【第2部完結】勇者参上!!~究極奥義を取得した俺は来た技全部跳ね返す!究極術式?十字剣?最強魔王?全部まとめてかかってこいや!!~

Bonzaebon

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第3章 第3幕 はぐれ梁山泊極端派【絶望と憎しみと学園モノ……と大戦争!?】

第269話 帝王の軍勢

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 突然現れたタルカスの増援。彼らは先程僕達が殲滅させた連中よりも数は少ない。それでも、その威圧感はそれ以上の物を醸し出していた。


「私の親衛隊を紹介しよう。まずはアスヴァ・ドヴェー。超速の機動力を持った人馬一体の騎士だ。」


 わざわざ紹介してくるとは……。余程の自信があるらしい。アスヴァというゴーレムは下半身が馬、上半身が人の姿をしている。まるで神話に登場する半人半馬のようだ。ランスを持っているため下半身の機動力を有効活用した戦法を得意としているのだろう。


「続いて、イェーガー・ドライ! 狙った獲物は必ず仕留める冷酷の狩人なり! 此奴から逃げられる者等、この世にはおらぬ!」


 一際形状のいびつさを持つ狩人のゴーレム。腕や足の至る所にクロスボウが設置されており、大型の弓まで背に背負っている。見たところ遠距離攻撃に特化しているみたいだ。


「鉄壁の守備を持つ堅固たる重戦士、フォルテッツァ・クアトロ! 此奴には我が軍最高の防御力を与えている。その鎧を砕くことは不可能であろう!」


 タルカスを除く他のゴーレムの数倍の大きさを誇る重戦士だ! 分厚い鎧に城門の扉を思わせる巨大な盾、それを両手に持っている。防御のみならず、あんな巨躯で体当たりされたら、ひとたまりもないだろう。


「次なる戦士はヴィエルジェ・サンク! 我の忠実なるサポート役だ! それ故、他の戦士の長所を兼ね備えている戦士だ!」


 これまでのゴーレムとは違い、戦闘用だというのに女性型のフォルムをしている。王城や貴族の館にある美術品の様なイメージも受ける。その美しさとは裏腹に、強力な戦闘能力を有しているのだろう。


「この場には配備していないが、一般兵タイプのウォリアー・ワンも存在している。我が軍で最大規模を誇る戦力である。だが一般兵タイプと侮るなよ? 特化型タイプとは異なりオプション次第では様々な戦場・戦況に対応できる。」


 汎用性を重視したタイプもいるとは! 様々な戦術を取る隙のない構成を構築しているならば、ますますこちらも対応が困難になる。


「そして私の新ボディこそが最強のインペラトール・ヌゥーラ! このボディは部下達の性能を遙かに凌駕した、一騎当千の帝王なのだ!」


 堅牢且つ巨躯のボディ、尚且つ動きを妨げないように装甲を調整してある。背部には何らかの背負い物をしているのも気になる。何らかの武装を用意しているのかもしれない。未知数の脅威が多すぎる。


「どうだ? ますます勝ち目がなくなり、恐縮しているのではないか? 別に今、ここで退却してもらっても構わんのだぞ? 一日程度は猶予をやろう。」

「大した自信ですね。ここまで圧倒的な戦力を有していて、僕達に降伏を求めないのですか?」

「さあな? 私の発言をどう取るかは貴様らの自由だ。どうするのが最適なのであろうな?」


 戦に於いて、相手が自軍の戦力を誇示するのには複数の理由がある。自軍の強健さを誇示し、相手の士気を低下させる事。他には自軍の戦力を公開して、裏に更なる切り札を用意している。そして、敢えて虚勢を張り、敵を退却に追い込み、自軍の撤退もしくは補給をする隙を作るという事。


「こちらはゲイリーさんを失い、戦力が低下しているでゴワス。一旦退却を考えた方がいいかもしれんバイ!」

「そうですね。戦力差だけでなく、ゲイリーさんを殺害した攻撃にも警戒した方がいいかもしれません。とてもイヤな予感がします。」


 今までのタルカスの行動から考えるとどれもあり得そうなので判断が難しい。しかも、相手はゴーレム。こちらの考える人道的な行為等無視した手法を取る可能性もある。とはいえ、ここを撤退することは勇者さん達の命にも関わってくる。どうあっても死守しないといけない。


「ハッハッハッ! 残念だったな木偶人形共! ゆーしゃは復活してしまったぞ!」

「ムッ!? なんだ貴様は?」

お、お嬢さんフ、フロイライン!!」


 教員棟からお嬢さんフロイラインが姿を現した。その言葉通り彼女が姿を現したということは、勇者さんの手術が終了したということを意味している。彼女は今回の手術で重大な役割を担っていたからである。


「ほう、終了したか。それは間違いなさそうだ。私の監視システムからの情報でも、何件かその姿を確認している。分身体も回収せねばならんしな。」


 即座に判断を決めたのか、親衛隊達は次々と転移魔術で姿を消していった。以外にもタルカスだけはその場に残り、ゲイリーさんの遺体を拾い上げ肩に担ぎ上げた。


「此奴の死体はもらっていく。少々少々気になることがあったのでな。」

「どういう意味だ? 死者への冒涜は許されることじゃない! 離してくれ!」

「そうはいかぬ。死んでいるとはいえ、人質として預からせてもらう! さらばだ!」


 そのままタルカスも退却していった。死体であっても、彼らに価値はあるのだろうか? 最後に言い残した言葉の意味が気になる。あの人に何か秘密があるのだろうか? 今までもおかしな現象を引き起こしていたというのだから、その謎を解き明かす鍵があるのかもしれない。
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