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第3章 第2幕 はぐれ梁山泊極端派【灰と青春と学園モノ!!】
第228話 四天王の中で最弱~!
しおりを挟む「ねえ、ジム君、一つ聞いてもいいでヤンスか?」
「質問ですか? それくらいなら構いませんよ。」
衝撃の裏切り展開から、アニキ達が追い出された後、あっしはこの世の終わりかというくらいの絶望的な状況に晒されていたでヤンス! 人質にされたけど、食べられたり、凍らされたりするかもしれなかったでヤンスよ!
「なんで、あっしを人質にしたんでヤンスか?」
「何故って、決まってるでしょう? あなたが弱いからですよ。特にロアさんを敵に回すなら人質は必要不可欠です。何せ、あの人は勇者なんですから。」
あ、やっぱ、弱いからでヤンスね。あっしは四天王の中で最弱~! で、お馴染みでヤンスから、仕方のないことでヤンス。ホントウに勇者パーティー内では最弱なのは間違いないヤンス。ミャーコちゃんにも勝てる気しないヤンス。
「どうしてウチのアニキを倒さないといけないヤンス? ジム君はアニキのファンじゃなかったでヤンスか? 大武会で見て憧れたんでヤンしょ?」
「ロアさんから聞いたんですね。そうですよ。切っ掛けはそれで間違いないです。命を落として、ゴーレムになった僕はしばらく休暇をもらって、見に行きました。大武会の決勝を。」
大武会、しかも決勝を見た! あの壮絶な地獄のような、あの、ほぼ勝率ゼロと周りにも、対戦相手にも言われていた、あの試合を! その前評判からの大逆転! あんなのを見たら、人生の勝ち組になったも同然でヤンス。それを見ても闇落ちしたのは何ででヤンしょ?
「最初、見たときはなんて一方的な試合なんだろう。こんな試合なら見に来た価値がないじゃないか、とさえ思いました。」
「アニキを知らない人からしたら、そんな感想なんでヤンスね。アニキの事を知ってるあっしらの印象とはかけ離れているでヤンス。」
「見ていて気分が悪くなったりもしました。自分も弱い立場で強者にいいように痛めつけられる様が自分にも重なって見えたんですよ。力がなければ、生きていく資格さえもらえない。そういう風にしか見えませんでした。今まで感じていた絶望感を後押しする結果にもなりました。」
試合のオチを見ないと、そういう印象になりかねないでヤンスね。特にジム君みたいな子が見たら、鬱状態になってしまいそうでヤンス!
「全身を痛めつけられ、立つことでさえ精一杯の状態だったのに、あの人は戦おうとしていました。そんな無駄なことをしても、更に苦しい目にあうだけなのに、悪あがきをしていました。」
悪あがき? あれはアニキ常勝無敗の戦法でヤンスよ? 何かメチャクチャな事し始めたら、だいたい新技が炸裂する展開でヤンス。
「その中で急激に流れがおかしくなりました。気を失っている風にも見えたのに、相手の攻撃を全て読んでいるか様に反撃していました。そして、最終的に勝った! 最後の瞬間、あの人が勇者だったことに気付いたんです。あの時の全ての出来事が現実に起きたとは思えないほど、奇跡的な勝利でした。」
「どうして、そんな経験をしたのにアニキと敵対するんでヤンスか? 納得できないでヤンス!」
「そう、その、納得できないから、というのが理由です。あの人は奇跡を起こしたかもしれません。全ての人があの人の様な奇跡を起こせるわけではないんです! 僕は弱者のまま、変われません! 僕は特別な人間ではないということをハッキリ自覚しました。だからこそ、命を失う羽目になったんです!」
アニキの起こした奇跡を見て、返って自分と違うと感じて絶望感を強めてしまったようでヤンス。でも、そんなことはないはずでヤンス。
「死んだかもしれないでヤンすけど、ゴーレムとして生き返ったでヤンス! 少なくとも、死んで何にもなくなるよりはツイてるでヤンスよ! これも奇跡でヤンス!」
「例え、そうだとしても、僕はその力を世の中への復讐のために使うでしょう。タルカス様の理想を実現するためにも、人類は抹殺しなければなりません! その守護者である勇者も倒さないといけないのです!」
完全に悪の組織に洗脳されてるでヤンス! もしかして、アニキがこっそり秘密の活動をしていたのも、それを倒すため? そんなことより、ジム君を何とか説得してやめさせないと、悲しいことになりそうでヤンス!
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