101 / 331
第2章 はぐれ梁山泊極端派【燃えよ、十字剣!!】
第101話 争いは同じレベルの者同士でしか発生しない!!
しおりを挟む「トル相手に散々卑怯な真似をし腐りやがって! 勇者のクセに恥ずかしくねえのか!」
「だからなんでアレが卑怯のうちに入るんだよ! おかしいだろ! 俺を非難する前にさっきのインチキをちゃんと説明しろ!」
なんなんだろ、コレ? デーモンとガチバトルのはずが口ゲンカばかりになってきている。何から何までイチャモン付けてくる相手は、これが初めてかもしれない。
「アレはインチキではない! トリックだ! 影をちょいっと引き寄せただけだからな!」
「オイ、兄貴、秘密が漏洩してるぜ! 全く正直モンだなぁ。インチキ勇者とは違って。」
「誰がインチキ勇者だ!」
まさかのネタバレ! 敵がわざわざ白状した。とはいえ原理が良くわからんけど。影を引き寄せれば瞬間移動的なことが出来るんかな?
「目に目を、歯には歯を、インチキにはインチキだ! こちらは二人がかりで攻めさせてもらう!」
二人がかりと言ったものの、ゴリラだけがズンズン俺の前に迫ってくるだけだった。後ろから援護射撃してくるだけなんだろうか? 迫ってくるうちに、さっきの影分身をちゃっかり発動させている。こんなん二人以上みたいなもんじゃないか!
「さあ覚悟しろ! インチキへの制裁をくれてやる!」
もういい。受けて立ってやろうじゃないか!真正面からぶっ飛ばしてやる。来た技全部跳ね返すのが、梁山泊極端派の信条だ!
「ゴリアァァァッ!!!」
「まずは一つ! 霽月八刃!」
一体目の分身を抹殺! その上から残りの二体と本体が一斉に殴りかかってくる。それを真上への跳躍でかわす。跳ぶということは当然、あの技の出番だ。
「峨龍滅睛!! これで二つ!」
落下にあわせて分身の一つに脳天への一撃をお見舞いする。当然、霽月八刃としての効果を乗せてある。これで二つ目も消えた。
「跳んだりはねたり、バッタかお前は!」
(ビッ!!)
黒い光線が俺を射貫かんと迫っていた。だが、それも予測していた。着地を狙うのは常套手段だからな。これをあえて誘って、空隙の陣の要領でヤツらの視界から消える。
「いない!? どこ行った?」
「こっちだ! 落鳳波!!」
少し離れた所へ移動して斬撃を放つ。途中消えた様に見えたのは、異空跋渉を使ったからだ。実際に異空間移動をした。これで三つ目の分身は消滅。残すは本体のみになった。
「バカな! ほんのちょっとの間に俺の分身が全部やられてしまった!」
「イカサマの匂いがするぜぇ!」
結局、ヤツらにとってワカラン殺しは全部イカサマ判定になるらしい。これがいわゆるクレーマーというヤツだろう。
「チクショウ! こうなったら奥の手だ! アレをやるぞ、トル!」
「俺たち兄弟必殺の戦法だ! これを喰らえば、お前は必ず死ぬ!」
本当の必殺技というヤツか。何が飛び出てくるんだろう? 今度は影分身は出していない。それどころか俺に近付いてこない。遠距離から仕留めるつもりなのか? トルとかいうデカい方が両手の平を頭にかざすような構えをとった。
「ブリーリョ……、」
「ヤベぇ! 目眩ましに気を付けろ、勇者!」
「オスクロン!!」
ウネグからの忠告から間もなく、周囲が完全に真っ暗になった。視界を奪ってからの不意打ちという流れかもしれない。だとしたらやることは決まっている。
「落鳳波!!」
「ランサ・アメトラジャドル!」
(ビビビビビビッ!!!)
両者ほぼ同時だった。相手の遠距離攻撃に合わせて、飛び道具返しとも言える落鳳波を放つ。同時にその場からも離れた。真っ黒光線に蜂の巣にされてしまうからだ。最初の技名と違うし連射する気配を感じるから間違いないだろう。
「シャイニング……、」
あと真っ暗だからね。俺の手持ちの技ならコレが手っ取り早い。暗いんなら明るくすればいい。もっともこんな使い方するのは初めてだが。
「イレイザー!!」
「ぐああああっ!? 目、目がぁ!?」
「ま、眩しい!? 見えん!?」
目眩ましをかけたはずが逆に仕返されるなんて思ってなかっただろうな。だけど容赦なく、ここで二人まとめて仕留めさせてもらうぜ! シャイニング・イレイザーだけじゃ威力が足りないからな。
「絶空八刃!!」
周囲の明るさが元に戻る頃には、既にヤツらの姿は消滅していた。二人相手でも割となんとかなるもんだな。
0
お気に入りに追加
12
あなたにおすすめの小説
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
【完結】勇者学園の異端児は強者ムーブをかましたい
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】
ゼルトル勇者学園に通う少年、西園寺オスカーはかなり変わっている。
学園で、教師をも上回るほどの実力を持っておきながらも、その実力を隠し、他の生徒と同様の、平均的な目立たない存在として振る舞うのだ。
何か実力を隠す特別な理由があるのか。
いや、彼はただ、「かっこよさそう」だから実力を隠す。
そんな中、隣の席の美少女セレナや、生徒会長のアリア、剣術教師であるレイヴンなどは、「西園寺オスカーは何かを隠している」というような疑念を抱き始めるのだった。
貴族出身の傲慢なクラスメイトに、彼と対峙することを選ぶ生徒会〈ガーディアンズ・オブ・ゼルトル〉、さらには魔王まで、西園寺オスカーの前に立ちはだかる。
オスカーはどうやって最強の力を手にしたのか。授業や試験ではどんなムーブをかますのか。彼の実力を知る者は現れるのか。
世界を揺るがす、最強中二病主人公の爆誕を見逃すな!
※小説家になろう、pixivにも投稿中。
※小説家になろうでは最新『勇者祭編』の中盤まで連載中。
※アルファポリスでは『オスカーの帰郷編』まで公開し、完結表記にしています。
欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します
ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!!
カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
異世界帰りの底辺配信者のオッサンが、超人気配信者の美女達を助けたら、セレブ美女たちから大国の諜報機関まであらゆる人々から追われることになる話
kaizi
ファンタジー
※しばらくは毎日(17時)更新します。
※この小説はカクヨム様、小説家になろう様にも掲載しております。
※カクヨム週間総合ランキング2位、ジャンル別週間ランキング1位獲得
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
異世界帰りのオッサン冒険者。
二見敬三。
彼は異世界で英雄とまで言われた男であるが、数ヶ月前に現実世界に帰還した。
彼が異世界に行っている間に現実世界にも世界中にダンジョンが出現していた。
彼は、現実世界で生きていくために、ダンジョン配信をはじめるも、その配信は見た目が冴えないオッサンということもあり、全くバズらない。
そんなある日、超人気配信者のS級冒険者パーティを助けたことから、彼の生活は一変する。
S級冒険者の美女たちから迫られて、さらには大国の諜報機関まで彼の存在を危険視する始末……。
オッサンが無自覚に世界中を大騒ぎさせる!?
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
神速の成長チート! ~無能だと追い出されましたが、逆転レベルアップで最強異世界ライフ始めました~
雪華慧太
ファンタジー
高校生の裕樹はある日、意地の悪いクラスメートたちと異世界に勇者として召喚された。勇者に相応しい力を与えられたクラスメートとは違い、裕樹が持っていたのは自分のレベルを一つ下げるという使えないにも程があるスキル。皆に嘲笑われ、さらには国王の命令で命を狙われる。絶体絶命の状況の中、唯一のスキルを使った裕樹はなんとレベル1からレベル0に。絶望する裕樹だったが、実はそれがあり得ない程の神速成長チートの始まりだった! その力を使って裕樹は様々な職業を極め、異世界最強に上り詰めると共に、極めた生産職で快適な異世界ライフを目指していく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる