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第二十四章 馬小屋
6 命の恩人 上※
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6 命の恩人 上※
虹色の光がチラチラしている。綺麗だ。
次第に意識がはっきりしてくる。窓辺に飾られたクリスタルで朝日が七色にくだけ、部屋のあちこちで踊っているんだ。
僕はといえば、フカフカのベッドの中にいた。真っ白いシーツに薄紫のベルベッド。ぶくぶくの羽根布団から身を起こす。
ここ、ザクロさんの部屋だ。ザクロさんのどでかいベッドで、僕はどうやら、ぐっすり寝ていたらしい。
「嘘でしょ?! 朝だ!」
ベッドから出ようとして、思わずうっと呻く。頭がズキズキする。身体のあちこちが痛い。
「いてて。なんで僕、こんなとこに……」
僕は服を探った。袖のうちにはまだ火打石があった。
「ピノ、まだ居てくれたんだね」
火打石は冷たく黙っている。屋敷に帰るのは三日だけって約束だったのに、もう二日経ってしまった。
最初の夜は雪の中で突っ伏してたし、昨日の夜は記憶がない。ピノとは全然話せてない。プリッツも、きっと心配してるだろう。
「ごめん。僕、また気絶してたみたいだね」
確か僕は昨日、急に具合が悪くなって、せっかくのマフのタルトを落っことしてしまったんだ。そこから記憶がない。多分誰かが僕をベッドに運んでくれたんだろう。
「あのあと、何かあったかな」
返事がないのはわかっているんだけど、聞かずにいられなかった。夜の間に、あのピノが何もせずにいるなんてことは考えられなかった。
「ピノ、今日は森に行くよ。森でなら、昼でもお話しできるだろ?」
「……母さん?」
「へっ?!」
僕はビクッと身をすくめた。見ると、ホクトくんがソファから起き上がってこちらを見ていた。
「ホ、ホクトくん! いつからそこに?」
僕は慌てて火打石を袖に隠した。ピノと喋っているのを聞かれてしまったかもしれない。
「……」
ホクトくんは怪訝な顔で僕をまじまじと見ている。まずい。これは確実に聞かれてしまったようだ。
「坊ちゃ……いや、奥さま!」
そこへメアリが部屋に駆け込んできた。
「メアリ。おはよう」
「よかった……気が付かれたんですね」
メアリは枕元に水差しを置くと、ベッドにかがみ込んで僕の顔を覗き込んだ。目には涙が浮かんでいる。
「お加減はいかがですか」
「ごめん。よく覚えてないんだけど……僕、どうしちゃったんだろう」
メアリは僕がタルトを食べて気絶したことを教えてくれた。
「タルトで気絶?」
僕は唖然とした。
「奥様は、木苺が合わないお体だったんです」
「えっ、そうなの?」
そんなのは初耳だった。ザクロさんが木苺を食べられない身体だったなんて、全く知らなかった。
「あなたに木苺を食べさせたのは、僕の指示です」
ホクトくんはそう言いながら、僕のベッドに腰掛けた。
マフに木苺のタルトを作らせて、僕の反応を見たのだと話してくれた。拒絶反応が出たらザクロさん、出なければアリオトだと判断するために。
「えっ」
僕は驚いて二人の顔を交互に見た。メアリは顔を伏せた。
「えっ……て、いうことはさ。少しは僕のこと、信じてくれようとしたってこと?」
僕の胸に嬉しさが広がる。
「そっか、そういうことだったのか……わざわざありがとう」
「は? いや、何を喜んでるんですか。僕らは、あなたを殺しかけたんですよ」
「えっ、なんで?」
「あのこびとが現れなかったらあなたは今頃……」
「こびと?」
そこで僕は、馬小屋の男の人が現れて、僕を助けてくれたことを知った。
「そんなことがあったんだね」
嬉しくて、胸がドキドキした。あの人の真剣な目を想像したら、急に、顔が熱くなった。
「彼は、今どこに?」
「呼び止めたんですが、どこかへ消えてしまいました」
「そっか……」
お礼が言いたい。僕の、命の恩人なのだから。僕はベッドから起きあがった。
「ダメですよ、まだ安静にしていなくては」
あちこち痛くてフラフラしたけど、大丈夫。会って、お礼が言いたい。すぐにでも。
「もう平気だよ」
彼はまだ、あそこにいてくれるだろうか。
「まさか、お出かけになるおつもりですか」
いけませんいけません、と、僕はベッドに押し戻されてしまった。
「ええ~、もう大丈夫だってば」
ホクトくんとメアリは心配してくれるけど、病気でもないのに寝ているなんてできなかった。
「死にかけたんですよ? 呼吸だって止まったくらいで」
「息ならもう、できてるもの」
僕はすーはーと深呼吸してみせた。
「安静にするようにって、例のカエル男も言ってましたよ」
メアリったら、僕の命の恩人をカエル男だなんて酷い呼び方して。
でも、あの人がそう言うなら、大人しくしてようかな。僕は仕方なくベッドに横になった。
ホクトくんは、そんな僕をにらんだ。
「あの男の言うことには従うんですね」
「え?」
言うこと聞いたのににらむのはなぜ……。
「とりあえず朝食を召し上がってくださいな。外出は様子を見て、ね」
メアリと入れ替わりに、マフが部屋に入ってきた。僕の朝食を、わざわざベッドまではこんできてくれたんだ。
「坊ちゃん……あっしはとんでもねえことを」
マフは涙を流していた。
「マフは、僕を坊ちゃんって呼んでくれるんだね。どうして?」
僕は微笑まずにはいられなかった。
「木苺で倒れたってことは、僕は『奥様』なんでしょう」
マフはいよいよ泣き出した。そんなに涙をこぼしたら、スープがしょっぱくなっちゃうんじゃないかと僕はハラハラした。
「泣かないでマフ。僕の言うことが本当かどうか、確かめてくれようとしたんだよね。僕、その気持ちが嬉しいよ」
「でも、結局は……」
「うん。僕の体は、ザクロさんそのものみたいだね」
木苺で倒れた僕は、自分がザクロさんであることを証明したようなものだった。
「でもね、僕はザクロさんのことを何も知らないの。たとえ体はザクロさんそのものであっても。頭の中身は『僕』なんだもの」
僕のベットに腰掛けてむっつり黙っていたホクトくんが、不意に大きなため息をついた。
「ほら、冷めてしまいますよ」
そう言うなりスプーンでスープを掬って、僕の口元に差し出してきた。
「あーんして」
「えっ」
仏頂面でいきなりそんなことをするから、僕は笑ってしまった。
「一人で食べれるよ」
僕がスープを飲む間、マフとホクトくんはどこへも行かず、黙って僕を見守っていた。それぞれに、色々と思うところはあるんだろう。誰も口を聞かなかった。
美味しいよ、とか、二人は食べないの? とか会話を試みたんだけど、二人は頷くだけだった。
「ごちそうさまでした!」
マフは微笑むと、お皿を持って厨房へと下がっていった。
「さて、もう出かけてもいいでしょ?」
グチャグチャな髪のまま、上着も着ずに外に出ようとしたら、ホクトくんに叱られてしまった。
「いい大人なんですから。少なくとも、見た目はちゃんとしてください」
ホクトくんは僕の、というか、ザクロさんの長い髪を丁寧に櫛でとかし、器用に結い上げてくれた。
「そのドレスも、着替えてください。袖が破れてますよ」
僕はハッとした。そういえば、袖を裂いてあの人の止血に使ってしまったんだ。ホクトくんは何か感付いてしまっただろうか。
僕が袖に気を取られていると、背中の留め紐がするっと緩んだ。あっと思う間もなく、僕の肩からドレスが滑り落ちた。
「ちょ、ちょちょちょホクトくん!」
僕はびっくりしてホクトくんを振り返った。ホクトくんは、ザクロさんの裸を見てもなんとも思わないのか、真顔で僕を見ている。
僕はといえば、なんだかすっかりザクロさんの気持ちになってしまっていて、慌ててドレスを胸で押さえた。
「待って、着替えなら一人でできるから!」
だけどホクトくんは、僕の腕を掴むと、問答無用でドレスを脱がせてしまった。ザクロさんのドレスはコルセットを必要としない。ドレスを脱げば、薄い絹の下着一枚だ。
まじまじ見るのはザクロさんになんだか申し訳なくて、僕は自分の身体からは目を逸らし、ホクトくんの顔だけを見ていた。怖い顔ではなかった。
ホクトくんは指で、僕の左腕をする、と撫でた。くすぐったくて、うっとなる。
「その、腕の傷……」
「え?」
ホクトくんに言われて初めて、ザクロさんの腕の内側に、ナイフで切ったような傷痕があることに気が付いた。
「あれ、なんだろうこれ」
「何も、覚えていませんか?」
僕はこくりと頷く。すると、ホクトくんは自分のシャツの腕をまくって見せた。
「これも?」
ホクトくんの左腕にも、同じような傷跡が残っていた。昨日、ホクトくんが眠っている時に見た傷跡だ。
「何か、大事な意味があったの……かな」
僕にはそれしか言えなかった。
「月下の契り」を連想したけど、それがホクトくんとザクロさんの間で交わされていたなんて考えにくかった。だって、二人は恋人ではなく、親子だもの。
「とぼけるんですか」
ホクトくんは掠れ声で言った。
「違うよ、本当に分からないの」
ホクトくんにとっては、ザクロさんに忘れてほしくないこと、何か意味があることだったのかもしれない。
「ごめん、ホクトくん。僕は、ザクロさんのことを何も知らないんだ」
「そう」
ホクトくんはそっけなく言うと、僕の腕から手を離して、部屋を出ていってしまった。
虹色の光がチラチラしている。綺麗だ。
次第に意識がはっきりしてくる。窓辺に飾られたクリスタルで朝日が七色にくだけ、部屋のあちこちで踊っているんだ。
僕はといえば、フカフカのベッドの中にいた。真っ白いシーツに薄紫のベルベッド。ぶくぶくの羽根布団から身を起こす。
ここ、ザクロさんの部屋だ。ザクロさんのどでかいベッドで、僕はどうやら、ぐっすり寝ていたらしい。
「嘘でしょ?! 朝だ!」
ベッドから出ようとして、思わずうっと呻く。頭がズキズキする。身体のあちこちが痛い。
「いてて。なんで僕、こんなとこに……」
僕は服を探った。袖のうちにはまだ火打石があった。
「ピノ、まだ居てくれたんだね」
火打石は冷たく黙っている。屋敷に帰るのは三日だけって約束だったのに、もう二日経ってしまった。
最初の夜は雪の中で突っ伏してたし、昨日の夜は記憶がない。ピノとは全然話せてない。プリッツも、きっと心配してるだろう。
「ごめん。僕、また気絶してたみたいだね」
確か僕は昨日、急に具合が悪くなって、せっかくのマフのタルトを落っことしてしまったんだ。そこから記憶がない。多分誰かが僕をベッドに運んでくれたんだろう。
「あのあと、何かあったかな」
返事がないのはわかっているんだけど、聞かずにいられなかった。夜の間に、あのピノが何もせずにいるなんてことは考えられなかった。
「ピノ、今日は森に行くよ。森でなら、昼でもお話しできるだろ?」
「……母さん?」
「へっ?!」
僕はビクッと身をすくめた。見ると、ホクトくんがソファから起き上がってこちらを見ていた。
「ホ、ホクトくん! いつからそこに?」
僕は慌てて火打石を袖に隠した。ピノと喋っているのを聞かれてしまったかもしれない。
「……」
ホクトくんは怪訝な顔で僕をまじまじと見ている。まずい。これは確実に聞かれてしまったようだ。
「坊ちゃ……いや、奥さま!」
そこへメアリが部屋に駆け込んできた。
「メアリ。おはよう」
「よかった……気が付かれたんですね」
メアリは枕元に水差しを置くと、ベッドにかがみ込んで僕の顔を覗き込んだ。目には涙が浮かんでいる。
「お加減はいかがですか」
「ごめん。よく覚えてないんだけど……僕、どうしちゃったんだろう」
メアリは僕がタルトを食べて気絶したことを教えてくれた。
「タルトで気絶?」
僕は唖然とした。
「奥様は、木苺が合わないお体だったんです」
「えっ、そうなの?」
そんなのは初耳だった。ザクロさんが木苺を食べられない身体だったなんて、全く知らなかった。
「あなたに木苺を食べさせたのは、僕の指示です」
ホクトくんはそう言いながら、僕のベッドに腰掛けた。
マフに木苺のタルトを作らせて、僕の反応を見たのだと話してくれた。拒絶反応が出たらザクロさん、出なければアリオトだと判断するために。
「えっ」
僕は驚いて二人の顔を交互に見た。メアリは顔を伏せた。
「えっ……て、いうことはさ。少しは僕のこと、信じてくれようとしたってこと?」
僕の胸に嬉しさが広がる。
「そっか、そういうことだったのか……わざわざありがとう」
「は? いや、何を喜んでるんですか。僕らは、あなたを殺しかけたんですよ」
「えっ、なんで?」
「あのこびとが現れなかったらあなたは今頃……」
「こびと?」
そこで僕は、馬小屋の男の人が現れて、僕を助けてくれたことを知った。
「そんなことがあったんだね」
嬉しくて、胸がドキドキした。あの人の真剣な目を想像したら、急に、顔が熱くなった。
「彼は、今どこに?」
「呼び止めたんですが、どこかへ消えてしまいました」
「そっか……」
お礼が言いたい。僕の、命の恩人なのだから。僕はベッドから起きあがった。
「ダメですよ、まだ安静にしていなくては」
あちこち痛くてフラフラしたけど、大丈夫。会って、お礼が言いたい。すぐにでも。
「もう平気だよ」
彼はまだ、あそこにいてくれるだろうか。
「まさか、お出かけになるおつもりですか」
いけませんいけません、と、僕はベッドに押し戻されてしまった。
「ええ~、もう大丈夫だってば」
ホクトくんとメアリは心配してくれるけど、病気でもないのに寝ているなんてできなかった。
「死にかけたんですよ? 呼吸だって止まったくらいで」
「息ならもう、できてるもの」
僕はすーはーと深呼吸してみせた。
「安静にするようにって、例のカエル男も言ってましたよ」
メアリったら、僕の命の恩人をカエル男だなんて酷い呼び方して。
でも、あの人がそう言うなら、大人しくしてようかな。僕は仕方なくベッドに横になった。
ホクトくんは、そんな僕をにらんだ。
「あの男の言うことには従うんですね」
「え?」
言うこと聞いたのににらむのはなぜ……。
「とりあえず朝食を召し上がってくださいな。外出は様子を見て、ね」
メアリと入れ替わりに、マフが部屋に入ってきた。僕の朝食を、わざわざベッドまではこんできてくれたんだ。
「坊ちゃん……あっしはとんでもねえことを」
マフは涙を流していた。
「マフは、僕を坊ちゃんって呼んでくれるんだね。どうして?」
僕は微笑まずにはいられなかった。
「木苺で倒れたってことは、僕は『奥様』なんでしょう」
マフはいよいよ泣き出した。そんなに涙をこぼしたら、スープがしょっぱくなっちゃうんじゃないかと僕はハラハラした。
「泣かないでマフ。僕の言うことが本当かどうか、確かめてくれようとしたんだよね。僕、その気持ちが嬉しいよ」
「でも、結局は……」
「うん。僕の体は、ザクロさんそのものみたいだね」
木苺で倒れた僕は、自分がザクロさんであることを証明したようなものだった。
「でもね、僕はザクロさんのことを何も知らないの。たとえ体はザクロさんそのものであっても。頭の中身は『僕』なんだもの」
僕のベットに腰掛けてむっつり黙っていたホクトくんが、不意に大きなため息をついた。
「ほら、冷めてしまいますよ」
そう言うなりスプーンでスープを掬って、僕の口元に差し出してきた。
「あーんして」
「えっ」
仏頂面でいきなりそんなことをするから、僕は笑ってしまった。
「一人で食べれるよ」
僕がスープを飲む間、マフとホクトくんはどこへも行かず、黙って僕を見守っていた。それぞれに、色々と思うところはあるんだろう。誰も口を聞かなかった。
美味しいよ、とか、二人は食べないの? とか会話を試みたんだけど、二人は頷くだけだった。
「ごちそうさまでした!」
マフは微笑むと、お皿を持って厨房へと下がっていった。
「さて、もう出かけてもいいでしょ?」
グチャグチャな髪のまま、上着も着ずに外に出ようとしたら、ホクトくんに叱られてしまった。
「いい大人なんですから。少なくとも、見た目はちゃんとしてください」
ホクトくんは僕の、というか、ザクロさんの長い髪を丁寧に櫛でとかし、器用に結い上げてくれた。
「そのドレスも、着替えてください。袖が破れてますよ」
僕はハッとした。そういえば、袖を裂いてあの人の止血に使ってしまったんだ。ホクトくんは何か感付いてしまっただろうか。
僕が袖に気を取られていると、背中の留め紐がするっと緩んだ。あっと思う間もなく、僕の肩からドレスが滑り落ちた。
「ちょ、ちょちょちょホクトくん!」
僕はびっくりしてホクトくんを振り返った。ホクトくんは、ザクロさんの裸を見てもなんとも思わないのか、真顔で僕を見ている。
僕はといえば、なんだかすっかりザクロさんの気持ちになってしまっていて、慌ててドレスを胸で押さえた。
「待って、着替えなら一人でできるから!」
だけどホクトくんは、僕の腕を掴むと、問答無用でドレスを脱がせてしまった。ザクロさんのドレスはコルセットを必要としない。ドレスを脱げば、薄い絹の下着一枚だ。
まじまじ見るのはザクロさんになんだか申し訳なくて、僕は自分の身体からは目を逸らし、ホクトくんの顔だけを見ていた。怖い顔ではなかった。
ホクトくんは指で、僕の左腕をする、と撫でた。くすぐったくて、うっとなる。
「その、腕の傷……」
「え?」
ホクトくんに言われて初めて、ザクロさんの腕の内側に、ナイフで切ったような傷痕があることに気が付いた。
「あれ、なんだろうこれ」
「何も、覚えていませんか?」
僕はこくりと頷く。すると、ホクトくんは自分のシャツの腕をまくって見せた。
「これも?」
ホクトくんの左腕にも、同じような傷跡が残っていた。昨日、ホクトくんが眠っている時に見た傷跡だ。
「何か、大事な意味があったの……かな」
僕にはそれしか言えなかった。
「月下の契り」を連想したけど、それがホクトくんとザクロさんの間で交わされていたなんて考えにくかった。だって、二人は恋人ではなく、親子だもの。
「とぼけるんですか」
ホクトくんは掠れ声で言った。
「違うよ、本当に分からないの」
ホクトくんにとっては、ザクロさんに忘れてほしくないこと、何か意味があることだったのかもしれない。
「ごめん、ホクトくん。僕は、ザクロさんのことを何も知らないんだ」
「そう」
ホクトくんはそっけなく言うと、僕の腕から手を離して、部屋を出ていってしまった。
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