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第3章 第3幕 はぐれ梁山泊極端派【絶望と憎しみと学園モノ……と大戦争!?】

第293話 ターゲット確認。これより殲滅を開始する!

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「アクセレイション・オーバーライド!!」


 フライハイ・ウイングで空高く上昇し、アクセレイションを起動させる。上空まで舞い上がったのは理由がある。敵勢力の実数を捕捉する必要があったからだ。


「ターゲット確認。これより殲滅を開始する!」


 デーモン・アーマーの索敵機能により、脅威と判断された相手は自動的にヘルメット内のスクリーンに光点となって表示される。相手の総合戦闘力、実数も的確に捕捉する。このアーマーによって敵と判断されれば、確実に殲滅される運命になる。


「デモンズ・テイル!!」


 左腕に仕込まれた、スパイク付きウイップを展開し、通りすがりにゴーレム達を一閃した。瞬時に数体のゴーレムが切り刻まれ、行動を停止した。ダークソードと違い闇の力そのもので形成されてはいないが、表面に纏わせるだけでも十分殲滅できる。


「ああ、あなたは味方なのですか?」


 警備をしていた魔術師が話しかけてくる。ウザいな。普段なら速攻で殺しているが、生憎、今はそんな無駄な行動などしているヒマはない。


「死にたくなければ、おれの邪魔をするな。妨げるヤツは何人たりとも許さない!」

「ひいいっ!?」


 魔術師の後ろにはゴーレム達が迫っている。速く逃げないから、そんなことになる! だから雑魚の一般人は嫌いなんだ!


「ガノス、ヤツらの反応速度を超えろ!」


 鎧のコアに指示を出す。ガノスは元は魔王、序列第十位だったか? あまりも弱すぎたために、鎧の補助システムに使われる末路を辿った。魂は死んでいるらしいが、コアは生きている。だから、オプティマの格好のオモチャに成り下がったのだ。ある意味、今のオレが代わりに魔王になったのだ!


シャドウ・ワールウインド影の旋風!!」


 余計な雑魚を巻き込むヒマもないので、強硬手段に出た。ダーク・ソードを展開し、ゴーレム達を三倍増しのスピードで切り捨てる。ダーク・ソードならゴーレム程度なら一撃しただけで倒せる。お得意の防御機構も役に立たない。ダーク・ソードに込められた憎しみの力は誰にも止めることは出来ない。


「次!!」


 再び上空へ舞い上がり、敵の位置を確認する。この時点ですでに、何カ所か結界が破られているのが確認できた。急がなくてはいけない。目標以外、人間達まで巻き込む羽目になるかもしれない。それだと効率が悪い。防衛にはまともな人材を割いていないのか! 無能な人間どもめ!


「オレの邪魔をするなぁ!!」


 交戦している魔術師達の間に割って入り、彼らの腰の引けた攻撃魔法を背中に受けつつゴーレム達を次々と屠っていく! 自爆型は数が減っているが、増援の通常型が増え始めているがわかった。手には破壊の術式発動用の筒を手にしている個体がほとんどだった。


(ビッ!! バシュッ!!)


 オレを捕捉したヤツらは一斉にオレへ向けて発射してきた。下手に避ければ周囲に被害が出る。面倒だな。役にも立たない一般人のクセにしゃしゃり出て来やがって!


ダークネス・リフュージング闇の拒絶!!」


 ダーク・ソードをの範囲を広げ、自分自身を覆い隠す。この障壁は全てを拒む! 周囲から放たれた破壊術はくろいヴェールに全て吸収された。これは仮面野郎の術式に対抗するために編み出した技だ。学院内の機密文書、闇術に関する記述を読みあさり、その内容をヒントにした奥の手だ。本人に対して使えなかったのは不本意だったがな。


「おい、お前ら巻き込まれたくなかったら、今すぐに全力でこの場から離れろ! 今からこの木偶人形共を一瞬で消滅させる!」


 ダークネス・リフュージングは防御のみならず、攻撃にも転用できる。防いだ後に周囲へ解放すれば、広範囲をなぎ払える。


「ダークネス・イレイザー・リビテイション解放!!」


 解放エネルギーにダークネスイレイザーの勢いを加え、全方位に解放した。範囲内にいたゴーレム達は上半身を失い、黒炎に包まれ炎上している。建物や樹木も同様だ。


「や、闇術!? ま、魔族!?」

「……チッ。」


 逃げ遅れへたり込んで難を逃れた人間が俺に恐れて決まり文句を言う。オレがこれを使わなかったら、死んでたっていうのにこの態度だ。だからオレは世間の人間が嫌いなんだ。


「……爆、爆斬!!!」

(ドォォォォォン!!!)


 近くからあり得ない声が聞こえた。ヤツはオレが倒したはず! ゴリラの様な体躯を持つ異様な、あの男だ!


「見ぃつけたぁ!! 俺っちをフルボッコにしたヤツぅ!!」


 ヤツは洗脳されまともな受け答えが出来なくなっていたはず? 元に戻った? いや、それにしては雰囲気が違う。まるでこれは……魔族!? 今の俺以上に禍々しい闇のオーラを身に纏っている。いや、溢れている!


《キケン、キケン、多大なる脅威を発見! 全力を持って排除せよ!》

「何!?」


 珍しく、鎧のガノスがオレに忠告をしてきた。この鎧、魔王の鎧を持ってしても脅威を感じるというのか?


「しかえしぃ~!! あ~んど、ガノス様のか~たきぃ~!!」


 馬鹿な! この鎧のコアの由来に気付いたのか? コイツはただの馬鹿ゴリラじゃない! 誰だ? いったいどの魔王の差し金なんだ!
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