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第1章 第1幕 はぐれ梁山泊極端派Ⅱ【OK牧場の死闘】
第4話 謎の目撃証言
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「僕らコボルトって色々いるんだジョ。小さい種族とか大きい種族まで、細いのとかズングリしたのだとか。」
コボルトにはいろんな種族がいるらしい。大きい十八歳にビックリしていたらピエール君が解説してくれた。タニシはシヴァーヌ族、ピエール君はコォギィ族であるそうだ。さっきの店員さんはバァナード族と言われているらしい。割と大柄なコボルトは他にもいるそうだ。小柄な種族なんかは大人でも人間の赤ん坊程度の大きさしかないようだ。
「逆に僕らからしたら、ドワーフとかエルフとか、みんな一緒にしか見えないんだジョ。」
この国の人達から俺と侍が東洋人として一緒くたに見られているのと似たような感じか。
「私達、そんな風に見られてたんですね。ドワーフの男の人なんてヒゲ生やした人ばっかりだから、見分け付かないと思います。私達ドワーフ女性ですら見分け付けられないですもん。」
「言われてみればそうだよな。オレらエルフは肌の色、ライトかダークくらいしかないな。」
なるほど。色々種族ごとに見えてる世界が違うんだな。いつものメンバーならタニシ以外はみんな人間だった。今回はメンバーそれぞれ違う種族だ。これが多様性というヤツか?
「皆様、ウェルカム・ミルクでございま~ス! 牧場でとれた新鮮なミルクをご賞味くださ~いでス!」
ホテルのVIPルームに案内され席に着いたところで、また新手の従業員が現れた。甲高い声を発しながら飲み物を持ってきた。この人も容姿が個性的だ。異様に動体が長く、手足が短い。ピエール君もその傾向があるが。この人はもっとだった。この姿が気になって飲み物の事が頭に入ってこない。
「プハーッ! さすがにウマイでヤンスなぁ! 思い出の味、心が洗われるでヤンスぅ!」
タニシは血相を変えてミルクの入ったコップをふんだくり、一気に飲み干した。飲んだ瞬間からテンションが元通りになりショック状態から回復した! まるでゴッツン・ゴーを飲んだときみたいだ。
「昔より更にうまくなったんだジョ。改良に改良を重ねて、改良を重ねたからおいしくなったんだジョ!」
改良に改良を重ねた? 牛乳にどうやって改良を加えるというのか? 加えた時点で牛乳とは言えないような……? じゃあ牛に改良を? いやいや、それは牛と言えるんだろうか? 牛ではない何か、それでは牛乳とは言わずに○乳となってしまうではないか!
「お前、何ブツブツい言ってるんだ?」
「なんで俺の心を読めるんだ!」
「声が漏れ出てるんだが?」
「ハズカシー!? でもだって、改良の改良の事が気になって……。」
「うちの牛はゴッツン・ゴーを飲ませて育ててるんだジョ。ただそれだけだジョ。」
ええ! 衝撃の事実が発覚した! 改良の改良の正体がゴッツンを飲ませる事だったとは!でも飲ませるだけの事を改良と呼べるんだろうか? 牛の食生活を変えただけじゃないか……。表現を盛りすぎだろ。
「ウェルカム・ミルクを堪能してもらったところで、本題に入りますジョ。」
ゆっくりと落ち着ける場所に到着したところで例の事件の説明が始まろうとしていた。とりあえずミルクを一口飲み、話を聞く姿勢をとった。飲んだ後から心が高揚してくる様な気がする。やっぱゴッツンの影響がミルクにも現れているんだろうか?
「先に話したとおり、たくさんの家畜動物が行方不明になっているんだジョ。ついには捜査中の冒険者まで行方不明になってしまったんだジョ。」
情報としてはもうそれで大体出きってしまったんじゃないかとも思う。わざわざ建物に入るまでもったいぶっていたのは外では話せない何かがあるからなのかもしれない。
「証拠とか痕跡は全く残っていなかったけど、気になる証言があるんだジョ。不審な人物とか幽霊みたいなものが目撃されているんだジョ!」
「で、出た!? しょぎゃわーーーん!? キュウッ!?」
幽霊という単語を聞いた途端、タニシは悲鳴を上げてぶっ倒れた。ピエール君はまだ何も内容を話していないのだが。
「相変わらず、タニシ君、オバケ嫌いなんだジョ。オバケかもしれないってだけなのに……。」
「で? その幽霊みたいなヤツってのは何?」
「黒いコボルトの影を目撃している人が多いんですジョ。正体を確かめようとして近付いたら消えてしまうんだジョ。だから幽霊なのかもってみんな言ってるんだジョ。」
黒いコボルト? 何か関係あるんだろうか? 当人が何も言わずに姿を消すだけだったら、幽霊かもしれないとか言われても仕方ないよな。
「似たような住人はこの辺にはいないわけ?」
「いないんだジョ。だからこそ怪しいんだジョ。強いて上げるなら、タニシ君が一番似てるんだジョ。」
「しょぎゃわーーーん!? あっしはいつの間にか死んで、お化けになっていたんでヤンス!?」
「違うだろ。」
「黒いシヴァーヌ族ってだけだジョ。」
タニシそっくりの謎の黒い犬人。一体何者なんだろうか? 事件の謎はそれの調査から始めた方が良さそうだ。実はタニシの遠い親戚とかしょうもないオチではない事を祈ろう……。
コボルトにはいろんな種族がいるらしい。大きい十八歳にビックリしていたらピエール君が解説してくれた。タニシはシヴァーヌ族、ピエール君はコォギィ族であるそうだ。さっきの店員さんはバァナード族と言われているらしい。割と大柄なコボルトは他にもいるそうだ。小柄な種族なんかは大人でも人間の赤ん坊程度の大きさしかないようだ。
「逆に僕らからしたら、ドワーフとかエルフとか、みんな一緒にしか見えないんだジョ。」
この国の人達から俺と侍が東洋人として一緒くたに見られているのと似たような感じか。
「私達、そんな風に見られてたんですね。ドワーフの男の人なんてヒゲ生やした人ばっかりだから、見分け付かないと思います。私達ドワーフ女性ですら見分け付けられないですもん。」
「言われてみればそうだよな。オレらエルフは肌の色、ライトかダークくらいしかないな。」
なるほど。色々種族ごとに見えてる世界が違うんだな。いつものメンバーならタニシ以外はみんな人間だった。今回はメンバーそれぞれ違う種族だ。これが多様性というヤツか?
「皆様、ウェルカム・ミルクでございま~ス! 牧場でとれた新鮮なミルクをご賞味くださ~いでス!」
ホテルのVIPルームに案内され席に着いたところで、また新手の従業員が現れた。甲高い声を発しながら飲み物を持ってきた。この人も容姿が個性的だ。異様に動体が長く、手足が短い。ピエール君もその傾向があるが。この人はもっとだった。この姿が気になって飲み物の事が頭に入ってこない。
「プハーッ! さすがにウマイでヤンスなぁ! 思い出の味、心が洗われるでヤンスぅ!」
タニシは血相を変えてミルクの入ったコップをふんだくり、一気に飲み干した。飲んだ瞬間からテンションが元通りになりショック状態から回復した! まるでゴッツン・ゴーを飲んだときみたいだ。
「昔より更にうまくなったんだジョ。改良に改良を重ねて、改良を重ねたからおいしくなったんだジョ!」
改良に改良を重ねた? 牛乳にどうやって改良を加えるというのか? 加えた時点で牛乳とは言えないような……? じゃあ牛に改良を? いやいや、それは牛と言えるんだろうか? 牛ではない何か、それでは牛乳とは言わずに○乳となってしまうではないか!
「お前、何ブツブツい言ってるんだ?」
「なんで俺の心を読めるんだ!」
「声が漏れ出てるんだが?」
「ハズカシー!? でもだって、改良の改良の事が気になって……。」
「うちの牛はゴッツン・ゴーを飲ませて育ててるんだジョ。ただそれだけだジョ。」
ええ! 衝撃の事実が発覚した! 改良の改良の正体がゴッツンを飲ませる事だったとは!でも飲ませるだけの事を改良と呼べるんだろうか? 牛の食生活を変えただけじゃないか……。表現を盛りすぎだろ。
「ウェルカム・ミルクを堪能してもらったところで、本題に入りますジョ。」
ゆっくりと落ち着ける場所に到着したところで例の事件の説明が始まろうとしていた。とりあえずミルクを一口飲み、話を聞く姿勢をとった。飲んだ後から心が高揚してくる様な気がする。やっぱゴッツンの影響がミルクにも現れているんだろうか?
「先に話したとおり、たくさんの家畜動物が行方不明になっているんだジョ。ついには捜査中の冒険者まで行方不明になってしまったんだジョ。」
情報としてはもうそれで大体出きってしまったんじゃないかとも思う。わざわざ建物に入るまでもったいぶっていたのは外では話せない何かがあるからなのかもしれない。
「証拠とか痕跡は全く残っていなかったけど、気になる証言があるんだジョ。不審な人物とか幽霊みたいなものが目撃されているんだジョ!」
「で、出た!? しょぎゃわーーーん!? キュウッ!?」
幽霊という単語を聞いた途端、タニシは悲鳴を上げてぶっ倒れた。ピエール君はまだ何も内容を話していないのだが。
「相変わらず、タニシ君、オバケ嫌いなんだジョ。オバケかもしれないってだけなのに……。」
「で? その幽霊みたいなヤツってのは何?」
「黒いコボルトの影を目撃している人が多いんですジョ。正体を確かめようとして近付いたら消えてしまうんだジョ。だから幽霊なのかもってみんな言ってるんだジョ。」
黒いコボルト? 何か関係あるんだろうか? 当人が何も言わずに姿を消すだけだったら、幽霊かもしれないとか言われても仕方ないよな。
「似たような住人はこの辺にはいないわけ?」
「いないんだジョ。だからこそ怪しいんだジョ。強いて上げるなら、タニシ君が一番似てるんだジョ。」
「しょぎゃわーーーん!? あっしはいつの間にか死んで、お化けになっていたんでヤンス!?」
「違うだろ。」
「黒いシヴァーヌ族ってだけだジョ。」
タニシそっくりの謎の黒い犬人。一体何者なんだろうか? 事件の謎はそれの調査から始めた方が良さそうだ。実はタニシの遠い親戚とかしょうもないオチではない事を祈ろう……。
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