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第3章 第3幕 はぐれ梁山泊極端派【絶望と憎しみと学園モノ……と大戦争!?】
第309話 アストラル・ボディ
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「肉体が滅んだら……、ってそれ、死んだことと同じ
「肉体が滅んだら……、ってそれ、死んだことと同じなんじゃね? もういい加減、屁理屈はやめてくんないかな、学長さんよ?」
目の前には学長の死体が転がっている。ただ単に死んでるわけじゃない。四肢は切り落とされ、首も胴体から離れている。誰がどう見ても死んでいる。これ生きてるんなら、ゾンビとかと同じアンデッドだ。
「お前はもう死んでいる!」
「だから本人は死んでないって言ってるだろうが!」
「両手両足を斬り、頭を体から切断した。あと経絡秘孔のなんとかを突いた。お前は後、十秒後に死ぬ!」
「普通は十秒経たなくても生きられないと思うけど……。けいらくひこうっていうのは何?」
ファルとエルは俺にツッコミを入れてくる。学長が死なない事へのノリツッコミなんだから、それを潰すのはやめて欲しい。
「本人がもったいぶるから、俺がこの男の秘密を暴露してやる。コイツはな子孫の体に乗り移って、千年以上も生き続けてやがるんだ! この体は俺の直接の親父の体であって、ヤツ自身の体ではないんだ!」
「ま、まじで!?」
学長から感じる得体の知れない気配の正体はこれか! 何かが乗り移ったような気配というか、体からはみ出すようなおぞましいほどの威圧感はそれが原因だったのか。
「元々、エルフって寿命長くなかったっけ? どうしてそんなことをする必要が?」
「知るかよ。本人に聞いてみな。」
エルフ族は人型種族としては長命で、人間のほぼ倍の寿命だそうだ。古代人の血を濃く引き継いでいるからと聞いたことがある。それだけ長くても物足りなかったのいうか? 強欲すぎだろ。
「次のスペアは代々Aの一族から選出される。当然、俺もこの男のスペアボディの候補だったというわけだ。家を出奔して台無しにしてやったがな!」
「勘違いするな。もうこれからはスペアボディに魂を移す必要がなくなったのだよ。だから、貴様は不要となったのだ。私の研究は完成に至った。物理的な肉体から解き放たれたのだ。」
学長の言っている意味が理解できない。体は必要なくなった? 物理的な肉体から解き放たれた? だとすれば何を手に入れたのだろう?体がないなら、幽霊と一緒じゃないか!
「……アストラル・ボディ。」
「え? ファル、今なんて?」
「魔法力を物質に変化させる魔術、アストラル・ファクト。それで新たな体を作ったってところだろうよ。」
魔法で体を作っただと? それってある意味ゴーレムと同じじゃないかよ! タルカスをあれだけ小馬鹿にして失敗作呼ばわりしていたヤツがそんな手段を用いるなんて! 笑わせんなよ!
「私に対して怒りを感じているのかね? それはお門違いだ。私は風その物になったのだ。これはある意味、神となったも同意。私は嵐の王となったのだ。」
風が一層強まり、一カ所に集まるように吹き込み始めた。それが……人の姿を為している様に見える。き、気のせいだよな? そんな風に見えるだけと……思いたい。
「これが私の新たなる姿だ。風その物となった私にとっては、意のままに風は愚か、嵐すら思い通りに操れるのだ。」
風その物が敵? 今まで相手にしてきた連中とは毛色が違いすぎる。形を持たない、風という現象その物が敵だなんて、想像を遙かに超えている!
「私は不本意なのだよ。ここまで大げさな事態にせずとも、世直しは行えたはずなのだ。貴様らが悪あがきに悪あがきを重ねた結果がこれなのだ! 貴様らが愚かすぎるからいけないのだよ! 私はこのまま人類を抹殺する羽目になった。貴様らがそうさせたのだ! 罪深き者どもめ!」
人類を抹殺する? まるでタルカスみたいじゃないか。もちろん動機は違うのだろうが、危険な思想であることは間違いない。
「あえて言おう、私以外の人間はカスであると! 知力・能力の発達を促す措置も行ったが、互いを飲み込むほどの発展をしないまま、和解等という下卑た結末に持っていこうとした。それは即ち進歩の否定、進化の否定に過ぎない。互いに争い合い、喰らい合わねば、貴様ら低脳人類は進歩できぬのだ!」
「争いが起きれば弱い人々が大勢死ぬ! それを阻止するためには争いが起きないことが一番じゃないか!」
「そんな些末な犠牲など勘定に入れていられるほど甘くはない。犠牲という生け贄で今までどれだけ人類が発展してきたと思う? それを補って余りある価値があるのだ!」
「犠牲になる人達の気持ちを知ったことがあるのかよ!」
「ない。一切、必要ない。私は世界の舵取りを行う立場の存在だ。神が人間如きの気持ちなど考える暇などない。女々しい感情など神は持ち合わせていないのだ!」
「そんなことが許されると思っているのか!」
「許される? 誰に向かって物を言っている?私は神だ。むしろ、貴様ら人類の方が許しがたい! だからこそ一掃して、新たな人類を私が創造するのだ!」
学長の考えは最早、人ではなくなっていた。現実からかけ離れた存在といってもいい。それを今から止めないといけない。ここで負ければ間違いなく人類の歴史が終わる。こんなところで終わらせてたまるかよ!
「肉体が滅んだら……、ってそれ、死んだことと同じなんじゃね? もういい加減、屁理屈はやめてくんないかな、学長さんよ?」
目の前には学長の死体が転がっている。ただ単に死んでるわけじゃない。四肢は切り落とされ、首も胴体から離れている。誰がどう見ても死んでいる。これ生きてるんなら、ゾンビとかと同じアンデッドだ。
「お前はもう死んでいる!」
「だから本人は死んでないって言ってるだろうが!」
「両手両足を斬り、頭を体から切断した。あと経絡秘孔のなんとかを突いた。お前は後、十秒後に死ぬ!」
「普通は十秒経たなくても生きられないと思うけど……。けいらくひこうっていうのは何?」
ファルとエルは俺にツッコミを入れてくる。学長が死なない事へのノリツッコミなんだから、それを潰すのはやめて欲しい。
「本人がもったいぶるから、俺がこの男の秘密を暴露してやる。コイツはな子孫の体に乗り移って、千年以上も生き続けてやがるんだ! この体は俺の直接の親父の体であって、ヤツ自身の体ではないんだ!」
「ま、まじで!?」
学長から感じる得体の知れない気配の正体はこれか! 何かが乗り移ったような気配というか、体からはみ出すようなおぞましいほどの威圧感はそれが原因だったのか。
「元々、エルフって寿命長くなかったっけ? どうしてそんなことをする必要が?」
「知るかよ。本人に聞いてみな。」
エルフ族は人型種族としては長命で、人間のほぼ倍の寿命だそうだ。古代人の血を濃く引き継いでいるからと聞いたことがある。それだけ長くても物足りなかったのいうか? 強欲すぎだろ。
「次のスペアは代々Aの一族から選出される。当然、俺もこの男のスペアボディの候補だったというわけだ。家を出奔して台無しにしてやったがな!」
「勘違いするな。もうこれからはスペアボディに魂を移す必要がなくなったのだよ。だから、貴様は不要となったのだ。私の研究は完成に至った。物理的な肉体から解き放たれたのだ。」
学長の言っている意味が理解できない。体は必要なくなった? 物理的な肉体から解き放たれた? だとすれば何を手に入れたのだろう?体がないなら、幽霊と一緒じゃないか!
「……アストラル・ボディ。」
「え? ファル、今なんて?」
「魔法力を物質に変化させる魔術、アストラル・ファクト。それで新たな体を作ったってところだろうよ。」
魔法で体を作っただと? それってある意味ゴーレムと同じじゃないかよ! タルカスをあれだけ小馬鹿にして失敗作呼ばわりしていたヤツがそんな手段を用いるなんて! 笑わせんなよ!
「私に対して怒りを感じているのかね? それはお門違いだ。私は風その物になったのだ。これはある意味、神となったも同意。私は嵐の王となったのだ。」
風が一層強まり、一カ所に集まるように吹き込み始めた。それが……人の姿を為している様に見える。き、気のせいだよな? そんな風に見えるだけと……思いたい。
「これが私の新たなる姿だ。風その物となった私にとっては、意のままに風は愚か、嵐すら思い通りに操れるのだ。」
風その物が敵? 今まで相手にしてきた連中とは毛色が違いすぎる。形を持たない、風という現象その物が敵だなんて、想像を遙かに超えている!
「私は不本意なのだよ。ここまで大げさな事態にせずとも、世直しは行えたはずなのだ。貴様らが悪あがきに悪あがきを重ねた結果がこれなのだ! 貴様らが愚かすぎるからいけないのだよ! 私はこのまま人類を抹殺する羽目になった。貴様らがそうさせたのだ! 罪深き者どもめ!」
人類を抹殺する? まるでタルカスみたいじゃないか。もちろん動機は違うのだろうが、危険な思想であることは間違いない。
「あえて言おう、私以外の人間はカスであると! 知力・能力の発達を促す措置も行ったが、互いを飲み込むほどの発展をしないまま、和解等という下卑た結末に持っていこうとした。それは即ち進歩の否定、進化の否定に過ぎない。互いに争い合い、喰らい合わねば、貴様ら低脳人類は進歩できぬのだ!」
「争いが起きれば弱い人々が大勢死ぬ! それを阻止するためには争いが起きないことが一番じゃないか!」
「そんな些末な犠牲など勘定に入れていられるほど甘くはない。犠牲という生け贄で今までどれだけ人類が発展してきたと思う? それを補って余りある価値があるのだ!」
「犠牲になる人達の気持ちを知ったことがあるのかよ!」
「ない。一切、必要ない。私は世界の舵取りを行う立場の存在だ。神が人間如きの気持ちなど考える暇などない。女々しい感情など神は持ち合わせていないのだ!」
「そんなことが許されると思っているのか!」
「許される? 誰に向かって物を言っている?私は神だ。むしろ、貴様ら人類の方が許しがたい! だからこそ一掃して、新たな人類を私が創造するのだ!」
学長の考えは最早、人ではなくなっていた。現実からかけ離れた存在といってもいい。それを今から止めないといけない。ここで負ければ間違いなく人類の歴史が終わる。こんなところで終わらせてたまるかよ!
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