293 / 331
第3章 第3幕 はぐれ梁山泊極端派【絶望と憎しみと学園モノ……と大戦争!?】
第293話 ターゲット確認。これより殲滅を開始する!
しおりを挟む「アクセレイション・オーバーライド!!」
フライハイ・ウイングで空高く上昇し、アクセレイションを起動させる。上空まで舞い上がったのは理由がある。敵勢力の実数を捕捉する必要があったからだ。
「ターゲット確認。これより殲滅を開始する!」
デーモン・アーマーの索敵機能により、脅威と判断された相手は自動的にヘルメット内のスクリーンに光点となって表示される。相手の総合戦闘力、実数も的確に捕捉する。このアーマーによって敵と判断されれば、確実に殲滅される運命になる。
「デモンズ・テイル!!」
左腕に仕込まれた、スパイク付きウイップを展開し、通りすがりにゴーレム達を一閃した。瞬時に数体のゴーレムが切り刻まれ、行動を停止した。ダークソードと違い闇の力そのもので形成されてはいないが、表面に纏わせるだけでも十分殲滅できる。
「ああ、あなたは味方なのですか?」
警備をしていた魔術師が話しかけてくる。ウザいな。普段なら速攻で殺しているが、生憎、今はそんな無駄な行動などしているヒマはない。
「死にたくなければ、おれの邪魔をするな。妨げるヤツは何人たりとも許さない!」
「ひいいっ!?」
魔術師の後ろにはゴーレム達が迫っている。速く逃げないから、そんなことになる! だから雑魚の一般人は嫌いなんだ!
「ガノス、ヤツらの反応速度を超えろ!」
鎧のコアに指示を出す。ガノスは元は魔王、序列第十位だったか? あまりも弱すぎたために、鎧の補助システムに使われる末路を辿った。魂は死んでいるらしいが、コアは生きている。だから、オプティマの格好のオモチャに成り下がったのだ。ある意味、今のオレが代わりに魔王になったのだ!
「シャドウ・ワールウインド!!」
余計な雑魚を巻き込むヒマもないので、強硬手段に出た。ダーク・ソードを展開し、ゴーレム達を三倍増しのスピードで切り捨てる。ダーク・ソードならゴーレム程度なら一撃しただけで倒せる。お得意の防御機構も役に立たない。ダーク・ソードに込められた憎しみの力は誰にも止めることは出来ない。
「次!!」
再び上空へ舞い上がり、敵の位置を確認する。この時点ですでに、何カ所か結界が破られているのが確認できた。急がなくてはいけない。目標以外、人間達まで巻き込む羽目になるかもしれない。それだと効率が悪い。防衛にはまともな人材を割いていないのか! 無能な人間どもめ!
「オレの邪魔をするなぁ!!」
交戦している魔術師達の間に割って入り、彼らの腰の引けた攻撃魔法を背中に受けつつゴーレム達を次々と屠っていく! 自爆型は数が減っているが、増援の通常型が増え始めているがわかった。手には破壊の術式発動用の筒を手にしている個体がほとんどだった。
(ビッ!! バシュッ!!)
オレを捕捉したヤツらは一斉にオレへ向けて発射してきた。下手に避ければ周囲に被害が出る。面倒だな。役にも立たない一般人のクセにしゃしゃり出て来やがって!
「ダークネス・リフュージング!!」
ダーク・ソードをの範囲を広げ、自分自身を覆い隠す。この障壁は全てを拒む! 周囲から放たれた破壊術はくろいヴェールに全て吸収された。これは仮面野郎の術式に対抗するために編み出した技だ。学院内の機密文書、闇術に関する記述を読みあさり、その内容をヒントにした奥の手だ。本人に対して使えなかったのは不本意だったがな。
「おい、お前ら巻き込まれたくなかったら、今すぐに全力でこの場から離れろ! 今からこの木偶人形共を一瞬で消滅させる!」
ダークネス・リフュージングは防御のみならず、攻撃にも転用できる。防いだ後に周囲へ解放すれば、広範囲をなぎ払える。
「ダークネス・イレイザー・リビテイション!!」
解放エネルギーにダークネスイレイザーの勢いを加え、全方位に解放した。範囲内にいたゴーレム達は上半身を失い、黒炎に包まれ炎上している。建物や樹木も同様だ。
「や、闇術!? ま、魔族!?」
「……チッ。」
逃げ遅れへたり込んで難を逃れた人間が俺に恐れて決まり文句を言う。オレがこれを使わなかったら、死んでたっていうのにこの態度だ。だからオレは世間の人間が嫌いなんだ。
「……爆、爆斬!!!」
(ドォォォォォン!!!)
近くからあり得ない声が聞こえた。ヤツはオレが倒したはず! ゴリラの様な体躯を持つ異様な、あの男だ!
「見ぃつけたぁ!! 俺っちをフルボッコにしたヤツぅ!!」
ヤツは洗脳されまともな受け答えが出来なくなっていたはず? 元に戻った? いや、それにしては雰囲気が違う。まるでこれは……魔族!? 今の俺以上に禍々しい闇のオーラを身に纏っている。いや、溢れている!
《キケン、キケン、多大なる脅威を発見! 全力を持って排除せよ!》
「何!?」
珍しく、鎧のガノスがオレに忠告をしてきた。この鎧、魔王の鎧を持ってしても脅威を感じるというのか?
「しかえしぃ~!! あ~んど、ガノス様のか~たきぃ~!!」
馬鹿な! この鎧のコアの由来に気付いたのか? コイツはただの馬鹿ゴリラじゃない! 誰だ? いったいどの魔王の差し金なんだ!
0
お気に入りに追加
12
あなたにおすすめの小説
せっかく転生したのに得たスキルは「料理」と「空間厨房」。どちらも外れだそうですが、私は今も生きています。
リーゼロッタ
ファンタジー
享年、30歳。どこにでもいるしがないOLのミライは、学校の成績も平凡、社内成績も平凡。
そんな彼女は、予告なしに突っ込んできた車によって死亡。
そして予告なしに転生。
ついた先は、料理レベルが低すぎるルネイモンド大陸にある「光の森」。
そしてやって来た謎の獣人によってわけの分からん事を言われ、、、
赤い鳥を仲間にし、、、
冒険系ゲームの世界につきもののスキルは外れだった!?
スキルが何でも料理に没頭します!
超・謎の世界観とイタリア語由来の名前・品名が特徴です。
合成語多いかも
話の単位は「食」
3月18日 投稿(一食目、二食目)
3月19日 え?なんかこっちのほうが24h.ポイントが多い、、、まあ嬉しいです!
いずれ最強の錬金術師?
小狐丸
ファンタジー
テンプレのごとく勇者召喚に巻き込まれたアラフォーサラリーマン入間 巧。何の因果か、女神様に勇者とは別口で異世界へと送られる事になる。
女神様の過保護なサポートで若返り、外見も日本人とはかけ離れたイケメンとなって異世界へと降り立つ。
けれど男の希望は生産職を営みながらのスローライフ。それを許さない女神特性の身体と能力。
はたして巧は異世界で平穏な生活を送れるのか。
**************
本編終了しました。
只今、暇つぶしに蛇足をツラツラ書き殴っています。
お暇でしたらどうぞ。
書籍版一巻〜七巻発売中です。
コミック版一巻〜二巻発売中です。
よろしくお願いします。
**************
結婚しても別居して私は楽しくくらしたいので、どうぞ好きな女性を作ってください
シンさん
ファンタジー
サナス伯爵の娘、ニーナは隣国のアルデーテ王国の王太子との婚約が決まる。
国に行ったはいいけど、王都から程遠い別邸に放置され、1度も会いに来る事はない。
溺愛する女性がいるとの噂も!
それって最高!好きでもない男の子供をつくらなくていいかもしれないし。
それに私は、最初から別居して楽しく暮らしたかったんだから!
そんな別居願望たっぷりの伯爵令嬢と王子の恋愛ストーリー
最後まで書きあがっていますので、随時更新します。
表紙はエブリスタでBeeさんに描いて頂きました!綺麗なイラストが沢山ございます。リンク貼らせていただきました。
酒呑童子 遥かなる転生の果てに
小狐丸
ファンタジー
時は8世紀頃、一人の絶世の美少年がいた。
鍛冶屋の息子として産まれ、母の胎内に十六ヶ月過ごし、産まれた時には髪の毛も歯も生え揃い、四歳の頃には大人の知力と体力を身に付け、その才覚から鬼子と呼ばれ六歳に母から捨てられ各地を流浪した。やがて丹波国と山城国の国境にたどり着き、酒呑童子と呼ばれるようになる。
源頼光と四天王により退治されて後、彼は何度も転生する事になる。それは皮肉にも邪鬼を滅する事を強いられた人生。
そして平成の世にも転生を果たす。
そこから始まる物語。
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
【完結】悪役令嬢エヴァンジェリンは静かに死にたい
小達出みかん
恋愛
私は、悪役令嬢。ヒロインの代わりに死ぬ役どころ。
エヴァンジェリンはそうわきまえて、冷たい婚約者のどんな扱いにも耐え、死ぬ日のためにもくもくとやるべき事をこなしていた。
しかし、ヒロインを虐めたと濡れ衣を着せられ、「やっていません」と初めて婚約者に歯向かったその日から、物語の歯車が狂いだす。
――ヒロインの身代わりに死ぬ予定の悪役令嬢だったのに、愛されキャラにジョブチェンしちゃったみたい(無自覚)でなかなか死ねない! 幸薄令嬢のお話です。
安心してください、ハピエンです――
たとえ破滅するとしても婚約者殿とだけは離れたくない。だから、遅れてきた悪役令嬢、あんたは黙っててくれないか?
桜枕
ファンタジー
【あなたは下半身のだらしなさにより、その身を破滅させるのです】
謎の電子音によって前世の記憶を取り戻した俺は、一度もプレイしたことがない乙女ゲームの世界に転生していた。
しかも、俺が転生しているのはゲーム内で顔も名前も出てこないモブ男。婚約者が居るにもかかわらず、他の令嬢に手を出してヒロインから婚約破棄されるキャラクターだったのだ。
破滅したくない一心で幼少期から煩悩を消しながら、婚約者殿と交流していた俺はいつしか彼女に惹かれて始めていた。
ある日の観劇デートで俺達の距離は一気に縮まることになる。
そして、迎えた学園入学。
ゲーム内のイケメン攻略対象キャラや悪役令嬢が次々と現れたにも関わらず、何も知らずに普通に交流を持ってしまった。
婚約者殿との仲を深めつつ、他のキャラクターとの友情を育んでいた矢先、悪役令嬢の様子がおかしくなって……。
後輩の攻略対象キャラも迎え、本格的に乙女ゲーム本編が始まったわけだが、とにかく俺の婚約者殿が可愛すぎる。
「やめて! 破滅しちゃう! え、隠しキャラ? なにそれ、聞いてない」
これは、俺が破滅の未来ではなく、愛する婚約者殿との未来を掴むために奮闘する物語である。
※カクヨム、小説家になろうでも併載しています。
最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。
羽海汐遠
ファンタジー
最強の魔王ソフィが支配するアレルバレルの地。
彼はこの地で数千年に渡り統治を続けてきたが、圧政だと言い張る勇者マリスたちが立ち上がり、魔王城に攻め込んでくる。
残すは魔王ソフィのみとなった事で勇者たちは勝利を確信するが、肝心の魔王ソフィに全く歯が立たず、片手であっさりと勇者たちはやられてしまう。そんな中で勇者パーティの一人、賢者リルトマーカが取り出したマジックアイテムで、一度だけ奇跡を起こすと言われる『根源の玉』を使われて、魔王ソフィは異世界へと飛ばされてしまうのだった。
最強の魔王は新たな世界に降り立ち、冒険者ギルドに所属する。
そして最強の魔王は、この新たな世界でかつて諦めた願いを再び抱き始める。
彼の願いとはソフィ自身に敗北を与えられる程の強さを持つ至高の存在と出会い、そして全力で戦った上で可能であれば、その至高の相手に完膚なきまでに叩き潰された後に敵わないと思わせて欲しいという願いである。
人間を愛する優しき魔王は、その強さ故に孤独を感じる。
彼の願望である至高の存在に、果たして巡り合うことが出来るのだろうか。
『カクヨム』
2021.3『第六回カクヨムコンテスト』最終選考作品。
2024.3『MFブックス10周年記念小説コンテスト』最終選考作品。
『小説家になろう』
2024.9『累計PV1800万回』達成作品。
※出来るだけ、毎日投稿を心掛けています。
小説家になろう様 https://ncode.syosetu.com/n4450fx/
カクヨム様 https://kakuyomu.jp/works/1177354054896551796
ノベルバ様 https://novelba.com/indies/works/932709
ノベルアッププラス様 https://novelup.plus/story/998963655
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる