【第2部完結】勇者参上!!~究極奥義を取得した俺は来た技全部跳ね返す!究極術式?十字剣?最強魔王?全部まとめてかかってこいや!!~

Bonzaebon

文字の大きさ
上 下
197 / 331
第3章 第2幕 はぐれ梁山泊極端派【灰と青春と学園モノ!!】

第197話 メシ狂い! “狂い豚カレー”!!

しおりを挟む
「うーん、伸び悩むでガンスなぁ。」


 新メニュー導入後、客足は更に伸びると思っていたのだが、そううまくはいかなかった。明らかに新メニュー狙いの客は増えたが、オープン当初からのメイン客層が減ったような気がする。


「減ったッスね。飽きられたのかな?」

「いやいや、飽きるには早い時期でガンスよ。多分、サンディーの店が開店した影響でガンス。」


 あの豚、ゲスタニの店が急遽オープンしたのである! この前、俺らの所に偵察に来て、不敵な笑いを残して去って行ったと思ったら、秘密裏にライバル店の準備をしていたのだ!


「“メシ狂い~ゲスの極み食堂 カロリー征服宣言!~”だったっけ? カロリー計算度外視の超ジャンクメニューが売りの?」

「我らが元祖、ガツ森以上に狂ったメニューを前面に押し出して、対抗してきてるでガンス! ホントにゲスの極みでガンス!」


 うちの常連客からもらったチラシによると、“狂い豚カレー”、“気にしてもショウガ無い焼き定食”、“超おフトリ飯”、“アブラ~麺”といった暴食四天王をメインに提供しているらしい。名前を聞いただけでも、胸焼けしそうな物ばっかりだ! それよりも豚が豚のメニューの店をやっているという矛盾の方が気になるんだが……。カレーとかいう料理もなんだろう?


「ヤバイでガンス! アッシらも何か気を引くジャンクなメニューを考えないといけないでガンス!」


 おじさんは焦っている。向こうが秘密裏に活動していたので、こちらは対策らしい対策は何もしていなかったのだ。現在展開中の“ヘルシー菜食主義メニュー”や“トレ坊ちゃんコラボメニュー”は対抗措置ではないのだ。とはいえ、棲み分けが出来たのである意味助けられている。


「対決メニューシリーズがあまり跳ねなかったのが、誤算だったでガンス。しかも、休止になるとは思わなかったでガスなぁ。実習は想定外だったでガンス!」


  “東西グルメ激突メニュー”は早くも空気と化している。ロッヒェンが実習で不在なので現在停止中になっているのも痛い。しかも、来週からは俺とタニシがいなくなるので大きな穴が空く。大ピンチじゃないか!


「かくなる上は……秘策の特別グッズでなんとか切り抜けるでガンス!」


 おじさんは近くに置いてある箱をチラリと覗き見た。どこかで見た様な物が見えた気がする。あれは……?


「あーっ!? ヤッパリ、犯人はおじさんだったでヤンスね!」

「な、な、何の事でガンスか? アッシは何も取ってないでガンスよ?」


 客の対応が一段落したタニシが俺らの所にやってきて、おじさんの怪しい箱を咎めた。おじさんはそそくさと隠そうとしたが、タニシに阻止されてしまった。


「あっしの“社内秘”資料が流出してるでヤンス!」


 おじさんの箱から出てきたのはCFMで使おうとしていた例の“如何わしい”人形だった。おじさん、何してんだよ! イイ歳してみっともない! 甥っ子の如何わしいモノをパクるとはどういう事だ!


「いや、コレは、新キャンペーンに使えるかなと思って……。複製して、量産して販売とか景品とかに使えば大もうけ出来ると思ったでガンス!」

「複製して、量産して……大もうけ!!」


 なんかおじさんに言われてハッとなったタニシは怒るのを止めてしまった。代わりに目の色が変わって、なにか興奮したかのような顔つきに変わった!


「これを初めて見た時は衝撃を受けたでガンス! これにエロスと商売の無限大の可能性を感じたのでガンス!!」


 おじさんは熱弁をふるう! 心なしか、目も血走っている! 割と真剣な感じに見えるが、如何わしい人形を巡っての話をしているだけだ。内容がロクでもないのでかっこよさが台無しだ。


「あ、あっしも人気を博すと思ってたでヤンすけど、大事になるといけないと思ってたでヤンスから秘蔵してたんでヤンスよ!」

「決まりでガンス! コレを店頭で売り出して負けを取り戻すでガ……ンス?」


 勢いに乗ったおじさんの言葉は途中で勢いを無くしてしまった! 店先に人影が現れたのだ! 想定外の襲来にエロ犬二人は凍り付いた。


「へえ? 何屋さんを始めるつもりなのか、ウチにも聞かせてくれる?」

「いやいや、コレは“社外秘”情報なんで公開できないんでガンスよ!」

「ミャーコちゃん! 実習はまだ四日目でヤンスよ? 途中でリタイヤでもしたんでヤンスか?」


 そう、まだ四日しか経過していなかった。大体は五日目でダンジョンを出てくるはずなんだが? 何かあったのか?


「あー、実習はウチらもう終わっちゃってさ。ムカツク事があったから、逆ギレ上等でスピードクリアしてきたワケ。」


 ミヤコはダン、と店先の床を踏みならす! よく見ると後ろにやつれた様子のロッヒェンが立っていた。そうとう無理をさせられたのだろう。ご苦労さん。


「それよりも、ナニソレ? それってウチに似てるような気がするのは…気・の・せ・い?」

「他人のそら似でヤンス! 違うでヤンス!」
「いや、似てないのもあるでガンスから! 許して! てへっ!!」


 とか言いつつ、おじさんは何を思ったのかエルに似た方まで公開してしまった! ダメだコレ! これで完全にツーアウトだろ! しかもテヘペロ付きだ! もうダメだ!
「ほう? ウチだけじゃなくて、エルるんのまで作るとはな? 良い度胸だな?」

「いやー、照れるでヤンス!」


 褒めてないぞ。苦し紛れに前向きになっても結末は変わらない! もはや逃れる術はない!


「……処す。」

「へあっ!?」

「貴様ら、市中引き回しの上、打ち首獄門に処す!」

「お、お代官様ぁ~、お許しを!!」

「許さん! 処す!!!」

「ワキャボバーーーーン!?」


 処されるのが確定したエロ犬二人は意味不明な断末魔を上げてその場にぶっ倒れた。やっぱり悪いことは隠しててもすぐにバレるんだな……。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。 木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。 しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。 そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。 【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

俺が死んでから始まる物語

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていたポーター(荷物運び)のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことは自分でも解っていた。 だが、それでもセレスはパーティに残りたかったので土下座までしてリヒトに情けなくもしがみついた。 余りにしつこいセレスに頭に来たリヒトはつい剣の柄でセレスを殴った…そして、セレスは亡くなった。 そこからこの話は始まる。 セレスには誰にも言った事が無い『秘密』があり、その秘密のせいで、死ぬことは怖く無かった…死から始まるファンタジー此処に開幕

スライムすら倒せない底辺冒険者の俺、レベルアップしてハーレムを築く(予定)〜ユニークスキル[レベルアップ]を手に入れた俺は最弱魔法で無双する

カツラノエース
ファンタジー
ろくでもない人生を送っていた俺、海乃 哲也は、 23歳にして交通事故で死に、異世界転生をする。 急に異世界に飛ばされた俺、もちろん金は無い。何とか超初級クエストで金を集め武器を買ったが、俺に戦いの才能は無かったらしく、スライムすら倒せずに返り討ちにあってしまう。 完全に戦うということを諦めた俺は危険の無い薬草集めで、何とか金を稼ぎ、ひもじい思いをしながらも生き繋いでいた。 そんな日々を過ごしていると、突然ユニークスキル[レベルアップ]とやらを獲得する。 最初はこの胡散臭過ぎるユニークスキルを疑ったが、薬草集めでレベルが2に上がった俺は、好奇心に負け、ダメ元で再びスライムと戦う。 すると、前までは歯が立たなかったスライムをすんなり倒せてしまう。 どうやら本当にレベルアップしている模様。 「ちょっと待てよ?これなら最強になれるんじゃね?」 最弱魔法しか使う事の出来ない底辺冒険者である俺が、レベルアップで高みを目指す物語。 他サイトにも掲載しています。

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

【魔物島】~コミュ障な俺はモンスターが生息する島で一人淡々とレベルを上げ続ける~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
【俺たちが飛ばされた魔物島には恐ろしいモンスターたちが棲みついていた――!?】 ・コミュ障主人公のレベリング無双ファンタジー! 十九歳の男子学生、柴木善は大学の入学式の最中突如として起こった大地震により気を失ってしまう。 そして柴木が目覚めた場所は見たことのないモンスターたちが跋扈する絶海の孤島だった。 その島ではレベルシステムが発現しており、倒したモンスターに応じて経験値を獲得できた。 さらに有用なアイテムをドロップすることもあり、それらはスマホによって管理が可能となっていた。 柴木以外の入学式に参加していた学生や教師たちもまたその島に飛ばされていて、恐ろしいモンスターたちを相手にしたサバイバル生活を強いられてしまう。 しかしそんな明日をも知れぬサバイバル生活の中、柴木だけは割と快適な日常を送っていた。 人と関わることが苦手な柴木はほかの学生たちとは距離を取り、一人でただひたすらにモンスターを狩っていたのだが、モンスターが落とすアイテムを上手く使いながら孤島の生活に順応していたのだ。 そしてそんな生活を一人で三ヶ月も続けていた柴木は、ほかの学生たちとは文字通りレベルが桁違いに上がっていて、自分でも気付かないうちに人間の限界を超えていたのだった。

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~

いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。 他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。 「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。 しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。 1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化! 自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働! 「転移者が世界を良くする?」 「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」 追放された少年の第2の人生が、始まる――! ※本作品は他サイト様でも掲載中です。

処理中です...