【第2部完結】勇者参上!!~究極奥義を取得した俺は来た技全部跳ね返す!究極術式?十字剣?最強魔王?全部まとめてかかってこいや!!~

Bonzaebon

文字の大きさ
上 下
322 / 331
第3章 第3幕 はぐれ梁山泊極端派【絶望と憎しみと学園モノ……と大戦争!?】

第322話 消息不明……!?

しおりを挟む

 学長との決着が付いた翌日、気になっていたことを確かめに行った。ゲイリーの件だ。アイツはタルカスに拉致され消息不明だった。ロッヒェンから戦死したと聞いていたんだが、とある人物から生きている可能性を教えてもらった。半信半疑だったが、ヘイゼルと共に避難所を襲撃しに来たらしい。タルカスに洗脳されていたようだ。


「確かにここで死んじゃったんだよ。」

「血の跡が生々しいな……。」


 ヤツの最後を目撃したミヤコに案内され、現場までやってきた。そこには血の跡、地面に染みついた血だけが残っていた。ヤツの死後、遺体の回収のために人を呼びに行って戻ってきたら、遺体が消えていたそうだ。実は死んでいなかったなんて事を言ったら、それはミヤコに否定された。


「エピオンに真っ二つにされたんだよ。縦に真っ二つ! これで生きてたら、もう人間じゃないよ!」

「まじか!? アイツを真っ二つに出来たのは大したもんだ。そこまでしないと勝てないと悟ったからだろうな。」


 避難所に危機が訪れた時に現れたのがエピオンとオプティマだったらしい。経緯は良くわからんが、タルカス側と交戦する事になったようだ。ヘイゼルが伏兵を大量に起動させた時点で魔獣軍団がやってきて大乱戦状態なった。それを尻目に、エピオンが周辺各所に現れたゴーレム達をバッサバッサ倒しまくっていたそうな。その途中でゲイリーが乱入してきてエピオンと交戦する事になったらしい。この話聞いてるとどっちが敵か味方なのかこんがらがってくる。


「エピオンのヤツが加勢してくれるとは。その相手として現れたのが、あのゲイリーだったのは皮肉な話だな。」

「あのゴリラ、性格がちょっと変わってたような気がする。洗脳されてるっていうよりは、別人になってた感じだよ。あと、魔王がどうとかっていう話もしてような気がする。」


 魔王の話? ヤツがそんな話をしていたとは。そもそもアイツには魔王のスパイ疑惑が持ち上がっている。いや、人間ですらないのかもしれない。異様な性格、異様な生命力、異様な能力。それら全てが人ではない何かであれば、全て合点がいく。そんなヤツだった。生存説を唱えていたあの人の話も本当なのでは、と思いたくもなる。


「あのさ……お前、都市伝説って、どう思う?」

「お前って言うな! 都市伝説? 別に何とも思ってないけど? 怪談とかと同じようなもんでしょ。嘘かホントかワカンナイんだし。信じるか信じないか、なんて半々でしょ。」

「ゲイリーのヤツがホムンクルスだった、何て聞いたら信じるか?」

「……は!?」


 こいつ何言ってんの的な顔をするミヤコ。俺ですら半信半疑な話なのに、コイツが俺の話を信じるはずないか。そもそもホムンクルスという単語も知らないかもしれない。俺も知らなかったし。


「知らないか? ホムンクルス?」

「知ってる。人造人間でしょ? 魔術師が禁断の秘術を使って作るとかいうヤツ。」

「知ってたのかよ!」

「知ってるよそれくらい。アンタみたいにアホじゃないのよ。」

「アホで悪かったな。」


 言葉自体は一般人でも知っているレベルか。実在はしてないが、昔話とかに出てきたりするのかもしれない。俺が知らないだけで。


「でも、真っ二つになったのにいなくなってたんだろ? 生きていたから、こっそりこの場を離れて行方をくらましたのかもしれない。」

「まさか。誰かが来て、死体を回収したんでしょ?」

「誰が?」

「あの臭い変態さんとか。」


 死体……ということはオプティマが回収した可能性もある。アンデッドモンスターを作るために、という可能性はある。当時も死体の巨人を召喚して戦わせてたとも聞いた。


「アレ、臭かったよ。あんなの作ってても平気なんだし、新しいの作るのに持っていったんでしょ。」

「その可能性の方が高いか……。」


 ゲイリーを倒した後、エピオンとオプティマはどこに行ったのかはわからないらしい。ゴーレムを殲滅するまで戦ってはいたそうだが、事態が収束した後は姿を現さなかったらしい。主のヴァルと共に根城に帰ったのかもしれない。


「もういいんじゃない? どこに行ったのかわからないなら、探しようがないじゃない。生きてたら戻ってくるでしょ。」

「うん、まあ、そうだな。ゲイリーの捜索は一旦打ち切るとしよう。他にもやることはあるしな。復興が最優先だ。」


 オプティマに回収されたか、魔王側に回収されたかで、大分違いは出てくるが、調べてもわからないなら諦めるしかない。情報が入ってくるのを待つ事にしよう。……ん? なにか紙切れが落ちているな? なんだろう?


『これにて、ドロン! なんちて! タイプ108、これより帰投する!』


 妙なことが書いてある。意味不明だ。だが、なんだろう? なにか背筋にゾッとするような感覚が走った気がする。なんだろう……? 何かこれと似たような話を誰かから聞いたような気がする。誰が言ってたっけ?
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

クラス転移したからクラスの奴に復讐します

wrath
ファンタジー
俺こと灞熾蘑 煌羈はクラスでいじめられていた。 ある日、突然クラスが光輝き俺のいる3年1組は異世界へと召喚されることになった。 だが、俺はそこへ転移する前に神様にお呼ばれし……。 クラスの奴らよりも強くなった俺はクラスの奴らに復讐します。 まだまだ未熟者なので誤字脱字が多いと思いますが長〜い目で見守ってください。 閑話の時系列がおかしいんじゃない?やこの漢字間違ってるよね?など、ところどころにおかしい点がありましたら気軽にコメントで教えてください。 追伸、 雫ストーリーを別で作りました。雫が亡くなる瞬間の心情や死んだ後の天国でのお話を書いてます。 気になった方は是非読んでみてください。

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生

野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。 普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。 そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。 そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。 そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。 うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。 いずれは王となるのも夢ではないかも!? ◇世界観的に命の価値は軽いです◇ カクヨムでも同タイトルで掲載しています。

【完結】蓬莱の鏡〜若返ったおっさんが異世界転移して狐人に救われてから色々とありまして〜

月城 亜希人
ファンタジー
二〇二一年初夏六月末早朝。 蝉の声で目覚めたカガミ・ユーゴは加齢で衰えた体の痛みに苦しみながら瞼を上げる。待っていたのは虚構のような現実。 呼吸をする度にコポコポとまるで水中にいるかのような泡が生じ、天井へと向かっていく。 泡を追って視線を上げた先には水面らしきものがあった。 ユーゴは逡巡しながらも水面に手を伸ばすのだが――。 おっさん若返り異世界ファンタジーです。

無限に進化を続けて最強に至る

お寿司食べたい
ファンタジー
突然、居眠り運転をしているトラックに轢かれて異世界に転生した春風 宝。そこで女神からもらった特典は「倒したモンスターの力を奪って無限に強くなる」だった。 ※よくある転生ものです。良ければ読んでください。 不定期更新 初作 小説家になろうでも投稿してます。 文章力がないので悪しからず。優しくアドバイスしてください。 改稿したので、しばらくしたら消します

俺が死んでから始まる物語

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていたポーター(荷物運び)のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことは自分でも解っていた。 だが、それでもセレスはパーティに残りたかったので土下座までしてリヒトに情けなくもしがみついた。 余りにしつこいセレスに頭に来たリヒトはつい剣の柄でセレスを殴った…そして、セレスは亡くなった。 そこからこの話は始まる。 セレスには誰にも言った事が無い『秘密』があり、その秘密のせいで、死ぬことは怖く無かった…死から始まるファンタジー此処に開幕

何故か超絶美少女に嫌われる日常

やまたけ
青春
K市内一と言われる超絶美少女の高校三年生柊美久。そして同じ高校三年生の武智悠斗は、何故か彼女に絡まれ疎まれる。何をしたのか覚えがないが、とにかく何かと文句を言われる毎日。だが、それでも彼女に歯向かえない事情があるようで……。疋田美里という、主人公がバイト先で知り合った可愛い女子高生。彼女の存在がより一層、この物語を複雑化させていくようで。 しょっぱなヒロインから嫌われるという、ちょっとひねくれた恋愛小説。

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~

いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。 他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。 「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。 しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。 1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化! 自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働! 「転移者が世界を良くする?」 「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」 追放された少年の第2の人生が、始まる――! ※本作品は他サイト様でも掲載中です。

処理中です...