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第3章 第1幕 はぐれ梁山泊極端派【愛と勇気と学園モノ!!】
第148話 相手が勝ち誇ったとき……、
しおりを挟む(モグモグ……ゴックン!)
今、物凄く飲み込んだ音が聞こえたんだが……。ゲイリーは本当に食われてしまったのか?まあ、本当に飲み込まれるところは見たので、信じないというのもおかしな話だが、嘘だと思いたかった。それぐらい現実離れした出来事が目の前で起きてしまったのだ。
「終わったぁー!? 一瞬にして処刑が完了してしまいました! 最強の魔獣ベヒモスをたった一人で相手にして生きている方がおかしいのです! 当然の結果とも言えましょう!」
飲み込むという形になったので、会場も最初は唖然としてはいたものの、司会のアナウンスと共に会場の熱気は元に戻った。歓声を上げている。人が目の前で食われたというのに、盛り上がれるのは異常だ。いったいどんな神経をしているんだろう? 倫理観がおかしくなってやがる!
「おっほっほ! 不遜にもフリアンを襲って食べようとした報いですわ! 自らが捕食され食われるという因果応報を与えてあげたの。感謝なさい! 魔獣の王ベヒモスの養分となれたのだから。」
まあ、ゲイリーがヒドいことをしたのは認めるが、やりすぎなんじゃない? そして、それを見世物にするっていう……。
「ご主人様! 見事な勝利だったでヤンス!」
「ああ、タニシちゃん。中々似合うじゃない。」
妙に小綺麗な格好でタニシが現れた。なんか……執事みたいな服を着せられている! ファースト・ステージが終わってからわずかな時間しかなかったはずだが、完全に仕上げられていた。
「おいおい! まだ決闘は終わってないぞ! 勝手にタニシを引き入れるのはおかしいだろ!」
「どの道、あーたは負けよ! 三本勝負で二度も勝利したのだから、あたくしの勝ちに決まってるじゃない! とはいえ、コレはショーなのよ。観客のためにもサード・ステージまで特別に付き合ってあげるから、安心なさい!」
「ぐぬぬ……。」
「アニキも土下座すれば、下僕として使ってもらえると思うヤンス。」
タニシの奴、完全に軍門に下ってしまっているな。魔法を使って洗脳されてしまったのだろう。そうじゃないと説明がつかない。よく見りゃ首輪が付けられていが、これが洗脳アイテムの可能性もあるかもな。似た物が怪物達にも付けられていたような気がする。
「グ、グゴ……グオゴゴ……。」
じゃあ、ベヒモスもか? ん? 付いているのが確認できたが、ベヒモスの様子がおかしい。なにやら苦しそうに体を揺らしている。よく噛まずに飲み込んだから、どっかに引っかかってるのかもしれない。ゲイリーは見るからに消化に悪そうだし、食あたりしそうな感じがするからな。
「グ、グ、グ、グゲ……。」
「……!? グラディオ? どうしたんですの? 様子がおかしいですわよ?」
(ドグゥワーーーーーン!!!!!)
ベヒモスから謎の爆発音! 同時にベヒモスの腹が大きく膨らんで、元通りになった。ヤツはまだ生きている? 爆発がらみならアイツの可能性は高い。最後の抵抗だろうか? とはいえ、体内での爆発だ。魔獣王とはいえタダで済むとは思えない。
「グボ、ゲボォッ!!」
ベヒモスは口から大量の血を吐き出した。まるで小さな滝みたいに垂れ流したのだ。さっきの爆発のダメージは大きいようだ。
「グ……グゲ……ギャオオオオン」
(……ドッパアアアアアアアン!!!!!!)
悲鳴と共に、ベヒモスの体の真ん中がはじけ飛んだ! 周りに大量の肉片と血をまき散らし、地獄絵図と変えた。なんでやることなすこと、爆発とグロが絡むんだよ、あのゴリラは!
「くっせぇんだよ、ボケがぁ!! 狭いんだよ、ダボがぁ!!!」
「グ、グラディオーーーっ!?」
臭いとか……狭いとか……。他にもっと言うことあるだろお前。だって食べられたんだよ?言うことそれだけか? 相変わらずズレている。
「これはどういう事でしょう! 食べられ死亡したと思われたゲイリー・ザ・オニオン! ベヒモスの体内から姿を現しました! 悪夢です!」
正に悪夢……。それは勝利した俺らにとっても同様だ。こんなグロ地獄になるとは思わんかったわ。いや、別に食べられて負けた方が良かったのかと問われると……それも正直微妙としか言えない。ああ……色々釈然としないなあ……。
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