【第2部完結】勇者参上!!~究極奥義を取得した俺は来た技全部跳ね返す!究極術式?十字剣?最強魔王?全部まとめてかかってこいや!!~

Bonzaebon

文字の大きさ
上 下
107 / 331
第2章 はぐれ梁山泊極端派【燃えよ、十字剣!!】

第107話 その剣、その技に思いを乗せて。

しおりを挟む

「何をボケッとしてやがる! 今死のうって時に現実逃避でも始めたのか? 一思いに殺してやるよ!」

「決死の覚悟を決め込んだだけさ。その隙を突かなかったことだけは感謝する。」

「当たり前だ。強者ってのは器も大きいモンなんだぜ! 死の前に多少なりとも希望を持たせてやるのさ。その上で潰した方がダメージが大きいからな。」


 心の中での会話は長く感じたが、実際には外の世界で、あまり時間は経過していなかったようだ。長かったのなら、相手の性格からして、待っているはずはなかった。勝ちを確信しているから、余裕を見せていたのだろう。それが命取りだったことを思い知らせてやる。


「闇炎の雨!!」


 先に相手から仕掛けてきた。こちらも同じく技の動作へと移す。左肩を負傷しているはずだが、気分が高揚して痛みの感覚が薄れている。これなら問題なく普段通りに技を振るえる!


「羽毛の如く、体軽やかに!」

(ガギィィィィン!!!!)


 互いの剣がぶつかり、赤い炎と黒い炎が弾ける。両者の技のタイミングはほぼ同じだった。


「小癪なぁっ!!」


 怪我をした状態で互角に戦えるなんて、相手は想定してなかったのだろう。優位に立っていると思い込んでいたのが悪い。


「剣を弓の如くに引き、流星の如くに振り下ろす!」


 こちらの剣撃がわずかに速く、相手の攻撃を弾き飛ばした。それでも相手は体勢を瞬時に立て直し、次の一撃の体勢に入った。


「同じ技で負けるはずが……、」

「その時、剣は双刃となる! その双刃もって空擦れば炎立つ!」


 追従剣も本体に負けず劣らず、激しいぶつかり合いを続けている。しかしこちらが若干押している。


「俺の方が実力は上なんだよぉ!!」

「俊足を持って、敵の懐に入らば、」


 もう既に相手の技は瓦解し始めていた。タイミングに狂いが生じ、隙を作る結果になってしまっている。


「こんな小僧に……!?」

「赫灼の雨がふる!!!」


 口撃を掻い潜り、相手の懐に入り込み、追従剣と共にその体を十字に切り裂いた。その切り傷から赤い炎が引火し、瞬く間に全身を包み込んだ。


「これで終わりだ! 裁きの十字炎をその身に受けろ、雨の終焉!!!」


 追従剣と共に相手の全身を切り刻む。相手の体はバラバラになり宙を舞う! 炎も一層勢いを増し、最後の灰まで燃えつくさん限りの激しさを見せている。


「こんな奇跡は…起こりえる…はずが…な…い。」


 辛うじて原型を留めている頭部が、断末魔の如き悪態をつく! 現在の状況がその言葉を全力で否定していた。


「起きるさ! それが大勢の人の思いがこもっているなら起こりえるんだ!!」


 最後の一撃は相手が制御下に置いていた追従剣によって成された。剣は奪えても、誇りまでは奪えなかった。


「武器如きに…裏切られる…なんて、なんて…無様なんだ、お……れは……、」


 ヴァボーサの頭部は真っ二つになり、炎に焼かれ燃え尽きる。これで完全に事切れた。


「父上、お嬢さん、みんなありがとう! この勝利はみんなで勝ち取った物だ!」


 今まで奴に敗れた英霊達も力を貸してくれたのだろう。それがみんなが求めていた勝利をもたらしたんだ。


『見事だ、Jr。お前はもう私の立派な後継者だ。胸を張って生きていくが良い。』


 十字の炎剣は悪魔の元から離れ、僕の眼前まで一人でにやってきた。まるで父上の意志が宿っているかの様に。


「最後の決め手になってくれた。ありがとう。」


 改めて剣を手に取り感謝する。これからは悪用される事はない。ずっと守り抜いていくんだ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

レベルが上がらない【無駄骨】スキルのせいで両親に殺されかけたむっつりスケベがスキルを奪って世界を救う話。

玉ねぎサーモン
ファンタジー
絶望スキル× 害悪スキル=限界突破のユニークスキル…!? 成長できない主人公と存在するだけで周りを傷つける美少女が出会ったら、激レアユニークスキルに! 故郷を魔王に滅ぼされたむっつりスケベな主人公。 この世界ではおよそ1000人に1人がスキルを覚醒する。 持てるスキルは人によって決まっており、1つから最大5つまで。 主人公のロックは世界最高5つのスキルを持てるため将来を期待されたが、覚醒したのはハズレスキルばかり。レベルアップ時のステータス上昇値が半減する「成長抑制」を覚えたかと思えば、その次には経験値が一切入らなくなる「無駄骨」…。 期待を裏切ったため育ての親に殺されかける。 その後最高レア度のユニークスキル「スキルスナッチ」スキルを覚醒。 仲間と出会いさらに強力なユニークスキルを手に入れて世界最強へ…!? 美少女たちと冒険する主人公は、仇をとり、故郷を取り戻すことができるのか。 この作品はカクヨム・小説家になろう・Youtubeにも掲載しています。

スライムすら倒せない底辺冒険者の俺、レベルアップしてハーレムを築く(予定)〜ユニークスキル[レベルアップ]を手に入れた俺は最弱魔法で無双する

カツラノエース
ファンタジー
ろくでもない人生を送っていた俺、海乃 哲也は、 23歳にして交通事故で死に、異世界転生をする。 急に異世界に飛ばされた俺、もちろん金は無い。何とか超初級クエストで金を集め武器を買ったが、俺に戦いの才能は無かったらしく、スライムすら倒せずに返り討ちにあってしまう。 完全に戦うということを諦めた俺は危険の無い薬草集めで、何とか金を稼ぎ、ひもじい思いをしながらも生き繋いでいた。 そんな日々を過ごしていると、突然ユニークスキル[レベルアップ]とやらを獲得する。 最初はこの胡散臭過ぎるユニークスキルを疑ったが、薬草集めでレベルが2に上がった俺は、好奇心に負け、ダメ元で再びスライムと戦う。 すると、前までは歯が立たなかったスライムをすんなり倒せてしまう。 どうやら本当にレベルアップしている模様。 「ちょっと待てよ?これなら最強になれるんじゃね?」 最弱魔法しか使う事の出来ない底辺冒険者である俺が、レベルアップで高みを目指す物語。 他サイトにも掲載しています。

最強の職業は解体屋です! ゴミだと思っていたエクストラスキル『解体』が実は超有能でした

服田 晃和
ファンタジー
旧題:最強の職業は『解体屋』です!〜ゴミスキルだと思ってたエクストラスキル『解体』が実は最強のスキルでした〜 大学を卒業後建築会社に就職した普通の男。しかし待っていたのは設計や現場監督なんてカッコいい職業ではなく「解体作業」だった。来る日も来る日も使わなくなった廃ビルや、人が居なくなった廃屋を解体する日々。そんなある日いつものように廃屋を解体していた男は、大量のゴミに押しつぶされてしまい突然の死を迎える。  目が覚めるとそこには自称神様の金髪美少女が立っていた。その神様からは自分の世界に戻り輪廻転生を繰り返すか、できれば剣と魔法の世界に転生して欲しいとお願いされた俺。だったら、せめてサービスしてくれないとな。それと『魔法』は絶対に使えるようにしてくれよ!なんたってファンタジーの世界なんだから!  そうして俺が転生した世界は『職業』が全ての世界。それなのに俺の職業はよく分からない『解体屋』だって?貴族の子に生まれたのに、『魔導士』じゃなきゃ追放らしい。優秀な兄は勿論『魔導士』だってさ。  まぁでもそんな俺にだって、魔法が使えるんだ!えっ?神様の不手際で魔法が使えない?嘘だろ?家族に見放され悲しい人生が待っていると思った矢先。まさかの魔法も剣も極められる最強のチート職業でした!!  魔法を使えると思って転生したのに魔法を使う為にはモンスター討伐が必須!まずはスライムから行ってみよう!そんな男の楽しい冒険ファンタジー!

レベルアップに魅せられすぎた男の異世界探求記(旧題カンスト厨の異世界探検記)

荻野
ファンタジー
ハーデス 「ワシとこの遺跡ダンジョンをそなたの魔法で成仏させてくれぬかのぅ?」 俺 「確かに俺の神聖魔法はレベルが高い。神様であるアンタとこのダンジョンを成仏させるというのも出来るかもしれないな」 ハーデス 「では……」 俺 「だが断る!」 ハーデス 「むっ、今何と?」 俺 「断ると言ったんだ」 ハーデス 「なぜだ?」 俺 「……俺のレベルだ」 ハーデス 「……は?」 俺 「あともう数千回くらいアンタを倒せば俺のレベルをカンストさせられそうなんだ。だからそれまでは聞き入れることが出来ない」 ハーデス 「レベルをカンスト? お、お主……正気か? 神であるワシですらレベルは9000なんじゃぞ? それをカンスト? 神をも上回る力をそなたは既に得ておるのじゃぞ?」 俺 「そんなことは知ったことじゃない。俺の目標はレベルをカンストさせること。それだけだ」 ハーデス 「……正気……なのか?」 俺 「もちろん」 異世界に放り込まれた俺は、昔ハマったゲームのように異世界をコンプリートすることにした。 たとえ周りの者たちがなんと言おうとも、俺は異世界を極め尽くしてみせる!

おっさんの異世界建国記

なつめ猫
ファンタジー
中年冒険者エイジは、10年間異世界で暮らしていたが、仲間に裏切られ怪我をしてしまい膝の故障により、パーティを追放されてしまう。さらに冒険者ギルドから任された辺境開拓も依頼内容とは違っていたのであった。現地で、何気なく保護した獣人の美少女と幼女から頼られたエイジは、村を作り発展させていく。

スキルが【アイテムボックス】だけってどうなのよ?

山ノ内虎之助
ファンタジー
高校生宮原幸也は転生者である。 2度目の人生を目立たぬよう生きてきた幸也だが、ある日クラスメイト15人と一緒に異世界に転移されてしまう。 異世界で与えられたスキルは【アイテムボックス】のみ。 唯一のスキルを創意工夫しながら異世界を生き抜いていく。

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~

いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。 他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。 「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。 しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。 1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化! 自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働! 「転移者が世界を良くする?」 「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」 追放された少年の第2の人生が、始まる――! ※本作品は他サイト様でも掲載中です。

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

処理中です...