり上、面倒を見ることになったのが……。
※「Amnesia」は医学用語で、一般的には「記憶喪失」のことを指します。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
独身寮のふるさとごはん まかないさんの美味しい献立
水縞しま
ライト文芸
旧題:独身寮のまかないさん ~おいしい故郷の味こしらえます~
第7回ライト文芸大賞【料理・グルメ賞】作品です。
◇◇◇◇
飛騨高山に本社を置く株式会社ワカミヤの独身寮『杉野館』。まかない担当として働く有村千影(ありむらちかげ)は、決まった予算の中で献立を考え、食材を調達し、調理してと日々奮闘していた。そんなある日、社員のひとりが失恋して落ち込んでしまう。食欲もないらしい。千影は彼の出身地、富山の郷土料理「ほたるいかの酢味噌和え」をこしらえて励まそうとする。
仕事に追われる社員には、熱々がおいしい「味噌煮込みうどん(愛知)」。
退職しようか思い悩む社員には、じんわりと出汁が沁みる「聖護院かぶと鯛の煮物(京都)」。
他にも飛騨高山の「赤かぶ漬け」「みだらしだんご」、大阪の「モダン焼き」など、故郷の味が盛りだくさん。
おいしい故郷の味に励まされたり、癒されたり、背中を押されたりするお話です。
赤い部屋
山根利広
ホラー
YouTubeの動画広告の中に、「決してスキップしてはいけない」広告があるという。
真っ赤な背景に「あなたは好きですか?」と書かれたその広告をスキップすると、死ぬと言われている。
東京都内のある高校でも、「赤い部屋」の噂がひとり歩きしていた。
そんな中、2年生の天根凛花は「赤い部屋」の内容が自分のみた夢の内容そっくりであることに気づく。
が、クラスメイトの黒河内莉子は、噂話を一蹴し、誰かの作り話だと言う。
だが、「呪い」は実在した。
「赤い部屋」の手によって残酷な死に方をする犠牲者が、続々現れる。
凛花と莉子は、死の連鎖に歯止めをかけるため、「解決策」を見出そうとする。
そんな中、凛花のスマートフォンにも「あなたは好きですか?」という広告が表示されてしまう。
「赤い部屋」から逃れる方法はあるのか?
誰がこの「呪い」を生み出したのか?
そして彼らはなぜ、呪われたのか?
徐々に明かされる「赤い部屋」の真相。
その先にふたりが見たものは——。
【本編完結】繚乱ロンド
由宇ノ木
ライト文芸
番外編は時系列順ではありません。
更新日 2/12 『受け継ぐ者』
更新日 2/4 『秘密を持って生まれた子 3』(全3話)
02/01『秘密を持って生まれた子 2』
01/23『秘密を持って生まれた子 1』
01/18『美之の黒歴史 5』(全5話)
12/30『とわずがたり~思い出を辿れば~2,3』
12/25『とわずがたり~思い出を辿れば~1 』
本編は完結。番外編を不定期で更新。
11/11~11/19『夫の疑問、妻の確信1~3』
10/12 『いつもあなたの幸せを。』
9/14 『伝統行事』
8/24 『ひとりがたり~人生を振り返る~』
お盆期間限定番外編 8月11日~8月16日まで
『日常のひとこま』は公開終了しました。
7/31 『恋心』・・・本編の171、180、188話にチラッと出てきた京司朗の自室に礼夏が現れたときの話です。
6/18 『ある時代の出来事』
-本編大まかなあらすじ-
*青木みふゆは23歳。両親も妹も失ってしまったみふゆは一人暮らしで、花屋の堀内花壇の支店と本店に勤めている。花の仕事は好きで楽しいが、本店勤務時は事務を任されている二つ年上の林香苗に妬まれ嫌がらせを受けている。嫌がらせは徐々に増え、辟易しているみふゆは転職も思案中。
林香苗は堀内花壇社長の愛人でありながら、店のお得意様の、裏社会組織も持つといわれる惣領家の当主・惣領貴之がみふゆを気に入ってかわいがっているのを妬んでいるのだ。
そして、惣領貴之の懐刀とされる若頭・仙道京司朗も海外から帰国。みふゆが貴之に取り入ろうとしているのではないかと、京司朗から疑いをかけられる。
みふゆは自分の微妙な立場に悩みつつも、惣領貴之との親交を深め養女となるが、ある日予知をきっかけに高熱を出し年齢を退行させてゆくことになる。みふゆの心は子供に戻っていってしまう。
令和5年11/11更新内容(最終回)
*199. (2)
*200. ロンド~踊る命~ -17- (1)~(6)
*エピローグ ロンド~廻る命~
本編最終回です。200話の一部を199.(2)にしたため、199.(2)から最終話シリーズになりました。
※この物語はフィクションです。実在する団体・企業・人物とはなんら関係ありません。架空の町が舞台です。
現在の関連作品
『邪眼の娘』更新 令和7年1/25
『月光に咲く花』(ショートショート)
以上2作品はみふゆの母親・水無瀬礼夏(青木礼夏)の物語。
『恋人はメリーさん』(主人公は京司朗の後輩・東雲結)
『繚乱ロンド』の元になった2作品
『花物語』に入っている『カサブランカ・ダディ(全五話)』『花冠はタンポポで(ショートショート)』
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる