75 / 171
第2章 はぐれ梁山泊極端派Ⅱ【○○始めました……!?】
第74話 トップランカー、続々登場!?
しおりを挟む「ミ、ミスター……?」
「何よ! 文句あるの?」
「見るからにミスターではないんですけど?」
「ち、違うの! これは人の目を攪乱する為であって……決してウソではない! 女装よ!」
「設定が破綻しまくりじゃねえか。」
うわぁ……。無茶なウソをついている。ウソにウソを重ねてワケがわからなくなっている。ファルの言うように設定が破綻しているみたいな感じか。でもわかるよ。俺も正体を誤魔化してた時があるし。
「その割には声まで女装してるでヤンス。そんな可愛い声出すにはどうしたらいいんでヤンスかぁ?」
「こ、声は……まだ、声変わりしてないだけだから! これでもまだ未成年なんで!」
「これでもっていうか、未成年にしか見えんぞ。」
ファルは相変わらず冷めたテンションで突っ込む。俺とタニシは可愛いボケに付き合ってやってるってのに。未成年だから声変わりしてない、ってか?なんか色々おかしい。声が変わったからって成人になるわけではないんだが? なんかその辺の知識がおかしいところにも性別を偽ってる感が物凄く出ている。ホントに男だったらそんなおかしな発言しないっつーの!
「ホントに出来るんなら、あっしも声変わりを止めて、美少女ボイスを出したいでヤンしゅ!」
「だから、男だって言ってるでしょうが!」
出た! タニシの便乗ボケが炸裂した。しかも変態感丸出しである。というかそんな声になったら、お前の姉と区別がつかなくなる可能性が高いからやめろ! って言っても魔法でも使わん限り無理っていうか、某銀色仮面のヘルメットの原理を使えば可能な気がする。
「おうおう! ミスターX! こんな日に出くわすとはどういう風の吹き回しかな?」
「そ、その声は……この世の如何なる甘い物を略奪したかのように食い尽くす事で知られる、スイーツ親分!?」
「す、スイーツ親分!?」
ミスター?Xとやりあっている内に如何にも山賊みたいなゴツいオッサンが絡んできた。ミスター?はウソみたいな名前で呼んでいるが……たしかに掲示板には三位の所にスイーツ親分表記がある。なんか変な名前にするのが流行っているんだろうか?
「ちょうど良い機会だ。ここで会ったが百年目、決着を付けようじゃないか!」
「望む所よ!」
「ちょいと! お待ちなさいな、お二人さん!」
「そ、その声は……幾度も絶壁を平らげた事で知られる、ゼッペキーノ婦人!?」
「なんだよ、その名前は!」
またしても割り込んできた人物がいた。見るからに貴族っぽい出で立ちの中年女性だった。その名もゼッペキーノ婦人! なんじゃそれ! ちなみに順位は二位のようです。
「オホホ、ミスターX、今日貴女に勝利して一位の座を明け渡してもらいますわよ! 真の女王はワタクシだということを思い知らせてあげますわ!」
「望む所よ!」
望むんですか? チャンピオンの座を奪われるんですよ、ミスター? 意味もわからずノリで通そうとしているのが良くわかる。これで三位までのランカーがそろい踏みになったというワケか。あと載ってるのは四位の人だけとなるが……。
「待て待て、貴殿ら! 余の存在を忘れたとは言わせぬぞ!」
「その声は……通り過ぎた後には甘い物が一切消滅すると恐れられる、デザート・ロンメル将軍!?」
「今度は将軍かよ……。」
これまたイカツイのが出てきた。全身鎧を来た将軍風の男がデザート・ロンメルの正体だった。スイーツ親分とも十分張り合える迫力の持ち主だ。なんかヘンなのがいっぱい出てきたな。一体、どうなるんだろう? 俺らは完全に置いてきぼりになってしまっている。主役は俺らなんだけどな?
「あ、あの? ご注文は確定でよろしいですか? 皆さん、お揃いでチャレンジなさるんですね?」
「もちろん!」
「望む所だ!」
「チャレンジ上等であそばせ!」
「無論、攻略するつもりである!」
「わ、私も参加させて頂きます。」
みんな参加を表明し、メイちゃんも遠慮がちに手を上げて参加表明している。店員はオーダーを持って厨房の方へとすっ飛んでいった。こんなに参加者がいて、プリンの数は足りるんだろうか?
「新入りさん? あなたリングネームは何にするの?」
「え? えーと? 私は……、」
リングネームて……。武術大会とかじゃないんだから、それはおかしいでしょ! まあいいや、みんな匿名で参加するのが定番となっているということなんだろう。さて、メイちゃんは何にするんだろう?
「決めかねているんだったら、私が直感で考えてあげようか? 我が宿命のライバルになりそうな予感がするし?」
「そんな滅相もありません。わざわざ考えてもらうほどの者でもないので……。飛び入りの参加みたいなものですから……。」
「まあまあ、遠慮しないで! じゃあ、何にしようかな?」
メイちゃんは遠慮しようとしているが、半ば強引にミスター?は決めようとしている。なんか宗教とかの強引な勧誘みたいな感じだ。というか、メイちゃんの職業はは神官じゃないか……。
「じゃあ、見た目からとって、“マルマル子ちゃん”なんでどうかな?」
「じゃ、じゃあそれでお願いします。」
ちょっと待て! 失礼すぎるだろ! コンプライアンス違反だ! 確かに見た目はマルマルとしてるかもしれないけど、ストレート過ぎるでしょうが!
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

【完結】おじいちゃんは元勇者
三園 七詩
ファンタジー
元勇者のおじいさんに拾われた子供の話…
親に捨てられ、周りからも見放され生きる事をあきらめた子供の前に国から追放された元勇者のおじいさんが現れる。
エイトを息子のように可愛がり…いつしか子供は強くなり過ぎてしまっていた…
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

強奪系触手おじさん
兎屋亀吉
ファンタジー
【肉棒術】という卑猥なスキルを授かってしまったゆえに皆の笑い者として40年間生きてきたおじさんは、ある日ダンジョンで気持ち悪い触手を拾う。後に【神の触腕】という寄生型の神器だと判明するそれは、その気持ち悪い見た目に反してとんでもない力を秘めていた。

男女比が1対100だったり貞操概念が逆転した世界にいますが会社員してます
neru
ファンタジー
30を過ぎた松田 茂人(まつだ しげひと )は男女比が1対100だったり貞操概念が逆転した世界にひょんなことから転移してしまう。
松本は新しい世界で会社員となり働くこととなる。
ちなみに、新しい世界の女性は全員高身長、美形だ。

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる