198 / 331
第3章 第2幕 はぐれ梁山泊極端派【灰と青春と学園モノ!!】
第198話 ワケわかんないヤツがワケワカメ!!
しおりを挟む「……メンナサイ。モウシマセン。ゴメ……、」
エロ犬二人は「市中引き回しの上、打ち首獄門に処」される予定だったが、処刑執行人が疲れているため、処分は保留となった。だが、みのむしぃーヌの刑が代わりに執行された。
「もう、ホントに隙あらば如何わしい! こんなことしてたら、余計に疲れちゃったよ!」
店の軒先に大きな蓑虫が二匹出現することになったのである。当然の事ながら、二人とも目が死んでるし、壊れたゴーレムのように反省の言葉を連呼している。
「で、何があった? 一日前倒しで戻ってくるなんて、どういう風の吹き回しだ?」
冷静に考えれば、おかしな話である。何かトラブルがあったからといって、早く戻って来るもんだろうか? 同じくトラブルに見舞われたエル達は普通に戻ってきたというのに?
「どうもこうもないよ! ムカツクったらありゃしない! なんでダンジョン攻略中に外から乱入してくんの?」
「誰かに乱入されたんだな? ここのダンジョン実習って、乱入が恒例なのかな?」
皮肉交じりに言ってみる。まあ、色々とよからぬ噂のある学院だ。決闘システムだってそうだし、目の届かないところで怪しげな事が行われるのは当然なのかもしれない。まあ、その当然をずっと許しておくワケにもいかないんだが。
「誰が来たんだ? まさか、エピオンとか?」
「アイツも来た。ボッチをこじらせた末にウチらに構って欲しくなったんじゃない? 絶対そう!」
ありゃあ! いきなりビンゴだった! ヤツならやりかねないな、と思ってた矢先だ。ホントにやりやがったな! ミヤコにちょっかいを出したかったのだろう。そうに違いない! でもちょと待て? 今、アイツも、とか言わなかったか?
「他にも来たんか?」
「来たよ! 変なヤツが! ワケわかんないヤツが来た!」
「何だよ、ワケわかんないヤツって?」
「だってワケわかんないヤツがワケわかんないコトして、ワケわかんないコト言って帰ってったんだもん!」
「お前の言ってる事が訳わかんねえよ!」
「お前って言うな!」
もう、何が何やら……。ワケワカメだよ。とりあえずワカメはいいから、メカブでも食って落ち着いてからにしてくれと言いたい。いや、そんなことはどうでもいいから、もっと詳細を……。
「謎の刺客が現れたんです! 監視しているとも取れる発言をしていたので、おそらく学院側の人間でしょう。」
もうさっきから機嫌が悪くて高ぶっているミヤコの言動はアテにならない。一緒にロッヒェンがいてくれて助かった。
「学院側の刺客か? 監視していることを隠しもせずに姿を現したのか。」
「そうです。今回は排除が目的ではなかったようです。エピオン君への警告、そして将来的な犯行予告と言ったところでしょう。」
エピオンへの警告がメインだったか。ヤツは多分、ヴァルからの命で潜入しに来ているだろうからな。この前「俺がここにいる理由を考えろ」とか言ってたぐらいだからな。学院の秘密について探っているのだろう。そして、犯行予告とは……?
「ん? 予告とはなんぞや?」
「これはあなたへの挑戦状とも取れる内容でした。『いずれ近いうちに会うことになる』と。」
「いずれ、って来週に決まってんじゃねえか!」
俺たちの実習は来週に迫っている。これまでのことを考えると、多分、来るつもりなのだろう。迷惑なもんだ。ダンジョンは密会の場じゃないんだぞ? 呼び出しとかするんなら、屋内運動設備の裏とかにして欲しいモンだ!
「名前はシルヴァンと言っていました。全身銀ずくめの鎧のような物を身に纏った怪しい男です。兜のマスクで顔は隠しています。」
「ギンギラギンにさりげなさそうなヤツだな!」
「気を付けて下さい。あらゆる物を破壊する術式、“破壊”と呼ばれるものを駆使してきました。物だけではなく魔力や闘気などのエネルギーも相殺できるようです。それはまるであなたが使う秘剣のようでもありました。」
「何ぃ!?」
攻撃だけじゃなくて、防御にも使える魔法だと? まるで八刃のような魔法だな。そんなヤツから名指しで予告を受けた。さて、どうしてくれようか?
0
お気に入りに追加
13
あなたにおすすめの小説
PMに恋したら
秋葉なな
恋愛
高校生だった私を助けてくれた憧れの警察官に再会した。
「君みたいな子、一度会ったら忘れないのに思い出せないや」
そう言って強引に触れてくる彼は記憶の彼とは正反対。
「キスをしたら思い出すかもしれないよ」
こんなにも意地悪く囁くような人だとは思わなかった……。
人生迷子OL × PM(警察官)
「君の前ではヒーローでいたい。そうあり続けるよ」
本当のあなたはどんな男なのですか?
※実在の人物、事件、事故、公的機関とは一切関係ありません
表紙:Picrewの「JPメーカー」で作成しました。
https://picrew.me/share?cd=z4Dudtx6JJ
レベルが上がらない【無駄骨】スキルのせいで両親に殺されかけたむっつりスケベがスキルを奪って世界を救う話。
玉ねぎサーモン
ファンタジー
絶望スキル× 害悪スキル=限界突破のユニークスキル…!?
成長できない主人公と存在するだけで周りを傷つける美少女が出会ったら、激レアユニークスキルに!
故郷を魔王に滅ぼされたむっつりスケベな主人公。
この世界ではおよそ1000人に1人がスキルを覚醒する。
持てるスキルは人によって決まっており、1つから最大5つまで。
主人公のロックは世界最高5つのスキルを持てるため将来を期待されたが、覚醒したのはハズレスキルばかり。レベルアップ時のステータス上昇値が半減する「成長抑制」を覚えたかと思えば、その次には経験値が一切入らなくなる「無駄骨」…。
期待を裏切ったため育ての親に殺されかける。
その後最高レア度のユニークスキル「スキルスナッチ」スキルを覚醒。
仲間と出会いさらに強力なユニークスキルを手に入れて世界最強へ…!?
美少女たちと冒険する主人公は、仇をとり、故郷を取り戻すことができるのか。
この作品はカクヨム・小説家になろう・Youtubeにも掲載しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
スキルが【アイテムボックス】だけってどうなのよ?
山ノ内虎之助
ファンタジー
高校生宮原幸也は転生者である。
2度目の人生を目立たぬよう生きてきた幸也だが、ある日クラスメイト15人と一緒に異世界に転移されてしまう。
異世界で与えられたスキルは【アイテムボックス】のみ。
唯一のスキルを創意工夫しながら異世界を生き抜いていく。

最弱スキルも9999個集まれば最強だよね(完結)
排他的経済水域
ファンタジー
12歳の誕生日
冒険者になる事が憧れのケインは、教会にて
スキル適性値とオリジナルスキルが告げられる
強いスキルを望むケインであったが、
スキル適性値はG
オリジナルスキルも『スキル重複』というよくわからない物
友人からも家族からも馬鹿にされ、
尚最強の冒険者になる事をあきらめないケイン
そんなある日、
『スキル重複』の本来の効果を知る事となる。
その効果とは、
同じスキルを2つ以上持つ事ができ、
同系統の効果のスキルは効果が重複するという
恐ろしい物であった。
このスキルをもって、ケインの下剋上は今始まる。
HOTランキング 1位!(2023年2月21日)
ファンタジー24hポイントランキング 3位!(2023年2月21日)

エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~
シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。
主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。
追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。
さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。
疫病? これ飲めば治りますよ?
これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。
最強の職業は解体屋です! ゴミだと思っていたエクストラスキル『解体』が実は超有能でした
服田 晃和
ファンタジー
旧題:最強の職業は『解体屋』です!〜ゴミスキルだと思ってたエクストラスキル『解体』が実は最強のスキルでした〜
大学を卒業後建築会社に就職した普通の男。しかし待っていたのは設計や現場監督なんてカッコいい職業ではなく「解体作業」だった。来る日も来る日も使わなくなった廃ビルや、人が居なくなった廃屋を解体する日々。そんなある日いつものように廃屋を解体していた男は、大量のゴミに押しつぶされてしまい突然の死を迎える。
目が覚めるとそこには自称神様の金髪美少女が立っていた。その神様からは自分の世界に戻り輪廻転生を繰り返すか、できれば剣と魔法の世界に転生して欲しいとお願いされた俺。だったら、せめてサービスしてくれないとな。それと『魔法』は絶対に使えるようにしてくれよ!なんたってファンタジーの世界なんだから!
そうして俺が転生した世界は『職業』が全ての世界。それなのに俺の職業はよく分からない『解体屋』だって?貴族の子に生まれたのに、『魔導士』じゃなきゃ追放らしい。優秀な兄は勿論『魔導士』だってさ。
まぁでもそんな俺にだって、魔法が使えるんだ!えっ?神様の不手際で魔法が使えない?嘘だろ?家族に見放され悲しい人生が待っていると思った矢先。まさかの魔法も剣も極められる最強のチート職業でした!!
魔法を使えると思って転生したのに魔法を使う為にはモンスター討伐が必須!まずはスライムから行ってみよう!そんな男の楽しい冒険ファンタジー!

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる