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父は香澄の誕生日を見送って安心したように、その翌週に倒れて病院へ運ばれた。
容体は悪化し、はじめに宣告された余命の期日がより早まった。
それでも夏をどうにか過ぎ切り、香澄と一緒に病室で秋を迎えた。穏やかな涼しさを含んだ秋は、しだいに冷たさを増してきていた。
「雪、降るかなあ」
父は時々窓を眺めては、明日の天気を述べるように自分のことを語り出すのだ。
「お父さんが住んでいた街にはね、穏やかな春と、少しの夏しかなかった。ひどいときは、ほとんどが冬に閉ざされていたよ。それでも、その中に春や夏を感じさせる時間があった。真っ白な雪景色に晴天の空が差して、銀白の絨毯がきらきらと輝くんだ。雪の間からは花が覗いてね。寒さに厳しい場所だったけれど、お父さんは、あの街が本当に好きだったよ」
地元には、積もらないほどの雪が降った。
ビルに降り注ぐそれを想像しながら、香澄は父の話しに耳を傾けた。
「なんだか、別世界のお話みたいね」
「そうだね、別世界なのかもしれない。ずっと北の、雪の国の話だ」
父は取り留めもなく話し、前触れもなく眠りに落ちた。
そうして、しだいに覚醒している時間の方が短くなり――凍えるような秋の暮れに、静かに息を引き取った。
痛み止めを求める苦しみもなく静かに旅立った父の死は、それこそ幸いだったと医者は述べた。脳が麻痺してこん睡状態に陥った患者は、深い睡眠の中で死を迎えるのだ。
心拍が止まってからも、父の寝顔は穏やかな微笑みに満ちていた。
夢の中で故郷へと帰り、銀白の世界に訪れた春の景色の中で、母と会えたのかもしれない。
「良かったね。うん……良かった……ふ、ぅ……っ」
香澄は、もう目覚めない父の横顔に話しかけた。もう答えは返って来ないとわかっていても、強い寂しさが込み上げて涙が溢れても、話しかけることをやめられなかった。
父の葬式は、長年住み続けた家で行われた。
大勢の人が別れを惜しんで泣いた。
独りぼっちになった香澄は、三日三晩泣き続けて、涙も出ないほど憔悴した。
南原さんや父の知り合いが葬式の進行を手伝い、そして遅れてやってきた晃光が、初めて香澄を強く抱きしめた。
大きな背中だと思った。自分の身体が、誰かにすっぽりと包まれている安心感に満ち、香澄はたまらなくまた涙をこぼした。言葉は何も浮かばず、涙ばかりが溢れた。喪失感が胸の底をせり上げ、晃光に強く抱きしめられるほど切なくなった。
(――この人も、いなくなってしまうのよ)
父も母も、もういなくなってしまった。
手元に残ったのは、ちっぽけな葬儀だけでせいいっぱいの金額だった。
灰になった父の遺骨を納める場所も見つからず、父が手配した母の遺骨はどこへ行ってしまったのだろうと今更ながらに考えた。仏壇のどこにも、母の灰はみつからなかった。
葬儀から十日ほど経った。
香澄が一人仏壇の前でじっと座りこんでいると、見知らぬ人々が押し掛けてきた。
「失礼だとは思うが、返事がなかったので勝手に上がらせてもらったよ」
先頭には見知った顔があった。桜宮晃光の両親だった。
そう告げたのは彼の父だったが、香澄は疲れ果てていて非難の声すら出てこなかった。
(それでも――)
仏壇の前だ。
傍に、父がいてくれているような気持ちになって、不意にささやかながら不思議と力が込み上げてきた。
(今、ここで言えば、すべて終わる)
父にも話した。そして香澄は、今日ここでそれを彼らに直接示すチャンスだ。
「私には、もう何も残っていません。結婚なんて始めから考えていなかったんです。――あの人には、きっと相応しい女性が他にいますから」
晃光にずっと言えなかったことが、そのときになってようやく口を割って出た。
(結局、最後まであまり『晃光さん』と呼ぶこともできなかったわね……)
そう、なぜか今になって香澄は気付いた。一度だけ抱きしめられた彼の腕の感触が、肌には不思議と残されたままだった。
晃光の母親が、香澄の左手薬指の指輪に気付いて眉を寄せた。
「あなた、晃光が勝手に作って贈った正式な婚約指輪は、まだはめていないのね?」
力強い確認に、香澄はこくりと頷いた。
「この婚約指輪は、お返しします」
香澄は、父の仏壇に預けていた婚約指輪のジュエリーボックスを取り出し、彼の母親に手渡した。
(――楽しい思い出は、これだけで十分よ)
香澄の薬指に、今でもはめられたままでいる仮の婚約指輪。これだけあればいいと思えた。彼には十分よくしてもらえた、もう、いい。
出会いが違っていれば、晃光とはいい友だちになれたかもしれないな、とふと思ったりした。
香澄はしばらく指輪を見つめたあと、やっと顔を上げると泣き顔に微笑みを作った。
晃光の母親はジュエリーボックスを奪いように取り上げると、どこか安堵したように胸を撫で下ろして、付添人に合図した。
黒スーツの一人が封筒を取り出したが、香澄はそれについては強く拒んだ。
「お金はいりません、線香だけで――」
一瞬、その封筒の熱さに怒りで頭がカッと熱くなった。
バカにしないで欲しい。お金で、彼との縁を売ったわけではない。
何かあれば、この家を売ればいい。アパートに暮らして、普通のOLとしてやっていげばいいのだから。
「ふん、わたくしは先に車に戻ります」
彼の母がそう言って踵を返した。
桜宮家の代表として一人が残されて線香を上げている間にも、両親や付き添いの面々は早々に引き上げていった。
最後まで残り、長い間手を合わせていたのは三十後半大柄な男だった。
沈黙が十数分も立ち込めた後、彼は横顔だけでちらりと香澄を見た。
「本当に、これでいいのかい」
野太いが、決して嫌な感じがする声ではなかった。
香澄がじっと見つめると、男は立ち上がって今度は真っすぐ顔を見合わせてきた。
「あんたと出会ってから、弟はとても楽しそうだった」
香澄は、どことなく声が似ていると分かって、悲しい顔で微笑んだ。
「ああ、彼のお兄様なんですね」
「そうだ、何かあれば力になりたい。弟は本当に君のことを――」
「本日はもう疲れてしまいましたの、どうか、もう、お引き取りを」
無礼なことをしているとは分かっている。
香澄は、畳に額を押し付けて土下座をした。
「今日は雪も強いですのに、父のために線香を上げにいらっしゃってくださいまして、誠にありがとうございました」
彼は心配したみたいな顔をした。何か言いたそうにしたが、玄関先から聞こえてきた甲高い母親の声に「行くよ!」と答えた。
香澄は、玄関へと去っていく大きな後ろ姿を見送った。
それを眺めていると、記憶の中から、父の声が聞こえた。
『ずうっと北へ、雪がすべてを染める寒い土地だった――』
思い出を懐かしく語って聞かせる父の柔らかな声色が、意識とは関係なしに、香澄の脳裏に反響する。
何をするべきなのか、自分がこれからどうしようとしているのかわからない。
しかし、「行かなければ」と立ち上がった。
あてなど何もなかった。それでも、父が乗ったという夜行列車が、香澄を待ってくれているような気がした。
彼女は歩き出しながら白いシャツを脱いだ。暖房があまり効かない室内では寒さを感じたが、焦りに突き動かされるように喪服寄りのスカートも脱ぐ。
そして私室で、膝が隠れるほどの白いワンピースのスカートを着て、ニットの長袖に袖を通した。ベージュのコートをはおり、両手で髪を出すと、母譲りのウェーブの入った髪が背中に流れた。
小さくなった父の遺骨をボストンバッグに入れる。
ここしばらく時計なんて見ることもなかったのに、このときは、まるで夜行列車の発車時刻を確認するように時計を見上げていた。
(――今は、午後八時半を切ったところ)
九時に間に合わなければと、なぜか香澄はそんなことを思った。
そのまま外に出た。財布もスマホも鍵も持たなかった。
外は、どういうことかあり得ないほど空気がとても冷たくなっていた。息を吐くと、凍えそうな白い吐息が静かにゆらゆらと漂う。
「……不思議、どうしてこんなに静かなのかしら」
先程まで停まっていたまずの高級車の後も、薄い雪に覆われて見えない。他の車の通行音すら聞こえてこない。
静まり返った凍える秋の夜に、夜行列車の吐息が聞こえてくるようだった。
容体は悪化し、はじめに宣告された余命の期日がより早まった。
それでも夏をどうにか過ぎ切り、香澄と一緒に病室で秋を迎えた。穏やかな涼しさを含んだ秋は、しだいに冷たさを増してきていた。
「雪、降るかなあ」
父は時々窓を眺めては、明日の天気を述べるように自分のことを語り出すのだ。
「お父さんが住んでいた街にはね、穏やかな春と、少しの夏しかなかった。ひどいときは、ほとんどが冬に閉ざされていたよ。それでも、その中に春や夏を感じさせる時間があった。真っ白な雪景色に晴天の空が差して、銀白の絨毯がきらきらと輝くんだ。雪の間からは花が覗いてね。寒さに厳しい場所だったけれど、お父さんは、あの街が本当に好きだったよ」
地元には、積もらないほどの雪が降った。
ビルに降り注ぐそれを想像しながら、香澄は父の話しに耳を傾けた。
「なんだか、別世界のお話みたいね」
「そうだね、別世界なのかもしれない。ずっと北の、雪の国の話だ」
父は取り留めもなく話し、前触れもなく眠りに落ちた。
そうして、しだいに覚醒している時間の方が短くなり――凍えるような秋の暮れに、静かに息を引き取った。
痛み止めを求める苦しみもなく静かに旅立った父の死は、それこそ幸いだったと医者は述べた。脳が麻痺してこん睡状態に陥った患者は、深い睡眠の中で死を迎えるのだ。
心拍が止まってからも、父の寝顔は穏やかな微笑みに満ちていた。
夢の中で故郷へと帰り、銀白の世界に訪れた春の景色の中で、母と会えたのかもしれない。
「良かったね。うん……良かった……ふ、ぅ……っ」
香澄は、もう目覚めない父の横顔に話しかけた。もう答えは返って来ないとわかっていても、強い寂しさが込み上げて涙が溢れても、話しかけることをやめられなかった。
父の葬式は、長年住み続けた家で行われた。
大勢の人が別れを惜しんで泣いた。
独りぼっちになった香澄は、三日三晩泣き続けて、涙も出ないほど憔悴した。
南原さんや父の知り合いが葬式の進行を手伝い、そして遅れてやってきた晃光が、初めて香澄を強く抱きしめた。
大きな背中だと思った。自分の身体が、誰かにすっぽりと包まれている安心感に満ち、香澄はたまらなくまた涙をこぼした。言葉は何も浮かばず、涙ばかりが溢れた。喪失感が胸の底をせり上げ、晃光に強く抱きしめられるほど切なくなった。
(――この人も、いなくなってしまうのよ)
父も母も、もういなくなってしまった。
手元に残ったのは、ちっぽけな葬儀だけでせいいっぱいの金額だった。
灰になった父の遺骨を納める場所も見つからず、父が手配した母の遺骨はどこへ行ってしまったのだろうと今更ながらに考えた。仏壇のどこにも、母の灰はみつからなかった。
葬儀から十日ほど経った。
香澄が一人仏壇の前でじっと座りこんでいると、見知らぬ人々が押し掛けてきた。
「失礼だとは思うが、返事がなかったので勝手に上がらせてもらったよ」
先頭には見知った顔があった。桜宮晃光の両親だった。
そう告げたのは彼の父だったが、香澄は疲れ果てていて非難の声すら出てこなかった。
(それでも――)
仏壇の前だ。
傍に、父がいてくれているような気持ちになって、不意にささやかながら不思議と力が込み上げてきた。
(今、ここで言えば、すべて終わる)
父にも話した。そして香澄は、今日ここでそれを彼らに直接示すチャンスだ。
「私には、もう何も残っていません。結婚なんて始めから考えていなかったんです。――あの人には、きっと相応しい女性が他にいますから」
晃光にずっと言えなかったことが、そのときになってようやく口を割って出た。
(結局、最後まであまり『晃光さん』と呼ぶこともできなかったわね……)
そう、なぜか今になって香澄は気付いた。一度だけ抱きしめられた彼の腕の感触が、肌には不思議と残されたままだった。
晃光の母親が、香澄の左手薬指の指輪に気付いて眉を寄せた。
「あなた、晃光が勝手に作って贈った正式な婚約指輪は、まだはめていないのね?」
力強い確認に、香澄はこくりと頷いた。
「この婚約指輪は、お返しします」
香澄は、父の仏壇に預けていた婚約指輪のジュエリーボックスを取り出し、彼の母親に手渡した。
(――楽しい思い出は、これだけで十分よ)
香澄の薬指に、今でもはめられたままでいる仮の婚約指輪。これだけあればいいと思えた。彼には十分よくしてもらえた、もう、いい。
出会いが違っていれば、晃光とはいい友だちになれたかもしれないな、とふと思ったりした。
香澄はしばらく指輪を見つめたあと、やっと顔を上げると泣き顔に微笑みを作った。
晃光の母親はジュエリーボックスを奪いように取り上げると、どこか安堵したように胸を撫で下ろして、付添人に合図した。
黒スーツの一人が封筒を取り出したが、香澄はそれについては強く拒んだ。
「お金はいりません、線香だけで――」
一瞬、その封筒の熱さに怒りで頭がカッと熱くなった。
バカにしないで欲しい。お金で、彼との縁を売ったわけではない。
何かあれば、この家を売ればいい。アパートに暮らして、普通のOLとしてやっていげばいいのだから。
「ふん、わたくしは先に車に戻ります」
彼の母がそう言って踵を返した。
桜宮家の代表として一人が残されて線香を上げている間にも、両親や付き添いの面々は早々に引き上げていった。
最後まで残り、長い間手を合わせていたのは三十後半大柄な男だった。
沈黙が十数分も立ち込めた後、彼は横顔だけでちらりと香澄を見た。
「本当に、これでいいのかい」
野太いが、決して嫌な感じがする声ではなかった。
香澄がじっと見つめると、男は立ち上がって今度は真っすぐ顔を見合わせてきた。
「あんたと出会ってから、弟はとても楽しそうだった」
香澄は、どことなく声が似ていると分かって、悲しい顔で微笑んだ。
「ああ、彼のお兄様なんですね」
「そうだ、何かあれば力になりたい。弟は本当に君のことを――」
「本日はもう疲れてしまいましたの、どうか、もう、お引き取りを」
無礼なことをしているとは分かっている。
香澄は、畳に額を押し付けて土下座をした。
「今日は雪も強いですのに、父のために線香を上げにいらっしゃってくださいまして、誠にありがとうございました」
彼は心配したみたいな顔をした。何か言いたそうにしたが、玄関先から聞こえてきた甲高い母親の声に「行くよ!」と答えた。
香澄は、玄関へと去っていく大きな後ろ姿を見送った。
それを眺めていると、記憶の中から、父の声が聞こえた。
『ずうっと北へ、雪がすべてを染める寒い土地だった――』
思い出を懐かしく語って聞かせる父の柔らかな声色が、意識とは関係なしに、香澄の脳裏に反響する。
何をするべきなのか、自分がこれからどうしようとしているのかわからない。
しかし、「行かなければ」と立ち上がった。
あてなど何もなかった。それでも、父が乗ったという夜行列車が、香澄を待ってくれているような気がした。
彼女は歩き出しながら白いシャツを脱いだ。暖房があまり効かない室内では寒さを感じたが、焦りに突き動かされるように喪服寄りのスカートも脱ぐ。
そして私室で、膝が隠れるほどの白いワンピースのスカートを着て、ニットの長袖に袖を通した。ベージュのコートをはおり、両手で髪を出すと、母譲りのウェーブの入った髪が背中に流れた。
小さくなった父の遺骨をボストンバッグに入れる。
ここしばらく時計なんて見ることもなかったのに、このときは、まるで夜行列車の発車時刻を確認するように時計を見上げていた。
(――今は、午後八時半を切ったところ)
九時に間に合わなければと、なぜか香澄はそんなことを思った。
そのまま外に出た。財布もスマホも鍵も持たなかった。
外は、どういうことかあり得ないほど空気がとても冷たくなっていた。息を吐くと、凍えそうな白い吐息が静かにゆらゆらと漂う。
「……不思議、どうしてこんなに静かなのかしら」
先程まで停まっていたまずの高級車の後も、薄い雪に覆われて見えない。他の車の通行音すら聞こえてこない。
静まり返った凍える秋の夜に、夜行列車の吐息が聞こえてくるようだった。
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