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第3章 第3幕 はぐれ梁山泊極端派【絶望と憎しみと学園モノ……と大戦争!?】
第288話 ダーク・ソード
しおりを挟む「説明シよう! 闇の刃はただ魔力エネルギーで武器を形成しタわケデはありマせ~ン! 感情のエネルギー、憎しみのエネルギーも刃にコめラレているのデ~す! プロセスをもう一度見てミヨウ!」
なんかこの人解説始めちゃったよ! 変態博士はあの黒い剣の事に詳しいみたい。博士ってくらいだからあの悪魔鎧を作ったのも、この人だったりして? エピオンは博士に少し気を取られていたけど、残ったゴーレムもバラバラと切り裂かれていってる。
「ダーク・ウエポンの神髄は使用者の強い感情ヲ、相手に貫き通す呪いトモいうべキもノなのデす! そレを防ぐのハ、同じダーク・ウェポンで無けれバ、出来ないノでーす!」
アレは呪い? 呪法ってことは禁呪を使ってるって事だよね? ああいうのって、他人に大きな被害与えるけど、自分にも跳ね返ってくるとかで禁止になってるのが多かったはず。エピオンは長時間使ってるけど、大丈夫なのかな?
「それって禁呪法じゃない! そんな物を使って罪の意識はないの!」
「罪、何をイってるんでス? 私達は悪の組織で通ってイルので問題ありまセ~ん! アなタ達の方こそ、人類滅亡とカ言っテマすけど、悪の専売特許を侵犯しなイでホしいデスね!」
うわぁ、プロの悪人から説教されちゃってるよ。確かにおかしいよね。人間は間違ってるとか言いながら皆殺しにしようとしてるし。ちょっとおかしな正義感だよね。博士も頭おかしいのに割とまともなこと言うじゃん。
「悪人にそんなこと言われるなんて! こっちには正当な理由があるっていうのに!」
「ソコが浅ましいんですヨ。正しさの根拠を武器にシて行わレる残虐行為。半端な正義は見苦しいで~す! これダカラ、最近の若い子は……。」
「悪かったなー! 老害!」
「は……!? アなタには言ってマせンけど?」
なんかムカついたから文句言ってやった。「近頃の若い子は」とか言う大人が嫌い! だから条件反射でムカツク。どんな状況でもこれは大きな声で反論したい!
「悔しいけど、このままじゃ負ける! こうなったらプランBに移行するしかないわ!」
(ズズ……ズズズ!)
鈍い音がしたかと思うと、ウォリアー何とかっていうゴーレム兵士があちこちに現れ始めた。さっきまでと違って、何も武器を持ってない。かわりに胸には大きなプロテクターを着けている。鎧の上から鎧? ファッションの観点から見ても、コレはダサいし、センスがない! このクソダサゴーレムで何をするっていうの?
「あらアラまあマア、自爆でスカ? しかも足の付いた爆発兵器。落ちルところマデ落ちましタね。悪のマナーとしては最悪のパターンでスよ。」
とかなんとか言ってるうちに防衛部隊がやってきた。巨大な魔獣を数匹がやってきた。その内の一頭、グリフォンに一人の女性が乗っていた。ディアナ先輩だ!
「やってきましたわよ! あなた方がインスティチュート・ソサエティですわね?」
「私デハあ~りマせン!」
「パイセン、紛らわしいけど、そこの臭いお爺ちゃんは関係ないから。学院の制服着た女と兵士型のゴーレムが敵だよ!」
ヴィジュアル的にややこしいよ! わかりやすい悪者の格好してるのが悪い。なんでそんなヤツが今は味方のポジションなのか? だいたい、あのへっぽこゆーしゃが悪い。ヘンに敵にまで手心加えるからこんなことになるんだよ!
「ようやく、防衛部隊が来たようだけど、もう遅いわ、この結界周辺全域にゴーレムを配置してあるからあなた達の敗北は確定よ!」
「馬鹿おっしゃい! あたくしの魔獣軍団に止められる者等ありませんわ!」
「あらそう? これでも止められると思いですか、先輩?」
兵士の内の一体が結界まで近付いていき、ピタッと止まる。そして、何故か蝉の鳴き声みたいなのが鳴り始めた。
「伏せろぉ!?」
エピオンがウチとワンちゃんを抱え込みながら、地面に倒れ込んだ。何事かと思ったら……、
(ドォォォォォォォォン!!!!!)
爆発した! 多分、あのゴーレム兵士が爆発したんだ……。博士の言ったとおりアレは自爆するためのプロテクターだったんだ。しかも、その爆発で結界には大きな穴が開いてしまっている! 他のみんなも無事だけど、先輩の乗ったグリフォン以外の魔獣達が怪我をしている。あの大きさじゃ避けられなかったんだ。
「わひーっ!? 結界がどんどん壊れていくでヤンス!」
「結界なんて張っても無駄なのよ。破壊の術式は防げても、自爆崩壊の術式には対応できなかったようね!」
結界の反射能力を逆利用して壊したのかも。ウチも学院で勉強したからこういうこともわかるようになってきたけど、自分から思いつく様なモノじゃない。ハッキリ言ってこんなの悪知恵の類いだよ。世の中には碌でもない事を思いつく人が多いなぁ。しかも、コレはゴーレムが考えたことだろうし。怖いなあ。
「オイ、いつまで転がってんだ! 死にたくなけりゃ、結界の奥の方まで逃げておくんだな!」
「アンタは逃げんの? 流石にアンタでもこんな大量に自爆するヤツがいたら勝てないでしょ?」
「……あ!? 誰が逃げるって? 売られた喧嘩をそのままにするわけないだろう。見せてやるさ、この鎧の全力の力をな!」
鎧の背中の部分から悪魔の様な翼が生えてきていた。エピオンはその翼を大きくはためかせ、空高く舞い上がった!
「さあ、ここからが本番だ! 今からお前達、全てを……殺す!!」
信じられない勢いでエピオンはゴーレム達に向かっていった。アイツまさか、一人で全部倒そうとか、本気で考えてんの? 馬鹿げてる……。誰かに手伝ってもらえば、無茶しなくても良いのに。
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