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第3章 第2幕 はぐれ梁山泊極端派【灰と青春と学園モノ!!】
第208話 掃除屋さんのテクニック
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「破壊!!」
撃ってきた隙を突いて、接近したのはいいが、相手はすぐさま次を撃とうとしていた。魔法のクセに溜めの時間がほとんど無い。コレはもう、俺の知っている魔法とは別物だ。まるでこれは……、
「峨嶺辿征!!」
(パァン!!)
俺の技と同じじゃないか! 反射的に瞬時に発動可能。効果も破壊と無効化、壊すか消すか、似てるっちゃあ似てる。
「噂の無効化魔術か! 物はおろか魔術などの目に見えぬエネルギーすら破壊する私の術を消すとは! 恐るべき技だ!」
銀仮面は次の攻撃を行わずに口だけを動かした。俺はその機会を逃さず、果敢に殴りかかった。
「よく言うぜ! こっちはちょっとでもズレたら死んじまうんだからな!」
俺の徒手空拳は虚しく空を切るばかりだった。俺自身、素手での戦闘訓練はあまり受けていないから、当然かもしれない。せいぜい、受け身とか防御用の技術くらいだ。
「そんなことはどうでも良い! お前は大それた事をやっているという事実を知れ!」
銀仮面は俺の攻撃を躱しつつ、回し蹴りを放ってきた。これには反応しきれずに喰らい、後ろに吹き飛ばされた。壁に激突したところで止まる。そこで殺気を感じ、急いでその場から離れる。
(ボンッ!!)
さっきまでいた場所の壁に穴が空いた。そこから攻撃は止まず、立て続けに攻撃が放たれてきた。
「破壊!! 破壊!! 破壊!!」
攻撃を避け続け、銀仮面とは向かって垂直方向にダッシュし続けた。最終的に入り組んだ通路へと突入できたので、行方をくらますことが出来た。
「隠れたか? それでも私の目を眩ますことは出来ない。壁はあくまで防御用にしか使えないということだ。」
隠れても手に取るようにわかると言いたいようだ。何らかの探知方法を持っているのだろう。そもそもヤツの姿を見たときからおかしいと思っていたんだ。あの銀の仮面にはのぞき穴がなかった。視界を確保するためのスリットには宝石のような物がはめ込まれている。あれはタダの飾りで実際に見えているとは思えない。
「フフ、恐ろしかろう。お前は下手な手を打ってしまったんだ。見えない相手からの攻撃を受ける羽目になってしまったのだからな。」
エピオンの鎧にも言えることだが、相手のエネルギーを感知して居場所を特定しているのかもしれない。闘気とか魔力とか。アイツは魔術師専門の掃除屋だから、魔力で感知してるのかも?
「どのような策を考えているのかは知らないが、私をガッカリさせてくれるなよ! そうでなければわざわざ挑戦をしに来た甲斐がないからな。」
目的は俺の力量を測るため? 命を狙っているわけではないと? 少なくとも今はそうなのだろう。ヤツらが何らかの計画を実行するまでは生かしておくつもりなのかも。エピオンもその対象になっているのかもな。
「例えお前が気配を消していたとしても、私にはお前の姿が手に取るようにわかる。……破壊!!」
(ボンッ!!)
壁に穴が空く! 咄嗟にその場所からは離れていたので、避けることは出来た。ここで油断してはいけない。この攻撃が来たということは今はヤツの射程内にいるのだ! 当然回避行動に移る。
「破壊!! 破壊!! 破壊!!」
避ける、避ける、避ける! とにかく避けまくった。避けるというよりは、一カ所に留まらないように動く。そして、相手に読まれないように、不規則な動きを心掛け、捕捉されないように。相手の攻撃の特性は直線的であること。突き技や槍による攻撃に似ていることを意識して回避する。
「大した回避能力だが、これは躱せるかな?」
その瞬間、嫌な予感がした。咄嗟に身を屈めて回避行動を取る!
「切断・破壊!!」
(ズバァッ!!)
壁を見上げると、真一文字に切り裂かれていた。点による破壊だけでなく、なぎ払うような攻撃も出来るようだ! これではまるで槍や剣の様だ! 弓矢や弩弓のような飛び道具とは違うことを意味している。こんな隠し球があったとは。ますます攻略が困難になってきたぞ。
撃ってきた隙を突いて、接近したのはいいが、相手はすぐさま次を撃とうとしていた。魔法のクセに溜めの時間がほとんど無い。コレはもう、俺の知っている魔法とは別物だ。まるでこれは……、
「峨嶺辿征!!」
(パァン!!)
俺の技と同じじゃないか! 反射的に瞬時に発動可能。効果も破壊と無効化、壊すか消すか、似てるっちゃあ似てる。
「噂の無効化魔術か! 物はおろか魔術などの目に見えぬエネルギーすら破壊する私の術を消すとは! 恐るべき技だ!」
銀仮面は次の攻撃を行わずに口だけを動かした。俺はその機会を逃さず、果敢に殴りかかった。
「よく言うぜ! こっちはちょっとでもズレたら死んじまうんだからな!」
俺の徒手空拳は虚しく空を切るばかりだった。俺自身、素手での戦闘訓練はあまり受けていないから、当然かもしれない。せいぜい、受け身とか防御用の技術くらいだ。
「そんなことはどうでも良い! お前は大それた事をやっているという事実を知れ!」
銀仮面は俺の攻撃を躱しつつ、回し蹴りを放ってきた。これには反応しきれずに喰らい、後ろに吹き飛ばされた。壁に激突したところで止まる。そこで殺気を感じ、急いでその場から離れる。
(ボンッ!!)
さっきまでいた場所の壁に穴が空いた。そこから攻撃は止まず、立て続けに攻撃が放たれてきた。
「破壊!! 破壊!! 破壊!!」
攻撃を避け続け、銀仮面とは向かって垂直方向にダッシュし続けた。最終的に入り組んだ通路へと突入できたので、行方をくらますことが出来た。
「隠れたか? それでも私の目を眩ますことは出来ない。壁はあくまで防御用にしか使えないということだ。」
隠れても手に取るようにわかると言いたいようだ。何らかの探知方法を持っているのだろう。そもそもヤツの姿を見たときからおかしいと思っていたんだ。あの銀の仮面にはのぞき穴がなかった。視界を確保するためのスリットには宝石のような物がはめ込まれている。あれはタダの飾りで実際に見えているとは思えない。
「フフ、恐ろしかろう。お前は下手な手を打ってしまったんだ。見えない相手からの攻撃を受ける羽目になってしまったのだからな。」
エピオンの鎧にも言えることだが、相手のエネルギーを感知して居場所を特定しているのかもしれない。闘気とか魔力とか。アイツは魔術師専門の掃除屋だから、魔力で感知してるのかも?
「どのような策を考えているのかは知らないが、私をガッカリさせてくれるなよ! そうでなければわざわざ挑戦をしに来た甲斐がないからな。」
目的は俺の力量を測るため? 命を狙っているわけではないと? 少なくとも今はそうなのだろう。ヤツらが何らかの計画を実行するまでは生かしておくつもりなのかも。エピオンもその対象になっているのかもな。
「例えお前が気配を消していたとしても、私にはお前の姿が手に取るようにわかる。……破壊!!」
(ボンッ!!)
壁に穴が空く! 咄嗟にその場所からは離れていたので、避けることは出来た。ここで油断してはいけない。この攻撃が来たということは今はヤツの射程内にいるのだ! 当然回避行動に移る。
「破壊!! 破壊!! 破壊!!」
避ける、避ける、避ける! とにかく避けまくった。避けるというよりは、一カ所に留まらないように動く。そして、相手に読まれないように、不規則な動きを心掛け、捕捉されないように。相手の攻撃の特性は直線的であること。突き技や槍による攻撃に似ていることを意識して回避する。
「大した回避能力だが、これは躱せるかな?」
その瞬間、嫌な予感がした。咄嗟に身を屈めて回避行動を取る!
「切断・破壊!!」
(ズバァッ!!)
壁を見上げると、真一文字に切り裂かれていた。点による破壊だけでなく、なぎ払うような攻撃も出来るようだ! これではまるで槍や剣の様だ! 弓矢や弩弓のような飛び道具とは違うことを意味している。こんな隠し球があったとは。ますます攻略が困難になってきたぞ。
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