【第2部完結】勇者参上!!~究極奥義を取得した俺は来た技全部跳ね返す!究極術式?十字剣?最強魔王?全部まとめてかかってこいや!!~

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第2章 はぐれ梁山泊極端派【燃えよ、十字剣!!】

第79話 戦いに迷いは禁物ですよ?

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「では、互いに練習用の剣を使うのだ。これはあくまで模擬戦。怪我をするような事態になっては困るからな。」


 エドの言葉に従いさっき使った剣を手に取る。相手のロッヒェンも素直に従っている。当然、ヤツは二刀流なので二本ともだが。


「勝敗の決め手についてだが、第一に相手の剣を落とす。第二に相手を枠線の外まで追いやる。この二点のどちらかが発生した場合に決するものとする。もちろん、降参という形も受け付ける。」

「僕は剣を二本持っていますが、どうなりますか?」

「どちらか片方だけ落とした場合でも、負けとしよう。あくまで自身の有効戦術がとれなくなった時点で負けとした方が良かろう。」

「相変わらず手厳しいですね、師匠《レーラァ》?」

「模擬戦だぞ? 実戦的なものは他でやるべきだ。それ以上やれば真剣勝負と大差なくなるからな。節度は必要だ。」


 さすがエド。こういう時でも即座に的確に線引きを決めてくれる。組織で幹部をやっているだけのことはある。大人だなぁ。俺にはそういう所がまだ足りてない気がする。


「ルールの規定は出来た。それでは始めよう。模擬戦開始!」


 訓練場に緊張が走る。対峙した俺たちは互いに構えをとったまま、にらみ合いを始める。ヤツは右の剣を水平に、左を垂直にして十字を体の前に作るような構えをとっている。攻撃だけでなく防御にも対応できそうな感じだ。下手に飛び込むと簡単に返されてしまいそうだ。


「どうしたんですか? 意外と消極的なんですね。それとも、僕を恐れているんですか?」


 痛いところを突いてくる。確かにそうだよ。俺、基本的に消極的だし。エルと模擬戦してたときも同じ様なこと言われた。今もどう攻めるか決めあぐねている。


「戦いに迷いは禁物ですよ。それを嫌というほどわからせてあげます!」


 宣言通り、ヤツが攻撃に移る! 速い、と思ったときにはすでに一撃目が来た。右側からの横薙ぎに剣が振るわれる! 俺は反射的にそれを自分の剣で防ぎ、次の行動を考えた。しかし、すぐさま反対側からの殺気を感じた。


「僕は二刀流だということをお忘れなく!」


 左側から突き! 攻撃を防いだのはいいが、あくまで片方だけだ。二刀流を相手にしているから、両方からの攻撃を警戒しないといけなかった! この状態では防御に入れないので、とっさに後方へ飛び退く!


「気を付けて! ラインを越えちゃう!」


 エルからの忠告でハッと我に返る。飛びすぎると線を越える。それでは負けてしまう! 飛び退いた先はギリギリオーバーするかしないかの所だった!


「おうあ! おっとっとっとぅ!?」


 あまりにもギリギリだったため、バランスを崩し倒れうになる。なんとか踏ん張り持ちこたえた……と思ったら、その隙を逃すはずもなく、ヤツの攻撃が来た!


「呑気なものだね。容赦なく攻めさせてもらう!」

「うわあっ!?」

「決まったか!?」


 誰もがこの一手でケリがついたと思っただろう。だが、俺はこの危機を利用して、ある技を使った。


「空隙の陣!!」

(ガギィィィン!!!)

「な、何!? いつの間に!?」


 あえて隙を作って、口撃を掻い潜り、背後に回り込むと同時に攻撃。だが、相手も瞬時に反応し、両の剣をクロスさせてガードした。渾身の反撃が防がれてしまった。


「こんな技を持っているとは。まさか、隙その物をフェイントとして使うだなんて! こんなテクニックは見たことがない。」


 あの一瞬で技の本質まで見抜かれてしまっている。天才ってのは恐ろしい。コイツはエルと同じタイプだ!


「こうなったら、僕もとっておきを使わざるを得ない。」


 まさか、あの技を使うつもりなのか? もしそうだとしたら、どうやって凌ぐ? どうやって防ぐ? 一回見たぐらいでは対策のしようがない。どうする?
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