【第3部】勇者参上!!~究極奥義で異次元移動まで出来るようになった俺は色んな勢力から狙われる!!~

Bonzaebon

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第1章 第2幕 はぐれ梁山泊極端派Ⅱ【学院編D・L・C】

第70話 次の活躍をご期待下さい!

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「うん。素敵よ。凄く良くなったと思う。ありがとう。」


 この前の戦いでリュクルゴスは破壊されてしまった。その修理が終わったということで、ミヤコちゃんから受け取り、軽く素振りをしたりして調子を確かめていた。


「時間はいっぱいあったから色々試行錯誤してみたんだ! ちょっとした防具としての機能も付け加えてみた!」


 あの時は切羽詰まった状況で、私や先生の傷を治すか、武器を修理するかで色々ミヤコちゃんは葛藤に駆られたらしい。仕方なしに先生の槍を修理しようとしたところで、あのグレートと名乗る勇者が現れた。


《おかげで我は散々いじり回されたと言う事実を主に申告しておく。今後、このような扱いを受けるのは勘弁してもらいたい。》


 私の武器、リュクルゴスは意志を持った半分魔法生物の様な存在だ。ある程度の損傷、凹み、折れ曲がり程度なら自力で修復できる。この前のように全体が砕けてしまうと自力では不可能になるらしい。 


「何言ってんの! アンタ、武器のクセに主張強すぎなの! 文句ばっか言ってくるから、作業が全然進まなかったし!」


 そこでミヤコちゃんの手が入ることになった。とはいえ、修理前に彼がイジられるのを拒んでミヤコちゃんと喧嘩になってしまった。私は二人の仲裁に入って、説得をしてやっと修理させてもらえる様になった。それだけでも一週間くらいかかった。


《この娘は色々とんでもない。我に余分な機能を付加しようとしてくるのだ。元々、我は完成された武具だというのに。》


 元は牛の魔王ゴズ・バールの武器だったのだから仕方のないことだけど、おかげで彼には色々助けられる事も多かった。今回、破壊されたのも、彼が身を挺して私を助けてくれたからだった。


「ゴチャゴチャ言うな! エルるんを守りたいんだったら機能拡張しないといけないの! そんなんだから、この前みたいに粉々にされちゃうんだよ!」


 トウテツに砕かれ、彼の命が失われてしまったものかと冷や冷やしたけれど、無事だった。小型のコアとも言うべきセルが破壊されない限りは、粉々になっても修復可能らしい。


「一回、新機能を試してみよっか? “フェーズオブディフェンス”って言ってみて!」

「……フェーズオブディフェンス!」


 ミヤコちゃんの言うとおり私は指定された言葉を言ってみた。するとリュクルゴスは手元から私の体のあちこちに分散し形を変えた。自分の体を見回してみると、サークレット、胸当て、手甲、すね当てといった防具へと変化していた。


「どう? これで防御にも対応出来るようになったよ!」

「リュクルゴスが防具に……。でも武器としては使えなくなったんじゃ……?」

「大丈夫だよ。その小手の部分の突起を引っ張ってみて。」


 左肘を見てみると不自然な突起が突き出ていた。まるで武器の持ち手みたいな形をしている。それを引き抜いてみると、本当に剣の柄の様なものとして手に取ることが出来た。刃は付いていないけれどいつも通りに闇の魔力を集中してみると、闇色の刃が展開した。


「ね? 元の状態よりも小さい武器にはなるけど、この形態フォームでも戦える!」

「でも……剣だよ、これ。私、剣術は使えないんだけど……?」

「大丈夫! アホゆーしゃの真似事をすると思えば出来ると思うよ!」

「はは……。“勇気の共有”の力を使えと言う事ね。頑張ってみるわ。」

「いっそのこと、アイツの事なんか追い抜いちゃえばいいんだよ! あんなアホがいなくてもなんとかなるって証明しちゃえばいいよ!」


 まさか、ロアと同じ剣術を使うことになると思わなかった。“勇気の共有”で多少は補えるとは思えるけれど、あくまで緊急の手段ということにしておきたい。あまり彼のお株を奪うようなことはしたくないし。


「あとね、それ、引き抜かなくても小手に入れた状態でも刃を出すことは出来る。咄嗟の時はそのまま敵を刺す事も出来るからね。もう一つ面白い機能があって、両方の柄をつなげてみて!」


 言われた通りにもう一つも引き抜き、それぞれの後ろの方を合わせてつなげてみた。つなげると同時にそれは一体化して短めの槍みたいな形になった。


「こんな感じで槍としても使えるよ。両端から刃を出して、両刃剣ツインブレードにもなる! これで色んな戦い方が出来るんだよ!」

「私に使いこなせるかなぁ……?」

「大丈夫、大丈夫! エルるんは器用だからすぐに使いこなせるよ!」


 難しそうだけど、まだ学院での生活は続くから練習しておこう。そうすれば、ロアの補助をするのに役立ちそう。彼の背中を護れるのは私だけ。ファルさんに負けたくないからね。
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