【第2部完結】勇者参上!!~究極奥義を取得した俺は来た技全部跳ね返す!究極術式?十字剣?最強魔王?全部まとめてかかってこいや!!~

Bonzaebon

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第3章 第1幕 はぐれ梁山泊極端派【愛と勇気と学園モノ!!】

第151話 ……そいつはすでに敗北している!!

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「さすがベルムトさんです。相手に手も足も出させず、一方的に魔術で押しています!」


 俺は飛んでくる氷の投げ槍をひたすらよけ続けていた。手も足も出ない……というより、出せないのだ。武術は禁止されているので、技で攻撃することが出来ない。しかし、単純に殴る蹴るなどの行為はセーフなはず。ただ、それだけに決め手とするのは難しいので、チャンスが来たときに確実に仕留めるようにしないといけない。


「よけているだけで魔術師と戦えるとお思い?あたくしも敢えて余裕を見せつけるだけのためにこの魔術を使っているのよ。本気を出せば、あーたのようなゴミは一瞬で死ぬのよ?」


 無防備な俺を散々いたぶってから仕留めるつもりでいるようだ。これだけ魔術を使っていても、魔力に余裕があるということなのだろう。やはり切り札は精神操作系の魔法か?


「手も足も出なくて、心中穏やかではないのではなくて? 精神的余裕がなくなればなくなるほど、精神系魔術に抵抗しづらくなる。これがどういう意味かおわかり?」


 そういえば、トレ坊先生も同じ事を言っていたな。魔術の効果は術者の精神状態の影響を受けやすいと。それは仕掛ける側のみならず、受ける側、特に防御魔法を使わない場合はモロに影響がでるらしい。事前にビビらせてから、恐怖の感情を植え付ける魔法を使うと効果抜群だとも言っていた。目の前の相手は正にそれを実践しているといえるだろう。


「チクショウ! どうすりゃいいんだ!」


 ここはあくまで本気で焦っているフリをしないといけない。そうしないとお得意の精神魔法を使ってこないかもしれない。この状況だとかかったフリをして油断を誘うしかない。思い通りに技が使えないのが非常にもどかしい。


「さあ、そろそろ潮時ですわよ! サード・ステージは次のフェーズに移行するのですわ!」


 ショー仕立てだから、それぞれ見せ場を作っていると言うワケか。道化を演じるのは中々しんどいな。というか表向きは本当に芸人を名乗っているのでしゃーない。


「テンプテーション!!」


 とうとう来た! 相手の魔法に“秘策”を合わせるため、精神を研ぎ澄ます。相手の魔法の文字列に自分の“1”の魔力を差し込むイメージだ。


(……ここだ!)


 頭の中に違和感を感じた直後に発動させる。早すぎてもいけないし、遅すぎても相手の魔法にかかってしまう。タイミングジャストで割り込ませないとダメなんだ。


「……う、うあっ!?」


 頭を両手で押さえ、いかにも苦しんでいるかのような仕草をする。魔法への抵抗は成功したので、後は演技で油断したところを叩くだけだ!


「そのまま、あたくしの魔術に身を委ねなさい。下手に抵抗すると、発狂してしまうわよ!」


 これをやるための練習を昨夜、何百、いや、何千回とやった。トレ坊先生とエルに精神系魔法をかけてもらって、防ぐというのを何度もやった。もちろん何度も失敗して二人の魔法にかかった。でも、生きてる内でこんなに精神魔法を受けた経験ある人いるのか?ってくらいにくらった。だからこそ自負もあるし、その無数の経
験でつかみ取った“新技”だ!

 名付けて、極端派奥義“孤影承禅こえいしょうぜん”!!


「……う、あ……。」

「おっほっほ! どうやらキマったようね。あたくしの操り人形になった記念に一発、自分を殴ってしまいなさいな!」


 チクショウ、このアマ! 操ってるからって調子に乗りやがって! だがやらざるを得ない。かかったフリは継続しないといけないからな。


(ボゴッ!!)


 出来る限り本気で自分を殴った。滑稽な動作ではあるが、表向きは魔法で自我を奪われ、操られている状態だ。この痛みの礼は後でタップリとさせてもらおう。勝てるまで、それは我慢だ。


「じゃあ、次はその場で平伏しなさい! それから地面にしっかり額を付けるように!」


 俺はゆっくりとした動作で、その指示に従った。土下座してしばらくすると、ヤツがつかつかと接近してくる気配がした。屈辱的だが、あと一歩だ。接近してくればコチラの間合いだ。仕掛けるとすれば、そのタイミングだ。


(……グリッ!)


 頭を踏まれる感触がする。それと同時に会場から笑い声が巻き起こる。見てろよ。ここから大逆転してやる。俺はそのまま踏まれたままの頭を勢いよく上げて、反撃に転ずる!


「あっ!? なっ!?」


 勢いよく立ち上がったので相手は当然、足を上げたまま後ろへと転倒した。足を上げているので、スカートの中の見えてはいけない物が丸見えになっている。俺は構わず、追い打ちの攻撃を入れた。腹部への突きだ!


「ぐふっ……!?」


 相手は悲鳴を上げて気を失った。そして、会場の声も一連の動作で静まりかえった。何が起きたか誰も理解できてはいないと思うが、これで終わり。俺の勝利で決闘は終わった。
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