74 / 331
第2章 はぐれ梁山泊極端派【燃えよ、十字剣!!】
第74話 葉っぱ踏み踏み、踏ん張りズム!?
しおりを挟む
「けっかはっぴょ~~!!! ゆーしゃは結局、優勝出来ませんでしたぁ!!」
戦いは終わった。ミヤコが残酷にも俺の傷口に塩をすり込むようなマネをする。ルール上で言えば、間違いなく、限りなく俺は高得点だった……はずなのだが。トップのハンバーグ仮面とはほぼ1000点近い差を付けられてしまった! あんなのありかよ! 全部、ゲス王のせいだぁ!!
「そして、ワンちゃん! 失格とはどういうことだ! 負け犬め! 恥を知れ!」
「しょぎゃわわーーーん!!?」
タニシはお馴染みの奇声を発して、バタンと倒れた。犬人のタニシに負け犬とか言ってやるなよ。このままだと、犬死にしてしまうぞ! 凡ミスで失敗しただけなのにやりすぎ。
「さすが、タニシパイセンっすね! 俺っちにはマネできないッス! さすがッス!」
ちょっと待て! お前も失格退場だったろうが! 退場どころか追放・出禁みたいになってたクセによう!
「まあまあ、飛び入りで参加したんだから、しょうがないよ。ちゃんと準備してたら、三人とも優勝とかしてたはずだから。」
「エルるんは甘いなあ。男なんて麦と同じだよ。踏みつけてやんないと強くならないから!」
エルにお咎めを受けるも、ミヤコは言いながら倒れたタニシを踏みつけている。しかし、タニシは嬉しそうにしている! 確かに強くなってるかもしれないな。ヤツの性癖が!
「姐さん、イイコト言うッスね! 踏みしめ、ストンピングが最強ッスよ! 追い打ちのダメだしッス! これぞ踏ん張りズム、っすよ!」
またまた話の内容が噛み合ってない。勝手に追い打ちの話にするな。何が踏ん張りズムだ!
「もういいだろ、終わったことなんだし、今日の宿を探しに行くぞ!」
元々、コンテストに出るつもりでここにやってきたワケじゃない。クルセイダーズ本部を訪問しに来たんだ。気持ちを切り替えよう。
「フフフ。貴公には愉快なお友達がいるんだな。」
突如、キザな雰囲気を纏わせた声が聞こえた。声のする方向に目を向けると、ハンバーグ仮面がいた。
「なんだお前、負けた俺らを冷やかしにでも来たのか?」
「別れる前に挨拶くらいしておきたいと思っていたので、ね。」
コンテストの授賞式の後、コイツはファンの女の子たちに囲まれ、その対応に追われていたのだ。特に俺はコイツとは話したいことはなかったので、割とすぐに会場を離れた。以前から知り合いだった力士と再戦を誓い合ったぐらいで、他の出場者との交流はしなかった。
「挨拶って何だよ?」
「フフフ、近いうちにまた会うことになると伝えておきたかったのさ。とある場所でね。」
「は? 何言ってんの、お前?」
ハンバーグ仮面と近いうちに再会? いやいや別にお前なんかに用はないから。ハンバーグ協会とかに行くわけではないからね。あくまでクルセイダーズ本部に用があるのだ。いっつも年がら年中、ハンバーグのこと考えてるわけじゃないからね。お前と違って。
「フフフ、きっと驚くこと……、」
「おおっ! アンタがハンバーグ仮面? 服のセンスはまあまあいいけど、仮面はちょっとダサくない?」
ハンバーグ仮面が言いかけたところで、ミヤコが乱入してきた。イケメンが絡むと必ず前に出てくる。素顔が見えないとはいえ、コイツのイケメンセンサーはかなり正確なのは確かである。あちこちの町や集落に立ち寄ったときも、どんなところからでもイケメンを見つけ出していたくらいだ。
「お、お嬢さん……、」
声をかけられたハンバーグ仮面の様子がおかしい。体が硬直したかのように、背筋がピーンと伸び、動きも硬くなっている。妙に緊張している。
「いけない、お嬢さん! そんな、は、は、はしたない格好をしていてはいけない!」
「は? 何? 別にいいじゃん! この方が格好いいでしょ!」
ファンの女の子に囲まれても平気だったクセに急におかしい挙動になった。たしかにミヤコみたいな派手で、露出の激しい服装の子なんてほぼいないに等しい。刺激が強すぎたんだろうか?
「貴女のような女性にはエレガントな服装が似合うはず! そうに違いない!」
「ええ~? 十分エレガントじゃん?」
ミヤコは言いながら、ずいとハンバーグ仮面に近付いて挑発する。露出している部分を見せつけるかのようだ!
「う、うぶうっ!?」
ハンバーグ仮面はたまらず、奇声を発しながら、後ずさりしてミヤコとの間合いを離した。顔を見ると、仮面の下の隙間から赤い液体がポタポタ垂れている。加えて片手で股間を隠している。しかもちょっと前屈み。これは……。
「うわぁ! だっさ! なに後ずさりしてんの? カッコ付けてるクセにもしかして、女に免疫ないんじゃない?」
「そ、そ、そんなことはない! 決してない! 僕に限ってそのようなことはありえない!」
言ってやるなよ。めちゃくちゃ動揺してるじゃないか。そういうお年頃なんだから、からかうのはやめてやれ。
「とにかく、勇者、また会おう! さらばだ!」
「お、おう……。」
ハンバーグ仮面はそそくさと逃げるようにして立ち去った。不自然な格好でフラフラしながら。
「かっこわる! だっさいなあ! アイツ絶対、童○だろ!」
「もうやめとけ。聞こえてないだろうけど、それ以上はいけない!」
ミヤコは情け容赦なかった。言っていいことと悪いことがある。男にそんなこと言うなよ。お前だって、イケメン好きなクセに男と付き合ったことないんだろ……。エルから聞いたから俺は知ってるぞ。
戦いは終わった。ミヤコが残酷にも俺の傷口に塩をすり込むようなマネをする。ルール上で言えば、間違いなく、限りなく俺は高得点だった……はずなのだが。トップのハンバーグ仮面とはほぼ1000点近い差を付けられてしまった! あんなのありかよ! 全部、ゲス王のせいだぁ!!
「そして、ワンちゃん! 失格とはどういうことだ! 負け犬め! 恥を知れ!」
「しょぎゃわわーーーん!!?」
タニシはお馴染みの奇声を発して、バタンと倒れた。犬人のタニシに負け犬とか言ってやるなよ。このままだと、犬死にしてしまうぞ! 凡ミスで失敗しただけなのにやりすぎ。
「さすが、タニシパイセンっすね! 俺っちにはマネできないッス! さすがッス!」
ちょっと待て! お前も失格退場だったろうが! 退場どころか追放・出禁みたいになってたクセによう!
「まあまあ、飛び入りで参加したんだから、しょうがないよ。ちゃんと準備してたら、三人とも優勝とかしてたはずだから。」
「エルるんは甘いなあ。男なんて麦と同じだよ。踏みつけてやんないと強くならないから!」
エルにお咎めを受けるも、ミヤコは言いながら倒れたタニシを踏みつけている。しかし、タニシは嬉しそうにしている! 確かに強くなってるかもしれないな。ヤツの性癖が!
「姐さん、イイコト言うッスね! 踏みしめ、ストンピングが最強ッスよ! 追い打ちのダメだしッス! これぞ踏ん張りズム、っすよ!」
またまた話の内容が噛み合ってない。勝手に追い打ちの話にするな。何が踏ん張りズムだ!
「もういいだろ、終わったことなんだし、今日の宿を探しに行くぞ!」
元々、コンテストに出るつもりでここにやってきたワケじゃない。クルセイダーズ本部を訪問しに来たんだ。気持ちを切り替えよう。
「フフフ。貴公には愉快なお友達がいるんだな。」
突如、キザな雰囲気を纏わせた声が聞こえた。声のする方向に目を向けると、ハンバーグ仮面がいた。
「なんだお前、負けた俺らを冷やかしにでも来たのか?」
「別れる前に挨拶くらいしておきたいと思っていたので、ね。」
コンテストの授賞式の後、コイツはファンの女の子たちに囲まれ、その対応に追われていたのだ。特に俺はコイツとは話したいことはなかったので、割とすぐに会場を離れた。以前から知り合いだった力士と再戦を誓い合ったぐらいで、他の出場者との交流はしなかった。
「挨拶って何だよ?」
「フフフ、近いうちにまた会うことになると伝えておきたかったのさ。とある場所でね。」
「は? 何言ってんの、お前?」
ハンバーグ仮面と近いうちに再会? いやいや別にお前なんかに用はないから。ハンバーグ協会とかに行くわけではないからね。あくまでクルセイダーズ本部に用があるのだ。いっつも年がら年中、ハンバーグのこと考えてるわけじゃないからね。お前と違って。
「フフフ、きっと驚くこと……、」
「おおっ! アンタがハンバーグ仮面? 服のセンスはまあまあいいけど、仮面はちょっとダサくない?」
ハンバーグ仮面が言いかけたところで、ミヤコが乱入してきた。イケメンが絡むと必ず前に出てくる。素顔が見えないとはいえ、コイツのイケメンセンサーはかなり正確なのは確かである。あちこちの町や集落に立ち寄ったときも、どんなところからでもイケメンを見つけ出していたくらいだ。
「お、お嬢さん……、」
声をかけられたハンバーグ仮面の様子がおかしい。体が硬直したかのように、背筋がピーンと伸び、動きも硬くなっている。妙に緊張している。
「いけない、お嬢さん! そんな、は、は、はしたない格好をしていてはいけない!」
「は? 何? 別にいいじゃん! この方が格好いいでしょ!」
ファンの女の子に囲まれても平気だったクセに急におかしい挙動になった。たしかにミヤコみたいな派手で、露出の激しい服装の子なんてほぼいないに等しい。刺激が強すぎたんだろうか?
「貴女のような女性にはエレガントな服装が似合うはず! そうに違いない!」
「ええ~? 十分エレガントじゃん?」
ミヤコは言いながら、ずいとハンバーグ仮面に近付いて挑発する。露出している部分を見せつけるかのようだ!
「う、うぶうっ!?」
ハンバーグ仮面はたまらず、奇声を発しながら、後ずさりしてミヤコとの間合いを離した。顔を見ると、仮面の下の隙間から赤い液体がポタポタ垂れている。加えて片手で股間を隠している。しかもちょっと前屈み。これは……。
「うわぁ! だっさ! なに後ずさりしてんの? カッコ付けてるクセにもしかして、女に免疫ないんじゃない?」
「そ、そ、そんなことはない! 決してない! 僕に限ってそのようなことはありえない!」
言ってやるなよ。めちゃくちゃ動揺してるじゃないか。そういうお年頃なんだから、からかうのはやめてやれ。
「とにかく、勇者、また会おう! さらばだ!」
「お、おう……。」
ハンバーグ仮面はそそくさと逃げるようにして立ち去った。不自然な格好でフラフラしながら。
「かっこわる! だっさいなあ! アイツ絶対、童○だろ!」
「もうやめとけ。聞こえてないだろうけど、それ以上はいけない!」
ミヤコは情け容赦なかった。言っていいことと悪いことがある。男にそんなこと言うなよ。お前だって、イケメン好きなクセに男と付き合ったことないんだろ……。エルから聞いたから俺は知ってるぞ。
0
お気に入りに追加
12
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
無能を装って廃嫡された最強賢者は新生活を満喫したい!
えながゆうき
ファンタジー
五歳のときに妖精と出会った少年は、彼女から自分の置かれている立場が危ういことを告げられた。
このままではお母様と同じように殺されてしまう。
自分の行く末に絶望した少年に、妖精は一つの策を授けた。それは少年が持っている「子爵家の嫡男」という立場を捨てること。
その日から、少年はひそかに妖精から魔法を教えてもらいながら無能者を演じ続けた。
それから十年後、予定通りに廃嫡された少年は自分の夢に向かって歩き出す。
膨大な魔力を内包する少年は、妖精に教えてもらった、古い時代の魔法を武器に冒険者として生計を立てることにした。
だがしかし、魔法の知識はあっても、一般常識については乏しい二人。やや常識外れな魔法を使いながらも、周囲の人たちの支えによって名を上げていく。
そして彼らは「かつてこの世界で起こった危機」について知ることになる。それが少年の夢につながっているとは知らずに……。
異世界で買った奴隷が強すぎるので説明求む!
夜間救急事務受付
ファンタジー
仕事中、気がつくと知らない世界にいた 佐藤 惣一郎(サトウ ソウイチロウ)
安く買った、視力の悪い奴隷の少女に、瓶の底の様な分厚いメガネを与えると
めちゃめちゃ強かった!
気軽に読めるので、暇つぶしに是非!
涙あり、笑いあり
シリアスなおとぼけ冒険譚!
異世界ラブ冒険ファンタジー!
チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい
616號
ファンタジー
不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。
大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです
飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。
だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。
勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し!
そんなお話です。
神速の成長チート! ~無能だと追い出されましたが、逆転レベルアップで最強異世界ライフ始めました~
雪華慧太
ファンタジー
高校生の裕樹はある日、意地の悪いクラスメートたちと異世界に勇者として召喚された。勇者に相応しい力を与えられたクラスメートとは違い、裕樹が持っていたのは自分のレベルを一つ下げるという使えないにも程があるスキル。皆に嘲笑われ、さらには国王の命令で命を狙われる。絶体絶命の状況の中、唯一のスキルを使った裕樹はなんとレベル1からレベル0に。絶望する裕樹だったが、実はそれがあり得ない程の神速成長チートの始まりだった! その力を使って裕樹は様々な職業を極め、異世界最強に上り詰めると共に、極めた生産職で快適な異世界ライフを目指していく。
外れスキル《コピー》を授かったけど「無能」と言われて家を追放された~ だけど発動条件を満たせば"魔族のスキル"を発動することができるようだ~
そらら
ファンタジー
「鑑定ミスではありません。この子のスキルは《コピー》です。正直、稀に見る外れスキルですね、何せ発動条件が今だ未解明なのですから」
「何てことなの……」
「全く期待はずれだ」
私の名前はラゼル、十五歳になったんだけども、人生最悪のピンチに立たされている。
このファンタジックな世界では、15歳になった際、スキル鑑定を医者に受けさせられるんだが、困ったことに私は外れスキル《コピー》を当ててしまったらしい。
そして数年が経ち……案の定、私は家族から疎ましく感じられてーーついに追放されてしまう。
だけど私のスキルは発動条件を満たすことで、魔族のスキルをコピーできるようだ。
そして、私の能力が《外れスキル》ではなく、恐ろしい能力だということに気づく。
そんでこの能力を使いこなしていると、知らないうちに英雄と呼ばれていたんだけど?
私を追放した家族が戻ってきてほしいって泣きついてきたんだけど、もう戻らん。
私は最高の仲間と最強を目指すから。
【書籍化】パーティー追放から始まる収納無双!~姪っ子パーティといく最強ハーレム成り上がり~
くーねるでぶる(戒め)
ファンタジー
【24年11月5日発売】
その攻撃、収納する――――ッ!
【収納】のギフトを賜り、冒険者として活躍していたアベルは、ある日、一方的にパーティから追放されてしまう。
理由は、マジックバッグを手に入れたから。
マジックバッグの性能は、全てにおいてアベルの【収納】のギフトを上回っていたのだ。
これは、3度にも及ぶパーティ追放で、すっかり自信を見失った男の再生譚である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる